13.ヘレナ・ボナム=カーターが再びイタリアへ。 アイヴォリーの「金色の嘘」とよく似ていると思ったら、原作がおなじヘンリー・ジェイムズ。 美しいタイトルとは裏腹のドロドロとした財産絡みの奸計や、アメリカ人の娘といった要素が似ています。 こちらの方がロンドンとともにイタリア・ヴェネチアを舞台としている詩的な世界ではあるので印象はよく、ゴンドラで寄り添う3人も絵画的な美しさ、カーニヴァル(仮面舞踏会)も生かされて、水の都ヴェニスはロマンティックな情緒をたたえ、愛と死の舞台として映画で使われることも多い場所。 ライナス・ローチは優しげで少し優柔不断でもあるマートンにあっていそうですが、ミリー(アリソン・エリオット)は儚げな天使というより彼女の方が小悪魔的なルックスにみえ、ヘレナの暗い眼差しは叔母(シャーロット・ランプリング)から自由を得るため悪女に転じるケイトにあっていても、異国で他の女性と行動を共にするマートンの心身をつなぎとめる女には、彼女の小さな体は少しマイナスのような気がしました。 でも彼女にとってきっと私の代表作と思っているだいじな作品だと思います。 ミリーの「ハメをはずしたいの」の意味を感じとりつつ応じなかったマートンには、悔いもあるのでしょうか。 「鳩の翼があったなら 飛び立っていただろう 永遠の安らぎへ」 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-02 06:59:55) |
12.《ネタバレ》 あんまり評判がよろしくないのが残念ですが、大好きなヘレナ・ボナム・カーターの出演作のなかで随一の映画だと思います。彼女の魅力を一番引き出してくれています。ヘレナ演じるケイトは、どんどんイヤな女になっていくのだけれど、これが心底憎めない。なんでマートンみたいな優男にそこまで・・・と思うけど、人を好きになるってそういうもの。もう理屈じゃない。そして、企みどおりに事が運ばないのも恋愛の定石。どうしてこう、人の心って厄介なんでしょう。原作(未読)のケイトはもっと冷酷かつドライでマートンを失ってもミリーの遺産はしっかり手にするそうですが、人間臭く魅力的なのは映画のケイトでしょう、やっぱり。そして、こういうクセのある高貴な女を演じさせればヘレナは魅力全開になるのです。衣装、美術、映像も素晴らしく、シャーロット・ランプリングまでご出演。もう贅沢そのものの映画です。・・・それにしても、思い入れのあり過ぎる映画ってのは、レビュー書きづらいですねぇ。いや、ホントにこれ、なかなかにイイ映画なんですよってことを伝えたいだけなんだけど・・・。 【すねこすり】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-10-07 11:00:19) (良:1票) |
11.わけがわからなかったです。 あまり好きな題材ではなかったので真剣に見ていなかったから・・ 主役のヘレナよりも助演の女優がかわいい。 と思ってたらもしかして「この駅でバスは・・」の人かな?? イタリアの景色を堪能するには贅沢すぎるくらいきれいな映像。 ベニスに行ってみたくなります。 なんのことはない愛憎劇なんですが淡々としてて、眠くなった。 どこかフランス映画みたい。最後の方で面白い映像があったのはいい。 【アルメイダ】さん 2点(2005-02-25 07:15:05) |
10.《ネタバレ》 なんとも美しい美術。ミルクティーのように白く柔らかな背景で、俳優全員がしっとりと画の中に入り込んでいた。しかし繰り広げられる物語は、それとは裏腹に浅はかな策略の顛末。終盤は厳しいものだった。あんなに寂しいベットシーンを初めて観た。瑞々しい気持ちは乾き、肌を合わせて存在を確かめても、二人の間に出来た垣根は一目瞭然だった。二人して失ったものをずっと見つめていくのだろう。ヘレナ・ボナム・カーターは少女のような顔つきなのに目元を鬱々とさせ、策略と本心の間でぐらつくケイトの複雑な心情を表現していた。朝日のようなミリーと対照的に映り、彼女の上手さがひきたっている。音楽も美しかった。ヨーロッパ映画が好きな方は必見。 【のはら】さん 8点(2004-09-05 09:31:59) (良:1票) |
9.お金がない、身分が違うというので愛する人と結婚することを許されないケイト。それでは、、というので彼に惹かれてるお金持ちだけど死期が迫っているミリーと恋人を接近させ遺産を相続させようと画策するが二人が近づくと心穏やかではいられない、、、なんて危険な大博打かつ苦しい深謀遠慮。 この三角関係は二人を信じている純真なミリー騙すような形なわけで、なんとも大胆で恐ろしいまでに計算高い女心。でもこのケイトが悪女というのではない。なんか切ない。 クリムトの絵、ベニスのロケーションなど優雅なムードとヘレナ、アリソンの雰囲気はマッチしているし、ランプリングも美しい。これもいい映画かもしれない、、という気はするけれどよく分からないというタイプの作品だった。 【キリコ】さん 6点(2004-07-22 13:28:59) |
8.愛情と財産を両天秤にかけて策謀するケイトと、天使のような心を持つミリーの組合せは、あまりにも現実離れしているようで馴染めなかった。しかし、この作品の持つ濃い雰囲気には、抗しきれない魅力がある。ラストでベニスを再訪するマートンの姿をどう解釈していいのかわからない。ケイトの陰で、確固たる意思表示をしてこなかった彼がとった唯一の行動がこれだとすると、二人は...。 【トバモリー】さん 6点(2004-03-30 13:26:18) |
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7.原作を読んでいないのでなんとも言えませんが、金をまんまと相続してふたりで喜びましたっていう展開のほうが私としてはよかったかな。伯母の屋敷がすごく好みです。音楽も好みです。 【YU】さん 6点(2004-01-07 02:23:53) |
6.うーん・・・複雑だけど、基本的にこういう男は大嫌い。でもって、女二人もどうなんざんしょ・・・。病気は悲しいけど、だからってこんなのは美しくないと思う。 【桃子】さん 3点(2003-11-10 19:10:50) |
【セクシー】さん 0点(2003-11-02 02:09:34) |
4.原作を斬新に現代的にアレンジしながらも、肝心のストーリーは決して損なわれずに、見事に映画化されていたと思います。サンディ・パウエルの衣装、エドゥアルド・セラの美しい撮影も見事です。ヘレナ・ボナム=カーターの出演作品のなかでもベストの1つ。「眺めのいい部屋」「ハワーズ・エンド」の情熱的なヒロインも良かったけれど、この映画での彼女は、とても繊細にケイトを演じていたし、一種の女の怖さみたいなもの、微妙な心理表現も的確になされていたと思うのです。モード叔母の抑圧的な支配、階級社会に縛られた彼女の複雑な立場。それらから開放されること、自由への跳躍を、題名の「鳩の翼」は意味しているのだと思います。イギリスでは鳩は「無垢・自由の象徴」だそうです。ミリー役のアリソン・エリオットの天使のような大らかさ、その微笑みも忘れがたい一作でした。 【ノブ】さん 8点(2003-02-01 15:52:04) (良:1票) |
3.純愛映画・・・と見せかけといてどんどんドロドロ愛憎劇になっていく。結構これはこれで面白い。現実にいそうなタイプのケイトとマンガかよってほど純粋で情熱的なミリー。このコントラストが絶妙だった。ケイト役の女優は顔と声のギャップがかなりある。ビックリしたよ。 【C-14219】さん 7点(2003-01-21 16:42:46) |
★2.アリソンエリオット目的で見、そしてヘレナポナムカーターを恨んでしまった作品。しかし一番かわいそうだったのはヘナム自身だったのだろうか? 【K造】さん 7点(2002-07-05 17:32:42) |
1.ヘレナボナムカーターの演技がすばらしい。人間の言葉にはならない普遍的な感情がきめ細かく描かれている。 【dan】さん 10点(2002-04-22 17:12:38) |