17.《ネタバレ》 『魔人ドラキュラ』の約30年後、再び映画界にクラシック・ホラーの大流行を巻き起こした(コチラも)歴史的作品…とのコトですが、驚ろ驚ろしい質感自体は前作から引き続きでしょーが諸々と技術的進歩は著しく、その「怖さ」自体は確実にこちらの方が上…という様にはまず思われますね。映画の尺とゆーのはあまり変わりませんが話自体の密度・テンポはだいぶ向上しており、かなり原作に近い展開に仕上がっているよーで単純にシナリオとして(今なお)面白く観れると思いました。ショック描写も(ルゴシの気品溢れる雰囲気に比しても)ハンサムではありますが無口、かつ(牙を剥いた)顔が単純に恐ろしい・野卑なクリストファー・リーがとにかくまずシンプルにおぞましいですし、荒事なシーンも結構豊富で(特にオーラス)その意味でもパワフルさとゆーのは前作とは比較にならないかと。個人的にはコッチの方が面白かったすね。 ただ一点思うのは、クリストファー・リーが…とかではなくて、やっぱ古典的吸血鬼ってのは今どき「弱点」が多すぎますよね。前作・今作ともにまず単なる十字架にすらかなり弱いですしニンニク等を仕掛ければ近くにも寄って来ないという描写にもなってますし、今作のオーラスなんて太陽一発で即死!てのはキョウビじゃちょっと呆気無さすぎ…と思ってまうのが正直なトコロすよね。個人的には現代でも尚ホラーモンスターとして活躍できるだけの十分なポテンシャルを備えるキャラだとは思うのですケド、他に強力なライバルも多い以上は古典的設定にこだわらないユニークで「柔軟な」描写の仕方、とゆーのは今後は必須なのかもな、と。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 6点(2022-06-02 00:53:21) |
16.《ネタバレ》 ピーター・カッシングにしても、クリストファー・リーにしても、スター・ウォーズで知った私としては、こうして彼らの若い頃の作品を見るというのは非常に興味深いものがあった。 ハマーフィルムの作品を見るのも初めてだったし、まるで異世界の映画を見ているような新鮮味があった。 内容自体もスピーディで、絵的な色合いも良い。 荘厳な雰囲気が漂っているのが、これまた良いね。 【にじばぶ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-03-08 22:04:53) (良:1票) |
15.初見。色気と気品が溢れるクリストファー・リー、端正なピーター・カッシング、最強コンビに挟まれて劣らぬ存在感を示したマイケル・ガフ、肉感的な美しさが目を惹いたメリッサ・ストライブリング、キャロル・マーシュ。ゴシックホラーブームの先駆けとなった傑作と呼ばれるのもなるほど納得。最強コンビの格闘シーンは作風に合わないと感じたところがほんの少し残念です。 |
14.●なかなかにスリリングで面白かったです。ラストの対決もクライマックス!という印象。●ヘルシング教授がドラキュラの特徴を説明していましたが、ニンニクに弱い、十字架に弱い、日光に弱く昼間は活動できない・・・結構ハンデが大きいですね。●個人的に、ドラキュラというと優雅なイメージがあるので、生身の人間と取っ組み合いをする姿には違和感がありました。 【次郎丸三郎】さん [DVD(字幕)] 6点(2015-11-01 14:27:11) (良:1票) |
13.《ネタバレ》 40年以上前に初めてTV放映で観たときは怖さに震え上がったものでしたが、“現実世界にはドラキュラより恐ろしいものが沢山ある”という分別と経験を積んだ現在の眼で鑑賞するとどんな感じなんでしょうか。 これが思っていた以上に色あせていないんですよ、この映画は。良く観ると独自の脚色がありますね。まずジョナサン・ハーカーが吸血鬼ハンターの一員としてドラキュラ城に単身乗り込んでくることで、しかも序盤であっさりドラキュラの餌食になってしまい、そして婚約者までも同じ運命に。舞台設定もロンドンがオーストリアかドイツの某都市に変わっていますし、ヴァン・ヘルシングの解説では「ドラキュラがコウモリや狼に変身するという話はウソ」と言うことになってこれも原作と違っています。船で英仏海峡を渡るシーンや変身の特殊メイクが必要無くなるので、まあこれは予算節約ということでしょう。その分展開がとてもスピィーディーで、ヒーローとヒロインがいなくなった分、ドラキュラとヴァン・ヘルシングのガチンコ対決のキレ味が鋭くなっていると言えます。 “吸血行為はセックスのメタファーである”と言うのは定説ですけど、クリストファー・リーのドラキュラはその品格と発するフェロモンでこの説を雄弁に証明してくれています。また吸われる女優たちが色っぽく、ほんとハマー映画の熟女優たちはレベルが高いですね。 やはり本作がハマー・フィルムの最高傑作なんだと思います。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-01-26 18:02:24) |
12.《ネタバレ》 まあまあ面白い。ジェームズ・バーナードの音楽がタイトルからしておどろおどろしく、戦慄するような内容を予期させるのですが、実際はどちらかというと雰囲気重視。ドラキュラが女性を襲う場面なども、あまりあからさまに描いていません。その一方で、序盤での女吸血鬼との争いや、終盤でのヘルシングとの対決など、見せるところはちゃんと見せてくれます。心臓に杭を打ち込む場面もしっかり2回出てきます。ドラキュラの最期も見ものでした。 それにしても、本作でのヘルシング先生(劇中では終始"Doctor"としか呼ばれていまぜん)は、知人の女性がドラキュラの被害に合うのを阻止できない、まるで金田一耕助のような役まわりでした。おかげでそんなに偉い先生とは思えなくなってくるのが少し残念。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-24 22:24:32) |
★11.吸血鬼映画というと退屈だったり、ストーリーが破綻したりとロクな作品に巡り会えなかった。 ところがこのテレンス・フィッシャーの傑作は面白かった。
ストーリーは基本的にブラム・ストーカーの原作に沿った形だが、ジョナサン・ハーカーがドラキュラに出会う前にヘルシングに出会っている事、 ヘルシングの教えによって自ら吸血鬼を退治してしまうという大活躍だ。 そのヴァン・ヘルシング教授も眼鏡に老骨どころかバリバリに若い青年。 まるでブラム・ストーカー版のエピローグとも言うべき若さに満ち溢れている。 ピーター・カッシングのキビキビしたエネルギー、クリストファー・リーの不気味な闇を徐々に見せていく様子。 初対面はいかにも吸血鬼というオーラが無い。 何処にでもいそうな平凡な顔何だよな。 ところが「血」を前にするとその恐ろしき本能を剥き出しにしてくる。 見事な演技だ。 気品に溢れた仕草と演技、イギリスを代表する紳士の中の紳士です。
少女もレディもマダムも揃い踏み。 血の演出も過剰じゃないし、程よい血の気。 輸血のシーンや狼狽えるメイドの演技も光る。裏助演女優かも。 グロてすくな描写も極力避けるなど、こんなに上品な吸血鬼映画はトッド・ブラウニングの「ドラキュラ」以来だ。 ゴシックテイストの美しさ、能動的でテンポの良いストーリー。
グラナダTVの「シャーロック・ホームズの冒険」といい、派手さが無い変わりに丁寧で上品な作品作りがイギリスの素晴らしさ。
正しく俺の待ち望んだ「ドラキュラ」だ。
ラストの畳み掛けも凄い。 逃げるドラキュラ、そんな奴にはもれなく十字架のプレゼント(棺桶に)。 馬車は急ぐ! おっさん涙目。 逃げ場の無くなったドラキュラ、挙句にはミナを生き埋めにしようとする。 教授と伯爵の一騎打ち。 燭台のクロスがカッコイイ。 灰燼の中に埋もれる指輪が何とも言えない・・・あっという間の1時間20分。堪能させて貰った。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-17 08:07:44) |
10.ヴァン・ヘルシング若っ!!若すぎて原作でいう名誉教授に見えねぇ(笑)ピーター・カッシングの知的な顔がハマり役なんですが前半はドラキュラの顔見せ、後半は二人の対決とruntimeも短いのでスピーディな展開がよかったです。ドラキュラの超人ではない人間らしさもちらほら。オチのアッサリさが何とも言えないですがロジャー・コーマンの「アッシャー家の惨劇」みたいなゴシックな怖さがもう少しあればよかったんだけどなぁ。久々にハマーの映画を見たんですがこんなにもBGMを多用してましたっけ?ドラキュラの怖さを盛り上げすぎなような感じがしてしゃあないんですが・・。 |
|
9.ブラム・ストーカーの原作からしてそうなんですけれど、そもそも、ドラキュラって、「誰から血を吸うか」は気にするけれど、「誰の血か」は気にしないんですね。オッサンから輸血した血でも、いいんですね。それはともかく、本作ですが、非常にコンパクト。ドラキュラとの対決と関係のない要素は、ことごとく削ぎ落されている感じ。そもそもこの吸血鬼譚は、ストーリーの発端が“辺境の地”にあり、その未開の不気味さが疫病とともに“都会”に蔓延していく、というところに怖さがあったと思うのですが、本作にはそういうのが一切無いですね。ひたすらコンパクト。ダメとは言わないけど、何となく、ドラキュラとヘルシングの間に「ご近所さん」的な慣れ合いを感じてしまうんですけどね。ま、それでいいんでしょう。あと、ドラキュラの最期は、なかなかの見もの。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-05-05 11:03:00) |
8.《ネタバレ》 すでに半世紀以上前の映画で、子供の頃に観て震えていたドラキュラ映画がたぶんこれだと思う。とても残念な話だけど、今となっては全く恐くなかった。このドラキュラさんは血を吸って長生きすること以外に特別な能力が無く、太陽やニンニクや十字架にはしっかり弱い。冷静に考えると、とても脆弱で可哀想な生き物と思える。だから、血を吸うために色々と知恵を絞らねばならず、それをヴァン・ヘルシングが悪の権化のように言ってたけど、生血以外に栄養を摂取できないんだから仕方がないよね。未亡人を狙ったのも、野太い首筋よりは華奢で美しい方に噛み付きたかったからじゃないかな…。それはとても人間味(?)溢れる選択で親近感が湧く。まぁ、恐怖の吸血鬼というより、気取ったコソ泥って感じでした。この映画の弱っちいドラキュラさんの反省として、多くのドラキュラ像が作られたのではないだろうか。だとしたら発展型は2方向で、弱点を補うために特殊な能力が付加されるタイプと、キャラクターに厚みを持たせるタイプ。後のドラキュラ映画がその通りの拡がりを見せているという意味で、今作は意義のある出発点と位置づけてよろしいかと…。それにしてもヴァン・ヘルシングって人は手際が悪い。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-09-17 05:09:22) |
7.《ネタバレ》 ドラキュラ映画初カラー作品にして超ヒット作。でもこれってこの作品より20年以上前に作られた『魔人ドラキュラ』のパロディでしょ。ま、それはそれでよくってなかなか上質なパロディだと思った。まず冒頭、女吸血鬼とドラキュラがまるで獲物を取り合う狼のように牙をむき出しにして怖い形相で対峙するシーンは、いきなりの見せ場に嬉しくなりました。その怖い形相ってのがなぜだか笑えて、そうゆう意味でも楽しいシーンで無性にワクワクさせてくれるシーンでもあります。その後も、とにかく展開が早く無駄がない。そもそも始まりからヘルシングの刺客の隠密行動だったわけですから、最初から最後までドラキュラVSヘルシングが描かれているわけです。お互いが先を読み、裏をかく、そんな戦いが今見てもけっこうスリリング。もうちょっとドラキュラが怖かったら、というか怖い演出があったら言うことなかったのですが。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2007-01-25 16:58:46) |
6.確かに、この映画、怖いってゆうよりエロく感じるねん。だってドラキュラ伯爵が、単なる間男に観えてまうねんもーん。旦那がどっかいってる隙に、奥さん手篭めにしよーと忍び込む感じで。また加藤鷹なみにフェロモン発散してるから、奥さんも、クラってきてまうねんな~。ごめん。調子のってもーた。でも時代やからかな~。もうちまたにバンパイアモノがあふれすぎて、怖いとか麻痺してるんかも。いや、クリストファー・リー、すごい演技してるとは思うねんで。でも、あんま、なんも感じひんねん。ひょっとして、ハマーのホラーは俺にあってないかもしれん。ゴシックな雰囲気は、なんとなくわかるねんけど。 【なにわ君】さん 3点(2005-01-05 01:37:47) |
5.最新作「ヴァン・ヘルシング」を見てヘルシング教授の名を再認識したのですが、こっちがやっぱり本家。理知的で冷静な教授に惚れてしまいました。 子供の頃に見たときはとにかく夜も眠れないほど怖かった記憶があるのですが、さすがに今見直すと結構笑ってしまうシーンもあり。地下室に隠れようと戻ってきたドラキュラが中に教授がいるのを見てぎゃ~と逃げたり、気絶したように見せかけて逆襲するヘルシング教授もお茶目。そしてカーテンに向かってジャ~ンプ!あんなに日光に弱いならさっさと昼間に退治しろよと思ってしまったのは私だけでしょうか。 でも外で旦那が見張ってるにもかかわらず奥さんの部屋に忍び込むドラキュラのシーンはなんともいえないエロティックな雰囲気も感じました。これは子供の頃には絶対味わえなかった感覚です。 【JEWEL】さん 8点(2004-09-28 20:35:16) |
4.今や数々のドラキュラ映画でオマージュされる作品だけあって、初めて観たにもかかわらず、所々でどこか見覚えがある雰囲気があり、それこそこの映画の偉大さだと思った。何を置いても、クリストファー・リー演じるドラキュラ伯爵の存在感がスゴイ。演技というよりもただそこにたたずむというような自然な迫力に圧倒される。古い映画らしくないテンポの良い展開も緊張を途切らせない要因であろう。「恐怖」というエンターテイメント性を燦然と見せつける傑作。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 8点(2004-06-19 10:51:25) |
3.いくら初代吸血鬼でなくっとも、私にとってのドラキュラ伯爵っていうのは間違いなくこのクリストファー。けども、そんな彼を生年月日から辿るとこの時彼は35歳だったって事になるのだけれど、え~~~~~?!どんな35歳だったんだよ 彼ってば…。びっくりですよな。すげーがや。 内容的には後のシリーズのほうが好きでした。ここは基本基本。ちょっとマニュアル通りって感じでしたな。今見ても内容的な面白さがあんましない。ドラキュラの怖さだってあんまし現れてはいないし、軽かったね今ひとつ。。 【3737】さん 5点(2004-03-21 18:07:14) |
2.凄い凄いと聞いていましたが、正直そんなに。 クリストファーリーのドラキュラもイマイチです。 格好良かったの割と序盤の牙向いたシーン~首締めるシーンくらいかなぁ?あそこはライオンでも逃げそうな顔の演技が凄いとは思いますが。後はあまりの普通のオッサンぶりにまいりました。 【マンダム】さん 5点(2004-02-16 22:22:21) |
1.英ハマーフィルム製作のホラーとしては最高傑作とも言える一本。最大の勝因は貴族の出という気品と凄味を兼ね備えた稀有な男優クリストファー・リーの存在にある。以後、ハマーは彼をドラキュラ役に量産したが本作を超えることは遂に無かった。結局テレンス・フィッシャーの快調なテンポの演出、ストーカーの長い原作を理想的にダイジェストしたジミー・サングスターのコンパクトなシナリオ、ドラキュラの好敵手に相応しいピーター・カッシングのヘルシング教授、これらの要素が渾然一体となった本作が奇跡的なバランスの上に成り立っていたというコトなのだろう。とは言えルゴシの「魔人ドラキュラ」を、ましてやムルナウの「吸血鬼ノスフェラトゥ」を凌駕する迄には到底至っていないのも又事実。重厚さに欠けているのだ。よって7点が妥当。 【へちょちょ】さん 7点(2004-01-08 01:23:03) |