2.ドラマ部分のカットをそれぞれほんの一呼吸ずつ短くして、勿体つけるところを無くして、似た流れの繰り返しになるアクションは一度で終わらせて、あからさまなギャグシーンはサラッと切り上げて……と、要するにクドい部分を削れば、愛されB級邦画になれるポテンシャルを十分に持った作品。
複数相手の大立ち回りやピーター・ジャクソン的スプラッタギャグなど楽しい部分はたくさんあるのに、それをテンポの悪さが邪魔している感じ。
特に冒頭のスパゲティを食べているカット等の繰り返しがまずい。一度やれば意味を為すことを何度もやるので、第一印象から「あ、この映画チンタラしてそうだな」と思ってしまう。状況と雰囲気の説明はパパパッと終わらせ、アクションを急ぎで持ってきてもらえれば、「おっ」と驚けたかもしれない。せっかく派手でスピーディな殺陣だったのに勿体無い。
尺を盛ってテンポが悪くなるくらいなら全編70分で良いので、逆ディレクターズカット版とでも銘打ってスッキリと編集し直してみてはどうだろう? いや、まあ、無理なんだろうけど。
ともあれ、テレビ局主導の鬱陶しい感動系映画なんかに比べたら、十分に楽しめる部類の邦画ではある。
好きかどうかと言われれば好き。ダラダラ寝っ転がって見るぶんには買いだと思う。