254.《ネタバレ》 クリスチャン・ナイビー&ハワード・ホークスによる「遊星よりの物体x」の神リメイク。
ジョン・カーペンターはホークスの傑作「リオ・ブラボー」にオマージュを捧げた「要塞警察」という傑作を撮っているし、本作もホークスへの尊敬の念を強く感じられる見事な傑作である。
ファーストシーンの謎の円盤からはじまり、物語は南極という陸の密室で展開される。
VHSのデッキか・・・オレもガキの頃はギリギリビデオだったっけか。
謎のヘリ、それから逃げるように走る謎の犬。
「本物の犬では無い(セット的な意味で)」
それにしたってどんだけ射撃下手なんだよ・・・テメえらのせいでコッチの基地にも飛び火だぜ。
音信途絶、オマケに言葉が通じない事の不幸。不幸が重なり、またも悲劇は起きてしまう。
「ゴジラ」といい「キングコング」といい、好奇心は解るけど人が死んでいるという事をもう少し考慮して欲しいもんだ。
「エイリアン」と似たプロセスだが、リメイク元の方がずっとご先祖だし、本作と「エイリアン」は徹底的に違う。
「エイリアン」は他の惑星という、別の宇宙船が助けにくる望みが絶望的にない。
今作は地峡上なので助けがくる望みがある反面、感染が拡大してしまえば地球上にまで拡まってしまう。物体Xは人体に入り込んで“同化”するという。
「既に仲間の一人が同化しているのでは?」
クルー全員が疑心暗鬼だ。緊張感が尋常ではない。
嵐の前の静けさ・・・そして次々と巻き起こる物体Xの恐怖。
犬好きが見たら発狂しそうな場面、
ある者は本当に狂い、
1人、また1人散っていく仲間たち。
物体Xの造詣がスゲーリアルで吐きそう。(褒めてる)
ドクターの判断は正しかったのか間違っていたのか。
“検査”のシーンは心臓バクバクだったよ。解っていてもこの恐怖、この面白さ。
どうせ死ぬなら道連れにしてやらあっ!吹っ飛べクソ野郎があっ!!
南極の空にあがる巨大な爆煙、それで助けが来るか来ないのか。あとは神のみぞ知るところ・・・。
カーペンターの良心は、この場に女性を巻き込まなかった紳士的なところにあるのかもな。(何じゃそりゃ)