2.《ネタバレ》 デンゼルもマークもA級とB級の間をフラフラしてるような感じで、この映画もまたそんなニオイを漂わせたそこそこな映画。
出だしからしばしは快調です。銀行強盗を計画する二人、この二人が実は、ってところから、物語は真相の上に更に真相を重ねてどんどんとひっくり返ってゆく状態。見ているこちらは予想外の展開に翻弄されてゆきます。
だけど、そんな物語のトリッキーな細工に気を取られ過ぎちゃったのか、一向にドラマは見えてきません。麻薬捜査官と軍人、それぞれの設定のみが先行してしまっていて、その人物が当然持ち得るべき背景は全く存在していないかのような希薄さ。
それぞれの個性は描かれても、それが職業やそれまでの経歴にはあまり繋がってないんですよね。何かハンパなバディものといった風情。
後半になると強引な展開が目立ち、もうひとヒネリありそうに見えたのに終了しちゃう人物もいて、なんだか雑な印象。
その混沌とした状況に一気にケリをつける方法も締りのない演出や編集のせいか、笑えないコメディみたいな事になっています。あんなスカスカした空間での対峙じゃ本当ならサックリと誰が死んでもおかしくないし。
悪人しか登場しない映画で、それは主役のデンゼルやマークにしても同様。炎上させたカフェや撃たれた獣医に対するフォローが無いのがスッキリせず、死者は大量、なのでラストでめでたしめでたしになられてもねぇ、って。
とりあえず慌ただしい脚本と主役二人の芸達者っぷりによって全く退屈する事は無いのですが。