9.《ネタバレ》 脚本が何も紹介しなくても、その存在だけで刻んできた人生のひだや葛藤を醸し出すことのできる英国ベテラン俳優の実力を思い知らされます。逆に言うと彼らの存在におんぶされっぱなしのスクリプト、ともいえます。何せ「歌姫」として名高かったマギー・スミスの、その「音楽家」たる姿が一切示されないんだもの。歌っている姿は練習するとこが一瞬だけ、ついにはラストステージ上でも披露されることなく幕を閉じるというぶん投げぶりです。いや、やっぱりそこは芸事に人生を捧げてきた人たちが昇華する瞬間として、輝きを放つ舞台を設けるべきでした。我々も目撃者になりたかった。たとえ口パクでも、M・スミスだって演技者として歌姫像をまっとうしたかったはずでは。一見、しみじみといい話のようでいて、「元音楽家」にした必要性があまり無かったような。期待した音楽要素にスカされた感が残っちゃった。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-03-25 01:34:45) |
★8.《ネタバレ》 名優ダスティン・ホフマンが監督してもこの程度か?「名優必ずしも名監督ならず」と思いました。「実はこの映画の脇役こそが本当は主役なんだ」という仕掛けが最後のエンドルールで初めて判る。で、2回目に見るのが実は本当に楽しい映画。主役の茶番劇と脇役の名演奏でこの点数かな? 【アマデウスga好き】さん [地上波(字幕)] 5点(2017-08-30 08:44:24) |
7.びっくりするほどつまらなかった・・・。この4人にどういう背景があるのかも不明だし、それぞれどういう個性(登場の必然性)があるのかも分からないし、オペラという対象とどう接していたのかも分からない。つまり、基本的な人物設定からしてまったくできていないのです。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-07-27 00:58:33) |
6.《ネタバレ》 エンドロールを見てわかりました。台詞がない登場人物の音楽家は全て往年のクラシック音楽界のスターなんですね。この人たちに担がれたダスティン・ホフマンがとってつけたような元夫婦のオペラ歌手のお話を仕立てたみたいです。これがいい意味でも悪い意味でもこの作品の正体のようで、大のクラシック音楽ファンとして超甘の点数を献上しますが映画ファンも納得させる作品にしあげられなかったのが返す返すも残念です。みなさんラストシーンで四重唱者が姿を見せないことを大きな減点要因にしていらっしゃいますが、加えて四重唱の歌手たちがみんな体力気力芸術性ともに油が乗り切った年代の人たちなのも瞭然で、ラストがストーリーから完全に浮いてしまっています。高音がひび割れても低音に力が入らなくてもいいから年配の歌手を使うべきでした。以上に増して「往年の完成度は達成出来なくても歌うことはやはり楽しいね。」というようなメッセージを脚本・台詞で体現することも映画ファンを惹きつけるためには必須です。 【かわまり】さん [DVD(字幕)] 6点(2014-07-28 00:02:21) |
5.《ネタバレ》 同じ年に製作の、本作と同じくイギリス映画「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」と同じく、(両作品ともにマギー・スミスが出ています)イギリスのベテラン俳優のアンサンブルが楽しめる作品です。 ただ本作の場合、トム・コートネイとマギー・スミスが演じる、かつては夫婦であった2人がストーリーの軸になっているのですが、作品の中では非常に地味な役どころになってしまっています。 対して、カルテット(四重奏)のあとの2人の方が登場人物のキャラとしては魅力的で、実際にストーリーの軸になる2人よりもかなりキャラが立ってしまっています。年をとるということを時にコミカルに、時にシリアスに見せてくれるのもこの2人です。 また、こうした音楽モノのラストはやはり、主役がステージに顔を揃えてのパフォーマンスの様子を見せてくれて、観客の拍手の中感動のフィナーレを迎えるというのが定番だと思うのですが、本作にはそれが無いのも残念なところです。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-04-16 20:15:43) |
4.《ネタバレ》 これはダメでしょう。『カルテット』ってタイトルなのに、肝心のカルテットの映像がないんですよ!?!? どーゆーこと??? マギー・スミス演じるジーンがかつてのスーパー歌姫だった、と何度もセリフで説明されますが、さぁ、歌うぞ、ってところで歌うシーンは、なんと歌声だけ。たとえ口パクでも歌う姿を映さねば、まるで説得力なしでしょうが、ダスティン・ホフマンよ。レジーがジーンと離婚した理由も、たった一言のセリフでさらりと触れるだけで、おかげで彼らのハッピーエンドにまるで感動も感激もありません。ならば、音楽で聴かせるかと言えば、それもものすごく中途半端。こりゃ名付けて「詐欺映画」。ひど過ぎる。・・・それにしても、老人しか出てこない映画、ってのは見てるの結構キツイですねぇ。老い、病、死、孤立、、、、そんなの何もわざわざ映画で見せてくれなくても嫌ってほど現実で突きつけられてますってば。と言いたいところだが、だったら見るな! と言われそうですね。別に見たくて見たというよりは、2本立てのもう1本が見たかったから、仕方なく見ただけであって・・・(と一応言い訳をしておきます)。ダスティン・ホフマンは顔洗って出直すべし。 【すねこすり】さん [映画館(字幕)] 3点(2013-11-05 22:59:47) |
3.機内上映で鑑賞。 英国の富裕層向け老人ホームって豪華。こういうところで楽しく死にたい。 【mimi】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2013-08-02 13:42:21) |
2.ヴェルディ生誕200年を記念するとともに、名優ダスティン・ホフマンが監督としてメガホンをとった映画。この映画はかつての名音楽家や名優がたくさん登場するが、それだけでも大変な興奮を覚える。さてカルテットを組む4人、それぞれの生き方が有り、過去のこだわりや迫り来る老化など、悲喜こもごもの生活がユーモラスにまた皮肉っぽく語られるのが実に良い。私は事前に有名な四重唱「美しい恋の乙女」を聴いてから映画館に出かけたのだが、そこまでする必要はなかった。なお彼らと同年代のギネス・ジョーンズは本物の歌手で、彼女の歌うアリアは少しも衰えを感じさせない。なおビーチャム・ハウスのトーマス・ビーチャムは、モーツァルトやベートーヴェンら古典を大変得意にしていた私の大好きな英国の名指揮者である。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-06-23 06:34:47) |
1.《ネタバレ》 いやはや、みごとに外れてました。高齢者の元オペラ歌手4人をめぐるお話なのですが、過去にすばらしい歌手だったということが、こちらに実感できない。演じている俳優はベテラン揃いで存在感があるのですが、作中人物にはありません。それでもスケベジジイのウィルフととぼけたシシーは面白いキャラでがんばっていますが、主役であるはずの元夫婦2人は新聞紙よりも薄っぺらい人間にしか描かれていません。離婚した理由が最後にならないと明かされないので、レジーがあれほど嫌がるというのも理解できないし、途中で宗旨替えして四重唱をやろうと誘うのはもっと理解できない。ジーンにしても、年をとって思うように歌えなくなったとしても、あれほど四重唱を拒否するというのは、よくわかりません。要するに、人物の心理がほとんどすっ飛ばされているのです。 ただ本作の場合、日本語字幕にもちょっと問題がありそうです。会話がどうつながっているのかよくわからないところが何ヶ所かありましたし、拙いわたしの英語力でも、「ちょっとそれはおかしいんじゃないか」という表現もありました。というわけで、できれば違った字幕か日本語吹き替えでもう一度見てみたいところですが、とりあえず今回の上映では低く評価するしかありません。いい俳優さんや元演奏家をそろえているのに、もったいない話です。 【アングロファイル】さん [映画館(字幕)] 5点(2013-05-02 11:14:07) |