14.ミラノの貴公子、ルキノ・ヴィスコンティによる深遠で、荘厳で、感動的な作品。副題は(ニーベルングの指環)「神々の黄昏」。ヒトラーのナチズムが蔓延していく重苦しい退廃的な時代の空気の中で、宿命の罠に引きずり込まれていく人々のあり様を、窮極の映像美で、雄弁に表現し尽くした見事な作品である。エッセンベック一族を翻弄しつづけたアッシェンバッハもまた、破滅の道を歩んでいたのであろうか。流される宿命を超越するためには、多数の理性の力と勇気とが必要ではなかろうか(「理性が眠るとデーモン(悪魔)が目覚める」)。私にとって古今東西、No1の映画です。 【チャターBOX】さん 10点(2004-01-05 16:41:28) (良:1票) |
13.大阪の戦争記念館で、これを発見して観た。退廃美あふれる映画、という意味ではスゴイんだけど、いまいち入り込めない世界。特権階級な人々にどんな理屈があろうと、こういった人々のもとで働く底辺の労働者たちがナチズムに走るのは無理もないような気がした。観ていて、途中で飽きた。エグいし、グロい。 |
12.ヴィスコンティの退廃美は良く出ていると思うし、話の筋はしっかりしていると思う。ただねえ…あの兵士たちの狂乱会みたいのが延々と続くのがたまらん。あれが地獄じゃないのか? 【ちょっこ】さん 7点(2003-10-13 15:26:06) |
11.重厚。退廃にも本物とフェイクがある氣がするが、ヴィスコンティの描く退廃美はフェイクでは無い。唯一、ナチスをファッションとして美学として描くことが許される監督だと思う。役者の使い方も上手い。けれどあまりにその完璧な造形美の中に埋もれさせられてしまうため、役者としては育たないのがザンネン・・・ヘルムート・バーガーのあだ花美が一番堪能できる一作。 【あにさきすR】さん 9点(2003-10-02 00:55:30) |
10.表面の豪華さと深層の退廃という激しい対比がデカダンスそのものだといえるのではないか。宴の後に残酷に殺される突撃隊、結婚式という華々しい行事に死を迎えるソフィとフリードリッヒの結婚はまさに葬式となってしまっているなど この残酷すぎる対立がまさに圧巻だ。一人では何もできずアッシェンバッハの操り人形となってしまったマルチン そして死化粧で結婚式に出席するソフィが鉄鋼一家の終末を暗示しており、権力に取り付かれてしまった者の精神的退廃と官能性が気持悪いほど伝わってくる。貴族階級出身のビスコンティだからこそできる神業だ 【たましろ】さん 10点(2003-09-24 23:17:53) (良:1票) |
9.退廃的な映像には惹かれるのですが、映画自体にはそれほど惹かれませんでした。「ベニスに死す」も最初見たときは2点、次が5点、次が9点くらい印象が変わっているので、もう一度見れば変わるかもしれないけど、数十年前に最初に見たときの印象は「ベニスに死す」より良かったです。 【omut】さん 6点(2003-08-26 03:56:46) |
8.最高レベルの美意識があってこその退廃。かなりグロく、いやらしく、残酷なのに、全てが美しい。この映画のハルムート・バーガーはダントツにいいです。彼は監督亡き後性格俳優をやっているようですが、魅力激減です。あの美しさは、単に彼の容姿ではなく、監督の作品ですね。でもあまりにも重すぎて、疲れます。これは娯楽じゃないです。こちらから何かを奪っていくような力のある作品です。負けます。 【ともとも】さん 9点(2003-05-10 22:07:57) |
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7.私はやっぱりヘルムート・バーガー。登場人物の中で一番純真で、その分悪魔的、というか。単にイッちゃってるだけかも。体力は必要ですね。コンディションのいいときに見てください。 【みいしゃ】さん 8点(2003-03-18 23:07:07) |
6.かつてこれほどまでに、人間の憎悪を描いた作品があっただろうか。エッセンベック家の相続をめぐる骨肉の争いは憎しみに満ちている。始まりの誕生会、そして最後の結婚式に至るまで、人間の醜い部分をひたすら描かれており、人間不信に陥りそうなほど。母親に愛されなかったマルティン、そのことが彼を憎しみに満ちた男に変えてしまう。そう、憎しみは憎しみしか生まない、最後の自殺に追いやるシーンは憎しみと悲しみが同居したなんとも冷たい場面。最後敬礼するあたり、ナチスによる退廃時代を予感させる。 【ゆたKING】さん 9点(2003-03-18 19:56:26) |
5.ヴィスコンティ監督の貴族デカダンス物の中では1番好きな作品。それらの作品の多くは静かな悲劇であり、激しく音を立てて崩れていくような悲劇であるこの作品は、ある意味特殊なのかも知れない。常識的な人達は皆いなくなってしまい、悪魔的な人達のみが生き残るのだが、彼らの末路もまた容易に想像が付く。 【クロマス】さん 8点(2003-02-22 18:25:03) |
★4.ヴィスコンティの野心作、あのダークの雰囲気から繰り出すオーラ、その人間の孤独に秘めた野心で、画面にひきこまれるほどの魔力を放つ作品。ヴィスコンティ映画ならではの遅いカメラワーク、そして完璧なまでのカメラピントで、人間のダークさが見える。ヴィスコンティのすごい所は、外面の冷酷さだけをうつすが、映像力というべきなのか?画面から人の内面が見えるのだ。 外からのダークな力からの緊張感、画面からただよう、人の内面による冷静さ、このダブルの魔力からは、すごいオーラが画面いっぱいに放っている。一度見るより2度見よう。この映画のすごさが改めてわかるから! 【完璧主義】さん 9点(2002-11-01 14:58:46) |
3.ビスコンティ映画では、この作品が一番好きです。中でも“長いナイフの夜”と呼ばれるナチ親衛隊による突撃隊の惨殺事件のシーンは、圧巻です。個人的には、同じヘルムートでも、ドラマの狂言回し・アッシェンバッハ役のヘルムート・グリームが光っていたと思います。 【リリー】さん 9点(2002-10-26 01:41:39) |
2.ナチス批判は分かっている。だが、美学としてのファシズムの魅力に圧倒されてしまう。この映画の退廃性を越える映画は二度と現れないだろう。三島の「憂国」が2流のポルノ小説に見えてしまうほどのすごさ。 【Kaze】さん 10点(2002-09-01 16:45:31) |
1.ドロドロなんだけどなんか爽快さがある。ラストの敬礼は名場面。 【yozi】さん 7点(2002-07-02 15:54:19) |