53.《ネタバレ》 カーク・ダグラスなので3人の処刑回避とアドルフ・マンジューをぶちのめすのを期待したけれど、そんな安い話ではありませんでした。観るに堪えない将軍二人の言動は絵空事であって欲しいと心底願うのですが、実話であって1975年迄フランスでは上映禁止だったそうで。ドン引きです。短い尺に収めきった不条理な人間模様、生死紙一重の突撃模様。当時29歳スタンリー・キューブリックの仕事ぶりに脱帽です。 そして彼に活躍の場を与えたカーク・ダグラスにも感心するところです。 |
52.《ネタバレ》 トカゲのしっぽ切り。おだてて乗せて、言うこと聞かせる。命令のためにモラルを捨てる。理不尽な話し合い(裁判)。洋の東西を問わず。今昔も問わず。こんな事ばっかりやってるんだ。俺たちって。戦時下では、それが容易に生き死にに直結するだけのこと。いやいや、それは大きな違い。だから戦争状態に入っちゃいけないんだ。どうせまた、こんな非人間的だか、極めて人間的なのか分からないアレコレになっちゃうんだもの。「突撃」という邦題は疑問。「栄光の小径」のほうがアイロニカルで良かったんじゃないの。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-01-16 06:43:20) |
51.キューブリックの真意はわからんがフルメタルジャケットと並ぶ最高の反戦映画と呼ばれている。 モノクロに関わらず塹壕戦は凄まじい臨場感。けれども戦場シーンは少なく軍法会議中心で法廷要素強し。 組織の批判映画だよね、ダイレクトに感じた。 |
50.《ネタバレ》 こんな士官の元で兵隊やらされて、無駄に殺されて、生き残ったら理不尽にも軍法会議にかけられて銃殺。やってらんねーよ!こういうリスクが戦争にはあるわけで、むしろ戦闘よりも恐ろしいのかもしれません。インパール作戦みたいな無残な戦闘に参加させられたら…日本軍は補給を重視していなかったようですから、処刑前にごちそうなんて食べられなかっただろうし、本当に怖い。…という感想を持ったわけですけど、キューブリックが本当に伝えたかったメッセージは少女の歌声に涙を流す兵士たちの姿を通して語られているのでしょうね。作中のようなむごたらしい出来事があって、士気が下がっている兵士たち。暴力的な欲望に駆られ、舞台上の少女に対し獣のような視線をぶつける。でも、少女が泣きながらドイツ語で歌を歌い出すと、言葉の意味はわからなくてもなぜか泣けてくる。「軍隊にいる奴はろくでなしばっかりだ!」という物語の最後にこのシーンがあることの意味は大きいと思います。つまり、兵士は全員兵士として生まれてきたわけじゃない。一般人だったんです。処刑される前に「もう二度と妻に会えない」とむせび泣いていた髭面の兵士も、部下を見殺しにして目撃者を抹殺しようとしたクズも、普通の人間なんです。だから、クズは自らが処刑に立ち会うことをためらった。この映画は決して反戦映画ではありません。 【カニばさみ】さん [レーザーディスク(字幕)] 7点(2015-04-21 20:17:37) (良:1票) |
49.《ネタバレ》 戦争が、いかに人間を愚かな方向に導くかということを痛感させられる映画でした。日本もそうでしたが、戦争になれば、理不尽な命令や滅茶苦茶な裁判、見せしめの処刑なども当たり前、真っ当な理屈がまかり通る状況ではありません。もちろん、兵士の命などどうでもいいんです。処刑される一人が「なぜ何もしていないオレが殺されなきゃならないんだ」と泣き喚きますが、同情する気にはまったくなれません。理由はどうあれ、戦争に参加したということは、相手を殺します。まだ殺していなくても、そういう状況になれば、相手と殺し合いを繰り広げます。そういう人が「何もしていないのに殺さないで」などど言わないでほしいですね。もちろん誰も好き好んで戦争に参加しているわけではありませんが、戦争に参加して死ぬくらいなら、戦争を止めようとして死んでいく方がよほど「名誉な死」、キューブリックが言いたかったことって、こういうことなのでは?と、見終わってふと頭を過りました。キューブリックの作品、そんなにたくさん見たわけではありませんが、キューブリックって「いい映画を作る」ことより、自分のメッセージを、いかに強く伝えるか。そのために映画を作ってるんじゃないか、と思える作品でした。 【ramo】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-03-01 21:35:16) |
48.《ネタバレ》 選ばれた三人の処遇を予定調和の中に置かない。今となっては何も珍しくもないが、無表情ながら若干の狂気も垣間見せるK・ダグラスの演技と共にしびれた。 |
★47.《ネタバレ》 第一次大戦の戦場を描いたキューブリックの傑作。 前半は戦場での死闘、後半は組織の腐敗や戦争そのものの不条理を描いていく。
冒頭は二人の将校の会話からはじまる。 そこから塹壕で戦う兵士を視察しに出掛ける。
「やあ、ドイツ兵を殺す覚悟はできているか兵士諸君?」 「椅子に座った奴などに戦いを理解できんよ。 “机上”で戦う奴にもだ」
言っている事はご立派、だが実際は現場の事情を知らずに味方を発砲しようとするようなクソ司令官だ。
突撃前の偵察任務。ピストル一つで敵が潜むかも知れない陣地に近づく緊張感みなぎる場面。照明弾の不気味さ、上官はビビッてトンズラ、味方に殺されるこの不条理よ!
さっきまで本音で口論していた二人、上官がきたら建前を通さなきゃならない。
突撃作戦時の戦慄。敵のアリ塚をブン奪るために今日も名も無き兵士が死んでいく。 カーク・ダグラス率いる部隊が突っ込んでいく姿は胸が躍る場面でもあるが、同時に事態は急変する。
それにしたってロジェのクソ野郎めっ! こういう奴ほど長生きしやがる。
裁くべき人間を間違えた軍法会議、くじびきで選ばれた“殺される”人間・・・余りに不当だ。 だいたい、どうして敵の陣地を奪ってもいないのに自分の兵士をむざむざ殺さねばならんのだ。
連帯責任の前に、本当の原因を何故追究しようとしないのだろうか。そんな世の中総ての理不尽さを見せ付けられているようだ。 組織が個人を殺す事の残酷さ。爆弾一つで何百人も殺すのと、違うとは言わせない。
死にゆく男たちは最後まで抵抗し、ハラを決めて散っていく。 やり場のない怒り・・・司令官の座を降ろされるくらいで済むと思うなよ。 だが、責任を擦り付け合う奴だけが軍隊じゃない。ルソー大尉みたいな“漢”たちも生き残り、また死んでいくのだ。
酒場で歌う女の歌が、彼らのせめてもの慰めなのだろう。
そして生き残った男たちはまた戦場へと進んでいく・・・。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-12-18 17:47:32) |
46.《ネタバレ》 戦争と軍隊の理不尽さを描いた秀作。あんなんで処刑とかされたらたまったもんじゃないよ。キューブリック監督がこういうのを撮っていたとは知りませんでした。シャープなモノクロ映像にカーク・ダグラスが映えますね~やっぱりこの人はカッコイイですハイ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-11-25 04:32:05) |
45.《ネタバレ》 ミロウ将軍の暴言その1 『ドイツの弾が嫌なら フランスの弾を食らえ! 』 ⇒@嫌だ 自軍の弾に当たって死ねとはなんてコト! 暴言その2 『大佐、君の第10中隊の中から各10人選び、臆病の罪で死刑にするぞ それに値する! 』 ⇒@って臆病の罪ってなんやねん!値しない! 兵士の命を何と思っているんだ。 やるせない思いがMAXに達しますよね。 しかし、見やすい戦争映画ですね 不謹慎で申し訳なく思いますが、面白いです。仏独対戦ながら、英語なのでフランス兵だと全く感じられない。ドイツ兵に関して言えば、望遠レンズに映っていたのか映ってなかったのかさっぱり判らなかったほどの豆粒大。そのヘンの曖昧さこそが楽しめた要因となっていたのかもしれませんね きっとこの先、またいつしか無性に観たくなる時やってくるよな気がいたします。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-11-22 21:31:42) (笑:1票) |
44.《ネタバレ》 軍隊という理不尽組織の真髄を見せられるなあ。あの3人の敵前逃亡罪による処刑はもろに見せしめ。クジで選ばれるとか、もう戦時の狂気の極み。さらに見せしめだと軍にいる全員が解っているのがオソロシイというか、救いが無いというか。 で、カーク・ダグラス大佐はその処刑役に、小隊の隊長を指名するわけだ。同胞を殺して逃げ出し、頬かむりをしている奴に。まあ仕返しというか、罰ですよねこれは。しかし大佐のこの意地悪など可愛いもの。まさか大佐も三人を救うべく自分の流した情報が、将軍自らの弾除けに使われるとは夢にも思ってなかっただろうな。カーク・ダグラスのびっくり顔ったら。 狸将軍の上に大狸アリ。温厚そうな外見は百戦錬磨の狸の為せる業ということか。 フランスの地だけあって軍が接収した建物が瀟洒で美しい。優美な曲線の中で行われる軍法会議。このミスマッチな画面、強烈な印象を残します。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-05 00:07:59) |
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43.軍隊の異常性と理不尽さに、主人公への感情移入が容易です。ラストの酒場のシーン、ちょっと唐突かな。 【noji】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-14 23:27:15) |
42.《ネタバレ》 反戦映画とは思わなかったですね。国によって違いはあるのでしょうが、軍隊という組織の「軍隊的な性質」を批判した映画という印象です。私は戦場へ出たことが無いから実情は分りませんが、戦争映画の兵隊さんたちが銃弾や砲弾が飛び交う最前線で「突撃」できることが不思議でした。やっぱり本当は恐くて突撃なんかしたくないんですね。本作を観て少し安心しました。でも、戦場では「突撃」命令に背くと色々と面倒が起こる。本作はその面倒を描いた映画。結局は芋づる式に軍隊の偉い人たちの無理強いという構造が改めて明らかになって行く訳だが、上官を批判することを断固として認めない組織だから本当に面倒。カーク・ダグラス大佐の弁護も虚しく、見せしめに殺される兵士たちの気の毒な描写には救いが無い。ラストシーン。そんな殺伐とした場所に身を置いて硬く凝り固まった兵隊さんの心身を、美しい乙女の歌声が解きほぐす。歌の上手下手の話ではない。「状況」によって堰き止められていた涙が流れる。戦争ではありませんが、自分も同種の涙を流しことがあるので気持ちが分かりました。あれは、やせ我慢の決壊ですね。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-01-07 06:23:26) (良:2票) |
41.《ネタバレ》 runtimeが短いのによくまとめたなぁ。キューブリック映画らしい異様な雰囲気のモノクロ映像と鋭い心理を突いた脚本。戦争を皮肉った反戦映画でなんとまぁ、ムカつく上層部で(笑)カーク・ダグラスのポーカーフェイス的な顔が何とも言えず、反抗すれば死が待つという戦争を皮肉ったストーリーは見事。ラスト5分の酒場のシーンはその象徴的なシーンですね、心に響きすぎてなんか複雑な気分になりました。 |
40.《ネタバレ》 初期(雇われ監督時代)キューブリックの最高作です。塹壕の中をカメラが主観視点で進むシーンは、その後作られた第一次世界大戦を扱った映画で良く模倣されています。あの長回しで撮られた悪夢のような突撃シーンでは、カーク・ダグラスが前進するのと共にカメラも彼の姿を追って移動するのですが、ピントがあった映像(パン・フォーカス?)で映し出された周囲の惨状が余りにすごくて、非現実的な感覚すら陥ってしまいます。処刑シーンではキューブリックらしいシメントリーな画面構成が観られますが、その中でも意識不明の兵士を担架に縛り付けてまでして立たせるシーンなどは、軍隊組織の官僚性と非人間性に驚かされますが、かえって滑稽に見える感じもします。ラストの場面で歌うドイツ娘役はこの作品完成後にキューブリックと結婚するスザンヌ・クリスチャンですが、さすがのキューブリックも彼女の撮り方には愛情が感じられます。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-07-11 21:08:49) |
39.泣かせたくはない女がいるから。 それを理由に世界が戦争をやめてほしい、やめたっていいよね。 【norainu】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-07-10 23:31:26) (良:1票) |
38.《ネタバレ》 重々しい処刑シーンがきつかったです。そりゃ何で俺がと思うでしょう。 歌のシーンはしんみりきますが、キューブリック監督こういうシーンも入れるんですね。何か意外だった。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-04-19 23:39:26) |
37.3回目の鑑賞?(2007/5月)。高校時代に観た時の印象はむなしい突撃の恐怖と怒りだった。今観ても同じだ。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-09-03 18:57:18) |
36.5%が味方の放火で死ぬ。最後の仕事に残るのが65%。そのうちの25%がアリ塚を取る。人の命をまるでテレビゲームをやってるかのような感覚に思っていることに衝撃。戦争の不条理さを描いた、素晴らしい反戦映画。 【茶畑】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-03-06 22:12:16) |
35.《ネタバレ》 これだけの内容を90分未満に凝縮してみせた豪腕には感服するが、やはり、主人公の心理描写などはもっとじっくり見たかった気がしないでもない。前半=戦場、後半=法廷ときっちりと色分けがされすぎているのも、何となく作品世界の矮小化につながっているような印象を与える。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-01-21 02:32:31) |
34.《ネタバレ》 既出ですが、やはりフランス人、ドイツ人と特定する必要はなく、むしろ無国籍映画とした方が良かったと思う。そこを除けば、素晴らしい反戦映画。一兵士の弱さ、軍上層部だけが持つ強さ、非常な命令に裁判、そして処刑と、無駄のない展開で一映画としての完成度は高く、公開時20代だったとは思えぬキューブリックの才能が随所に見られる。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-01-20 09:23:42) |