78.《ネタバレ》 序盤は普通に面白かったのに稚拙な設定のせいで途中からはややこしくなる。
時間を逆行してる人間の動きが逆再生のように見えるのは理解できる。
後ろ歩きしてるように見えたり、落とした物が戻ってくるように見えるということなんだろう。
でも、順行してる人間の動きまで一緒に逆再生になるのがよくわからない。
すれ違ったりぶつかったり噛み合わなくなると思うんだが、その辺りの原理がどうなってるのか説明して欲しい。
逆行中は酸素マスクが必要という設定も胡散臭い。
外気が肺を通らなくなるんじゃなくて、二酸化炭素を吸って、酸素を吐き出すようになるだけのような気がする。
そうしないと逆行中の細胞は死んでしまうと思える。
作中に無かった描写だけど、逆行してる人間はお尻からうんこを入れて、口から料理を出すはず。
食事が喉を通らなくなるので、点滴で栄養を取るなんて設定だとおかしいよね。
逆行世界では空気抵抗や摩擦も逆になるので車の運転が難しいという設定もあったけど、これも矛盾してる。
車に逆の空気抵抗や摩擦が生じるなら、エンジンの燃焼は冷却されて凍ってしまうはず。
エンジン内部は熱く燃焼するのに車体に着火した炎は冷たくなるなんて都合が良過ぎる。
あと、順行部隊と逆行部隊が同時進行するシーンで一方の部隊は後ろ向きに走る演技をしているけど、めっちゃ遅い。
映像を逆再生してるシーンだと素早く逆に動くのでギャップが激しい。
後ろ向きに走るなんて難しいのはわかるけど、前向きに走ってる設定なんだから、頑張って後ろ走りして欲しかった。
カーチェイスのシーンでは頑張ってバックで走ってたのに後ろ走りのシーンが手抜きというのは残念。
そもそもTENETは秘密組織のはずなのに作戦が大袈裟すぎる。
証拠を残さず任務を遂行しないと組織のことが世間にバレてしまうと思うのだが、後始末をどうしてるのか謎。
ラストのオチでTENETの創設者が主人公本人だったことが判明するわけだが、何故誰も教えようとしなかったのか?
創設者本人であることを教えてはダメというTENETの規則があったとするなら、ラストで教えたことに矛盾が生じる。
最初から知ってれば歯を抜かれて痛い思いもしなくて済んだかも知れないのにね。
未来の自分だったというだけでも面白かったはずなのに余計な設定を盛り込んで矛盾だらけになってしまってる。