6.駅馬車に乗り合わせた人々と、悪党どもとの戦い、という、いかにも西部劇でございます的な設定かと思わせて、まったく路線の違う映画。何しろ、登場人物たちの間にはひたすら不信感ばかりが渦巻いていて、ヒーロー譚とはかけ離れた世界となっています。一応はポール・ニューマンがヒーロー役ではあるけれど、そして敵と戦ってカッチョよいところは見せるけれど、他の登場人物たちとは打ち解けないし、他の登場人物たちも互いに打ち解け合わない。危機の中、何とか互いを繋ぎとめようとしても、裏切りがそれをぶち壊してしまう。
だもんで、まー、えらく娯楽色の乏しい作品ではあります。見てて、やりきれなくなってくる。
戦いの描写は、遠近感とか高低差とかを取り入れて、なかなか見応えがありますが、見てる我々を決して手放しでは喜ばせない、いや~な感じが、作品全体を覆っていて。独特の雰囲気があります。
ただ、「先住民に育てられた、異邦人としての主人公」という設定を、冒頭にまとめて提示しちゃうのは、いささか工夫が足りないような気もします。