★8.《ネタバレ》 イ・チャンドンの監督デビュー作が裏社会モノという、一見らしくないチョイスなのだが、 最後まで見続けると彼のテイストが根底からブレていないことが分かる。 確かに青臭く、粗削りな部分はあれど、次回作の完成度の高さを見るに、 巨匠に続くステップは既にできあがっていたのだ。
兵役が終わった青年・マクトンの、分裂気味の家族と一緒に小さな食堂を開きたいというささやかな夢。 それが冒頭のスカーフの娘・ミエとの出会いで運命が大きく変わっていく。
彼にとって裏社会で生きるにはあまりにも純粋すぎた。 だからこそ、ボスの情婦であるミエはDVから逃げたい思いをマクトンに投影する。 一方、マクトンが"兄貴"と呼ぶボスのペ・テゴンもまた、冷酷で暴力を振るいながらも敵対する組織には逆らえない。 仁義云々といったアウトローへの憧憬はとうになく、敵のトップを殺してしまったマクトンをぺ・テゴンは殺害する。
主人公のマクトンが死んだ後でも物語が続くのが本作の肝で、イ・チャンドンが伝えたいことがラストに集約されている。 彼の死が皮肉にも家族の結束を強め、地鶏料理の食堂がオープンすることになった。 食堂に現れたぺ・テゴンとその子を孕むミエは、経営する家族が被害者遺族とも知らずに食事を取る。 逃げる地鶏の屠殺とマクトンの兄たちがぺ・テゴンに媚を売るシーンに弱肉強食の非情さを決定づける。 ミエがマクトンから貰った写真で、食堂が彼の実家だと分かったことだけは唯一の救いか。
新しく建てられた無機質なマンションと、古い家屋の対比を捉えたロングショットに、 格差がこれからも続き、高度経済成長の社会から取り残された人たちがいた、その記録を残していく。 本作から30年近く経った今、イ・チャンドンは次にどのようにして分断していく韓国社会を切り取るのだろうか。 【Cinecdocke】さん [インターネット(字幕)] 6点(2025-03-29 23:20:18) 《更新》 |
7.《ネタバレ》 「生きていくために・・・」そういう思いが伝わってくる作品 デビュー作から、イ・チャンドン監督の鋭い韓国社会への視点の鋭さを感じられる作品です。普通なら、主人公が車のフロントガラスに顔を押し当てるシーンで終わるところですが、そこで作品を終わらせずに、「その後」の姿をクライマックスに持ってくるところに監督の才能の片鱗を感じました。 【TM】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2014-06-14 01:06:10) |
6.雰囲気は良かったのですが、意味が分からないシーンが4分の1くらいありました。 【Olias】さん 6点(2004-02-08 02:47:01) |
5.《ネタバレ》 マクトン、かわいそう…不遇すぎる。最後は相手側の復讐に逢って絶命したのかな。そのへんを煙に巻いたラストの雰囲気だけど、きっとそうなんだろう。家族と一緒に暮らしたい、その純粋な夢のためにヤクザの道から足を洗いたいと思って起こした例の行動だけど、報われなかったねぇ。結構肝心なところを視聴者に想像させるシーンが多いと思うので、分からない部分もあったけど、ハン・ソッキュの一途で純粋な演技が光ったように思う。 |
【SUM】さん 9点(2003-12-22 17:11:41) |
3.正直イマイチでした。5点と迷ったけど、ハン・ソッキュと暴力シーンがリアルな感じで良かったので6点。平均点さげちゃってスイマセン。 |
2.ミエとのキスシーンが最高!!舌が入る瞬間、たまりません!あっ、ストーリーも、さすが韓国の映画賞を総なめした作品です、見終わった後、しっかり泣いてました。青年マクトンの生涯は幸せだったのかなぁ・・。 【ポンコ】さん 9点(2001-11-03 18:59:44) |
1.頼りなさげなハン・ソッキュがとてもかわいかった。 【okピーちゃん】さん 9点(2001-09-20 01:09:39) |