★9.《ネタバレ》 第一には、ごく初期のマカロニ・ウエスタンの一作…かと思うのですが、しかし既に中々に過激!とゆーのが、主役の「群盗」とかいう連中がのっけからトンデモなく極悪・残虐非道なのですね(も~『ワイルドバンチ』が尻尾巻いて逃げ出す…みたいな勢いで)。メキシコ革命が舞台の作品なのですケド、調べるとそもそもメキシコ革命自体が(日本でゆーたら)戦国時代のお話?みたいなハチャメチャな代物にも確かに見えるので、今作が部分的に(コレも日本でゆーたら)『羅生門』みたいな高度に荒んだ空気感に包まれているのは(時代は全然違うんだケド)ある意味当然のコトなのかも知れません。同時に、中盤~終盤にかけてややテンションが下がってゆく辺りには、またごく高度にアメリカン・ニューシネマ的なナニかをも感じ取れたのですが、ところがどーしてオーラスは全っ然暢気にヒャッハー!な終わり方をしていったりもするのですよ。やっぱ、ちょっと面喰らってしまいましたよね⇒メキシコ?イタリア?ラテン系?…恐るべし…と言いましょーか。。
要するに、ちょっと危うい表現かとは思いますが、ラテン系が共産主義なんぞに染まっちゃうと⇒こーいう支離滅裂な有様が出来上がる…てコトかな~と。とにかく今作、最後まで観ると、根本的にこのジャン・マリア・ヴォロンテの支離滅裂なキャラってのはマジで相当に映画表現的にもユニークな(ちょっと到底真似できない=てか真似なんかしたくもない…と言う様な)トンデモ野郎だったと思うのですね。でも、ソレでも尚このキャラにはまた、実に強力な説得力もが在るな…と思われたのも確実なのです。だから、またこのかなり意味不明ぎみなオーラスにおいても、私自身は実に爽やかに大爆笑してしまったのですよ。流石ヴォロンテ…その懐の深さ、恐るべし…と言いましょーか。。
ただし、単純に映画としては、前述どおりヴォロンテはヴォロンテでごく完成度高いと思うのですケド、他のキャラ…は実はそーでもなかったか?つーのがまた正直なトコロでもあるのです。第二主役的なルー・カステルは、途中まではともかくオーラスは単に油断が高じているダケにも見えてしまってるのがチョイとイケてないと思いましたし、クラウス・キンスキーはイマイチ存在感自体が在りませんですし、個人的にはもう一人アデリータもシンプルに途中退場してしまうダケなのはやっぱ勿体無かったかな…と思います。その辺も含めて、一点下げてのこの評価としてます。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-07-15 14:00:58) |
8.これ書くまで、イタリア映画と知らなかった。 かなり殺伐とした状況の中、メキシコ人にも矜持はある といったところがテーマか。それにしても、未だにマフィアが幅をきかせていて、治安がなかなか良くならないとは何とも。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-27 09:57:38) |
7.《ネタバレ》 切符売り場での割り込み行為に、この男は小狡く立ち回り系なキャラなのだろうとの予感は当たっておりました。 ジャン・マリア・ヴォロンテ、お目当てクラウス・キンスキー、共にパッとせず、最後まで惹かれるものが無い「何時終わるのかなぁ、長いなぁ」退屈極まりない作品でした。 |
6.意外性十分のラストが良かったです。そこにナショナリズムを感じてしまうのは過剰でしょうか。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-09-12 18:02:10) |
5.列車襲撃に始まる派手なオープニングといい、随所で見せる大胆なカメラといい、マカロニらしい楽しさが溢れてはいるのですが、物語は意外なほどに人間ドラマだったりして、ラストなんぞはもう、マカロニにあるまじき切なくも「エエ話」になっております。政府軍の銃を奪い革命軍へと供給する盗賊団のリーダー、チュンチョ。襲撃した列車に乗っていたアメリカ人青年ビルを何となく仲間に入れる(このヒト、やたら顔色が悪いなあ、と思ったら、『カサンドラ・クロス』のテロリスト氏でしたか)。最初、チュンチョは、「オレが掟だ」的な豪傑かと思っていたら、中盤だんだん人間臭さが見えてきます。素朴でなかなかいいオヤジ。次第に親密になるビルとの関係、しかしあくまでチュンチョが主でビルが従、であった筈なのだが……実はチュンチョの方こそ小さな世界に生きていて何も知らない井の中の蛙、外側には彼の知らない力学が働く大きな世界があり、ビルも実はそこの住人であった、ということ。外側の世界の存在を知り、さらにはその外側の世界から手を差し伸べられたチュンチョは、最後にいかなる行動をとるか。いやこれ、人間ドラマっちゅうより、プロレタリア映画ですね。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-27 23:18:48) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 何も知らずに見れば、そもそも誰が主人公なのかも想像がつきにくいオープニング。いや、それはそこだけではなく、話が進行してからも、誰が主導権を握るのかはなかなか予測がつかず、ひねりにひねりを加えて展開していく。ウエスタンの皮を被ってはいますが、骨子は現代型サスペンスですね。画面の左右と前後を存分に駆使した馬集団の疾走の撮り方も楽しい。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-10-18 22:36:11) |
【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-10-10 20:34:45) |
2.内容的には知らない国の歴史とか戦争とか全く好みではないが、なかなか力があって引き込まれた。各キャラクターが魅力いっぱいだった。特にあのメキシコ女性。そして馬、馬、馬。この映画は馬を楽しむことができる。放題も的確だと思う。古き良き作品だ。 【ぷりんぐるしゅ】さん [地上波(字幕)] 7点(2006-11-07 03:58:12) |
1.《ネタバレ》 予備知識なく観たものですから題名からしてメキシコ革命時代の強盗アクション娯楽作品かと思っていたのですが、思いのほか力作でしたね。開始直後からの列車襲撃シーンにあっという間に引き込まれてしまいました。物語の主人公、盗賊団の頭チュンチョと若いアメリカ人のグリンゴ(外国人の意)を対比させた人物描写が実に上手く興味が湧いてきます。彼らは政府軍を襲撃し革命軍に売るための武器を奪っているのですが、様々な出来事におけるそれぞれの対処法を見せる事によってチュンチョの人間臭さやグリンゴの非人道的さが露になっていく過程が見事です。そして最後のチュンチョとグリンゴのやりとりが素晴らしい。理由など分らずとも対称的な人間である者の思想が一致しない事を思い知らされ、人間の根源的で大切な部分を呼び起こされます。すっかりもとのチュンチョに戻り最後にパンではなくダイナマイトを買え!と叫ぶ生き生きとした姿がとても印象的です。それからどうでもいい事ですけどチュンチョを見ていると三船敏郎を思い出します。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-14 18:25:37) (良:1票) |