8.ダンカンの初監督作品。予告編を見てから、ずっと見たいと思っていたのだが、先日ようやく見ることができた。
予告編通り、ブラックでいてシリアスな映画。親に売られた子どもたちと、子を売る親たちのやり取りをブラックジョークを交えながら描いている。
私はこの作品にどこか違和感を感じた。新人の役者の演技にか、淡々としたダンカンの喋りにか、それともこの作品の世界観にか。
どちらにせよ、この作品は違和感を感じるべき作品だ。もしかすると、ダンカンも敢えてこの"違和感"を観客に伝えているのかもしれない。
この作品で描かれていることが、まかり通っていいわけがないのだから。
肝心のストーリーだが、予想通りのオチ、というわけではなかった。
ただ、どちらに転んでも悲しすぎる。
もしこの映画が隙なく完璧に作られていたとしたら、「誰も知らない」ぐらい涙させられただろうし、考えさせられもしただろう。
しかしそれはそれで恐ろしいので、個人的には、この"惜しい"ぐらいの出来でよかったのではないかと思う。
個人的には、「オールド・ボーイ」に並ぶ"見終わった後に憂鬱になる映画"であった。 (レビューを書いた2008年当時)