7.《ネタバレ》 ――我々の棲む世界は残酷なもの。
その残酷で非情な世界を原作のウシジマくんは淡々と描いている。
「こんな酷い事ってあるのか?」と原作版のウシジマくんを読んだ者は思うだろう。
しかしながら、実在する。
泣きたくなるが残念ながら、実在する。
我々の平穏な生活の裏に、間違いなく人間の邪悪な部分を開眼させ、法の中で暗躍、そして巡行する世界があるのだ。
さて、映画版のウシジマくんである。
今回はpart3について、だけども、この3作目を一言で評価すると…
「逢沢りな役の白石麻衣が可愛かった」に尽きる。
いや、マジで!
だって、あんなにビューティーなのにキュートなんだぜー?
綺麗なのに可愛い、可愛いのに奇麗。
それって男の心を射抜くには十分すぎる最終兵器と思うんだけどもどうだろ?
ああ、まいやん…君はなぜまいやんなの?
あの美しい中に見える芯の通った意志と、輝かんばかりの柔らかな笑みに参らない男って言るんだろうか?
いえ、居ません!断言します!人類ならば!(ご意見無用)
――さて、正気に戻ります。
だが、白石麻衣が可愛いと述べたのは…半分茶目っ気でありつつも、だ。
実はこの作品を観た感想の本質でもある。
上記でも述べたようにウシジマくんの世界はアンダーグラウンドである。
残酷な世界…そしてそこで暗躍する「喰う者・喰われる者」を淡々と描いている。
白石麻衣が演じる「逢沢りな」はまだ駆け出しのモデルではあるが、いつかショービズの華やかな世界での活躍を夢見てる女性だ
彼女も「上を目指し成功したい。」という願いつつも、「(超胡散臭い)ネットビジネス」で昇り詰めようとする本郷奏多が演じる真司に対して「自分の生き方を命がけで貫く人が好き」の発言など、成功には自分に課した美学やら掟などもあるのが伺える。
真司は文字通り(如何わしい世界だが)ネットビジネスで人を食い物にしながらも、(無駄に)命を削って、上へ上へと昇り詰めてゆく。
そして、ついには(一時の)成功と共に、りなと結ばれたが、虚栄ビジネスの終着地点か?ついに破滅してしまう。
その真司はネットビジネスでの転落のあと、どこかの田舎で初心に帰り「農業の収穫体験」の事業を起こす。
虚栄と言えど、一時は億単位の金を動かしていたネットビジネスとは全く違う地味なもの。
細々と地味な農業体験ビジネスは、これは事業といえるのか?と問いたくなるほどの小規模なものだった。
そこに我が白石麻衣が演じる逢沢りなが現れ、ひと時の時間を一緒に過ごし…「またね」とお互いが告げ、別れてゆく瞬間があった。
けど、俺はここで泣いたのだ。
彼女はきっと、真司の仕事を支えようとして、あの場に訪れたのではなかったか?
モデルを目指す者とは思えない、ダサい赤いリュックと格好のりな。
彼女は自分の夢をスピンアウトさせてでも、真司の新たな仕事を支えたかったのではないか?
りなは、真司が畑の持ち主に「こんなので仕事になるの?」と詰められ、説教されるシーンを目の当たりにした。
彼女は真司を助けたい、力になりたい反面「自分の生き方を命がけで貫く人が好き」との思い…
そして、大好きな真司にそうあって欲しいという願いに「今は一緒にいちゃいけない」と苦渋の決断をした…と俺には思えてならないのだ。
”モデルを目指す者とは思えない、ダサい赤いリュックと格好”の彼女が、田舎道を寂しそうに去ってゆく…
それを見た時に、このアンダーグラウンドの世界で、人間らしく生きてゆく一筋の光が見えた気がしたのだ。
そりゃ泣くっしょ!惚れるっしょ!山田孝之が(一瞬)頭から消えるっしょ!
part1での大島優子が演じる鈴木未來もキュートさでは、白石麻衣に引けを取らないモノだった。
だが、大島優子が演じる未來は最終的に(幸運と偶然と少しの意志で)助かりつつも…
彼女はアンダーグラウンドの世界で翻弄されて流される傾向が強かった。
だが、白石麻衣演じる逢沢りなは、その世界で生き抜くための美学、そして飲み込まれ破滅した男を救う意思があったのを忘れてはならない。
もう一度言う。
「逢沢りな役の白石麻衣が可愛かった」に尽きる。(ご意見無用)
結婚してくんねーかなぁ…いや、マジで。(←デンジャーw)