★17.《ネタバレ》 実は原作未読だが、高度にインモラルで倒錯的な内容が単純にかなり面白いと思った。そこへ来て今作、実際に直接的な「行為」の描写は無い、というのが映画の構成的にもひとつ素晴らしい。が、一方で映画としてはやはり少しパンチに欠ける、と言えるのも確かかなあ、と(いや、これはまだ私が「青い」だけ、というコトにも若干思われますが)。
俳優陣の緻密な演技はどれも相当に優れた仕事だった(特に、結構にクズ男な仲代達矢がエラいイケメンなのもあって存在感抜群)。京マチ子も流石の熟した色気だし、和風文芸映画として決して観て損ということはないのではないか。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(邦画)] 6点(2021-05-19 21:20:19) |
16.《ネタバレ》 一般的には、同年製作の野火の方が評判は高いだろうが、断然こっちの方が好き。変態大谷崎の原作小説の映像化に成功している。鴈治郎のお演技が素晴らしい。京マチ子さんが肉感てきでセクシー。ギラギラしていた時期の仲代の演技に堪能。あと、ひと昔前の関西の風景に驚く。 【にけ】さん [映画館(邦画)] 8点(2019-01-06 17:03:48) |
15.画面にのめりこみそうでした、大変面白かったです。リメイクが国内外あわせて4本も撮影されているのは納得です、時代によって違った捕らえ方があったのだろうか、比べてみたいものです。老いは10歳から始まっています・・・玉緒さんのお父様と京マチ子女史、本当に偉大な方でしたのね。。 【HRM36】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2016-07-04 16:27:56) |
14.良い映画だと思いますが、市川-宮川-谷崎の組み合わせに、こう散文的な展開は合わないのではないかと思った。時代の制限なんだろうか。 【みんな嫌い】さん [レーザーディスク(邦画)] 7点(2016-02-16 13:49:02) |
13.《ネタバレ》 もうちょっと背徳感とか逸脱感があるべき設定だと思いますが、意外にあっさりした描写でした。剣持がいまわの際に郁子を「目だけで脱がせる」ような、心理的なやりとりも加えた官能性をもっと見たかったんですけどね。それと、京マチ子はえらく堂々と落ち着いていて、何をやっても最後には勝ちそうなので、剣持の行動が無茶に見えません。ここはもう少し弱々しそうな幸薄そうな人を起用してほしいところでした。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-11-30 00:22:50) |
12.あまり好きなタイプの映画ではないのですが、腹に一物持った人たちのやりとりは、それなりに見ごたえがありました。しかし、こうした心理戦のような話は見ていて疲れます。主要人物に善人がいないので、そこのところも気が重い。適度に挟まれたユーモアが救いです。最後はブラックユーモアになりますが……。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-11-25 20:09:23) |
11.雰囲気がある映画だが、やはり古さを感じる。展開もスローだし、自分はこういう作品は好きではないのだろうと感じた。 主人の性欲に対する静かな(?)情熱は上手く表現されているし、登場人物のそれぞれの個性も分かりやすい。それでもちょっとまどろっこしい。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2015-11-22 18:59:32) |
10.《ネタバレ》 若さを保つために自らを嫉妬に狂うような状況に陥れるのはストレスを生むだけで逆効果でしょ、今ならドーパミンとかオキシトシン効果に走るのか?この作品が当時18禁だったことに驚く。京の街並みや京マチ子のメイク、市電に車にテレビ、文学風?セリフ回し、情交や女性の裸を連想させる機関車の連結や砂丘の映像、随所に印象的なシーンが出てくる。最後に娘の母への殺意は空振りとなり、婆やに婚約者を含む文学的家族はみんな殺されてしまう。しかし警察は夫人の残した日記から心中事件として婆やの自首に取り合わない。「マダムと泥棒」みたいなブラックコメディのラストは原作にはないようだが、これはこれで面白かった。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-11-21 00:07:18) (良:1票) |
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9.《ネタバレ》 原作未読だが、70歳で書いた作品という事を考えると、この「老いと性」というテーマは70歳にならないと理解できない境地であるのだろう。テーマ的にてっきり中村雁治郎の視点・心情で物語が展開するのかと思ったら、中盤から各々の登場人物の心情が交錯して、ありがちなカネと色が中心の2時間ドラマのサスペンス的なしょうもない展開になってしまい、肝心の「老いと性」というテーマがボケてしまったような。 |
8.人間が持つ、心の深層の秘匿な部分を、もんもんと淡々と表現されている傑作。 【cogito】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-08-09 10:58:08) |
7.何本か見た谷崎潤一郎の「鍵」だが、原作が発表されてまもなくの映画だけあって、これが一番しっくり来る。それどころか原作以上に文学的で、格調高いものを感じさせる 。 この映画は少年の頃予告編を見たのだが、そのときは裸のシーンやセックスという文字が飛び込んできて、何か見てはならない映画のように思ったのをしっかり覚えている。 しかし後の世に出てきた映画と比べるとその方面の表現はずっと柔らかで、むしろサスペンス的な雰囲気を漂わせている。日記や鍵の扱いが原作と違っているのが気になるが、北林谷栄の婆さんがおもしろい。 【ESPERANZA】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2012-04-13 07:28:24) |
6.市川崑監督の谷崎潤一郎原作ものといえば80年代に作られた「細雪」があるが、あれとは全く印象の違う映画。冒頭映画を見ている観客側に向かって話しかけてくる仲代達矢をはじめ、京マチ子や叶順子の表情と視線など主要な登場人物たちがとにかく不気味で怖く、映画自体の雰囲気も異様な感じがしてインパクトがありなかなか面白かった。ちょっと題材的に数年後に同じ谷崎作の「卍」を手がける増村保造監督向きかとも思うが、「卍」よりも楽しめた。市川監督らしい凝った映像は本作でもいかんなく堪能できるし、皮肉めいたブラックなラストシーンも印象的だった。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-03-18 14:31:33) |
5.平気で悪事をやってのける人達をうまく描いていると思います。当時としては当たり前だったのかもしれませんが、見せないことで高めるエロスというのがうまいです。 【くろゆり】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-02-06 22:54:10) |
4.心理ゲームに焦点が当てられた原作に比べ、これはややマジになってしまっているのではないか。たとえば仲代達矢が現像して、ややっこれは、と目を剥いて驚くのはどうだろう。あれがあると全く無関係にポラロイドカメラを提供したことになり、ゲームの幅が狭まってしまう。表と裏とを際限なくひっくり返し続けるような、本心を見せない陰気な遊びの味わいが薄れた。竹林のざわめき、瓦屋根、不意のストップモーション、暗い部屋、横からの光による影、といった崑お得意のショットには堪能。長調と短調を同時に鳴らしているような、芥川也寸志の音楽。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-12-14 12:22:59) (良:1票) |
3.何か見てはいけないものを見てしまった気がしてなりません。何と言えば良いのか?京マチコをはじめとする出演者全員がとにかく怖かった。あの京マチコの何を考えているのかまるで解らない不気味な目付きと演技、そして、中村雁治郎のいやらしさ、変態ぶりと仲代達矢の医者の口調の不気味さ、ドロドロした人間関係、得体の知れない不気味な雰囲気漂う映像、物語、はっきり言って面白い作品ではないし、楽しい作品でもない。しかし、つまらないかと言うと、つまらなくはない。見終わった後の余韻の残し方の上手さは流石は市川崑監督!だと言える。本当に恐い恐い人間の持っている闇のようなものがこの作品の中から感じ取れる不思議な作品です。 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-04-04 22:26:19) |
2.《ネタバレ》 「鍵」は邦画で4本、洋画でも1本映画化されてる作品で本作はその最初の映画であるらしい。谷崎潤一郎原作の映画を観るのは「痴人の愛」「卍」に続いてこれで三作目だけど、同じ原作者だけあって官能的な感じとかなにか共通するものを感じた。オチが効いてるのも共通してるかな...。今回の北林谷栄にはびっくりです。いつも通りのちょっとボケたお婆さん役としか見てなかったのに…。そして京マチ子の色気と眉毛も凄まじかった。ブラックな雰囲気が結構好きです。 【バカ王子】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-20 22:36:47) |
1.「爛熟」という単語を見ると、この映画の京マチ子を自分は連想してしまう。もちろんこの時代なので表現は慎ましやかなのだが、そこがまた隠微なエロさを醸し出し、障子の隙間から見てはいけないモノを見てしまったって気分にさせられる。注!絶対お子様には見せてはいけません。 |