11.《ネタバレ》 戦後初期のメロドラマ邦画を代表する3部作の第1部。戦時下で生死をかけて、手と手を取り合ったアナタとアタシ。数寄屋橋の上で名も明かさずに再会を誓い合う。ここからとても有り得ないようなすれ違いの連続が始まる。まるで韓流やな。70年以上も前、色も着いていないモノクロ邦画にこのようなお話が盛り込まれようとは。今の映像が発達したSFアクション映画なんざ目じゃねえぜ。今作の全てのファンタジックな出来事の中心にいるのは誰よりも夫・ハマグっちゃんの存在。ケッコン前はあれだけ親切だった男が、一緒になった途端にあの豹変ぶり。傲慢で嫉妬深い…極端すぎて滑稽に見えるぞ。DVD特典のドキュメンタリーは今から約30年前に制作。当時は俳優たちも老けて見えただろうが、今となってはみんな若い。生前の大庭監督まで登場する激レア映像。特典も含めて良作。 【獅子-平常心】さん [DVD(邦画)] 7点(2024-12-17 02:38:55) |
10.感動モノだと思っていたら、まさかこういう展開だったとは。夫のヒネクレ具合は面白いので「お笑い映画」としてみればいいのかもしれないが。ただしそれも現代的な感覚であり、同時代的には違った見方(感動モノ?)がされたんだろう。 |
9.《ネタバレ》 旦那の浜口がつまらん。 そもそも真知子が心に思ってる男と、二人を添い遂げさせたいと、 真知子に付きまとうこと自体、ナンセンス。 そんなんほっとけばいいんであって、 人の恋路を邪魔するやつは・・というやつだよ、これ。 あれかな~、戦後、意のままならぬ男女関係が多くて、 お坊ちゃんの浜口は、真知子に光を感じて、惹きつけられたのかな~ でも浜口がいなければ、スムーズに真知子と春樹は、一緒になれたんじゃないのかな~ さて第2部は? 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2020-07-25 15:55:03) |
★8.《ネタバレ》 日本のドロドロ愛憎メロドラマの原点と言える三部作。今で言えばまるで韓流ドラマなその内容は、映画の題材としては幾分安っぽいような気もするが、奥様方の琴線にビンビン来るような要素が大量に、かつ巧みに織り交ぜられ(第一に戦争・嫁イビリ・望まぬ縁談といったよーな時代背景に特有な事柄と、第二に三角関係・望まぬ妊娠・病気だとかいった普遍的なドロドロ恋愛コンテンツ)大変に結構なドロドロ具合で確かに大ヒットしたのも頷ける内容。一点、昭和美人な岸恵子はともかく佐田啓二の後宮君がイマイチ格好良くない(見るからに優柔不断そうで頼りなさげ)と思うのは私だけでしょうか?
第一部については、やや取って付けな展開(後宮を想いながら何故浜口と結婚したのかとか、優しく親切だった浜口は何故マザコン・ジェラシー・クソ旦那に豹変したのか、等)も目立つが、終盤の佐渡でのシーンに向けグングン盛り上がるサマは中々に見事であり、普通に観入ってしまった。ただし、演技はだいぶん古臭く(淡島千景の明るい芝居は貴重な清涼剤だが)この点はさほど良いとは思われない。 【Yuki2Invy】さん [DVD(邦画)] 7点(2019-12-07 18:11:21) |
7.《ネタバレ》 2013.10/03 鑑賞。これが一世を風靡した作品か? 娯楽の少ない時代で、小学生だったが話題になっていた記憶がある。すれ違いにはイライラする。 【ご自由さん】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-10-15 17:44:30) |
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6.《ネタバレ》 大空襲の最中、偶然出会った男女(春樹と真知子)とが降る爆弾や燃え盛る炎の中を逃げ惑う。死の恐怖におののきながら、爆撃の合間に恥じらいながらも、ふと顔を見合わす二人。若い二人にとって命の炎は恋の炎だった。「生きていることがまるで夢のようだ 夕べの内に何万人という人が死んだかもしれないのに」春樹の感慨には実感が籠る。だから「今日の想い出に、もし生きていたら半年後に、名も知れぬままにこの場所で会おう」という仮構めいた約束にも現実味がある。これが恋の始まり。紆余曲折を経て、一年後に二人は再会を果たす。が、女はそのとき婚約していた。待望の再会の時が恋の終りという意外な展開。二人はお互いを忘れようとする。「忘却とは忘れ去ることなり 忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」だが運命は二人を再び結びつける。真知子の夫が春樹の職場の上司となり、二人は再会。妻の愛情を疑った夫が妻に辛く当り、春樹を辞職させる。家を飛び出て春樹の元に走る真知子だが二人はすれ違い、彼女は故郷の佐渡に帰る。真知子の友人綾にけしかけられ佐渡に渡る春樹。橋の上で自殺しようとする真知子を助けて愛を告げる春樹だったが、真知子から妊娠の事実を告げられる。生まれ来る子供の為に再度別れを決意する二人。 ◆空襲の悲惨さに加え、売春婦、混血児、闇商売、密輸等、戦後の混乱期の世相を色濃く反映した内容で、単なるメロドラマで終わっていない。ここには不幸な女性が沢山でてくる。売春婦に身を落とす女、外人の子供を宿して自殺未遂する女、頑迷な夫に仕える妻、戦争未亡人。食べていくのがやっとの時代 誰もが生活第一で、純愛を貫くなどは夢物語。だから劇中、春樹の姉の悠起枝は真知子に夢を追うよりも眼前の結婚を選べと諭し、真知子も首肯した。 それでも人々は純愛を求めた。夢がない時代だからこそ、夢のある物語が待望された。おとぎ話のような純愛や夢ではなく、不幸な結婚生活や望まない妊娠等、実生活の生々しいものを乗り越えた末にたどり着く”真の幸福”、泥の中から蓮が芽を伸ばして、やがて花が咲くような”永くて淡い恋”が、当時の人の実感としてぴったり合っていたと推察する。形式上は不倫物語だが、そこには愛の再生、人間性の回復、ひいては日本の再生への思いが込められていただろう。これが大ヒットした理由と思う。時代を内包した映画といえる。見所は冒頭の美男美女の演じる”語らぬ愛”。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-08-15 17:11:01) |
5.《ネタバレ》 いやあ、相当イライラさせられました。主人公2人はたいして動かない代わり、まわりがうるさいことこの上なし。誰が主役かわからないくらいです。綾とか真知子の夫とか、目立ちすぎでしょう。 これはもしかしたら、映画化したのが間違いだったのかもしれません。ラジオの連続ドラマであれば、続きが気になってのめり込めるのかもしれません。しかし映画ではトントンと話が進むし、同じようなことをダラダラと続けているばかりで、飽きてしまいました。春樹の姉の話とか中途半端もいいところですが、あれは第二部以降に展開があるのでしょうね。まあ、別にどうでもいいですが……。 音楽(主題歌)がいいのと、円谷英二の特撮が見られたので、おまけで+1点。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-01-10 21:46:35) |
4.《ネタバレ》 1953年の作品というとあの「ローマの休日」と同じ年の作品ですね。オードリー・ヘプバーンと岸恵子さん、ヒロインを演じた2人の魅力は対照的かもしれないけど、どうにもならない状況での恋愛に苦悶し悩む様子には共通点すら感じました(キュートさも)。確かに古き良き時代のメロドラマですし、冷静になれば突っ込みどころ満載、それでもすれ違ってすれ違って、ようやくラスト、佐渡のつり橋の上で想いを分かち合い抱き合うシーンには(真知子が妊娠しているというこれまた難しい問題はあれど)幸福感を覚えてしまいました。私は根っからこういうコテコテの恋愛モノが好きなんだなと再認識(笑) ダンナがマザコンで束縛野郎でどうにもいけ好かないんだけど、私は出会いから1年半後に結婚した真知子よりもこの男にイライラさせられっぱなしでした。誰しもがどこか突き抜けないもどかしさに包まれた展開に終始していますが、これはこれでいいと思います。こういう恋愛モノもまた味かなと。さすがに後宮が真知子の行方を捜す雨のシーン、線路整備してる人に聞くなら肝心の駅舎に寄れや!と叫んでしまいましたが(^^; なんやかんや書きましたが、結局私は58年前の岸恵子さんにホレちゃったクチかもしれません(爆)一番グっときたのは、歌舞伎座のシーンで、チラチラと後宮を観る真知子のあの目線!あー可愛い(=^^=)第二部第三部はDVDで観ます。 |
3.半年後の再会の約束だけをして名前も聞かずに別れていく、まさに昭和のメロドラマ。近づいたかと思うと遠くなり、離れたかと思うとまた近づく。それでいてなかなか会えず、すれ違いばかり・・・。このじれったいもどかしさが当時の女性の心をかき立て、ラジオドラマの放送が始まると、銭湯から女性客が消えたという神話が残る「君の名は」は私の子供の頃にラジオドラマが始まり映画にもなった。「君の名は」の主題歌が街に流れ、「真知子まき」も流行した。 平成になってDVD化され、ようやく第1部だけ見ることができた。改めて昭和メロドラマの原点を感じた。現代の携帯社会ではおよそ想像のつかないことだろうが・・・。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-08-19 21:34:42) |
2.《ネタバレ》 名作だけあって、ストーリーの軸はしっかりしているものの、内容は現代で言うところの昼ドラである。 なんと言っても、岸恵子演じる主人公がどうにも救いようがない。 迷いと弱さばかりが目立ち、本作のストーリーが紆余曲折するのは、全てこの岸恵子が原因と思いたくなるほどだ。 岸恵子の意志が強ければ、ハナからこんなウダウダとした流れにはならないはず。 結婚なんて決まっていたって、1年半ぶりに数寄屋橋で再会した時点で、駆け落ちすればその時点で話は終わっていたはずで、第三部どころか20分程度の短編になっていたはずなのに、なんて憎い女性なんだ! 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2010-02-08 01:07:03) |
1.ある程度の日本映画ファンなら一度はタイトルを耳にした事があるんじゃないかと推察される、伝説の大ヒット古典的メロドラマ大作『君の名は』。大の甘物好きの自分としては、DVDパッケージを眼にした瞬間、ついつい手が伸びてしまった次第。岸恵子とてつもなくキレイ!淡島千景、ここでもチャキチャキしてんなあ~!おっ!こんなチョイ役で月丘夢路やら野添ひとみやら淡路恵子やらが出てくるんだ~。当時「女優大国松竹」の威信を賭けた勝負作っていうのがこのキャストを見ただけでも充分伺えますね。ありとあらゆるインタビューで、ヒロイン真知子役を演じた岸恵子が実はこの役は大嫌いだったって、言いたい放題発言してるのをあらかじめ読んで知っていたので、実物はどんなもんじゃいと正直期待半分不安半分でした。・・・・なるほどなあ、並み居る日本映画黄金時代の大女優の中でも、ひときわ自我の強かった彼女が、この役を嫌がった理由がよ~くわかりました。だってこの映画の主役二人って、環境に流されまくりなんだもん。ヒーロー、前髪ハラリ二枚目佐田啓二もカッコイイっていやあカッコイイけれど、あまりに意思薄弱というか、腰が引けてて情けない事この上ないし(笑)例の数寄屋橋で、戦後二人が再会する名シーンまではムード醸成が非常に巧く、このメロドラマに酔わされましたが、後半になってくると段々と作為が見え透いてきて、二人が単なる間抜けに見えてきてしまうのが難。第一部だけでもう自分はお腹いっぱいです。でもこの伝説の作品を、念願叶ってようやく観る事が出来たのは収穫。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-07-18 14:14:11) (良:1票) |