356.《ネタバレ》 2019/8/3、パシフィコ横浜で開催された「JAWS in CONCERT」にて、フルオーケストラ生演奏付きの贅沢極まりない環境で観賞。
意外な事に、本作を劇場で観るのが実は初めてだった事に気が付いた。
以下、上記を踏まえて感じた事を列記させて頂きたい。
1.これまでに何十回と本作を観賞しているが、その殆どがTV放送用にカットされた日本語吹き替え版。
私の脳内記憶の中ではこの「TV放送用日本語吹き替え版」が自ずとスタンダードになっている。
なので今回観賞したノーカット版では、サメ狩りに出掛けるまでの流れは失礼ながら緩慢な印象を受けた。
図らずも各種制約のある中で放送するTV版は余計な描写をそぎ落としたスピーディな流れになっていると思う。
このバージョンで劇場公開して欲しい位。
2.サメ狩り職人のクイントを演じるロバート・ショウ、クセの強い役柄・時折見せる狂気を孕んだ目の光含め本作第二の主人公と言っても良い位。
壮絶且つ痛そうな最期含め、一度観たら忘れられない強烈な演技をしている。
年齢を重ねると万物の見方・捉え方は変わるが、今まではこの様な印象は持たなかった。これも映画鑑賞の醍醐味である。
3.ロイ・シャイダー演じるブロディ所長の奥さん:エレンを演じたロレイン・ゲイリー、これまでの観賞では完璧にノーマークだったが、
今回改めて観ると旦那をさりげなく鼓舞する良妻賢母振りや、何よりチャーミングなルックスが何気に自分の好みのタイプ。
本作(「2」以降は作品として認めないので除外)以外、あまり多くの作品に出演されていない様で残念だが、
これも齢50歳を越えなければ決して抱かなかった感想だ。
4.作品自体は既に44年を経過していはいるが、サメの造形含め古臭さを感じる事は皆無であり、良いものは良い事を再認識した。
本作以降、柳の下のドジョウならぬサメを狙った作品が乱立し、ディスカバリーCHのSHARK WEEK等含め「サメ物」がそれこそ40年以上に渡り毎年、
夏の風物詩的に製作され続けている全ての起源は本作であり、全世界の人々に良くも悪くもサメの印象を強烈に植え付けたポスタービジュアル
含め、CG等の映像技術がどれだけ進化しても本作はオリジナルにして既に孤高の作品に昇華しているといえる。
5.シネマコンサートと言う手法、日本でも定期的に作品を変えて公演が継続開催されているが、今回は特に映像とフルオーケストラ生演奏の
シンクロ率が半端無いレベルで高く、全く違和感を感じなかった。
本編終了後にアンコールの形でJAWS組曲の演奏プレゼントもあり最高の体験が出来た。
チケットは少々お高いが、本レビューサイトを利用されている皆様にも強くお勧めしたいイベントである。