1. 80年代後半に山ほど作られた、“ちょっと気になる転校生の活躍を描くスポコン映画”の最後っ屁のような作品。
まあ、この作品が全く話題にすらされなかったのは分かるね。この手の映画に不可欠な爽やかさが全く、本っ当に全く無い。w
舞台が賭けボクシングなどというドロドロした世界だから話も暗いし。主人公は端っからそれなりに強くて懸命なトレーニングなんてシーンは無い。だから観客は一緒に苦労(心情的に)してきて無いから感情移入もし難くて、クライマックスで苦境に陥っても「頑張れ!」と心底から応援できない。
例えばジャッキー・チェンの映画は、弱い男が苛められて、必死でトレーニングして強くなるから、最後の決戦で観客も親身に応援できる。そこまでの苦労を知ってるから。ところがこの映画はただ淡々と戦いを見せられてるだけ。その戦いも、ただ凄惨なだけで見ていてうんざり。だから最後に勝ってもカタルシスが無い。
まあ、91年の作品だから、後発として他の作品と一味違えたかったのだろうが、全てが裏目に出ちまった残念な映画。