190.《ネタバレ》 モテない中年男たちが「愛」という大義名分のもと、ずいぶん都合のいい虐殺を繰り返す様子をみて呆れましたよ。惚れた女のために人間の両手両足を切断して体を犬に食わせるような主人公に誰が共感できるのでしょうか? ネコパンチしか打てないミッキーロークがタフガイを演じてもまるで説得力がない。人を殺すのにみんなが理由をつけて自分を正当化しようとしている所も気に食わない。「罪の街」というタイトルを返上してぜひ「偽善者の町」に変更してもらいたい。いかにも怪しげな殺し屋ミホが、カマボコでも切るかのように人間の手や足をスパスパと吹き飛ばしていく・・・。開いた口がふさがらないとはまさにこのことだね。 監督よ、私たちにこの惨殺をみてクールだといって欲しいの?? なんてセンスの良い殺し方なんだ!なんて誰が言うもんか。殺す人間たちはカッコいいが殺される人間は痛そうな素振りすら見せない。むしろ半笑いを浮かべなら殺されていく・・。生命の感覚すら麻痺してくる・・。人殺しにセンスが良いもカッコ良いもクソも無いのですよ。ばいおれんす?ええ、はい、はい、「暴力」を横文字にすると、ばいおれんす・・笑えますね、子供だましもいいといころです。もしかして平和ボケして刺激が足りなくなった現代人を満足させるために作られた映画でしょうか? ただよく考えてみると、ネコを虐待したりエアガンで人や動物を撃ったりしているおかしな人間もいるくらいだからこの映画にも需要があるのでしょう。だけどね、こんな映画に需要があると思うだけで病んだ現代人の心が見えてくるようで悲しいのです。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 0点(2006-09-05 18:44:03) (良:2票)(笑:3票) |
189.かなり見ごたえのある作品。個人的にはモノクロに違和感を感じると思ったが、全く問題なかった。アニメと実写が見事に融合した今までにない映画。あと、バイオレンス描写に関していえばR指定されてんだから、苦手な奴は最初から観るなよ。 【ガンジャマン】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-11-04 00:09:52) (良:2票)(笑:1票) |
188.《ネタバレ》 どんな内容なのかまったくしらないまま見にいきました。かなりきもちわるーい映像だらけだったけど、すんごくおもしろかったってゆうのが本音です。けど、首とんだりだとか、血とかはちょっともちょっとすくなめにしてほしかった。だ、だってわたしまだ16なのよ・・・・(笑)イライジャが完全にトラウマになります。ほんとこわい。ほんとこわい。夜道、メガネひかってるセーターきた男の人がいたら絶対避けます。怖いもん。ほんとこわい!!!エクソシストよりフレディよりこわい。気のせいか、イライジャってゆうかケビンがきてたニット、フレディがきてるニットに似てたきがする・・・(まにあっくでごめんなさい)あとはねぇーーー、ブルースウィルスが渋かった! かっこいい。 やばい。 あとあのフランケンシュタインみたいなハルクみたいなお方! か、かっこいい… ゴールディじゃないけど、あたしもあなたについてくわ。 あとナンシー役のジェシカ・アルバちゃん!あたしのなかでかなりタイプな女のこだわぁ♪ かわゆい… 26さい!? わかーーーーい! 【ギニュー隊長★】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-10-11 22:00:32) (良:1票)(笑:2票) |
187.本作は演出のスタイリッシュばかりが注目されるが、「ハード・グッドバイ」と「イエローバスタード」は紛れも無く不器用な男たちの切ないラブストーリーだということに注意して欲しい。前者では、不器用だが、純粋な大男マーヴが名前も知らない女性の愛のために復讐を誓い、そして散っていく(準備を整えてリベンジ!という設定が面白い)。後者のエピソードは被害者の少女と老刑事の恋である。しかし、2人の関係は犯罪によって始まり、犯罪によって終わりを告げる。ラストは老刑事の哀愁をも感じさせて素晴らしい。一方、「ビッグ・ファット・キル」はギャング映画のようでラブ・ストーリーの面白みはない。しかし、これだけ奥の深いストーリーを扱っていながら、娯楽映画としても非常に完成度が高いのが本作の憎いところである。ある意味、オタク監督ロドリゲスでなければ撮れなかっただろう。ストーリーはもちろん、1カット、1カットまで原作に(タラのパートですら)忠実に作られており、フィルム・ノワールの影響を受けた原作の雰囲気は十二分に再現できていると言っていい(ラストはオリジナル)。とくにオープニングとそれに続く原画の流れるタイトル・クレジットだけでもゾクゾクするようなスタイリッシュさだ。オタク監督は個性派俳優を使わせるとベテラン監督以上にその個性を引き出せるのだ。本作では各エピソードの主役のM・ロークは粗野、C・オーウェンはとにかくクール、B・ウィリスは渋く、頼れるキャラを好演し、J・アルバは妖艶、B・デル・トロ、E・ウッドはまさに怪演である。エピソードの配置は「パルプ・フィクション」を髣髴とさせ、これまた絶妙だ。「ビッグ・ファット・キル」は、まさにサービス満載で、そういった意味ではこれがR・ロドリゲス監督の本領発揮であり、一番映画化に適したエピソードだったのかもしれない。つまり、娯楽要素はB・F・K>H・G>Y・Bなのだが、ドラマでは逆になっているのである。ドラマにおいては「パルプ・フィクション」のような娯楽面を押し出した映画とは一線を画している。本作は間違いなくロドリゲスの最高傑作だろう。これからはハードボイルドな雰囲気、登場人物には「F・ミラー的」という言葉を使いたい。ちなみに、初見はスタイリッシュさに酔いしれ、2度目はストーリーに注目する、という見方をお勧めする。続編にも期待したい。本当はもっと書きたいが、字数制限が 【マイカルシネマ】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-07-29 14:49:38) (良:3票) |
186.過激な残酷描写。オムニバス形式というお手軽さ。ついでに、各エピソードが関係し合うというお楽しみなんぞもあったりして、まあ、面白くは観られます、まさにあっという間。しかし、妙な映画でもあります。アクション、暴力をこれだけ盛り込みながら、画面上に不思議な静寂が漂っています。なんとなく、映像が「動いていない」という感じ。もしかして、コミック=「静止画」の雰囲気を再現しようとでもしているんですかね。映像の推進力の欠如、そこが面白くない点でもあるし、また一方ではツマランとムゲに切り捨ててしまいたくもない、ただただ奇妙な感覚。明らかに必要以上に流れる主人公たちの単調な独白も、かえって、静けさを強めるものになってます。うーむ。何のための映画化なんですかね。そりゃまあ、「人間が演じる」という生々しさ、これは確かにありますけどね。執拗に描かれる過剰な暴力は、自傷行為と表裏一体のもの。自意識の客体化。ロマンティシズムとは自虐性のことナリ。そりゃそうなんだけどさあ。そういう目で見ると、この作品、自らを「飾り過ぎ」ですね。本当の生々しさに欠けますね。あくまでマンガ、ですね。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-01-25 22:38:22) (良:1票) |
185.普通と違う映画。だから好き嫌いはあります。変なキャラがいっぱいおって、そーゆうのは好きです。醜くしかも超人的な巨漢、殺戮マシーンの娼婦、正義感が強い狭心症の老刑事、黄色い怪人の連続殺人鬼、メガネをかけた食人鬼(フロド)、女を守るダークヒーロー気取り、死んでもしゃべり続ける暴力警官、爆弾魔の傭兵、金色の目をもつ黒人、等々。主役の三人が、どんな危険な状況でも、女の前で、いかに自分の描く男像を演じればかっこがいーか、こだわってる所も変態的でかっこよいです。漫画を読んでるような感覚でたっぷり異次元世界に堪能できました。ちなみに、主役達が男の心情をペラペラしゃべり続けるのと、三つのストーリーがほとんど絡んでこないので、そのへんでも好き嫌いがわかれそーです。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-08-30 10:16:30) (良:1票) |
184.うーむ。 デヴォン青木は、この時点で既に《デヴォン青木》というキャラなのか。 ●追記:いや、やっぱちゃんと書く(笑)。 あれれ…? いろいろレビュー読んでみたけど、そんなストレートな話じゃないっしょ? 「愛」も「バイオレンス」もテーマじゃなくて、そういうモノで駆動する「男らしさ」が生む危険な狂気を描こうとしているんだけど、作り手側も既にその狂気に呑まれているんで公平にジャッジできる場所へ脱出できない、その身近な狂気とのナレアイ振りを正直に告白した「自分美学」なんじゃないの? そうであればこそ3人の主人公が全員、自分の正気を疑うシーンが出て来るわけでしょ(薬の切れたマーヴ、死体と会話するドワイト、メフィストフェレスもどきのイエロー・バスタードに出会うハーディガン)。これが3度繰り返されると、さすがに表面的には解釈できなくなります。もう、『深夜プラス1』のラストみたいな「若者に教訓を垂れる」という逃げ場もないので、泣きたくなるほどの惨めさですよ。 そして、最終話の(一番現実的な)決着のつけ方によって、「男らしさ」の美学が完成すると同時に、その「狂気」はどう扱われるべきかも描かれているんじゃないすかね。そういう、世間に対してへりくだる態度までが、現実には男らしい狂気の一部なんで救いようないと言えばないんですが。 きっと、中年になったらわかるよ。その頃にはある意味で、もう遅いんだけどね。『男』という社会的鋳型の内にある狂気は、『男』が完成してからでないとわからないモンですわ。 余談ながら、このテーマを「内側から」スタイリッシュに拡張したのがキューブリックの諸作(特に『博士の異常な愛情』)、「外側から」ジャッジできる地点まで引いて撮ったのがヤン・シュワンクマイエルの『男のゲーム』(まあ他の諸作もそうだ)。本作と観比べてごらんあれい。 【エスねこ】さん [インターネット(字幕)] 5点(2007-03-23 20:49:24) (良:1票) |
183.とりあえず最高!主役3人がクール過ぎる!特にミッキー・ロークがイイ!あの特殊メイクは圧巻で、一瞬誰かと思ったくらい。原作になったコミックは読んだことないけど、モノクロの中に効果的に原色を使うのは秀逸だね。原作に忠実に作っているだけあって、これでもかってくらい主役が頑強でなかなか死なないけど、そんなこと考える暇も無い位猛烈なスピードと壮快感で物語は進行していく。3話共それぞれ内容が違うけど、テーマは一環しており、軸がブレないのが面白さの原点だと思う。欲を言えば、オムニバスにするならもうちょっと3話を絡ませて欲しかった。でも、掛け値無く面白い!!!続編が出来るらしく、今回のメンバーではクライヴ・オーウェンだけが残るらしいが、是非是非ミッキー・ロークの再登場を願いたい。 【クオーレディアンジェロ】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-12-27 16:00:54) (良:1票) |
182.《ネタバレ》 女の体を食って首をコレクションするとは…残忍すぎる ハリーポッター! 【くまさん】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-07-16 13:33:10) (笑:1票) |
181.かっこいいなオイ。大事な女、惚れた女の為に己を犠牲にして突き進む男ってのをこれでもかって位にクールで格好良く描いていて、本当にみていて心地よかったよ。でもって、ガンガン女が裏切ってくのもお約束。むしろもっと裏切って主人公をピンチに陥れてほしかった位。モノクロ映像もシン・シティという街を逆に美しく彩らせている感覚で最高。 【光路郎】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-12-06 23:52:44) (良:1票) |
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180.行って来たぜシン・シティ!スゲーな本当に。 マジで俺の中で何かが変わった、そして目覚めた。 コレって絶対、好き嫌い分かれるだろうなーと思う。 が、誰が観ても「画的なもの」は絶対評価するだろうな。 「良い映画」=「誰にでも薦める客観的に良質な作品」とする。 「好きな映画」=「あくまで俺基準的に好きな作品」とする。 その上で言うと…歴代”俺の好きな”映画ベスト5に入ると断言する。 マジでシビレた!映画中ずっとニヤけてた!興奮してた!俺の好きなミッキーローク完全復活! って言うか、全てのキャラが立ってたのでワクワクしっ放し! でも井筒監督がTVでボロクソ毒吐いてた言い分が少し解った気もする。(笑) …ま、アーティストも映画も「凄ェ好かれるもの」は「凄ェ嫌われるもの」にもなりえる運命。 故に、俺にとって好きな映画なのかもだが。 主人公は皆、ある意味「異常者」だったしね、間違いなく。 しかし此処読んでる人間で、退く人間も居るかも知れんけど…あえて告白すると「あの異常性は俺の中にも多分に在る」と自覚してる。 そして「心の歪」と生きる、あの3人の男を俺は心からリスペクトする。 あえてカッコつけた事を言おう。シン・シティ…あそこは俺の心の憧憬。 もし、あの世界が在ったなら…俺は明日にでも旅立つ!!コイツぁ凄ェぜ!!! 【映画の奴隷】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-10-29 18:22:36) (良:1票) |
179.雑誌のニュースで「ロドリゲスが原作者のミラーと協同で監督するため、それを禁じているDGAから脱退」という記事をみてから、もうこの映画、絶対にみなくちゃいけないと思っていた。とにかく完璧な作品ににしなきゃいけない。それくらい本気なんだとヒシヒシ伝わってきたから。 お話もばりばりのセックスとバイオレンスにノワール風味が加わっていて、残酷なだけじゃない、オトナなお話だなあ、と感心しました。やっぱ映画を造るときはこれくらい本気じゃなきゃね。 【シェリー・ジェリー】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-10-22 17:00:30) (良:1票) |
178.『パルプ・フィクション』への最高にクールなオマージュ。これほどの敬意をもらって、タランティーノも幸せだろう。 想像を絶する暴力と、その奥底に流れる温かな情愛。原作はコミックだし、単純に面白いのも確かだが、暴力のカタルシスの裏には常に悲しみが潜んでいて、浅いドラマには終わっていない。敵役だけじゃなく、ヒーローも皆罪を犯している。善を成すためには悪を為すしかなく、罪を償うためには罪を犯すしかない、という運命が苦い。 この街で頼りになるのは力だけ。だけど力の影にはときおり優しさが見え隠れし、暗闇に支配されたこの街が、ときおり途方もなく美しい瞬間を見せることに気づく。ときには交叉しながら繰り広げられる三人の物語が重層的に「罪の街」を浮かび上がらせ、この荒唐無稽な世界がいつのまにかリアルになる。それと気づかぬうちにこの冷え冷えとした世界に魅き込まれ、観る者はいつのまにか「罪の街」の住人になっている。目を逸らしたいのに、いつまでも見ていたい、残酷で美しい街。 グロテスクな映像が苦手じゃなければ、お奨めします。 【no one】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-10-16 04:16:59) (良:1票) |
177.手とか足とか首とかとれ過ぎじゃない? 【追記】嫁専属ソムリエとして推してみた(自分の趣味全開)「意味わからん」と残念な反応でした。。。仕方ない。。。 【ないとれいん】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-10-11 19:01:58) (笑:1票) |
176.漫画やコミックを実写化するという場合、いかに現実化させるかと思っていたので目から鱗、実写をいかにマンガに近づけるかという手もあったんですね。白と黒の世界にたまに見せる毒っぽい、キツメの原色がかなり効いてます。つねに流れる風やコミックらしい動きのカット割りがアニメーションじゃなくマンガの風合いでいいです。ストーリーも男臭さ漂うハードボイルドな世界、善悪や法律よりも”オレがルールブックだ”的な愛、ポリシー、生き様が直球勝負でガンガン攻めてきて気持ちいいです。ただ3つの話しの係わり方をもう一捻りして欲しかったです。 【亜流派 十五郎】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-10-10 21:44:43) (良:1票) |
175.《ネタバレ》 紙の上に描かれた2次元のマンガが3次元となった、「動く映像たるアメリカンコミック」の本物を、初めて観た思いがする。スパイダーマンやハルクなど、アメコミを「実写化」した映画は、ネタ切れに喘ぐハリウッドには数多いが、この作品はそれらの映画とは一線を画する。モノクロームの世界に異様に光るサイケデリックな原色は、まるで影ベタが多くハードボイルドなアメリカンコミックに、そのまま筆で彩色したかのようだ。いかにもタランティーノが一枚噛んだらしいバイオレンスを、この映像で撮った決断、アイデアは評価に値するのではないか。終始続くナレーションに導かれ、観客は動く映像を観ながら、アメリカンコミックを読んでいるに等しい。実写に加工を加えただけのものではなく、車のシーンなどのカメラワークも巧みだ。キル・ビルのように薄っぺらな血を見せびらかす(それが決して悪いことではない)のではなく、物語にそって要所をカラーで演出し、想像をかき立てることで効果を倍増している。もしカラーだったら途中で席を立ったかもしれないが、お陰で最後まで目を背けることなく観ることが出来た。 【six-coin】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-10-04 00:52:06) (良:1票) |
174.《ネタバレ》 黒、白、赤、黄といった映像的なこだわりのお陰で、生理的嫌悪感に苛まれる事なく観れました。 殺戮や闘争のシーンより、便器の中に顔を突っ込まれるシーン(デルトロのシーンの前にもう1人便器の中に顔突っ込まれてましたが、大きい方が浮いてたような気がするんです)や、タールの中に身を沈めるシーンがもしカラーだったらと思うと、正直キツイです。臭いまでしそうで・・・・しかし、カラーを最小限に絞った効果は絶大ですね。残酷なシーンを緩和する役目もあれば、背筋がぞっとするような感覚にもさせる。また、登場人物の心情や行動を際立たせる役目もあるかなと思いました。 エグいシーンもありますが、原作に忠実ってところなのでしょうか?(未読)漫画的だったので、私にとっては許容範囲です。(←なんだか余裕かましてますが、結構ハラハラと心拍上がっってました・・・) 主人公の3人のおやじは本当にクールで、ナレーションでの決め台詞にはうっとり。女たちは全て並外れた美貌でパワフル。罪の街で繰り広げられる制裁や復讐劇に脳内物質放出しまくりし、久しぶりに、上映後かなり疲れました。 が、この充実感はなんなのか・・・ 【プリシラ3103号】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-10-03 15:45:12) (良:1票) |
173.“ヒロイズム”に懐疑的な私は、特にそれに“ハードボイルド”要素が加わると「男の自己満足」だと決め付けてしまう傾向にある。だって女は自分のために死なれたって嬉しくないでしょ。それより共に生きて欲しいと願うはず。でも本作の“命を懸ける男たち”にはなんだか訴えかけてくるものがあった。その理由は多分“シンシティ”という街のリアルさにあるような気がする。「こんな街じゃ愛を貫き通そうと思えば命かけるしかないよな」と素直に思えた。ただ単に“アメコミを実写にした”のではなく、“実写をアメコミに近づける”ことによって逆に荒唐無稽な街にリアリティが出ている。(原作者が監督参加していることも理由か?)自分はずっと“スタイリッシュ”なものに反感があるのだと思っていたけれど、それは違ったらしい。自分が反感を感じていたのは“暴力をひたすらスタイリッシュでかっこいいもののように見せる”手法(パルプフィクションなど)で、この映画も一見同じに思えるのだけれど、暴力自体を描くことが目的じゃない気がしたので(多分)、受け入れることが出来た。手法よりテーマ(哲学?)がちゃんと前面に出ていると言うか。あと役者さんが揃いも揃って素晴らしかった。これも元からのキャラクター造形が際立っているからだろうか・・・(やはり原作者が参加しているということで)。原作読んでないので分からないのですけど。 【なみこ】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-10-02 16:01:04) (良:1票) |
172.《ネタバレ》 正直言ってロドリゲスは名前だけで才に欠ける男ではないかと思っていたが、大きな間違いだったようだ。原作は未見で、どういう内容の映画かも全く知らずに鑑賞したが、徹底したハードボイルドの世界と切ないラブストーリーが見事にマッチしており、さらにセンスある世界観がこのハードボイルドさとラブストーリーをより高次元のものにしている。この見事な世界にたっぷりと酔いしれた。 また、魅力とクセのある役者がそれぞれのキャラクターを見事に演じきっている。恐らく協同監督に原作者フランクミラーがいるためだろう。原作者がキャラクターの本質を徹底的に役者に仕込んだものと思われる。原作者を協同監督にできたのもこの映画の高評価の理由だろう。 また、この世界はバイオレンス溢れる罪深き街を描いているが、このバイオレンスさが全く下品に感じないのも良かった。これは恐らくコミック的な良さ(マーブは何度轢かれても死なない等)を活かしているからではないか。コミック的なものがこの世界を覆っているため、我々の世界とは違う別次元の世界と感じられるからグロさや下品さをあまり感じないのではないか。 【以下完全なネタばれ】 この映画は、ハーディガン(ウィリス)とマーヴ(ローク)とドワイト(オーウェン)の三人の男達(と女達)のストーリーであるが、それぞれのストーリーに深い意味を感じる。 自分を見失うことなく8年を耐え得ることができたハーディガンは、自分を生かしてくれた女を生かすために死んでいった。また、一晩限りでも女の温もりや愛を感じさせてくれた天使の復讐のためにマーヴは死んでいった。 自分を生かしてくれるのも女であり、自分を死なすのも女である。男というものは、女のために生きも死ぬもするという哲学が、この映画に一本筋を通している。 また、愛する女を守るために戦う男ドワイトのストーリーには、女のために男は必死にもなるが、女自身も守られるだけではなく、戦う強さも持ち合わせているということを感じさせた。この主演三人も素晴らしいキャラクターだったが、脇役のイエローバスタードとケビンも女と間違った接し方しかできない悲しいキャラクターではないだろうか。また、男をこうも動かす女の魅力を、ナンシー、ゴールディ、ルシール、ゲイル、ベッキー等々が存分に示してくれた。どう考えても美しくないデボン青木でさえ、魅力を感じてしまうのもこの映画の魔力だろう。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-10-02 03:14:27) (良:1票) |
171.どこまでも果てしなく“遠慮”がない映画というものは、それだけで素晴らしく、偉大である。 徹底的に造り込まれ、限りなくキワどく、限りなくクールな映画世界に圧巻という言葉すら出ない。ひたすらに血生臭く、非道なこの街の空気感を彩る豪華な俳優陣それぞれのパフォーマンスと、悪趣味とスタイリッシュさとの絶妙な塩梅をこれでもかと見せつける映像感覚が凄まじい。 圧倒的なテンションの連続を見たかと思うと、描かれるストーリーは極めて繊細で切ない。まさに「こんな映画みたことない!」と断言するにふさわしい映画が誕生したと思う。スゴイ。 これは、ロドリゲス流超ハード“パルプフィクション”だ!! 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-10-01 19:01:43) (良:1票) |