1.《ネタバレ》 マカロニウエスタンで主役且つ善玉のクラウス・キンスキーの貴重な姿が見られます。無実の罪を着せられた(詳細が96分版ではカットされている気がして非常に残念)男が復讐を果たす物語。雑魚キャラ・中ボス・ラスボス全ての悪玉が話にならない程弱過ぎて呆れるのですが、異様な程物静かなキンスキーが段々とホラー作品の殺人鬼に見えてきて(赤シャツが強烈)見応えがありました。余人にはこのテイストは出せません。異名通りの「怪優」キンスキーがお好きな方にお勧めの一品。なかなかに渋いタイトルの意味を考えているのですが、聖書創世記でのカインの話で、殺人を犯した者は逃亡者として彷徨い歩きこの地上では安らぎのない人となるという事を示しているのだと思います。ジョン・フォード監督作「ハリケーン(1937)」を思い起こさせる鐘の音も印象深い演出です。