6.《ネタバレ》 極貧から文豪として富と名誉を得たゾラがアカデミー会員の地位を捨てドレフュス事件に関わる事を決めた時に見たのは、別れた親友で「芸術家は貧しくあるべきだ、腹の膨らみと共に才能に贅肉がつく、足下が見えなくなる」と諫めたセザンヌの肖像画だったのが感慨深い。ゾラの法廷での演説、ドレフュスのあの「悪魔島」からの釈放シーン、ゾラの葬儀での弔辞、煽動者を使う権力者と容易く煽動される者達等見どころ満載で、ポール・ムニ驚きの重厚な演技に喝采を送る名作です。 |
★5.《ネタバレ》 エミール・ゾラの一生をスピーディーな展開で魅せるウィリアム・ディターレの傑作。 とにかくポール・ムニの演技が最高すぎる。 ただ1本のペンで様々な権力や政治問題に爆弾をブチ込み、切り裂いては果敢に立ち向かったゾラ。 「ペンは剣より強し」身を持って証明した偉大なる作家だ。 特に中盤の「ドレフュス事件」を巡るドラマは素晴らしい。クライマックス直前の法廷劇も面白い。 時間としては短いものだが、法廷劇としても最高の部類に入る屈指の名場面だ。 ドレフュスを演じたジョセフ・シルドクラウトの演技も大変素晴らしい。
ポール・ムニは大好きな俳優の一人だ。 「暗黒街の顔役」や「科学者の道」「仮面の米国」での演技も最高だった。正に唯一無二(ムニ)の役者だぜ。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-11 21:16:58) |
4.《ネタバレ》 「われは糾弾す」。フランスを二分する論争となったドレフュス事件を糾弾した文豪エミール・ゾラ、全てを投げうって真実を追及した男の伝記。ユダヤ人迫害映画の元祖、米アカデミー作品賞受賞作。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-09-14 00:35:37) |
3.ドレフュス事件は知ってても正直な所、エミール・ゾラの事は何にも知らなかったのでものすごく勉強になりました。脚色して事実とは異なるとはいえポール・ムニの行きの入りすぎな名演技が光り後半のシェイクスピア映画ばりに陪審員に問いかけるシーンは撮り方が上手いなぁ、ほんとにゾラはこんなんしたんやろかぁと思っちゃうほどです。個人的にもーちょいドレフュスの出番を増やしてほしかったんだけどもフランスが腐れ切ったこの時代に無罪を叫び続けてこれが覆った事柄がある、というのを今思えば凄いことですね。 |
2.《ネタバレ》 アカデミー賞受賞作品。フランス文豪のゾラを通して「ドレフュス事件」を描く。「破壊」「NANA」など読みたくなりました。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-25 10:48:21) |
1.《ネタバレ》 やはり「ゾラの生涯」と題してドレフュス事件を描きたかったのは明白。事実とは異なることを冒頭で断るというのは、割り切って観ることが出来るものの実際にやられると少し白けてしまう。しかし、大げさながらも、国を信頼する国民や何をするにも名誉だと感じる軍人など、国に翻弄される様子は見事に映し出され、多少なりとも今でも共通する部分はあるし、亡命しないつもりだったゾラに「真正面から立ち向かうだけが勇気じゃない」といったセリフは少し感動した。でも、「ゾラの生涯」と言う割には一生を描ききった感じは全くないのでちょっと残念。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-12-23 00:20:27) |