11.《ネタバレ》 うーん、面白くは、ない。特撮は「がんばってるなあ、うまいなあ」とは思うんだけど、しかしつまりそこに没入できるほどではない。おそらく「大聖堂でむかえる恐竜の最期」というイメージのみがあって、あとはそこまで行き当たりばったりみたいな物語。最初の犠牲者であるカルロスの死が、あまりにあっさりしていて(「あれ、カルロスは?」みたいな)、そこは妙におかしかったなあ。恋愛パートなど、この状況でなにやってんのというようなおかしさもあったが、しかしそれらは制作側の本意ではないでしょう。小馬が一番よかった。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 3点(2023-10-01 11:28:46) |
10.《ネタバレ》 どうせグワンジ君は映画中盤くらいまで登場しないんだろう、と思ってたら、まあ、その通りなんですけれども、いざ登場したらもう、圧巻です。これでもか、と細かい動きを見せてくれます。 ストーリーはつまるところ、『キング・コング』と大差なく、とっ捕まったグアンジ君が見世物として連れてこられた都会で逃げ出し大暴れ、というもの。しかしやっぱり都会で暴れてナンボですから、これでいいんです。原子怪獣リドサウルスしかり、金星怪獣イーマしかり。などと言ってると、炎に包まれた最期とか、ゾウとの死闘とか、『キング・コング』以外にも色々と焼き直しが入っているような・・・。 しかしコレ、特殊効果の技術はスバラシイです。まさにダイナメーション技術の到達点。人間と恐竜とが直接触れ合うのはさすがに無理だとしても、投げ縄で両者を繋いで見せるなど、俳優とコマ撮り人形とが同一画面上で一緒になってアクションを繰り広げます。スティラコサウルスの腹に槍を突きさすシーンなど、あまりに自然な描写となっていて、ドキリとさせられる程。 グアンジ君はちょっと青みがかった色をしていて、何故かそういう点にも妙に納得してしまう。恐竜ってのは爬虫類、トカゲの親分。え、羽毛恐竜だって? そんなの知りません。グアンジ君は腕の指が三本、だったらきっとアロサウルスだね。アロサウルスは青色、ティラノサウルスは茶色。という私の間違った思い込みを補強してくれる、これは実にいい映画です。 西部劇と恐竜、という相性もバツグンで、それでいて終盤はパニック映画にもなっていて、別に過去の作品の焼き直しだっていいじゃないの、見どころは一通り押さえていて、特殊効果も手抜き無し。何より、これぞ恐竜、という描写がうれしくって。いやあ、いい仕事してます。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-08-12 17:50:09) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 職人レイ・ハリーハウゼン御大、相変わらずイイ仕事してますね。ストーリー自体はこの手の恐竜映画の王道というか皆様ご指摘の通り『キングコング』の焼き直しでお目当ての恐竜も一時間近く経たないと登場しませんが、そこまでの本編ドラマが予想以上によく撮れています。舞台はメキシコ、時代は19世紀末、登場キャラはワイルド・ウェスト・ショー一座のカウボーイたちというプロットがなかなかな秀逸です。おかげで恐竜を投げ縄で捕獲しようとする面白い映像を見ることができました。主役のグワンジ君は現在の恐竜映画では主流のティラノ型ではなくアロサウルス・タイプなのが時代を感じさせますが、背丈が三メートル弱のアフリカ象ぐらいの大きさというのが、実写との合成を考慮されたちょうど良いスケールになっています。というかこれは『地球へ2千万マイル』の金星竜イミールともほぼ同じサイズで、ハリーハウゼンが好きなスケール感なのかもしれません、ちなみに競技場から大聖堂のラストへの流れはほぼ『地球へ2千万マイル』の再現と言えます。この映画はハリーハウゼンがリキを入れたにもかかわらず全米ではヒットしなかったそうで彼の最後のモンスター映画になってしまいましたが、数ある恐竜映画の中でも珠玉の一編と呼べるでしょう。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-09-01 23:30:35) (良:1票) |
★8.《ネタバレ》 この映画の存在は、ハリーハウゼン作品を意識した小学生の頃から知っていました。しかし解説本では「師匠であるウィリス・オブライエンの原案を映画化した/プロットはキングコングの焼き直し/ヒットせずハリーハウゼンは落胆した」と簡単に触れられる程度で、シンドバッド・シリーズなどのファンタジー作品に比べ、地味に扱われていました。そのため、観たいとは思わず月日が流れました。 その後、20代になり、我が家でもビデオプレーヤーを購入しました。隣町のビデオレンタル店にあったので観てみると「こんなに良く出来た作品だったとは!」と嬉しい発見に満ちていました。特に感激した点は、以下の3つです。 一つ目は、恐竜のシーンが後半に集中しているぶん、じっくりとダイナメーションを堪能できたことです。特に【グワンジが早朝に登場し、がけ崩れで気絶するまでの場面】は約10分、【見世物にされるが逃げ出し、最後を迎えるまでの場面】は約13分ほどもあり、大変、観ごたえがありました。 二つ目は、軽快さです。アクションに乗馬を活用しているためか、スピーディーな印象を受けました。BGMも映像を引き立てるように明朗・快活だと思いました。どこかで聞いたことがある音楽だな…と感じましたが、音楽担当のジェローム・モロスは「大いなる西部:1958年」も手掛けたと、後で知り、納得しました。 三つ目は、視覚的なスケールが大きいことです。投げ縄でグワンジを捕獲しようとする場面、大量のエキストラを使った街や大聖堂の場面など、大がかりな場面が多いと思いました。また、馬を使っている分、単に役者さんだけでモンスターを想定し演技・撮影している他のハリーハウゼン作品より手間がかかったのでは…と想像したりもしました。 より細かい魅力は、他のレビュアーさん達が書いて下さっているので繰り返しませんが、それにしてもレビュー数が少なすぎるな…と思います。確かに「最初から最後まで飽きさせない絶妙な面白さ」といった内容ではありません。しかし40分間、待てば、エオヒプスを捕獲しようとするコミカルな場面に始まり、谷の絶景と恐竜の登場…と次々と見せ場が続きます。良く言えば、後半に向け少しずつ盛り上るオーソドックスな展開だと思います。発表されて50年近く経ちますが、時代設定が昔(19~20世紀の変わりめ)であるぶん、良い意味で昔っぽい・味のある【恐竜映画の古典】として、もっと多くの人達に受け入れてもらえたらな…と思います。 さて、採点ですが、他の(下の3名の)レビュアーさん達と同様、10点を献上します。私にとっては【埋もれた名作】であり、もっと再評価されていい作品だと思います。 【せんべい】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2015-09-20 18:10:55) |
7.《ネタバレ》 オブライエンが残した原案らしいのですが、プロットははっきり言って「キング・コング(1933年版)」そのものです。恐竜と西部劇の融合というアイデアは男心をくすぐりますが、島ならともかく谷というのはいくらなんでも少々無理があります。しかっ~し、ストーリーは確かにもう少しどうにかならなかったのかと思うのですが、恐竜〝グワンジ〟が出色!ラストの大立ち回りに壮絶な絶命シーンが凄い。さらに、もう少し出し惜しみしても良いのにと言いたくなるくらいドンドン見せ場を作ってくれています。小型の馬が登場するところからして感動的ですし、恐竜も突然、岩陰からご登場ですからね。嬉しい限りですよ。しかもグワンジとカウボーイたちによる投げ縄バトルまである(そりゃ無理でしょとツッコミたくもなりますが)。欲を言えばラストのバトルは象でなくライオン5匹ぐらいにして欲しかったなぁ。それでもエンディングのキャスト紹介に〝andグワンジ〟と出てきた時は涙ものでした。恐竜、モンスター映画の中では「キング・コング」の次に好きな作品であり、グワンジはキングコングに次ぐヒーローなのです。こういう映画は今ではまず見られません。スピルバーグ監督は何故にオブライエンやハリーハウゼンのように恐竜を描いてくれないのか?ピーター・ジャクソン監督もまた違いました。ビジョンそのものが異なると言いますか、私には彼らはモンスターに対する思い入れやファンタジックさに欠けている気がします。オブライエン、ハリーハウゼン師弟のモンスターはどれもこれも魅力的なのです。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-08-21 18:55:40) (良:1票) |
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6.《ネタバレ》 レイ・ハリーハウゼンは主に「ファンタジーもの」と「アドベンチャー恐竜もの」に 分かれると個人的に思っているのだけれど、「恐竜グワンジ」は後者の中でも特に面白い映画ではないかと思います。(恐竜百万年よりも好きです・・・ラクエル・ウェルチは別ですが・・)ダイナメーションの恐竜の動きは、今のCGより味わいがあるし、愛着がわきます。また人間とグワンジ、スティラコサウルスとグワンジの戦い、更には象とグワンジの戦いと見所もタップリですし、ラストシーンで寺院の中にグワンジが入り込むシーンも秀逸です。もともと西部劇と恐竜ものが結びつかないし恐竜と寺院も「?」という感じですが、結びつかないからこそ意外な展開を感じるわけで非常に楽しむことができます。今後、CGではなく、ダイナメーションを使ってのスケール・予算の大きいSFかファンタジー映画ってもう製作されないのでしょうか。このような「古典」的映画を大切に、鑑賞していきたいと感じますが、それらへのオマージュとして手法も踏襲して製作されたものも見たい人は結構いるように思います。 【たくみ】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-07-08 18:05:24) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 「恐竜グワンジ」はビデオで観て、いつかDVDで再会したいと思っていました。 今回念願叶って綺麗な画面、美しい青色のグワンジを見ることが出来ました。 ハリーハウゼンさん自身が良く出来た作品というとおり、恐竜たちの出来も動きも素晴らしい! ホレボレと見とれていました。 グワンジ走ると早いのですもの(うっとり) カウボーイの投げ縄と暴れるグワンジの合成も迫力ありましたし、ラストの大暴れも楽しかったです。 私の人生のベスト映画です。 【たんぽぽ】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-11-13 20:14:16) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 ロストワールドと西部劇の融合映画。正直一時間近く恐竜は出てきませんが、いざ主役のグワンジが出てくるとその暴れっぷりに魅了されてしまいました。「原子怪獣現る」のリドサウルス、「水爆と深海の怪物」の水爆ダコなどハリーハウゼンの映画は他のB級モンスター映画と違い、主役として立派に映画に貢献しているところが素晴らしいです。特にクライマックス、音楽の無い中での教会でのグワンジ対人間の追跡劇は何度見ても見応えがあります。でもこのサーカス団、教会の弁償代とかで破産だろうな。 【クラウン】さん 10点(2005-03-24 00:22:41) (良:1票) |
3.最近初めて観たけどおもろい。西部劇な感じと怪獣モノがちゃんと融合してて新鮮やった。レイ・ハリーハウゼンの描く生き物達は今回もすごい生物感あって楽しめたし、展開は↓でへちょちょ様がご指摘の通り「キングコング」(古い方)なんやけどメキシコ風に味付けされてて俺はなんかよかったな~。たぶん「キングコング」のプロット自体が好きで入れ物(見せ方)変えたら、それもまた好きなんやろな~。特に小さな馬(これ欲しい)とか子役が微妙にいかしてました。ラストの街で大暴れのグワンジはおお!って感じでテンションあがったし。ただし、あたりまえやけど古い合成技術なんで今の時代感覚で期待されると肩透かし。カクカク怪獣が好きならそれなりに楽しめると思う。俺はかなり楽しめました。 【なにわ君】さん 10点(2005-01-25 02:48:42) (良:1票) |
2.これって生まれて初めて劇場で観た作品だと思う “空飛ぶゆうれい船”と併映だったかな? 当時は迫力感じました(そりゃ、ガキでしたから) 個人的に記念碑的な作品なので8点 【栗頭豆蔵】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-11-23 22:08:41) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 企画自体はオブライエンが戦時中から温めていたモノだったが、諸般の事情で棚上げされていたのを弟子ハリーハウゼンがダイナメーションで漸く1969年に映画化に漕ぎ着けた。オブライエンの原作の狙いはカウボーイと恐竜との絡みだったというから、メキシコ奥地で主人公のカウボーイ達一行がグワンジに遭遇し、投げ縄で挑む本作の図式は一応、師匠の意を或る程度達成していたとは思う。が、しかし!如何せんアイディアを寝かせておく期間が余りに長過ぎた。秘境探検の末に捕獲した怪物を持ち帰って見世物にしようとするも、市街地で大暴れ!やむなく退治されるプロットは明らかに傑作「キング・コング」の焼き直しに過ぎない上に、当時はアポロ11号が月面に到達しようかというご時勢ときてはアナクロニズムの謗りは免れまい。おまけにスティラコサウルスとの死闘を序盤で見せておきながらクライマックスが(イーマ竜と同じ)「象」との対決(ていうか一方的嬲り殺し)という構成のアンバランスさもよろしくない。でもまぁハリーハウゼンのモンスター造形は「恐竜100万年」よりは進歩していたし、そこそこ楽しめるんで6点。しっかし、我ながらコノ手の作品にゃ甘いなぁ(笑)。 【へちょちょ】さん 6点(2004-02-23 01:42:10) (良:1票) |