82.《ネタバレ》 続編の「ハスラー2」が、若き日のトムクルーズ主演で、一般大衆受けのする作品なのに対して(見てませんが)、本作は、随分と雰囲気が異なり、勝負師の狂気であったり、メンヘラ恋人の心の闇であったりが、あまり暗くなることなく、あっけらかんと表出していて(このバランス感覚が面白いなと思いました)、英語で表現するなら”perverted”、”twisted”、”crippled”、異常で、捻れていて、傷物の世界であり、続編に比べると大衆受けしそうにない作品だなと思いました。派手なアクションはまったくなく、ビリヤードのショットや、勝負師の表情を延々と映すなど、表現としてはかなりストイックです。9割方のシーンが屋内なのですが、60年代らしいモダンな雰囲気が美しいです。ポール・ニューマンは、まだ若く、渋みがなくて、薄っぺらい感じですが、そこがかえって役に合っていて良かったと思います。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-02-25 17:31:05) |
81.《ネタバレ》 自分は大昔に少しビリヤードをやったことがあったけど、おそろしく下手くそでつくづく才能がないと凹んでしまった記憶があります。この映画では“プール”と“ビリヤード”という二種類の競技が登場しますが、競技自体にはほとんど焦点を合わせない撮り方をしているためにその違いはさっぱり判らない。ハスラーというのはどちらかというと裏街道の世界に属するプロで、日本で言うと雀荘に巣くうプロ雀士やパチンコ世界のパチプロみたいな存在みたいですかね。 60年代のハリウッドは中盤からはニューシネマの時代になるけど、この60年代の幕が開いたところで誕生した本作こそ、ニューシネマの先駆けとなったんじゃないかと自分は思っています。暗いながらも鮮明なモノクロ撮影で音楽もほとんどなしで淡々と進行し、ほとんどカタルシスを与えることのないラスト、50年代にはほとんど存在しなかったパターンの映画ですね。そして同じく60年代の特徴であるアクターズ・スタジオ出身俳優の活躍の掉尾でもあり、ポール・ニューマンも本作から演技派としての名声を高めることになってきます。またこの映画の凄いところは、ニューマン、パイパー・ローリー、ジョージ・C・スコット、ジャッキー・グリーソンという主要キャストが全員オスカー演技賞にノミネートされたということ。ジャッキー・グリーソンなんて本来はコメディアンというか芸人で、映画でのシリアスな演技は本作だけなんですからねえ。個人的にはやはりアクターズ・スタジオ出身のパイパー・ローリーのメンヘラ・アル中気味のヒロインに引き付けられました、彼女は本作以降76年の『キャリー』まで映画出演がなかったってのはほんと勿体なかったです。でもやっぱミネソタ・ファッツは、気が付いてみればほとんどセリフがなかったけど、渋すぎですよ。彼こそは映画史上最高のデブキャラだと確信した次第です。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2022-11-12 23:12:46) |
80.《ネタバレ》 かなり辛口の男っぽい大人の映画。 ストーリーとセリフに深みがあって良いのだけど、長いし主人公がダメダメなところもあるし、ヒロインが可愛くない、黒幕がヤバすぎなど微妙なところが多い。緊張感のあるビリヤードシーンはさすがに見応えがある。 【mhiro】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-01-16 19:28:40) |
79.《ネタバレ》 モノクロの雰囲気のある男匂いのする映画。ニューマンが、良い。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-01-28 22:54:03) |
78.破滅ギャンブラーの典型的な物語。天才的な才能を持ち合わせるも、ギャンブルが止めれない、酒で気が大きくなり、そして女を泣かすという非常に判り良い。ニューマンはカッコいいがだらしない役を上手く演じていた。女が最後まで悲劇的。面白かった。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 8点(2019-01-20 23:05:48) |
77.60年代「ポール・ニューマン時代」到来を予感させる、クールでスタイリッシュな佳作。それ以前50年代の彼はルックス的にも演技的にも、まだ青臭いというかのっぺりしていてそれほど魅力を感じなかったんですが、この作品あたりから俄然アウトロー的ハイブロウな男臭さが漲ってくるんです。そっち系の魅力が頂点に達したのが「暴力脱獄」。結果的に続編「ハスラー2」でオスカーをゲットした訳ですが、その後最後にアカデミー主演男優賞にノミネートされた「ノーバディーズ・フール」。ここでのレビュー数も多くないので、メジャーな作品とは言えませんが「ハスラー」「暴力脱獄」の主人公が、もし老齢まで長らえたらこんな風に年を重ねたんじゃないのなあ・・・なんて、想像できそうな滋味溢れる名演を見せてくれてます。この映画や、60年代の作品群で彼のファンになられた方はご一見を!映画とは全く関係ない話ですが、昔「ポール・ニューマン監修のサラダドレッシング」っていうのが販売されていました。自分が大学時代、吉祥寺某高級スーパーで初めてバイトを経験した時、一番最初に棚出ししたのが、彼独特の、あの眩しそうに目を細めた満面の笑みがラベルに貼られていたこのドレッシングだったんです。・・・あれ、一度は買って試食してみるべきだったかなあと、今でも後悔してます。オチも何もない、つまらない思い出与太話でレビューを締めくくり大変申し訳ありません! 【放浪紳士チャーリー】さん [地上波(吹替)] 7点(2018-10-31 23:45:33) |
★76.《ネタバレ》 ロバート・ロッセンは数々のフィルム・ノワールの脚本を手掛け、自身も「ボディ・アンド・ソウル」という傑作を残している。 この映画も最初見たときはもう一押欲しいと思っていたが、再見して印象が変わった作品の一つだ。 ビリヤードに命を賭ける玉突き師(ハスラー)の生き様を描いた作品。 ビリヤードでのギャンブル生活に生き甲斐を感じる主人公は、ポーカーよりも競馬よりもビリヤード。 己の腕で玉を弾く快感に深酔していたと言って良い。 相手がマフィアだろうとゴロツキのたむろする酒場だろうと、女だろうと実力で何とかなると思い込んでいた。 実力は折り紙付きだが、思い上がるその性格は彼を孤独にしていた。 それが「痛い目」に何度も遭い、彼女の健診、或る賭博師との出会い、数々の試練を乗り越えて徐々に成長していく。 人間として成長していく彼だが、所詮ギャンブルは命を賭けた大博打。 一回でも手元が狂えば、身内すらも狂わせていく。 主人公は賭け事よりも大切な物を失ってしまう。 深い絶望、乗り越えた「試練」、吹っ切れた男にもう迷いはない・・・男は玉を弾く、弾く、弾く・・・。 ポール・ニューマンの挫折と成長を交えた人間像が良かった。 序盤は延々と玉突きの場面で、しかも飛ばし飛ばしと欲求不満になりそうなシーンが続いて少々退屈だが、徐々にエンジンが温めていく展開は良く出来ていたと思う。時折見せる華麗なショットも手伝って。 だけど、もっとポール・ニューマンたちのショットを、猛烈な特訓の成果をもっと映像で見たいなと思った。 シドニー・キャロルの脚本はフィルダー・クック監督の「テキサスの五人の仲間」で堪能した。 アレが面白かったからこそ「ハスラー」を見ようと思ったし、「ハスラー」から見ていたら恐らく「テキサスの五人の仲間」は見ていなかったと思う。 だが、この映画が本当に面白いのは「何度折られようとも挑み続ける不屈の精神」なのかも知れない。 挫折に次ぐ挫折で絶望の淵、諦めかけていたところに最愛の女性や師匠と呼べる男の支えもあって徐々に闘志を取り戻していく。 彼の“指”がそれを強く物語る。あの1本1本に彼の魂が宿っていくというか・・・。 束の間のピクニックのシーンは心打たれる名場面の一つです。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-08-01 23:21:16) |
75.ある愚かなギャンブラーの物語。若い頃はポール・ニューマン演じるエディーのダメっぷりがカッコ良くてカッコ良くてたまらなかったのだが、歳を重ねてから再度鑑賞すると、外見はともかくファッツがカッコ良いい! 【movie海馬】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-05-07 21:40:56) |
74.《ネタバレ》 男のために作られた男の映画って感じだ。 初めの戦い、エディがミネソタ・ファッツと何十時間もビリヤードで勝負する様は観ているこちらも疲れを感じてしまう。 そして、早朝のカフェでのエディとサラの会話。お互いアルコールに頼った人生を送っている、それだけで男女関係が生まれる時代背景。モノクロ映像が、このドロドロした関係を更に際立たせている。 サラがエディを暗黒の世界から救い出そうとするも、エディがわかるのは彼女が死んでしまった後。 最後のビリヤードはもう関係ない。 エディとバートのやりとりは、私が観たどの映画よりも緊迫感があふれている。間にいるファッツはもう完全な脇役。 エンディング、ビリヤードには勝てたが、人生の勝負には負けたエディ。しかし、一人残されたバートの姿は、どうみても勝者には見えなかった。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2013-03-12 23:49:39) |
73.《ネタバレ》 負けが込んで来たときに、洗顔で仕切りなおして流れを変えたミネソタ・ファッツがカッコ良過ぎ。 対して主人公エディ君は、引き際を逸するわ、酒に溺れるわ、セックスに逃げるわ、場末のプールで指を折られるわ、というテイタラク。彼、賭け事に向いていないんじゃあないかな。 博打打の悲哀を描いた、という点には評価できるけど、残念なまでに野暮ったい。 【aksweet】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-12-31 23:41:44) |
|
72.《ネタバレ》 今観ると、少し長いような…。 粋がってる男の成長物語かと思わせつつ、あんまり成長しない主人公。 大負けしても友と別れても女と出会っても指折られても、 相変わらず「もう少しで勝てたのに~」が続く。 「人生、大切な事は、勝ち負けじゃない」とか「金じゃない」とか悟る訳でもなく、 結局「ほら、最後には俺が勝ったぜ~」という結末。 結局「ハスラーは、こんな生き方しか出来ません」というダメ男の物語。 金持ちにも勝ち、ファッツにも勝ち、最後に少し苦悩を言うが、 「俺(達)が彼女を死なせてしまったんだ~」いや、遅いよ。遅過ぎる。 【じょるる】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-12-15 18:28:17) |
71.ギャンブルを扱った娯楽映画という印象を受けてしまうが、ドラマ要素が非常に強い作品。 主人公エディの苦悩や葛藤がよく描かれており、またヒロインもうまくストーリーに絡んできて、シナリオの出来がいいです。 ラストは娯楽要素がやや強くなってしまったけど、これは一応見せ場ということで仕方がないのかな。男性には特にお薦めの映画。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-11-18 17:46:18) |
70.ビリヤードのルールが全く分からない自分でも見れる内容になってて、安心しました。 【ケンジ】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2012-01-10 12:02:41) |
69.男の哲学を描いたなかなか深い映画だと思う。ミネソタファッツのような寛容で物事に動じない男にも憧れるが、その時その時を全力で駆け抜けるエディみたいな刹那的な生き方にも憧れる。 【カタログ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-10-14 10:17:41) |
68.「プレイヤー」がいて「元締め」がいて「女」がいる。ザッツオール。 【michell】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-04-28 23:47:24) |
67.酒が飲めないうえギャンブルもしない私にとっては、まったく縁もゆかりも関心もない世界の話でした。ジャッキー・グリーソン演じるミネソタ・ファッツがイカしてた。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-25 19:23:25) |
66.《ネタバレ》 うーん、辛口な大人の映画。サラの最初の印象は難しそうな美女って感じなんだけど、話が進むにつれて彼女の儚く屈折して女性らしい性格が分かってきます。エディはそんな彼女に対して、愛というよりも深い共感と同情、それと自分がその気になれば彼女を救えるという感情があったんじゃないかと思います。しかし彼女の求めるものは分かっていながら、自分のハスラーとしての情熱を捨てきることが出来ずに結局最悪の結末を招いてしまいます。多分私が10代だったらこの映画はよく理解できなかったと思うのですが、それなりの歳になって見たおかげで二人の心情をしみじみと感じることができました。 【54dayo】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-02-01 21:57:57) |
65.《ネタバレ》 いくらカッコイイとは言っても、ギャンブラーなんて所詮付き合っている女性からしてみれば、pervertedでtwistedでcrippledなんだろう。その通りだと思います。 バーテンダー役のジェイクラモッタって"レイジングブル"のあの人か!ちょっと興奮した。 【虎尾】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-01-08 02:50:16) |
64.男の世界、正にそんな感じの映画!勝負にかける男の生き様、勝負の世界における男の厳しさ、そういう人物を演じさせるとポール・ニューマンというこの俳優の右に出る者はいないのではないだろうか!画面全体のモノクロの映像美と流れるジャズの音楽がこの男の世界にピタリと合っていて、雰囲気は良いけれど何か物足りない。役者の演技で見せる映画というそんな映画だと思いました。 【青観】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-09-22 17:19:53) |
63.勝負、人間模様、恋愛模様、何れも雰囲気は漂いながら今ひとつ惹き込まれていけないもどかしさを感じる作品でした。 |