13.《ネタバレ》 最初は「あれ、イエスさん眉毛繋がってるやん」て、そればっかり気になってしまったんですが(笑)、
ずっと見ているうち段々ひき込まれて眉毛のことはあまり気にならなくなりました。
鑑賞していて、私は昔読んだ遠藤周作の「イエスの生涯」「キリストの誕生」という本を思い出しました。
クリスチャンでない自分にとって、奇跡とか復活と言われてもねぇ、という思いからずっとキリスト教は敬遠をしていたわけです。
でも遠藤周作の本を読んだら、奇跡など全く起こせない、一人の非力な人間としてのイエスが描かれていた。
それは驚きだったし、すっと受け入れられるものでした。
本作は、奇跡とか悪魔とかが描かれていたとしてもそれはものすごく淡白な描き方で、悪魔もその辺のおっさんにしか見えません(笑)。
そんなわけで見やすかったことは事実です。ただ、淡白すぎるが故に娯楽的な楽しさとは対極にある映画です。
ラストも復活して洞窟から出てくるのかと思いきや、復活したんですよ〜って姉ちゃんが告げに来て
別のところでイエスが元気に立ってるっていう。要はこっちの方が忠実なんですかね。
「キリストの誕生」の最後は、なぜイエスの死後、弟子たちによって教えが直ちに流布できたのか、
なぜ汎神教のヨーロッパでイエスの教えが信じられるようになったのか、それは大きな謎であるというようなことが書いてあったと記憶してます。
本作を見てると、何もない時代の人たちにとっての言葉の力というのは絶大だったのだろうなという気がしました。
黒人音楽見たいなBGMが使われてたりもしましたが、意外とマッチしてました。