75.《ネタバレ》 エグゼクティブプロデューサーを渡辺謙さんがしておられる事から、この作品にかける渡辺謙さんの想いはかなり強かったと思われます。テーマとして感じられるのは、やはり“愛”でしょう。しかもそれはそんじょそこらの“愛”ではなく、もう言葉では言い表せないくらい強い愛情です。深く広く、そして硬い愛です。アルツハイマーになる夫を支える妻。それはもう大変などという言葉では表しきれません。この作品はそのことから考えると妻を演じる樋口可南子さんが真の主人公だったと思います。夫の記憶が失われていく苦しみも確かに悲しく辛い物だと思います。でもそれ以上にその夫を見捨てず、何年も傍らに寄り添い続けられるその強い愛情に感動しました。時には嫌になり、時には逃げ出そうとも考えるその苦難、そこで大概の人間ならそうしてしまうでしょう。でも、それから目をそらさず、むしろさらに強く暖かい視線で夫を見つめるその妻の心の強さに涙しました。全てを忘れようとしているのに、手から離さないそのコップには妻の名前が刻まれている、そこにもまた互いの深い信頼と強い愛情を感じました。たった一つのアイテムで全てを集約してしまうその演出も素晴らしかったです。 【ボビー】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-12-09 18:33:37) (良:1票) |
74.《ネタバレ》 夫婦像よりも、私は、退職の日に部下達が飛び出してきたとこに一番グッときました。せつなかった。役者達がみんな好演でしたが、娘夫婦にもうちょっと個性がほしかったかな。これは主にシナリオの問題でしょうか。子どもが小さくて直接にはサポートできない悲しさやつらさを織り込むと、さらにもっとリアリティにつながったのではないかと(私自身、父が脳梗塞で倒れたとき息子が1歳だったのでそういう経験をしました・・)。ほんの1シーンでもそれは表せたのではないでしょうか。それと、ラストシーンはつらすぎたので、冒頭のシーンのリフレイン(か冒頭のシーンをラストにもってくるとか)にしてもよかったのではないかなあと思いました。ただ随所に、国際的な仕事をするようになった渡辺謙のセンスが感じられ、今までになかった邦画だと思いました。押し付けがましくない日本らしさが出ていると思います。何か大きな賞をとれるといいですね。 【おばちゃん】さん [映画館(邦画)] 8点(2006-06-15 00:53:00) (良:1票) |
73.《ネタバレ》 泣きました。ホントに・・ 前半1時間は、病気が発症してから、仕事についていけなくなるという サスペンスタッチ。 娘との結婚式のスピーチで、クライマックスを迎えます。 一転、後半は、家族との静かな病気との生活が始まります。 そして奥多摩での妻との思い出の陶芸教室での幻想体験。 そして妻が迎えに来るのですが、そこでとうとう最愛の妻さえ忘れてしまうのです。 その時の樋口可南子の静かな嗚咽。 もう泣きました・・ 純愛映画としても記憶に残る映画でした。 【トント】さん [DVD(邦画)] 8点(2021-01-31 19:28:00) |
72.記憶が無くなっていくという作品はそれなりにある。それでもここで描かれる物語は特に心に入ってくる。 歳とともに人は子供(若い時の記憶)に帰っていく、ということが上手く表現されている。 鑑賞は二度目だが、何故か感想を書いていなかった。 【simple】さん [地上波(邦画)] 8点(2019-12-01 12:56:39) |
71.《ネタバレ》 まだ自分の中に優しさが残ってるうちに身辺整理しよう。そう思わせてくれただけでも、この映画は自分の中で偉大です。 【よこやまゆうき】さん [地上波(邦画)] 6点(2016-09-10 00:31:40) |
70.素直に良い映画だと思った。アルツハイマー病になっていく主人公の心情がとても切実だったし、それを支えていく奥さんはとてもいい人だと思う。「ずっと私がそばにいます」と言われたときは泣けてしまった。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-01-17 22:40:20) |
69.渡辺謙さんの演技が光る作品でした。それに対して樋口さんは毎回安定の樋口さんで、、、。個人的に忘れっぽい(特に最近の記憶が)ので非常に恐怖を感じました。ラストが切ないですね。でもリアルだとあそこから更に、、、という余韻も残されてもっと切なくなりました。 【movie海馬】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-10-31 02:06:36) |
68.《ネタバレ》 荻原浩氏の原作は既読です。原作の設定を大きく変えることなく、内容をほぼ忠実に映画化していると思います。渡辺謙さん、樋口可南子さんは言うまでもなく抜群の安定感、その他の配役も適格なキャスティングだったように思います。自分も一介の会社員ゆえに、物語の中でも特に憤りを感じたのは会社側の佐伯の扱いである。どうやら会社は時として、社員の長年の功労を都合よく忘れるアルツハイマー病を患うようだ。その反面、妻枝実子の献身や同僚たちとの別れの場面の何と温かいことか。彼が今までに注いだ愛情や築いた信頼はいつまでも皆の心にある。結局は常日頃の生き方こそが未来への記憶であり、明日の記憶になるのだ。若年性アルツハイマー病。もし自分がなったら?あなたの家族がなったら?大切な社員がなったら?誰もがこの物語の"誰か"になる可能性はあると思う。映画や本のお話とは言え、決して遠い世界の絵空事ではない。明日の記憶というよりはまさに"明日は我が身"を感じる映画でした。 【タケノコ】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-10-19 19:39:45) |
67.重いテーマの物語ですが、リアルさが伝わってこない映画です。原作未読ですが、キャストの力量は十分だと思いますので、それ以外の何かですかね。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-09-01 20:54:15) |
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65.《ネタバレ》 自動録画されていたので鑑賞、全般せつなすぎてしんどい、所々にまわりからの言葉で救われるシーンがあり余計にせつない、しんどいので自動録画されても即消去して二度目は観ないと思う。 【ないとれいん】さん [地上波(邦画)] 7点(2014-04-11 09:31:48) |
64.この映画を観た当時、同じサラリーマンとして非常に怖さを感じた。認知症モノの映画としてはやや綺麗な作りだが、演技の良さに感動できる。 【noji】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-02-11 00:57:32) |
63.やはり映画はどうしても三人称なのだ。それだって文章で読む一人称的な「当人」意識を映画で作ることは不可能だ。そこにキモがある原作を映画化するんだから、スターと時点で困難な計画だったのは分かってしまっていた。意外と良かったのは、及川光博の喋り方。患者が医者という測定者に抱く曖昧な畏れが感じられた。あとは渋谷で迷子になるあたりか。一人称の当事者感は出せなかったが、三人称の「彼」の話として身に迫った。退社でみんなが来るとこは(たしか原作にはなかった)、クサいなあと思いつつホロッとしてしまうのが悔しい。一人称でなくしたぶん、主婦の立場を加えられ、樋口可南子の泣き笑いっていいんだ。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-10-17 09:26:19) |
62.《ネタバレ》 私事ですが、祖父が認知症を発病し数年後他界し・・・ 今現在、母親が認知症で施設に入っている者としては身につまされる思いで鑑賞しました。 渡辺謙さん、樋口可南子さん、両者とも素晴らしい演技で良く描けていると思います(実際は、そんな綺麗事だけでは済まされない部分もあるが映画的にはという意味合いで) 何よりも、こういう病気があるということを知らしめるだけでも意味があると思います。 渡辺謙さん演じる佐伯が、病状が初期の頃『誰にも言わないでくれ・・・』と。 私の母も全く同じことを初期の段階に言いました。 この病気になった時、共に立ち向かえる家族の絆と、この病気になっても隠さないで家族以外の人にも理解されるような社会になればと・・・ 終盤、大滝秀治の『生きてりゃいいんだよ、生きてりゃ・・・』のセリフにジーンときて、本当にそうだなと思いました。 更に彼の熱唱に笑ってしまうくらいの元気を頂きました。 【ぐうたらパパ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2012-02-04 11:09:57) |
61.主役二人の演技には安定感があるので、最後まで落ち着いて鑑賞できた。 ちょっとTVドラマ的な演出過多のシーンが多いのは気になったけど、 その分、病気の怖さはストレートに伝わってくる。 妻の思い、夫婦愛などを絡め、ドラマとしてのストーリーに厚みを持たせており、 かなり重たい内容の映画だが、自分が主人公の立場になったら? と考えると最後まで目が離せなかった。 【MAHITO】さん [地上波(吹替)] 5点(2011-08-23 15:32:01) |
60.《ネタバレ》 小生はサラリーマンであるが、明日は我が身だと思わせる作品。今まで仕事をこなしていたのにそれができなくなる。この瞬間がつらい。病院での診察シーンも医者の質問に対して強がって答えているあたりは大半の人がやるのではないだろうか。妻は妻でやり場のない怒り、ストレスが身に染みて伝わってきた。最後の方でアルツハイマーになった夫が妻がだれかわからなくなるシーンがあったが、その続きとしてあなたに会えてよかった的なシーンがあったらラブストーリ的にもよかったかな。 【たこちゅう】さん [地上波(邦画)] 7点(2011-05-05 00:24:39) |
59.主演ふたりの演技がとてもとても素晴らしくて、映像もカメラワークもよかったと思います。だからこそ、もうひとつドラマがあれば、さらにはねたと思います。冒頭のシーンがあるせいで全体的に悲劇を感じながら観なければいけなくなるのが残念でした。 【コダマ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-05-01 00:32:54) |
58.まず2010年の姿を見せた後で2004年に戻り話が進められる・・・ この先どうなるか分かっている状態で見せられると結構つらいものがある。それでも大滝秀治が演じたエロ爺さんの言葉に少しだけ救われ、最後のあまりにもショックな現実さえも受け入れた枝実子さんの強さに感服した。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-12-10 22:00:51) |
57.《ネタバレ》 若年性アルツハイマー病に犯されたバリバリの企画部長と寄り添う妻の深遠なる夫婦愛。アルツハイマー病の怖ろしさと介護する妻の痛々しさに耐えかね始終鳥肌が立ちまくって観ちゃおれませんでした。リアルに重たい余韻が残ってまた観ようとは思えませんね。 【獅子-平常心】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-10-13 01:08:41) |
56.《ネタバレ》 堤の凝りに凝ったカメラワークがプラスに転じ、不安定な主人公の心情を見事に表現したという名作。この作品で渡辺謙は日本アカデミー賞を受賞したし、樋口可奈子は献身的な日本の妻の代名詞的存在となった。ラストは賛否両論だが、個人的にはあれしかないと思うところで終わった。圧倒的な余韻。 【j-hitch】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-08-17 13:53:21) |