1.「別れろ、切れろは芸者の時にいう言葉~」という名文句が出てきて思わずオオッ!と感激してしまった。この名文句はこの物語だったと始めて知りました。芸者のお蔦と恋仲の早瀬は、恩師にその事実を話すことができない。そうこうする内に芸者と付き合っている事が恩師の耳に入り学業のためにも別れる様に諭され、義理と愛情の板ばさみのなか学問の聖地、儒教の聖地、湯島で別れを告げる。ラストもなかなか泣かせの場面ですが恩師の教授に憤りを感じました。衣笠監督の幾重にも重ね合わせた絵がすばらしいです。ワンシーン毎の作り込みが半端じゃなく梅の枝ぶりまで計算され、背景同然のなかでの役者の芝居などスゴイの一言です。