12.《ネタバレ》 ルーカスが学生時に考えた未来映像は恐ろしいまでに全てが簡素化され、人間はその完全な管理システムの中で1個の固体としてただ生かされているだけ、というもの。この未来世界の説明を排除し真っ白な映像と電子音で表現しきったルーカスはこの時から既に一流の映像作家であることを証明している。予算がオーバーした時点で追跡をあっさりやめてしまうのは商業映画の製作と似ているような気がするが、ソコに関連付けるのは考えすぎかな? 外界は危険という言葉と頻繁に出てくる放射能という言葉に、きっとシェルターの外は核で汚染されているのだろうと想像できる。そのうえでラストで初めて見せる外の世界の映像。ただ夕陽が大きく映されるだけの画なのになんて美しいんだろう。管理システムとの対比、生きることと生かされることの対比をあの夕陽だけで表してしまった。凄いです。その夕陽をバックに鳥が横切る画にしっかりと希望を感じさせてくれる。 【R&A】さん 7点(2004-12-06 12:45:13) |
11.正直、かなり退屈な映画ではあります。ルーカス若気の至りというか、当時まだ25歳だったルーカス、彼はいかにも意味ありげで、誰も作ったことのないような映画にチャレンジしたかったんでしょう。本来は簡単なお話なんですけど、抑揚のない展開、無機質なセリフが理解を拒みます。天の声が「物を買え」と煽りまくってるわりに、完璧な管理社会からはまったく消費の痕跡がうかがえない、それ以前に社会の全体像があまり見えてこない、チンタラ歩くだけのポンコツロボコップからは簡単に逃げられそうなど、設定上のミスもいくつか目につくし。しかし、それ以上にこの映画からはルーカスの才気が溢れ出ています。だだっ広い空間に延々と白のみが続く監獄(マトリックスに影響?)は、本来は狭くて汚いことが恐怖の根幹である監獄のイメージの正反対、そして直線のカーチェイス(マッドマックスに影響?)は、細かいカット割りの中で障害物を時によけ、時にぶつかるという従来のカーチェイスの迫力を覆します。そして「予算超過」と言って追跡があっけなく打ち切られる展開も、本作の雰囲気になかなか合っていますね。「そう来るか」って感じでした。やっぱりルーカスはただものではないのです。そして最近リリースされたDVD。ここに収録されていたドキュメンタリーが、ルーカス30年ぶりの復讐とでも言うべき壮絶な内容でした。60年代にはハリウッドのスタジオシステムは完全に崩壊し、そこからコッポラ、ルーカス、スピルバーグ、スコセッシ、デ・パルマ、ミリアスなど、ハリウッド幕末の志士とも言うべき若き才能が登場してきます。そんな新しい世代がはじめて本格的に製作したのが「THX-1138」なんですけど、本作は出資先のワーナーによって不遇の扱いを受けました。作品を理解しなかったワーナーは映画を勝手に編集し、捨てるように公開し、失敗作の烙印を押されてしまいます。そして関係者が大物に成長した現在、彼らは恨み節全開のドキュメンタリーに、なんと当時のワーナー重役まで登場させています。映画を握りつぶした張本人のインタビューまで収録されているんです。思えばコッポラとルーカスというのは、映画製作よりも映画業界を変えることにその人生を費やしており、貴重な才能を早く枯らしてしまった感じもします。スター・ウォーズがエピソード9まで作られなくなったのもそのためなら、ちょっと惜しい気もします。 【ザ・チャンバラ】さん 7点(2004-10-21 01:33:31) (良:1票) |
10.まあ30年以上も前の作品なので当時からすれば映像なんかはセンスを感じるけど・・・「2001年宇宙の旅」を初めて観た時の印象に似てる。展開がトロイのでやたら眠くなった。 |
9.ルーカス作品というだけで6点上げちゃおう。70年代らしい作品。低予算なんだけど、工夫して安くならないようにしてる。邦画もみならってくれい 【ロイ・ニアリー】さん 6点(2003-12-12 13:15:34) |
8.ええと、この映画はですね、ま、どっちかというと退屈ではあるんですけどね。映像もユニークながら、効果音がですね、全編通して一種のノイズミュージックみたいな感じに仕上がってると、そのように思うんですよ。でしかもラスト、夕日をバックに突然マタイが流れるところなんぞ、もう、しびれまくり。衝撃的ですらあります。 【鱗歌】さん 8点(2003-05-17 03:54:21) |
【眼力王】さん 5点(2003-01-21 18:50:16) |
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★6.ジョージ・ルーカスの長編処女作。学生時代に撮った作品のリメイクである。未来の機械管理社会が舞台。人は薬を投与され“愛”の気持ちを失っていた。THXはそんな冷徹な管理社会への反抗児。彼の自由への疾走。疾走途中でLUHがもう自分と一緒にいた時の姿でないと知った時、彼の顔に哀しみの表情が浮かぶ。基本的に映像は“白”この色彩感覚はキューブリック映画を彷彿させる。1971年。すでに「2001年宇宙の旅」が公開されているがこの映画は学生映画のリメイクという事なのでそれ以前にこの“白”の色彩感覚が確立されていたならば、それは凄いことである。しかも低予算ということを逆手に取っているのだから。全体的に“感情”“葛藤”などがなく単調な感じになっていることは否めない。しかし設定上仕方ないことである。もっとも僕は十分楽しめたが。ラストシーン、“白”ばかりの世界に夕日が映し出される。映画史に残っても良い素晴らしいシーンだと思う。この映画を処女作として撮ったルーカスはやはり凄い。 【チャびおら】さん 8点(2003-01-03 08:52:31) |
5.なに?盛り上がらず、意味も分からず、だからなんだっていうの? 【にゃん】さん 3点(2002-12-09 15:06:35) |
4.あまり良くない。デュバルでてるのになぁ・・・。 【ナタリー】さん 6点(2002-11-07 13:37:52) |
3.ルーカスが以前「地獄の黙示録」のドキュメンタリーの中で、物語りの掴みとコシについて色々語っていましたけど、そういうモノの考え方がストレートに感じられる作品だと思います。確かに別に面白いものじゃないし、実験映画なんでしょうけど、ラストの直線的なカーチェイス? に妙な興奮があったりして、やっぱり上手いんだなこの人は、と思いました。私が気に入っているのは、坊主頭のふたりが裸で絡み合う真っ白なラブシーンで、女の顔が頭の方までさっと赤らむところ。映画史に残る名ラブシーンだと思うんですけど、どうですか。 【1984】さん 5点(2002-11-01 16:17:56) |
2.おそらく管理社会批判がテーマになっていると思われる。実験的要素はいいが、ストーリーが面白みに欠ける。なぜなら、話の設定上、人間性をなくしており、葛藤が薄いため、そういう面でのエンターテイメント作品ではないと思われる。だが、その無機質で冷たく白い画面は、低予算映画ならではの世界観をつくりあげており、終盤の逃走劇、そして夕日を背にしたラストはなかなか印象深かった。 【あろえりーな】さん 5点(2002-09-02 01:38:01) |
1.ルーカスフィルムの音響部門THXはこの映画から頂いたそうです。 【浦安鉄筋大家族】さん 5点(2002-07-24 11:43:15) |