★4. 今自分の中では”エリセ週間”ということで本作「瞳をとじて」をレンタルしてみました。あとエリセ作品で未見なのは「マルメロの陽光」だけになりましたが、こちらはレンタルされておらず購入するかどうか悩みます。。 率直に申し上げて、本作に関しては時間の長さが気になってしまいました。あと、自分より年上になったアナ(アナ・トレント)は見たくなかったかもしれません。エリセ監督の今までの作風と比べると本作は圧倒的にセリフが多く、ほとんど字幕を読んでいただけという印象が残る残念な作品でした。
本作は明らかにエリセ監督自身の半生を振り返った物語で、画面のあちらこちらからその片鱗が見られます。”二作目で未完の作品”といえばエル・スールですし、主人公ミゲル・ガライ監督(マノロ・ソロ)が”22年間映画を撮っていない”のも明らかにエリセ本人のことでしょう。 考察サイトなどもたくさん読みましたが、確かに劇中で映写された映画の画面とドキュメンタリータッチの本編とで撮影方法が異なっているのは流石エリセ監督といったところです。ただ劇中映画も本編もどちらも大して面白くないのはかなり致命的だと感じましたし、そもそも観客に何を伝えたかったのかがよく判らない作品に仕上がっているように感じました。無償の愛が大切ってことでしょうか?親子の愛が大切ってことでしょうか?
Wikiによると海外批評家の点数はおおむね高く、総合的に85点程度の作品だそうです。これに関してはチョット信じられませんね。私の価値観や理解が浅いと罵られようが・・ 面白くないものは面白くないです。何度か再鑑賞を繰り返せば良さも見つかるのかもしれませんが、「ミツバチのささやき」のように一度見ただけで観客を虜にさせられない時点で、その作品は傑作ではないと思います。本作はセリフ量も時間も長いわりに大したことが伝わっていないように感じました、正直いってイマイチな作品です。 【アラジン2014】さん [DVD(字幕)] 6点(2025-04-21 17:48:09) 《更新》 |
3.冒頭のシーンに点数の全てを。これが未完となった劇中劇で、22年の時を経て監督が失踪した男優に迫るお話。 ダラダラした展開の挙げ句の結末に「何を伝えたかった作品なのか?」観直す気にはなれない残念な作品。 |
2.《ネタバレ》 これはビクトルエリセの最後の作品ってことではないのか?
エリセの代表作は、間違いなく「ミツバチのささやき」。 あの映画の最大のポイントは、あの少女の無垢なまなざしである。
それを本作の劇中劇で、王が無垢な目で私を見てくれるのは、 娘しかいないと言って、娘探しをさせる話が出てくる。 しかし、本作のメインストーリーは、この劇の俳優の記憶喪失を治すとこにある。
なにより「ミツバチ」の少女アナが、出演していることが驚きだ。 年相応のいい顔をしている。 そして、題の通り、皆、大事な場面で瞳を閉じるのだ。アナもだ。 記憶喪失の男は、自分の出演している映画を観終わったとき、どうなるか・・
まぁ出世作の少女の瞳が奇跡的な眼差しだったことが、 この監督の映画人生にかなり大きく影響したのだろう。 寡作の監督。 もう完成した作品は見られないだろう。
少女の瞳はとじられたのだ・・ 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2024-08-12 22:50:31) 《更新》 |
1.《ネタバレ》 嘗ての監督作における画的な部分のハイ・クオリティのそれ自体は、今作でも重々に健在だったかとは思うのですね⇒端的なる構図等の美しさ&細部までのこだわり&特にまた「陰」の使い方、などの何れにしても)。でも、まず『ミツバチのささやき』や『エル・スール』なんかに比べると、そもそもかなり急に長尺になってるって感覚は大いにありますね(『マルメロの陽光』は半分ドキュメンタリなのである程度は脇に置くとしても)。プラス今作は(その二作品に比べると)特に前半で矢鱈と「台詞が多い」って感覚もありましたよね⇒主人公ミゲル・ガライが様々な人々と対話してゆくシーンの数珠繋ぎで(軽く)100分位は過ぎ去ってってしまうので。そんな感じで唯淡々と静かなサシでの会話シーンが続く+ゆったりテンポ+大作級の長尺、ではあるので、こーいうのに慣れてないと一撃でスヤスヤと…みたいな作品であるのは正直否めないとも思います。私も最初観て、ちょっとチャンと観れてなかった(=観逃したカモ?みたいな)シーンが在った様な気がしちゃったので、短期間でもっかい観たのですよね。なので(コレも正直)あらすじ的なモノは頭に入れてから観に行く位で丁度好い…様な気もしちゃってますよね(⇒重ね重ね前半は台詞に付いてくダケでも結構骨が折れる)。
んで、肝心の内容自体としてはまた、監督自身が高度に自分を投影したかの様な・自己に替わって登場人物に「人生の振り返り」をさせるかの様な『ニュー・シネマ・パラダイス』みたいな作品だったかとは思うのですね(諸々の人生と映画を「重ね合わせてゆく」…みたいなヤツとゆーか)。まあ私もまた正直、この手の巨匠が晩年に撮るには打って付けな…という感覚はありますが、でもね~~~先ほど二回観たと言いましたが、正直初回はそのクライマックスたるラストの描写が、私にはどーにも「ネガティブなモノ」に見えてしまったのがかなりしっくり来なかったのですよね⇒正にその「瞳を閉じる」コトの意味するトコロがナンかコレ超・ネガティブじゃねーか?と。いったん、つまりは、その部分が(少なくとも)明確に解釈できる様な描き方にはなって居ない=解釈に幅が生じ得るという作品、であるのも間違い無いと思うのですよ(⇒だからまず、この長尺でソレってどーなの?とも考え得る…かと)。その意味でもちょっと、相当に「玄人好み」…みたいな作品であるかなとは、どーしたって思ってしまうのですよね⇒まあ、ソコもある種今まで通りの作風だな、とも思えはしますケドも。
ただ、私自身は二回目を観て、初回ホドには(ソレを)必ずしもネガティブにしか解釈できないっていう感覚にはならなかったのでして、ソレこそソレは劇中劇と大いに重なる様な(映画の中の)フリオが、その人生を(劇中で)振り返った時、嘗て挑んだその役柄の本質的なトコロを真に理解した「納得と悔恨」の様なモノとしても解釈できるかもな…という様な感覚にも至りましたのよね。結論、コレも前述どおり「観る人を選ぶ」とゆーか、この手の長尺でまろやかな映画をあまり苦にしないという素養は(確実に)求められる+解釈のブレみたいなモノに対する拒否反応も無い、とゆーのが前提だという作品なのかも知れませんが、一方で確実に人生そのものに係る種々の「含蓄」についても(共感可能なモノもそうでないモノも含めて)またごく芳醇な作品だ、とマデは思えますので、いったんこの評価としておきます⇒迷いに迷って1点分は低めに寄せてます。以上。 【Yuki2Invy】さん [映画館(字幕)] 7点(2024-03-20 15:31:20) (良:1票) |