★16.《ネタバレ》 コーエン兄弟の人間の描き方というか、映し方?が好きだ。何かをやっても上手く行かず、環境に振り回される人間は様々な映画に登場するが、この兄弟の映画に出てくる人たちはちょっと違う。愛らしいのだ。 ルーウィンは決してダメな男ではない。お世話になっている夫婦の猫ちゃんが脱走すれば走って捕まえに行くし、自身が妊娠させてしまった相手の中絶費を払うためにフリーランスとして仕事を引き受けた。ちゃんと責任を取ろうとする男ではあるのだ。彼なりのプロ意識や、ミュージシャンとしてのポリシーも持っている。そして、常に夢を見ているわけではなくて、まともな生活を送るためにかつてのように船に乗り海に出ようともしている。
夢は叶わない。嫌なヤツとばかり出会う。思い通りにいかない人生を送るルーウィンをコーエン兄弟はいつものようにコミカルに描くが、主人公のその姿は実に人間らしいと感じた。元・相棒の影に苦しむルーウィンはとても自然で、ちょっと美しくも見えた。
残念ながら、彼はこの映画の最後まで成功を手にすることはない。しかし、その姿に哀しさはあまりない。本作はオープニングの場面にループしてエンディングを迎えるのだが、これからもルーウィンはこんな感じであり続けるんだろうなぁと示唆させられた。ポケットに100ドルくらいだけ入っていて、どこかで知り合った人の部屋で寝泊まりし、歌う場所をさまよって、くたびれた顔で“存在”し続けるのだなぁ、と。 【Y-300】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-07-12 15:02:48) |
15.一つ一つのエピソードは面白いし、劇中のフォークソングもなかなか味があります。やることなすことうまく行かない悲哀にも、激しく共感を覚えます。それでも奈落の底までは落ちず、なんとなく〝拾う神〟がいるあたりも、またリアルかなと。しかし、全体を通して見ると「で、何だったの?」という感じ。猫の名演技に感心。失礼ながらブサイクでしたが。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-03-12 20:43:49) |
14.正統派の伝記物でないのは別にいいし、この監督なら素直な作品にはならないだろうというのは予測できるんだけど、それならそれ以外の場所できちんと凝ってくれないと・・・ただ思いつきのようなシーンをスルスル重ねられても、何のために作りたかったのかが分からないです。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-12-14 23:29:40) |
13.退廃的な雰囲気は感じられますが1960年代のイメージってこんなに暗いですか?冴えなくても好感の持てる人はいくらでもいますが、主人公のこのキャラクターでは伝わってくるものが殆どありません。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-12-10 22:59:19) |
12.《ネタバレ》 ストーリーが面白いとは思えないが、演奏される曲はどれも良い。フォークソングもなかなかの染みる、と感じた。 だが、最後に出てくるボブ・ディランの圧倒的な存在感(声と歌)によって、それまでの曲を忘れてしまった。やはり違いがあるのだろうか。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-12-10 20:56:32) |
11.長いミュージックビデオを見ているような映画だった。歌のクオリティーは高い。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-12-07 23:12:31) |
10.他の人も言うように本当にこれがコーエン兄弟の監督?って思いました。この監督だからということで劇場に足を運んだのに。内容もほとんど覚えていません。。 【珈琲時間】さん [映画館(字幕)] 4点(2016-11-19 09:01:07) |
9.フォークに詳しくない私にはピンとこなかったというのが正直な感想。 主人公の男に対しても、いかに偉大な男だと言われようが、それを感じさせるだけの説得力が無かったように思える。 途中中途半端なサスペンス要素があったりして、投げっぱなしなのも気になる。 主人公が律儀に猫の面倒をみてる所はとても良かったが、動物を意味もなく虐待するシーンの多いコーエン兄弟(「赤ちゃん泥棒」「ビッグリボウスキ」等々)だけに、心配したが・・・・。 ガッデム!やりやがった!なんか動物に恨みでもあるんでしょうかこの監督・・・。 【ヴレア】さん [DVD(字幕)] 4点(2016-11-17 15:30:16) |
|
8.ちょっと前に見たのにもう記憶に残ってない。。 本当にコーエン? |
7.ボブ・ディランの音楽、大好きな私からしたらもう少しボブ・ディランの素晴らしさという物を見せて欲しいとは思うものの、コーエン監督の画面作り、構成に拘りを見る事が出来、いつものこの監督の作品に出てくる駄目だけどどこか憎めない男が今作品でも健在で、コーエン監督のコーエン監督によるこれまたコーエン監督作品らしい映画として楽しむ事が出来た。それにしても毎回、異なるジャンルの作品を標準以上の出来にし、見せるこの監督の才能の高さには感心させられます。 【青観】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-05-22 14:03:38) |
6.《ネタバレ》 残念ながらボブ・ディランもフォークも好みじゃないので、音楽面では楽しめなかったです。 でも久しぶりに映画らしい映画を観られ、コーエン兄弟の違った面を知ることができました。 茶トラにゃんのあれこれとか、アラン模様の生成りのセーターの4人組とか (とにかくセーターがいいんです、フィッシャーマンセーター?) コーエン兄弟らしいユーモアもちゃんとあるの、ココがうれしい 自分の主義を曲げない、だから商業的に成功しない主人公 でもそれをかっこよく描いてないとこが良いです コーエン兄弟の映画作りの旨さが味わえる作品だと思う 映画らしい映画に拍手です。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2016-04-21 09:26:49) |
5.《ネタバレ》 1961年、ニューヨーク。売れない若手歌手ばかりが集うカフェで夜な夜なフォークギター片手にステージで歌う男、その名もルーウィン・デイヴィス。いずれ有名になることを夢見ていた彼だったが、コンビを組んでいた相棒を自殺でなくしてからは酒と女に溺れる鬱屈した日々を過ごしている。そんなある日、彼はひょんなことから知り合いの大学教授の猫を預かることになる。とはいえ彼はその日泊まる家すらままならないどん詰まりの毎日だ。一日だけでも泊めてもらおうと友達夫婦の家に向かうルーウィン。だが、応対に出た奥さんは彼のことを見るとかんかんに怒りだしてしまうのだった。「私、妊娠したみたいなの!きっとあなたの子よ!」――。そう告げる彼女の言葉に心当たりのあるルーウィンは、ちゃんと中絶費用を払うと約束するのだが、どう捻出したらいいかすら分からない。音楽活動も一向に芽が出ず、友達とも喧嘩ばかり、さらには預かっていた大切な猫さえ逃げ出してしまい……。そんなどん底を這いずり回るような日々を過ごす彼の人生に、果たして光は差すのか?いまや重鎮の風格さえ漂うコーエン兄弟の新作は、そんな愛すべき駄目男のどうしようもないトホホな日々を描いた佳品でありました。彼らの相変わらず冴えに冴えわたった演出はもはや抜群の安定感。女にも金にも酒にもだらしないどうしようもない駄目男の日常に、コーエン兄弟お得意のユーモアとペーソスが絶妙なバランス感覚で配合されていて観ていて大変微笑ましかったです(実際に知り合いにこんなヤツがいたら迷惑千万なんですけどね!笑)。もうやることなすことことごとくが裏目裏目に出てどんどんと不幸になっていくのですが、そのほとんどがまぁこのルーウィン・デイヴィスというアホ男の自業自得なので全然同情しなくて済むという設定が秀逸。特に、ジョン・グットマン演じる超胡散臭い男とのロードムービー的展開になるトコなんてあまりにも馬鹿馬鹿しすぎて何度も笑っちゃいました。そんな徹底的に駄目な男なのに、それでも音楽に対する情熱と自殺した元相棒に対する友情だけは決して失わないところがなんとも魅力的。僕は最後まで彼に好感を持って観ることが出来ました。「君は確かに巧い。音楽に対する情熱も素晴らしい。ただ、君の音楽には心に響くものがまるでない」。劇場のオーナーにそうとどめの一言を言われてしまった彼の人生に、それでもこれから先ほんの少しでも光が灯ることを願ってやみません。自分にとってはつらい毎日でも、客観的に見れば面白い人生なのかもしれない。そう思わせてくれる佳品でありました。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-11-06 22:52:09) |
4.《ネタバレ》 コーエン兄弟が好きな人はゼッタイ楽しめます。コンスタントにテイストの違ういい映画を連発できるのは、本当にスゴイ。オスカー・アイザックとキャリー・マリガンは「ドライブ」では夫婦でしたね。二人ともがらっと印象が違う。うまい。 そして、猫好きにはその愛らしさがたまらない。車の中で、ルーウィンと同じ動きをする彼女(でいいのだっけ?オスかメスが重要です)の瞳は忘れられない。 【カワウソの聞耳】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-07-20 21:53:17) |
3.《ネタバレ》 人生フラフラしてる奴の魂のこもった映画。コーエン兄弟は映画の見せ方を知ってる。CGなんかFUCKだ!これぞニューシネマの血をひく正統派アメリカ映画!骨太なんだけど、イーストウッドよりも、コーエンのセンスの方が俺は好き。なんか久々のロードムービーで猫と絡んで「ハリーとトント」か?なんて思ったら、クラピッシュの「猫が行方不明」みたいで、でも生まれてくる?子ども同様、見捨てちゃうんだよね、これが。で、旅の途中で自分の息子がいる田舎を通るんだけど、何かふっきれずに通過しちゃう。ここにこの主人公の性格?人生?がよく出てて、イライラするんだけど、このダメ男、な~んか憎めない。彼女のジーンもそう思ってる。また彼女がホント、美しいんだ!でもカントリーでも歌う女性ってサリーフィールド顔だね?アメリカ人好みの顔なんだろうね。ダメな歌手のロードムービーと言えば、最近では「クレイジーハート」があるけど、「インサイド~」は歌が魂に届くんだよね。名もなき男が演じてるから?あ、俺が知らないだけか(笑)。でも知らない俳優なんで先入観なく観れちゃうから、歌も素直に心に届くんだ。コーエンの演出の計算だろうけどね。上手いね~、この人たちは。「ファーゴ」観て、タダ者じゃないとは思ってたけどねぇ~。10点満点! 【トント】さん [DVD(字幕)] 10点(2015-03-29 01:44:33) |
2.米国のフォークソング、音楽史、そして、1960年代のフォークシンガー達の境遇..それを知らずに観たので..本作の面白さは、半分..いや、1/10も、伝わってこなかった..のかな? 「ボブ・ディランが憧れた伝説のシンガー」 って、言われても、ピンとこない..米国人に、幕末の英雄、“坂本龍馬” のコアな話を力説しても、理解してもらえないのと、同じ理屈だろう..映画の中では、何をやっても、うまくいかない 主人公 ルーウィン..何に対しても、だらしなく..言い方を変えれば、ろくでなし..リアルな描写は、さすがコーエン兄弟、と言えるが..ドラマとして普通に観れば..7点...(プチ情報 : 映画のラストで、ちらっと歌っていた若者が、ボブ・ディラン だそうだ..) 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-03-14 15:28:08) |
1.コーエン兄弟作品としては奇想天外な展開はなく「普通」の作りだが、映像の細部のこだわりにはその片鱗が感じ取れた。お気に入りのキャリー・マリガンが出ていたが、彼女の魅力が生かされてはいなかったのは残念。 【kaaaz】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-12-12 23:34:08) |