ある男のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ある男

[アルオトコ]
2022年上映時間:121分
平均点:6.50 / 10(Review 18人) (点数分布表示)
公開開始日(2022-11-18)
ドラマミステリー小説の映画化
新規登録(2022-09-03)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2024-02-25)【イニシャルK】さん
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監督石川慶
キャスト妻夫木聡(男優)城戸章良
安藤サクラ(女優)谷口里枝
窪田正孝(男優)谷口大祐
清野菜名(女優)後藤美涼
眞島秀和(男優)谷口恭一
小籔千豊(男優)中北
真木よう子(女優)城戸香織
仲野太賀(男優)谷口大祐(本物)
柄本明(男優)小見浦憲男
きたろう(男優)伊東
でんでん(男優)小菅
河合優実(女優)
脚本向井康介
撮影近藤龍人
製作木下直哉
松竹(「ある男」製作委員会)
木下グループ(「ある男」製作委員会)
イオンエンターテイメント(「ある男」製作委員会)
松竹ブロードキャスティング(「ある男」製作委員会)
企画松竹
配給松竹
編集石川慶
録音小川武
あらすじ
一家4人で幸せな生活を送っていた里枝は、事故で突然亡くなってしまった夫の大祐が実は別人かも知れないということを知り、以前に頼ったことのある弁護士の城戸に調査を依頼する。城戸は早速調査を開始。すると思いがけない様々な事実を知ることになり、彼は次第に大祐と名乗っていた男の本当の人生について追うことにのめり込んで行く。果たして里枝の亡夫の正体とは? 芥川賞作家・平野啓一郎の同名ベストセラー小説を映画化。第46回日本アカデミー賞の最優秀作品賞を始めとする8部門を受賞したサスペンス作品。
ネタバレは禁止していませんので
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1
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18.“主人公”という概念に対する本作のミスリードを感じ取ったとき、途端にこの物語が持つ本質に引き込まれた。
“ある男”とは、結果として誰を指すタイトルだったのか。ラストの短いシークエンスでそれをあぶり出す本作の試みは、とても興味深く、とても感慨深かった。

鬱積した現代社会に関わらず、人間が織りなす社会に巣食う私たちは、少なからず何かを偽って、「自分」という仮面を被って生きている。
家庭人の仮面、仕事人の仮面、社会人の仮面、モラリストの仮面……、自らが築いた環境、または流れ着いた環境を保持し、必死にしがみつくように人は「仮面」を被り続けている。

結果、他ならぬ自分自身が、己の本当の「顔」を見失う。

本作で象徴的に映し出される“ルネ・マグリット”の絵画「複製禁止」は、そういう人間たちの愚かさを如実に表すものだったのだろうと思う。


石川慶監督の独特の映画の空気感と“間”の中で、安定感のあるキャスト陣がそれぞれ人間の脆さと弱さ、それでもなんとか存在し続けようとする人間の根幹的な執念のようなものを表現していた。
中でもやはり印象的だったのは、ストーリーがかなり進んでからようやく登場する“主人公”を演じた妻夫木聡だろう。

本作は安藤サクラ演じる未亡人の亡き夫(窪田正孝)の偽られた「正体」を、妻夫木聡演じる弁護士の男が追い求めるストーリーであるが、実のところあらわになるものは謎の男(=X)の正体ではなかった。
Xに対する追究、探訪を通じて、隠し秘め続けていた主人公のアイデンティティが丸裸にされていく。まさに“ルネ・マグリット”の絵画のように、見えている男の背中は、他のだれでもなく自分自身の背中だった。
妻夫木聡は、絶妙な人間的な希薄さと違和感を見事に表現して、その主人公像を創造し、演じきっていたと思う。


実は、主人公の弁護士は、謎の男Xの追究を始めるずっと前から、自身の「仮面」と直視できない本当の「顔」に気づいている。
すなわち、この映画を通じて本当に気付かされるのは、それ(ある男)を観ている私たち観客の“後ろ姿”だったのだと思う。
今この瞬間も、自分自身の後ろ姿を見続ける、決して相対することのない本当の自分が存在しているのかも知れない。
鉄腕麗人さん [インターネット(邦画)] 8点(2024-10-13 00:42:47)
17.《ネタバレ》 一言でいうと、、、退屈。
この男は誰だったんだ、というテーマはすごく良くてミステリアスなのだが、
紐を解いていくと、理路整然としすぎていて、パンチが弱いのよ。
あぁそうだったのか程度に腑に落ちる感じで、エンターテインメントとしては弱い。
たぶん監督か脚本家なのかもそれをわかっていての最後のシーンが挿入されたんだと思うけど、完全に蛇足です。
人間ドラマならそっちに振り切って欲しかった。最後の最後でミステリーに終わって、、、誰が喜ぶんだよこの終わり方。
Keytusさん [インターネット(邦画)] 5点(2024-07-06 01:54:50)
16.《ネタバレ》 原作は未読です。おそらく原作では主要な登場人物をもっと掘り下げて描いているのでしょうね。俳優さんの好演で作中では語り尽くされていない部分にまで想像は及ぶのですが、多少尺が伸びてももう少し描き込んで欲しかった、というのが全体的な印象です。「物足りなかった」というご意見の理由の一つはその辺りではないかと。

テーマは本当の幸福?与えられた人生を否定し、全く知らない人生を歩んで来た他人と人生丸ごと交換する。窪田さん演じるところの彼は、人生の上書きを繰り返すことで短いながら幸せでいられたのかも知れません。でも、彼は妻や子に幸せを遺せたのでしょうか?弁護士は調査対象の人生を抱え込み模倣することで自らの人生を見つめ直すことが出来るのでしょうか?

重みも深みも感じられますし集中して楽しめた作品ではありますが、獄中の詐欺師との面談や多少唐突感のあるヘイトスピーチのエピソードなど、作品テーマに沿って必ずしもスッキリ整理されていない部分もあるように思え、残念ながら手放しでは称賛出来かねる作品でした。6点献上に留めます。

ちなみに、柄本さん演じるところの詐欺師は(作中で自らなりすましをほのめかしてもいますが)実は戸籍を交換しているのかも。であれば、初対面の弁護士が在日朝鮮人であることを見抜いたり、不自然な関西弁を話すことについて納得が出来るような気がします。
タコ太(ぺいぺい)さん [インターネット(邦画)] 6点(2024-04-21 11:23:07)
15.《ネタバレ》 松本清張の「ゼロの焦点」の現代矮小版という感じ。サスペンスとしてけっこう最後まで興味を持てたし、邦画にありがちな無理な展開もなかったように思いますが、終わってみれば「それだけ?」というお話。こういうこと(ビジネス)が現実にあるかどうかは知りませんが、まああっても不思議ではないですね。日本人同士より日本人と東アジア人なら特に。
眉山さん [インターネット(邦画)] 6点(2024-04-13 01:10:30)
14.《ネタバレ》 ストーリーがしっかりしていて演出も丁寧な作品。不思議なもので、本人は何も悪くないとわかった時点で、あの形で人生をやり直すのに共感できる。柄本明が強烈で、おかげで謎解きに引っ張られたけど結果は単純だった。全体的に想定通りの展開なので物足りなさは残る。
ラグさん [インターネット(邦画)] 6点(2024-03-16 10:57:53)
13.《ネタバレ》 最後はどういう事???
東京ロッキーさん [インターネット(邦画)] 7点(2024-03-03 22:05:38)
12.安藤サクラって薄幸な感じの役がすごくよく似合います。俳優陣も豪華で納得のアカデミーでした。あと、邦画にしては台詞がよく聞き取れました。
木村一号さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2024-02-12 15:14:11)
11.《ネタバレ》 原作を読んでからの鑑賞。
小説が原作の映画のほぼ全てにあてはまることではあるが、どこに焦点を当てて映像化するか、ということが映画の肝になる。原作では、「或る男」とその妻、そしてその依頼を受ける弁護士がそれぞれに一人の人物として描かれているのだが、2時間の映画でそれを実現するのはやはり難しい。
結局三人それぞれの重みが希薄になってしまった印象が拭えず、誰にも感情移入できないまま観終えてしまった。父親を殺人犯に持つ少年と家族がその後どんな人生を送ることになるのか、非常に重たいテーマで観ていてつらくはなるものの、俯瞰で観ることしかできなかったのは残念。
しかし、安藤サクラと窪田正孝の演技は素晴らしく、引き込まれるものがあり、見応えとしては充分。安藤サクラって、どんな役でも「そんな人いるよね」って感じで違和感なく演じてしまうところがやっぱり上手いんだろうな。そこに加点。
roadster316さん [インターネット(邦画)] 6点(2024-02-11 09:41:37)
10.《ネタバレ》 まあまあ面白かったです。柄本明がもっと深いキャラかと思いましたが、あの程度だったんですね。窪田正孝はいい演技してるけど、真木ようこは下手だと思いました。個人的には谷口の長男(眞島秀和)が面白かったです。特に安藤さくらと「本人」、「別人」のやり取りが笑えました。ラストのバーのシーンは妻夫木君の出てるビールのCMを思い出しました。
ぽじっこさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2023-10-08 11:26:47)
9.<原作未読>日本アカデミー賞8冠ほか華々しい受賞歴を誇る作品。丁寧な作りに好感を持って観ていたのだが、終わってみればなんだか物足りない。登場人物に小見浦憲男というのがいて柄本明の怪演もあり、やたら期待値を上げてくるんだけど別に衝撃の展開が待っているわけではなく…。あの人結局何だったんだろう。そういう映画じゃないと言えばそれまでなんだけど。これからも提起し続けなければならない問題を扱っている点は賞に相応しいと言えるし、演者も手堅い。悪い映画ではないのだが、いかんせん地味だった。
リーム555さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2023-09-29 18:41:33)
8.《ネタバレ》 死んだ夫が実は戸籍も名前も別人だったとゆう映画。それにより戸惑う家族とその夫の本当の戸籍を雇われた弁護士が調査するってのを交互に見せていく展開。全体的に子供の演技が良くて、子供が登場するシーンは何回かウルってなりました。人間は生まれてマッサラってのじゃなくて、ほとんどの人間は親やその前から続くルーツがあり、中にはそれが受け入れられない、今風に言えば、親ガチャ失敗ってのがあり、この映画は、その部分にフォーカスを当ててるんだけど、例えば、誰かと戸籍を交換した時、交換した親ガチャも元の持主がそれを失敗と思って交換してくれたわけで、でも本当の自分のルーツでないから、失敗した親ガチャでも、そんなに深刻にならず受け入れられるのかなとか、他の人になれるってのは、それがどんなルーツでも、どっか魅力的な感じがあるのかもとか、色々、考えちゃいました。
なにわ君さん [インターネット(邦画)] 5点(2023-09-28 21:42:14)
7.《ネタバレ》 誰が誰の人生を生きるかを問うサスペンス・ドラマ。やや唐突で説明不足な印象だが、集中して観れた。物足りないけど良作。
獅子-平常心さん [DVD(邦画)] 7点(2023-08-21 23:17:57)
6.《ネタバレ》 子供を難病で亡くし、離婚し、再婚した相手が事故死し、その相手が死後に正体不明の男と判明する、という不幸のオンパレードの女を安藤サクラが熱演。城戸夫婦も最初から不幸の香りがぷんぷんしている。生まれながらにして不幸を背負っている原誠を演ずる窪田正孝も熱演である。城戸が在日韓国人の子孫であること、ヘイトスピーチなどのエピソードは、とってつけたような感じがする。小藪、いい味出してる。いずれ自分が殺人者の孫であることを知るであろう女の子の将来が心配。なかなか見ごたえのあるドラマ。
エンボさん [インターネット(邦画)] 8点(2023-08-13 19:22:27)
5.《ネタバレ》 日本アカデミー賞で8冠とかで凄く評価されていたので結構期待して鑑賞。
終始、暗く重苦しい展開。テーマがテーマなので仕方無いと思われるが、ストーリーが面白くない。
ヒューマンドラマである事はわかるが、ミステリーの謎解きの要素がもう少し欲しかった。
本物谷口のエピソードが薄すぎるのも難点かな。戸籍を交換する過程ももう少し掘り下げて欲しい。
とれびやんさん [ブルーレイ(邦画)] 5点(2023-07-08 18:10:10)
4.《ネタバレ》 見応えある。
ラスト、一瞬、シャラマンばりのフェイクストーリー?と思わせるとこが面白い。
騙された?

でもそうじゃない。詐欺師の柄本明が「本物」だからだ。
偽物の奥さんと一緒にいる妻夫木弁護士を看破していたからだ。
つまり、本物の犯罪者は、本物だってことなんだろう。

救いは、安藤サクラの言葉だ。
「真実」を知らなくても、実際平和だった私たちの幸福こそ真実じゃないかというセリフだ。

傑作である。
トントさん [DVD(邦画)] 8点(2023-06-29 22:58:04)
3.撮影・演出・演技は素晴らしいです。ある程度緊迫感を保ちながらどこかユーモラスで親しみやすく見やすい作品です、小籔千豊がいい味出してますね。登場人物はみな現代の日本にはこういう人いるよね、と思わせるリアリティがあります。ただ柄本明はちょっと漫画っぽいかなあとは思いました、レクター博士っぽいとも言えます。音響はいいのに音楽がいまいちなんですよね。ほのぼのしたシーンではほのぼのした音楽、緊迫したシーンには緊迫した音楽、しんみりするシーンにはしんみりした音楽と極めて単純です。音響へのこだわりに比べると随分無頓着だなと思いました。社会問題もあくまで触れるだけで出たきりのまま放置されています。最終的に個人のアイデンティティーの問題に帰着するのは日本文化の良いところとも悪いところとも言えますが、今は欠点とみなした方がいいでしょう。全体として誰が主人公かわかりにくくかといって群像劇とも言いがたい構成ですが、今の社会で生きづらさを抱えた人たちみなが主人公だと理解するのが正しいのかもしれませんね。
Сакурай Тосиоさん [インターネット(邦画)] 7点(2023-05-08 23:42:44)
2.《ネタバレ》 ミステリーというよりヒューマンドラマといったほうがあってると思う。
里枝とその息子にけっこう時間を割いているんですが、中学生の息子くんがやけに物わかりが良くてお利口さんすぎる。
そうじゃなくて、死刑囚の息子、原 誠。伊香保温泉の老舗旅館の次男坊、谷口大祐。在日韓国人3世で帰化して日本国籍を持つ弁護士の城戸。
この3人をそれぞれもっと描いていたら人間ドラマとしてかなり見応えがあったんじゃないかという思いが拭えないのです。
仲野大賀をキャスティングしていながらあれだけっていうのが納得できないんですよね。

オープニングとラストに出て来る不思議でちょっと不気味な絵画のタイトルは「複製禁止」だということで、この映画にぴったりですね。
ひと仕事片付いた直後、奥さんの裏切りを知ってしまった城戸は、バーのカウンターでたまたま一緒になった人に現実から逃避するように
谷口大祐となった原誠になりすまして話し「複製禁止」の絵に城戸が重なる。彼は自分をどう名乗ったのか。。。私は「城戸です」と言ったと思うな。

日本アカデミー賞、8部門受賞ですか。。。その中に録音賞があるのね。コレかなり納得。
ジャンルからしてボソボソとセリフが聞き取れないんじゃないかと思ったけど、全くそんなことはありませんでした。
家のテレビでU-NEXTで観たけどボリュームは通常でしっかりセリフが聞き取れました。
「ようこそ映画音響の世界へ」で「セリフが聞き取れないなんてあり得ない」と確かセリフの編集?アフレコ担当?の女性が仰ってましたね、
その通りですわぁ。
envyさん [インターネット(邦画)] 7点(2023-04-29 23:49:26)
1.《ネタバレ》 うーん、ミステリーとしては今ひとつだな。特に意外な展開もなく想定の範囲内の展開が続く。安藤サクラの家庭は丁寧に描かれているが、妻夫木くんの家庭のゴタゴタはサッと流す程度で描く必要性が感じられない。ラストの含みも描く必要があるか?柄本明の妻夫木くんへのイジメも見てて不快なだけ。どうにも納得できる展開がなかった。
ぴのづかさん [映画館(字幕)] 6点(2022-11-20 18:52:38)
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【点数情報】

Review人数 18人
平均点数 6.50点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5316.67%
6738.89%
7422.22%
8422.22%
900.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人
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