12.《ネタバレ》 なんと、観られないと思っていたら、 YOUTUBEにあった!すごい時代だねぇ。 戦艦ポチョムキンと同じ年に創られた日本の映画。 いやいや、負けてませんよ!海外に・・ 同じころの伊藤大輔の「長恨」完全版も誰かYOUTUBEにアップしてください! 正義と思った行動が裏目に出て、どんどん落ちぶれていく侍。 惚れた女には分かってほしいと思うが、それもならず、転々と人生を渡り歩く。 そこで本物の悪に出会ったとき、初恋の人とも意外な運命。 しかし、やはり、ツイてない人はツイてなかった。 観ている側は、ああ!と落胆しっぱなし。 映画が発明されたとき、当時の映画人が刻みたいストーリーは、人生の残酷さだった。 ポチョムキンもそうだし・・ 逆に言えば、今の世界くらいまで住み良くしたのは、映画の力があったから? 【トント】さん [インターネット(邦画)] 8点(2024-08-28 19:40:49) |
11.《ネタバレ》 YouTubeで見つけて、拝見しました。阪妻演じる平三郎の演技が凄い。悲壮感、無常感が身体全体からひしひしと伝わってくる。正義とは何か?この映画を観ていると考えさせられます。一体、何回捕まるんだよ?観ていてチャップリンのモダン・タイムスを思わずにはいられなくなるぐらい何回捕まっても、逃げ切る阪妻演じる平三郎、そんな平三郎の眼を通して、本当は悪人なのに善人面している奴ら、途中で助けられた相手、治朗三が実はとんでもない悪人だったと知った後の阪妻演じる平三郎の壊れっぷりの凄さ、一体、何人相手に1人戦っては暴れまくった挙げ句、またしても捕まってしまった平三郎が目にした光景の中にかつて自分が愛した女性奈美江が居る。奈美江と奈美江の夫だけは、平三郎を悪人として見ていなかったと分かるシーンは名場面中の名場面、単なるチャンバラ映画を超えて、この映画は人間の矛盾さ、良い奴ぶってる奴が本当は悪人であること。そういう奴らがこの世にはまだまだ沢山居る筈だという強いメッセージを感じることができる凄い映画だ。 【青観】さん [インターネット(邦画)] 9点(2020-11-01 19:32:05) |
★10.《ネタバレ》 脱歌舞伎の剣戟映画の開祖の一つである「雄呂血」。 「日本のグリフィス」こと牧野省三の総指揮、 監督に二川文太郎、 そして阪妻こと阪東妻三郎の驚異的な殺陣! 坂東妻三郎を始めとする俳優陣の演技と殺陣には歌舞伎には無い躍動感が溢れ「歌舞伎なんざブッ壊してやる」というエネルギーが伝わって来る。 バンツマの盟友と言われる「まぼろしの殺陣師」市川桃栗。 彼の破壊的で斬新な殺陣はいかにして生まれたのか。 その真髄に少しでも迫れるのが本作だ。 ジョセフ・フォン・スタンバーグが斬られる人数を数えるのに夢中になったと言われるぐらいとにかく斬りまくる。 オマケにサイレント特有の超早回し映像で、まるで機関銃で一人ずつ狙い打つように斬り倒していく。 坂東妻三郎が松ノ木を背に刀をかまえる場面もほんの一瞬。 その時のバンツマ(坂東妻三郎)が最高にカッコイイ。 絵になる一枚だね。
だが、本当の醍醐味は27分にも及ぶ大立ち回りではない。
一途な恋心が理解されず、誤解を重ねて追い込まれていく平三郎。 人間の本性を目の当たりにする度に、無頼漢に染まっていく平三郎の描写が良い。 奈美江に思いを寄せた後に運命に翻弄されて諸国を彷徨う平三郎。 眼がすわり、ヒゲを生やし、ボロボロになった服を着ながらも歩き続ける力強い姿が素晴らしい。
「世に無頼漢と称する者、そは天地に愧じぬ正義を理想とする若者にその汚名を着せ、明日を知れぬ流転の人生へと突き落とす、支配勢力・制度の悪ならずや」という字幕が語るように、悪党が本当に悪党なのか? 悪党と言われる者が、本当は真面目に生きる人間だったりするのだ。 そして正義と言われる者が、偽善を振舞い悪事を働くような者も世の中には溢れている。 人妻になろうと、平三郎の一途な想いは変わらない。 愛する女を守るため、己の身を犠牲にする覚悟で悪漢を叩っ斬る。 これで平三郎の覚悟は決まった。 散々に斬りまわった挙句、捕縛されて連行されていく平三郎。 民衆には平三郎は悪にしか映らず、奈美江たちには命の恩人なのだ。 その恩人を助けられない奈美江たちの悔しさと哀しみ、平三郎の無念。 解る奴は解ってくれるが、解らない奴は一生理解できない。 それがこの世の中だ。
これほどの作品を発掘し守った人々には、感謝しきれない。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-01-10 19:31:46) (良:2票) |
9.神宮会館でのイベントでオケ付きで鑑賞。 そもそもは清水靖晃の音楽目当てで見たのだが映画自体が非常に面白かった。 むしろオケの音が大きすぎて弁士の声が聞き取りづらかったことも。 【からいもの】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-12-14 12:06:27) |
8.80分という短い尺に加え、頭から最後までスピーディに見せるので、最後まで楽しむことができた。 バンツマがどうこうより、作品としてまず面白いし、出来が良い。 評判だけでイマイチだった『赤西蠣太』なんかよりは、評判に内容が伴っていて、素直に楽しめた。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2008-02-24 17:14:13) |
7.これは、面白い。悪人、善人と世間で決め付けてる人達が、実は違っているのは確かにわかる。しかし、阪妻演じる平三郎みたいな奴は、世渡りの下手な、くそ真面目な変人、と言うような評価をされるのだろうな。映画としては、完成度高いです。それにしても、阪妻の顔でかい。やはり、歌舞伎俳優とかは、大きくないと舞台で見栄えがしないよな。やっぱり、そうだよなあ。まあ、私は俳優じゃないですけど。 【パセリセージ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-04-15 00:38:44) (笑:1票) |
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6.制作年が古いって事で下駄を履かせる必要もなく面白い映画です。確かに平三郎の行動はちょっとハズれてるけど、我々小市民ってこの映画みたくマスコミやら政治やらに踊らされ易いのでは?「指輪物語」の中でトールキンも言っている。「ホントに悪いヤツってのは一見感じが良さそうだ」と。バンツマを始め役者の表情が豊かで、台詞はないのに気持ちが伝わってきますね。大捕物のアクションも魅せる!その上悲劇的なラストシーンで問題提起をすると言うすばらしい映画。↓なるせ様のおっしゃる通り「運命は残酷」。そして「恋は盲目」。 【黒猫クロマティ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-04-13 12:48:48) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 大正の作だからこそ5点、今の物差しで比較するのは無意味だろうし、この時代にしてはという前置きがついて回る作品に思う。まったく何を基準にすればいいのか悩む。個人的には主人公はただの愚か者にしか見えないし、だから悲惨な運命に何の同情もおきない。この時代の映画事情の限界なのかな。ひとつだけおそらく現代に直しても剣劇はすごいとは思う。 |
4.阪妻演じる平三郎ですが、この人には世界の中心で不幸をさけばしてあげたいですね~。見ている私が「誰か助けて下さい!」と画面に向かって言いそうになりました。奈美江さんもお千代さんも人妻におさまっちゃって、そりゃーヤケにもなりますわな。カメラはさすがに据えたショットがほとんどですが、平三郎が逃げるところなどに移動撮影が使われ、ラストの立ち回りを捉えたロングショットはじわじわフレームが動いていて、大人数を1コマにのせ動かすことで、まさしく大立ち回りとなっております。これだけの出演者を揃えたのですよ、と誇らしげなシーンでもありますね。阪妻がにゅ~っとカメラに近付く超クローズアップ、この侍の葛藤、矜持。はたして善事の仮面を被った偽善者=悪人と無頼漢の謗りを受ける浪人=善人の結末やいかに。浪人の刀が理不尽な世をバッサリ斬る、ことができるのかはどうかご覧下さいませ。おろちくお願いいたします。く、く、苦しい~、私がバッサリ斬られそうですな。 【彦馬】さん 8点(2004-08-30 23:54:45) (良:2票) |
3.たぶん今まで見た邦画で一番古いかと。オープニングクレジットが右読みなのがもう驚いた。内容は偽善者とか理不尽とか言ってるけど、主人公が不器用なだけじゃ・・・と思うところも多々ある。少なくとも彼が思ってるように何も悪いところがないのにみたいな被害妄想的な考えが共感しづらい。めちゃくちゃな理論で正当ぶるのは面白かったけど。最後の殺陣よりも大捕物の描写がおもしろかった。町内鬼ごっこみたいな壮大さがあった。 【バカ王子】さん 7点(2004-07-28 01:32:53) |
2.すてぃんぐ様ってば、"共和党が民主党を叩きのめす"って、違うでしょうがあ。全然そんな話じゃ有りませんよ。当然、イーストウッドの映画だって。「もう、あんたってひとはいい加減なんだからっ!」(オイラもよく言われるんだ、うちのカミサンに...) じゃあ、どういう映画かって、一言で言うと、もちろん、「運命は残酷」。これに尽きるっしょ!(しつこい?) 【なるせたろう】さん 10点(2003-12-04 21:08:25) (良:2票) |
1.後の雷蔵版も捨てがたいが、この原典版もスゴイ。バンツマは絶対、古今東西最高のアクション俳優だと思います。クライマックスの息もつかせぬチャンバラは、人間の能力を超えてます。目が点になりました。 【鱗歌】さん 8点(2003-10-12 10:14:22) (良:1票) |