★45.《ネタバレ》 SF的な風味付けもされてるにはされてると思いますが、大枠は彼の国伝統のノワール的な構造(オッサン・オッサン・美女+感情移入がし易そうな若造の主人公、な~んて建付けも含めて)を大々的に有している…と当初は見えているのです。が、最後まで観終わると、ソレがそうっぽいのはワリとごく最初と最後ダケで、中盤は全然(全っ然)ノワールでもナンでもなかったな…とゆーか、んで私も正直そこんトコロ自体は=観てる真っ最中は結構モノ凄~く違和感を覚えながら観てたなっちゅーか、それ自体は率直にネガティブな感想としてまずは伝えて置きたいのですね。やっぱ私、ノワールのノワールたる「ニヒル」な世界観って、実際にこの世界が正に「虚無である」ってコトそのモノの抽象だと思ってる⇒そこに、ヒトのヒトたる「虚無でないナニか」を控え目にもごく明確に主張してゆく…というさりげなさこそがノワールの最大の醍醐味だと、比較的強力にそー思ってしまってるので在りますのよね。
がしかし、違和感を覚え…と言いつつも、その中盤の長い長いマロいふたりのシーンのクオリティ自体は実に素晴らしくシャレオツだったとも思いますし、冒頭からもな~んか妙に「リズムの好い」映画だな…と思って居たりもして(音は大して鳴らずとも⇒これは確かに「音楽」なのだ、と)加えて言うならばジュリエット・ビノシュの類稀な可憐さその他諸々といい(⇒今作のこのジュリー・デルピーをも全く寄せ付けないってのはスゴすぎる)てゆーか今作のビノシュは中々に=映画史に残るべきってレベルに実に卓越した仕事を成し遂げるな~と思うのですよね。若いのに、否、その若さも含めて、且つは思いっ切り年上&年下のふたりの男の狭間に揺蕩うっちゅうモロ出しの二面性の見事な表現も含めて、個人的にはあの『レオン』のマチルダ=ナタリー・ポートマンを少し思い出しちゃったりもしましたよね⇒作品としてはコッチの方がフツーに先行ですケドも。
んで結局、中盤で結構(個人的には)盛り下がったりもしたものの、最終的には=コレはたぶん(少なくとも単なる)ノワールじゃない…と悟った上で最後まで観終わった暁には、好い~映画ジャ~ン!!と完全に思い直すに至りました。前述した(私の思う)ノワールとは違って、もっと青臭く・もっとプリミティブに・プリミティブなナニかを叩きつけて来る様な=ある種の「叫び」の様な映画だ、とは思いつつも、その絶叫の内容自体には結構思いっ切り共感できちゃった、と言うしかないのです。最終手段として、男って「格好好く死ねればソレで好い(⇒多くは、愛する人の為になら)」という選択肢を最後まで捨てるべきじゃねーんだよな…とゆーか、とか言いつつも(再び)もうそんな価値観の青春映画がつくられる時代なんて二度と来ねーわ!(否、来るべきですらねーわ!)とゆーか、書いてて思いますケド私も中々こーいうトコロのアップデートが侭ならない人間なんすよね………結論、もう一点加えようかを少しダケ迷ったコトを潔く告白しつつ、やっぱ中盤は長ーよ、と思ったコトを言い訳にこの点数に留めておきます。追伸、三部作らしいので他のも観ます。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 8点(2024-11-17 15:51:37) 《新規》 |
44.最初から最後まで、この作品に共感することができなかった。自分の中で久しくなかったことだが、ハズレ作品を選んでしまったようだ。作品のほとんどすべての要素において、感性が合わなかった。デイビット・ボウイのモダンラブがかかるシーンすら、カッコいいとも思えず、ただクソガキが恋心をこじらせておかしくなってるだけとしか思えなかった。 ジュリエット・ビノシュとジュリー・デルピーが本作の救いで、彼女たちの若々しく、美しい姿がなければ、途中で挫折したのが確実だったろう。 思春期の焦燥を、詩的な台詞と感覚的な映像で表現した作品なのだろうが、この台詞がなんというか、奥行きがない。詩的だが、詩情がないというべきなのか。監督が制作当時若過ぎたせいもあってか、己の感覚任せに台詞を書いている感じで、この詩的な台詞が物語の筋にのちのち関わったり、あるいは登場人物たちの人間性や生き様を表すこともないため、観ていて、子どもが延々とポエティックな能書きを垂れているだけにしか見えなかった。ストーリー展開も粗があるため、退屈で興奮することもできない。製薬会社に侵入してからの、諸々の描写の雑さには唖然とするしかない。なんで警察はこんなクソガキ一人捕まえられないんだ(笑) 【nakashi】さん [DVD(字幕)] 3点(2020-05-05 20:22:35) |
43.《ネタバレ》 前半が長すぎるかな。特にスイスに高飛びする→パラシュート練習しようのシーンは無理があるし、ストーリー的にも不要。後半は面白い。ジュリーデルピーもジュリエットビノシュもこの世の物とは思えないくらい美しいのに、演技もしっかりしてる。こういった人達の作品が世紀を超えて残っていくのは当然だと思うし、逆にルックスだけで演技ダメな人を使った作品(まあつまり多くの日本の作品)が残っていかないのも当然だと思った。 【なす】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-01-23 12:48:33) |
42.自分が若い頃に見て,今も記憶に残って居る映画を纏めて評価します. 鮮烈な色彩,記憶に残るシーン,ドニ・ラヴァンとジュリエット・ビノシュも素晴らしいです. 【ahiru3】さん [レーザーディスク(字幕)] 10点(2016-03-28 21:54:13) |
41.《ネタバレ》 これ若い時に観ていたら色々刺激があったんじゃないかと思う。 40を疾うに過ぎたオッチャンの初見としては、アレだが・・・(アレって何だよ)。 映像的には洒落ている思う(軽い言い方でスンマセン)。 猿顔の主人公が、デビッド・ボウイの『モダン・ラブ』で疾走するシーンが印象的で気に入ったのと、序盤の近未来でも確り避妊をしているのが好感と思いつつ見習わなくては・・・と。 ふと、尾崎豊氏の『15の夜』を思い出したりもした映画でした。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-01-26 05:47:10) |
40.《ネタバレ》 なつかしいね、両腕をひろげたビノシュ。 カラフルな2作目はアンナの恋人が年上の男なのもあって彼らの若さがきわだつ。 赤や青、あざやかな色のイマージュは、90年代のキェシロフスキ「トリコロール」3部作のアイディアも生んだのではないかと思えるほどで、あの3人のうち2人はこのビノシュとデルピーでもあるし。 「モダン・ラブ」で塀ぞいに疾走するラヴァンは依然ボウイ信奉者カラックス、この躍動感は最後のビノシュと対か。 SFチックな設定はかすみがちだけれど、感覚と純愛がメインらしいので気にならない映画は、飛行場であれほど思ってくれたアレックスの命がつきるとアンナの中で何かがこわれ、鳥のように、風のように滑走路をひた走る、青春を切りとったようなラストシーンが鮮烈。 【レイン】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-10-10 07:00:02) |
39.素晴らしい。かなりゴダールの影響を受けながらも、ストーリー展開はまるでハリウッドのような流れ。銃撃戦もハリウッドらしい。この個性を観よ。 【Balrog】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-07-14 22:47:48) |
38.《ネタバレ》 レオスカラックスの名前がこのところ、よく上がる。某レンタル会社の企画でアレックス3部作がDVD化され、またカラックス監督の新作が公開されるからであろう。映画ファンとの話の中で最近、確実にみんなの口から彼の名が出る。3部作の中で最後に観たのはこの作品だった。やはりヨーロッパの感性でしか描けない映画がそこにあった。次の「ポンヌフ」ではさらに痛々しいほどの感性をさらけだす、その予兆は確かにこの作品にあった。顔のアップが多い。音楽もそれほど多用しない。しかしそれを使うときのインパクトと言えば!我々は作品世界に引き込まれる。二人の女優の美しさでもあろう。何より映画とはこんなに可能性を秘めたもんなんだ!と自由に創っている。決して美男ではないアレックスをここまでチャーミングに見せる監督の、この男優の起用にこだわる理由は分からないが、アレックス3部作がここまで個性的なのは、この配役が成功しているということだろう。まるで深夜の映画館で観ているような、閉ざされた世界を描いていた「ボーイミーツ」と、一気に市街全部が舞台の「ポンヌフ」との間にきちんと収まる、このラブストーリーはやはりカラックスが映画の世界で産み落とされた幸せな人材だったことを印象づけた。 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2013-05-23 00:11:14) |
37.進行中の恋愛の話か、昔の恋愛の話か、バラバラしていてまとまりがなかった感がある。切っても切れないとは思うが、もう少し話を練れなかったものか。 【afoijw】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-01-15 02:44:57) |
36.アレックス三部作最高の出来ですね。間違いなく満点! もうこの映画は宝物のような感じ。こんな映画をつくってくれて感謝です。 【エーテル】さん [DVD(字幕)] 10点(2011-08-26 02:33:10) |
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35.ボーイ・ミーツ・ガールの評判から、リュック・ベッソン、ジャン=ジャック・ベネックスと共に”les enfants terribles”と脚光を浴びたレオス・カラックスの第二作。 影の黒。夜の青。服の黄色。ベッドの赤。クリアな原色の美しさ。 ヌーベル・バーグを思わせる演出。 そして有名な”モダン・ラヴ”に合わせての疾走シーン。 キザで・アオくて・美しい。 感傷的で、繊細な思春期の心を見事に映像に発散していた。 【せかいのこども】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-12-11 22:19:31) |
34.多様なジャンル性を持つ作品で、音楽・近未来SF・ロマンス・サスペンス・犯罪などの要素が複雑に絡み合い、なお且つヌーヴェル・ヴァーグ的な風味を併せ持ったフランス映画だ。 主人公アレックスが、音楽にのって右へ右へくねりながら疾走するシーンは特に印象的。 そして、レオス・カラックスならではの、青や赤や黄色を使った色使いも美しい。 前半は小難しいフランス映画と思い、嫌気が差し始めたが、後半になるにつれその不思議な世界に酔いしれるまでになった。 二度三度見たら、いや見る気は起きないが、もし見たらその世界観に更に浸れるかもしれない。 次は『ポンヌフの恋人』を見ようかな。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-03-08 23:41:24) 《更新》 |
33.《ネタバレ》 “アレックス3部作”と呼ばれる作品の中では一番好きです。ハレー彗星が近づく近未来が舞台。そして、愛の無いSEXをすると感染してしまう奇病などSFっぽい設定であるが、それが物語に直接関わることはない。単に動機的な位置づけとして扱われていることからもそう言える。病気とも無縁であり、アンナに一方的に恋心を抱くアレックス。利用されていることも知らず協力してしまうことからも、3部作通じてそうだが、アレックスは本当に純粋であり、自分の直感を過信して行動している。この作品ははっきりいって相当なロマンチスト向けであり、そこに直感的ではなく感覚的に共感できるか否かでしょう。私は後者であったため存分にその世界観を楽しめた。一目惚れしたアレックスの大恋愛であり、彼の心理、行動をちくいち観ていると切なさやら訝しさが伝わってくるのが良い。そして、モノクロームの夜のシーンは神秘的で美しく、髪をなびかせて去るシーンも印象的でした。また、個人的なことですが、劇中に登場するフランス産のタバコに憧れて同じものを吸い始めたのもいい思い出です。 【シネマブルク】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-07-03 11:48:22) |
32.《ネタバレ》 原色を効果的に使ったデザインを見ているような映像や実験的な作風はゴダールを思い出させましたね。 内容も若さから来る衝動のようなものが上手く表現されていると思います。もう少し若い頃に出会いたかったですね。リアルタイムで見ていたらきっと夢中になっていたと思います。 【TM】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2009-03-18 15:19:52) |
31.滑稽サスペンス。各所に天然キャラ的なものがあります。ちょっと狙いすぎの場面が多く、片腹痛くなった。しかし、感情中心という視点で落ち着いた空間を描いているのは、欧風映画の良いところですね。 【チューン】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2008-05-04 22:30:00) |
30.《ネタバレ》 ジュリエット・ビノシュも良いけど、ジュリー・デルビーも捨てがたい・・・そんな映画です。愛の無いSEXをすると感染するという「病気」、そしてそれを治療する「薬」等の初期設定がほとんど意味を成していないのはご愛嬌(笑)恋する女の子の美しさに見とれるのがこの映画の正しい鑑賞法?かと。愛の無いSEXをしたことがある寂しい人にハゲメンド(激しくリコメンド) 【ブー鳥】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-12-26 17:19:50) |
29.評価を下げてしまってすみません。「ポーラX」→「ポンヌフの恋人」と逆順で、ようやくこの「汚れた血」を観ました。結局、アレックス3部作の最初の作品「ボーイ・ミーツ・・・」へと戻ることはないでしょう。この作品「汚れた血」を観て気づいたことが2つあります。一つは、私もジュリエット・ビノシュが生理的にだめだ、ということ。(何がイヤかを書くのはここの趣旨に反するので止めます。)もう一つは、多分金輪際、カラックスは観ない、ということ。以上。 |
28.《ネタバレ》 カラックス作品の中で一番好きです。ジュリーデルピーの美しさと演技が輝いている映画。最後のビノジュの動きが早送りっぽくなっていくのはなぜか心打たれた。 全体的にとてもカッコいい仕上がり。芸術的です。 【将】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2006-05-07 15:14:52) |
27.洒落てはいるが婉曲に過ぎる台詞は理解も共感も及ばないところにあって、最後まで一ミリも心を動かされることはなかった。主人公アレックスの恋する気持ちもまったく伝わってこない。これが現実なら、単に思い込みの強いやつなんじゃないかと疑うくらいだ。でも「愛のないセックスで感染する死病」という魅惑的な設定を用意しておきながら直接物語に関わってくることがなかったのを見る限り、アレックスは純粋そのものだったのだろう。ラストシーンでヒロインが頬についた血を拭わないのは、それが決して汚れた血であるはずがないとわかっていたから。にしても、映像がかっこよすぎる。ゴダールの再来といわれたそうだけど、そんな呼称はカラックスに失礼だろう。おかげで物語はどうでもいいのにこれっぽっちも退屈しなかった。アートという言葉を退屈の言い訳に使う作品は嫌いだ。本来これくらいの吸引力を持っていてこそのアートだろうと思う。 【no one】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-17 13:20:02) (良:1票) |
26.アメリカ女が出てきた時点で、これはフランス映画とその中で誕生するヌーベル・ヌーベル・ヴァーグの物語と解釈してしまった。以下、私の妄想的解釈。アメリカ女=アメリカの映画会社のプロデューサー。謎の病気の蔓延とハレー彗星接近による世紀末的状況=フランス映画の低迷。ワクチンがあり、彗星もいずれ通りすぎるので低迷は一過性のもの。殺された男は偉大なるヌーベル・ヴァーグ?息子は父と同じく手が器用=ヌーベル・ヴァーグを引き継いでいる。息子の名前はカラックスの分身・アレックス。新たな世界へはばたきたいアレックスは資金調達のために父の仲間と共にある計画を実行する。盗み=引用?仲間はアメリカ女を恐れる男とスタイルに拘る男と謎の女。やっぱり出てきたガラス張りのアジトは映画そのもの。今度の“新しい波”はとてつもないスピードを見せつける。腹話術=直接言葉で伝えない?アレックスは死ぬが映画は死なない。疾走する映画は女に受け継がれた。頻繁に出てくる髭剃りのシーンは?パラシュート降下は?さぁ、みんなで考えよう!って適当なことを長々とスイマセン。でも、透き通るような美しさとはまさにこのこと!と思わせる二人の女優を見るだけでも価値があると思います。女優を美しく撮るって重要なことです。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-07-12 16:12:25) (良:2票) |