67.《ネタバレ》 これは好きな映画ですね。
手に汗握る緊迫感とか、物凄いセンスの良さがあるとか、そういう訳じゃないんだけど、定期的に観返したくなるような魅力がある。
分析してみるに、やはりモンスターである蜘蛛の描き方が良かったんじゃないでしょうか。
見た目も怖過ぎず、気持ち悪過ぎずで、そこはかとなく愛嬌があるし、殺し方もそこまで残酷じゃない。
銃を持った人間と一対一なら負けちゃうけど、数の力を活かせば圧倒出来る。
移動速度も素早く、徒歩の相手なら楽勝で追い付き、バイク相手なら逃がしてしまう事もある。
知能は道具を扱える程ではないが、原始的な狩りの術は習得済み。
そしてオスの三倍も大きいメスという、視覚的にも分かり易いボス格の存在……
様々な点でバランスの良い、名敵役といった感じでした。
主人公側の戦力も程好いバランスでまとまっているし、何と言っても主武装がショットガンというのが自分好み。
モールに立て籠り、襲い来る蜘蛛の大群をショットガンで迎え撃つ場面とか、もう本当に大好きなんですよね~
こういうゲームがあったらプレイしてみたいなぁ、なんて思っちゃいます。
人物設定も良くって、男性主人公と、子持ちのヒロイン、幼い息子、年頃の娘と、もう完璧な布陣。
何でなのか分からないけど、こういう組み合わせって琴線に触れるものがあるんですよね。
「君も子供達も、纏めて幸せにしてみせるよ」という、男としての自尊心みたいな物が満たされるからかな?
息子くんの背伸びしている感じや、娘ちゃんの思春期な感じも、実に好ましかったです。
・バイクに乗ったままジャンプし、空中で蜘蛛に蹴りを食らわせる。
・金網越しに突き出た蜘蛛の足を、チェーンソーで一気に斬り落とす。
・武装しろと言われた男が、ホッケーマスクにチェーンソーという「ジェイソンのようでいて、実は武器のチョイスがジェイソンじゃない」恰好をしてみせる。
等々、印象的な場面が色々と配されていて、観ている間ずっと飽きさせないのも良い。
客が少ないモールに、蜘蛛から逃げてきた人々が大挙して押し寄せるのを見て(ようやくモールに客が来たか)と喜ぶ町長のシーンなんかも、惚けたBGMと併せて、味わい深いものがありました。
誰も本気にしていないと思っていた「エイリアン襲来を警告するラジオ」のリスナー達が、終盤に駆け付けてくれるのも良いし「巨大蜘蛛に立ち向かうよりも勇気が必要な告白」をヒロインに対して行ったら、アッサリ受け入れてもらえて拍子抜けしつつ死地に赴く主人公って展開も、これまた素晴らしい。
無事に敵を一掃し、お約束のハッピーエンドを迎える結末まで、とても楽しい時間を過ごせました。