4.《ネタバレ》 いやはやロメール作品にはレギュラー出演の「情緒不安定女子」のなかでも本作のサビーヌは真打ちですなあ。
情緒不安定によるヒステリーの度合いも既出のメンツより二割増し。根拠の無い自信がそこに加わって自己中暴走ぶりもロメール他作品をはるかに凌ぐ過激さです。正直引きます。
まあかなりデフォルメされた女子像ではあるのですけど誰でも少ーしずつサビーヌなのはたしか。彼女のイタさを受けて我が身を顧みましょう。
ところでサビーヌには恋愛相談のキーパーソンになる親友クラリスがいまして、この取り合わせ「レネットとミラベル」に良く似ています。片方は都会的に洗練されていて気分も安定、もう一方は垢ぬけなくて若干こじらせ気味気性。
クラリスの着こなし、素敵でした。パーティ衣装より普段使いのスカーフやコートの方がおしゃれ。ロメールの映画はモードや灯りの撮り方がいつでも眼福です。
さて弁護士から「大人のあしらい」でフラれたサビーヌ、立ち直りも早い早い。さっそく次のターゲットを決めたようでこのガッツ、ちょっとアッパレにも感じますね。