5.《ネタバレ》 とても重苦しい、救いの無いお話。ずっと息の詰まるような内容で人にも勧めにくい作品。
オチもアレですからカタルシスも味わいにくく、世間的にはなかなか高評価は得にくいだろうなと思います。
ただ、「悪魔」とはなんなのか?という疑問において、これほどまでに直球に描いてその意味を咀嚼し得た作品も他に知りません。
悪魔とはつまるところ、疑心暗鬼、憎悪や嫌悪、自分自身への絶望、といった人の心そのものなのでしょう。
「黒い影」とやらは他でも無い自分自身の黒い心の影であり、赦すことによってそれが消え失せた。
マリアは最終的に信仰心を取り戻したのでその点が救いであり信心深い映画ともいえますが、
宗教的なことを抜きにしても現代社会は人に刃を向ける人、あるいは自己否定の強すぎる人、
極端すぎる人が多いなと思う昨今だったので、個人的には感慨深い内容の作品であったなと感じています。