7.《ネタバレ》 「チャップリンの替玉(エスカレーター)」。
百貨店、その2階と1階を繋ぐエスカレーターやエレベーターで繰り広げられるスラップ・スティック・コメディ。
チャップリンそっくりな百貨店の副店長と、金を横領しようとしている店長のやり取り。
副店長を演じるのは俳優時代のロイド・ベーコン!この時の経験が後のミュージカルやコメディ、犯罪映画といった多様なフィルモグラフィにも活かされているのだろう。
2分50秒でようやくチャップリン登場。
陳列された品を試供品でもないのに遠慮なく使うなど、相変わらずやりたい放題なチャップリン。物や人を使って雲隠れ、まんまと逃げてしまう。
オマケにチャップリンを店員が追いかけている間に他の客が万引きしまくり。陳列棚はどんどん崩されていく。つうか店員少なすぎだろ・・・W
ケツを蹴る時にイチイチ裾を丁寧にめくる様子は初期のマック・セネット製作の作品でも度々描かれていた。
ソックリさんとの鏡芸。「我輩はカモである」のマルクス兄弟に到るまで、このネタは他のコメディアンたちもどんどん磨いていく。
身代わりになった副店長がチャップリンと間違えられて捕まるシーンは解っていても笑ってしまう。
居るだけで気になってしまう存在感のあるマネキン。チャップリンは「午前一時」でもそうだが、生命反応のない“顔”にビビらされっぱなし。
「午前一時」や「夜通し転宅」といった作品において階段でコケれば、この作品でもエスカレーターでコケてしまう宿命。
放り投げられたバッグはエスカレーターに吸い込まれるように落ちる。
マネキンの次は白いドレスのマダムが誘惑してくる。
エスカレーターを降りようとするが中々降りれずアタフタ。
エレベーターも床が破壊されてしまうのである。