リトル・ミス・サンシャインのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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リトル・ミス・サンシャイン

[リトルミスサンシャイン]
Little Miss Sunshine
2006年上映時間:100分
平均点:7.34 / 10(Review 164人) (点数分布表示)
公開開始日(2006-12-23)
ドラマコメディロードムービー
新規登録(2006-10-02)【rothschild】さん
タイトル情報更新(2022-04-01)【TOSHI】さん
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監督ジョナサン・デイトン
ヴァレリー・ファリス
キャストグレッグ・キニア(男優)リチャード・フーヴァー
トニ・コレット(女優)シェリル・フーヴァー
スティーヴ・カレル(男優)フランク
アラン・アーキン(男優)おじいちゃん(グランパ)
ポール・ダノ(男優)ドウェーン・フーヴァー
アビゲイル・ブレスリン(女優)オリーヴ・フーヴァー
ブライアン・クランストン(男優)スタン・グロスマン
ジュリオ・オスカー・メチョソ(男優)自動車整備士
ディーン・ノリス(男優)マクリアリー
ベス・グラント(女優)美人コンテストの担当者 ジェンキンス
メアリー・リン・ライスカブ(女優)大会のスタッフ
ジェフ・ミード(男優)バイカー
内田直哉リチャード・フーヴァー(日本語吹き替え版)
田中敦子〔声優〕シェリル・フーヴァー(日本語吹き替え版)
岩崎ひろしフランク(日本語吹き替え版)
小野大輔ドウェーン・フーヴァー(日本語吹き替え版)
永田亮子オリーヴ・フーヴァー(日本語吹き替え版)
脚本マイケル・アーント
音楽マイケル・ダナ
撮影ティム・サーステッド
製作デヴィッド・T・フレンドリー
配給20世紀フォックス
衣装ナンシー・スタイナー
編集パメラ・マーティン〔編集〕
字幕翻訳古田由紀子
スタントJ・アーミン・ガルザ二世(カメラ・カー)
その他マイク・ミルズ〔1966年生・監督〕(サンクス)
あらすじ
アルバカーキに住むフーヴァー一家は、アクの強い、個性豊かな、悪く言えばバラバラな人たち。だが娘のオリーヴに大事件が発生! カリフォルニアで開催される少女ミスコンに、予選2位だった彼女が繰り上げ入選したのだ。いろいろあって一家全員がマイクロバスで出発…した途端にトラブル続発ですよ。このバラバラ一家、本当に、本当にカリフォルニアまで行けるの…? 成功を求める人々の不運炸裂な道中を描きながら、成功の意味、人生の価値を問う、知的+下品な群像コメディ。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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【クチコミ・感想】

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164.《ネタバレ》 設定はマイナス要素に溢れています。ダメダメな家族で全然イケてない。でも世界を包む空気は寒々しくありません。まずそれがいい。軽やかでほんのり暖かい音楽と共に物語は綴られていきます。構図も“はっ”とするほど美しい。そして何より人の描き方が素晴らしかった。端役に至るまで“こんな人いる”と思えました。画面の中の世界は、自分が生きている世界と同じ。だから大きなフリ幅で、心を揺さ振られたのだと思います。時に自身を顧みて嫌悪し、自嘲しました。同情し共感しました。各人に感情移入し、気付くとこ自分も家族の一員になっていました。大いに笑い、くしゃくしゃになって泣きました。クライマックスは娘のステージ。ストリップまがいの珍妙なダンス。それをみて大笑い。「ああ、じいさんとの奇妙なレッスンはこういうことだったのか!」と。でも同時に胸が痛くて苦しくて。お父さんの口癖を借りるなら、この家族は“負け犬”だらけです。彼らのダンスはみっともない。でも美しかった。心に響きました。“娘を守りたい。”その気持ちが強く伝わってきました。もっとも、彼らの行為が許されるとは思いません。コンテストを無茶苦茶にした罪はある。例えそれがクソみたいなコンテストでも。しかし理屈ではなく共感してしまう。「お前たちに、うちの娘を値踏みされてたまるか!」「このダンスの何が悪い!」逆ギレもいいところです。でもそこには愛がありました。巷に溢れるまがい物ではない本物が。客観的判断も価値基準も必要としない。見返りも無い。ただ全てを肯定する。「お前を愛している」「お前を誇りに思っている」そう言わなければならない時があります。しかもオリーブはまだ子供。家族が守らなくてどうする。家族が与えなくてどうする。一番大切なものに、この家族は気付いたのだと思います。愛されることは、自信に繋がります。戦う勇気と力に変わる。オリーブは、そういう生き方が出来る人間になってくれると信じます。じいさんは言っていました。負け犬は、負けることを怖れてチャレンジしなかった者のことだと。自己啓発プログラムでいう“勝利”と違う“勝ち”がある。負けがない、勝ちがある。この家族が敗者だなんて、自分には思えない。
目隠シストさん [DVD(字幕)] 10点(2007-09-21 18:19:30)(良:6票)
163.ひとクセもふたクセもあるバラバラの家族が、美少女コンテストに出場が決まった娘のために、一路カリフォルニアまで“オンボロワゴン”で走り出す。
様々なトラブルが次々起こる“家族旅行”を通じて、崩壊寸前の家族の「再生」を、時にユニークに、時にシニカルに、そしてハートフルに描き出したスバラシイ映画だった。

崩壊寸前の家族像を描きながら、この映画は冒頭から愛らしさに溢れ、心をくすぐってくる。
それは、この家族が決して悲劇的にバラバラな状態ではないということに他ならない。それぞれの思いの中で、微妙な“すれ違い”は生じているが、根本的にはそれぞれが自身の家族を愛し、必要としている。そういうことが、鮮やかに映し出される映像美とキャストのさりげない表現力によって、映画の全編を通して伝わってくるのだ。

この映画は6人の家族そのものが主人公だと思うが、それを演じたキャスト陣がそれぞれとても素晴らしかった。
今作の強烈なおじいちゃん役でアカデミー助演男優賞を獲った名優アラン・アーキンや、父親役のグレッグ・ギニアの存在感は申し分なかったが、やはり印象的だったのは、ミスコンを目指す幼児体型の眼鏡少女をこの上なくチャーミングに演じて見せた小さな女優アビゲイル・ブレスリンだ。バラバラの家族を繋ぎとめる唯一の“かすがい”として天真爛漫さを振りまくオリーブ役を見事に演じきっていたと思う。

トラブル続きの“家族旅行”を終えた時、彼らをとりまく様々な物事は決してすべてがうまくいったわけではない。むしろ、客観的に見れば色々なものを失ったと言える。でも、彼らはみんな出発前にはなかった心からの笑顔に溢れている。
この家族が得たものは何にも代えがたく、その価値はこの映画そのものの価値だと思う。
鉄腕麗人さん [DVD(字幕)] 9点(2007-06-03 17:51:07)(良:4票)
162.《ネタバレ》 数年前に映画館で鑑賞。最近アリタリア航空の機内にて再鑑賞。アリタリア航空、モニターの設備は悪いが、ナイス・セレクトすぎる!!ありがとう!
2度目なのに、またもや大笑いして、たくさん涙が流れた!こういう「ハッピー」でも「アンハッピー」でもない映画が、リアルだと思うし、じわーっと切なさが残って一番好きだ。
甲乙捨てがたいくらい、どの配役も現実味があり、またいい味を醸しだしている。
特に私のツボに入ったのが、オリーブの兄・ドウェーン。夢破れるシーン、オリーブに「ママをハグしろ」と伝えるシーン。今思い出しても泣けてくる!そして、ドウェーン演じるポール・ダノ自身に興味津々。不細工カッコイイというのか、なんだか気になるお顔!彼の他の出演作も、彼目的に観てみたい。
『家族は理屈じゃない』常日頃思う真実です。そして人生も理屈じゃないし、ましてや勝ち負けでもない。一番大切なことは・・を嫌みなく、素直に心から感じさせてくれる、愛すべき作品。ここ数年で最も好きな映画だなぁ。
フィットピッポ4さん [映画館(字幕)] 10点(2010-09-26 12:31:02)(良:3票)
161.《ネタバレ》 『悪魔のいけにえ』『ホテル・ニューハンプシャー』『アダムスファミリー』『アメリカン・ビューティー』などなどアメリカ人の大好きなモチーフの一つである「フリーキーな家族像」の映画は、周囲をドタバタと迷惑なトラブルに巻き込んで進行するのが常だが、この映画もまさにそれそのものだ。オフビート気取りのシニカルタッチもこう頻発されると食傷ぎみだなぁとイジワルく観ていたつもりが、ロードムービー開始早々しょっぱなでポンコツワーゲンが故障するあたりからおやおや?っと思いはじめる。みんなで力をあわせなければ動かないし乗り込めない役立たずなポンコツワーゲン。けれど、てんでんバラバラだった一家がワーゲンのために仕方なしの一致団結をくりかえすたびに、それぞれの心の垣根がどんどん消えていく。ついでに気づけば観ているこちらの垣根までもがいつしかスルリと取り払われている。そんな中、負け犬と勝ち馬の法則にこだわる父親リチャードだけが、最後までその垣根を完全には捨て去れずにいる。そんな彼が意を決して幼い娘オリーブのために選ぶ行動は、だからこそ涙が出るほどうれしく、頼もしく、そして感動的だ。とってもとってもとってもバカらしくはあるけれど、それでも。力の限りに頑張る家族が人に後ろ指をさされ笑われるのなら、自分も胸をはって笑われよう!家族みんなで胸をはって笑われよう!それは単に親バカになることとは違う。愛するものを誇りに思い、愛するままに両手をひろげて、恥ずかしがらずに力いっぱいその胸に抱きしめるってことだ。それはあの悪態ばかりの下品なジジイが、率先して実行していたことでもある。まるでその遺志を引き継ぐ決意表明のようにリチャードが踊りだす時、彼はオリーブを家族を、そして亡き父を、ありったけの愛で力いっぱいに抱きしめるのだ。生まれてはじめての泣き笑い(それも爆笑と号泣)をこの映画に捧げてしまったが、こんなにすてきな彼らのためなら後悔はない。やっぱりみんなに迷惑をたっぷりかけたうえ最後っ屁までカマして去っていく彼ら。鳴り響くポンコツワーゲンの壊れたクラクションもまた、やっぱり迷惑で、そしていとおしい。それにしても、ダンスレッスンしてるはずが豹のモノマネごっこに興じるジジイと孫、のシーンにちゃんと意味があったなんて!
BOWWOWさん [DVD(字幕)] 10点(2009-07-25 00:03:46)(良:3票)
160.《ネタバレ》 すばらしい!おすぎがこれイイっていいってて、初めてホントにいい映画に出会えました(笑)全編にわたって捨てるシーンは無いんですが、オリーブのダンス前の不安そうな表情、家族もやめたほうがイイって言っている状況の中、特に回想シーンとか無いんだけど、見ている人の心にはお爺ちゃんの言葉か響いてたはず。もちろんオリーブにも。そんな感じが堪らなくイイ。そして、あのクソ親父が踊り、家族が一体となったあの踊り!そりゃ会場の人たちはポカーンだけど、この意味がこれまで映画を見てきた人達なら解るはず。最高。見るのをためらった俺は負け犬。見てよかった
マキーナさん [DVD(字幕)] 9点(2007-12-07 22:28:49)(良:3票)
159.《ネタバレ》 優れたロードムービーのお手本のような愛すべき佳作。捨てキャラ、不要なシーンすらひとつも見当たらず。何気に買ってたエロ本でさえ後で伏線になっていたり、長男の色弱が判明するシーン(←その前にちゃんと病院で前フリがある)では、あまりの脚本の巧みさに自分は思わず唸ってしまった。それにしても「リトル・ミス・サンシャインコンテスト」って・・・、ネーミングとは裏腹に、何て不健康でジメジメしたコンテストなんだろう。居並ぶ幼女たちが次々と媚を観客に売るトコなんか、なんだか全身がムズムズしてくる。かつて「ジョンベネちゃん事件」をワイドショーで観てた時に感じたモノと同種の、生理的にいやあな感覚、痛々しいというか不健全といおうか。もちろんお腹がちょこっと出た幼児体型のオリーブちゃんだけは別。自分はストレート過ぎる家族団結ものは苦手だけど、こういうちょっと変化球気味で、ピリッとスパイスを効かせた作品は大好きです。登場人物一人一人が抱きしめてあげたい程いとおしい、そんなアメリカ映画って最近なかなかなかったと思います。もしキャストアンサンブル賞とかあったらこの作品にあげたい。
放浪紳士チャーリーさん [DVD(字幕)] 8点(2007-10-22 10:46:02)(良:3票)
158.1人じゃ走れないオンボロ車でも家族みんなで押してやれば、もう一度走り出すことができる。あの車の存在は「負け組み家族」のメタファーとして見ることもできる。典型的なミニシアターでありながら、コンテスト会場に車で突入するシーンは、低予算であるにもかかわらず、お金のかかった映画の爆破シーンに劣らないほどエキサイティングでした。また、ゲイの叔父が必死にコンテストの受付に向かって走り出したときに流れてくる音楽がじつに素晴らしい。「娘の晴れ舞台のために」という共通した目的のために、負け組家族が1つにまとまります。本作の見所は何と言っても家族の個性的なキャラクターにつきる。たとえば、ライ麦のホールデンのようにひねたアニキは、ニーチェに影響を受けて無言を貫く。勝ち組にこだわり続けるオヤジは、自己啓発本の出版に失敗し破産する。ゲイの恋人にふられた叔父は自殺未遂を起こす。みんな負け犬です。そして何よりも老人ホームから追い出されたエロじじいが最高でした。あのエロじじいの喋ることのすべてがデンジャラスでした。彼の存在そのものが、この映画がR指定された原因でしょう。しかも、そのエロじじいは、途中でドラッグ中毒で逝ってしまう。それにもかかわらず、助演男優賞をゲットしている。そして何人かの人が同じことを感じたかもしれませんが、じじいが死んだ直後から、彼が息を吹き返すのではないか?と思わせるシーンがいくつかあったと思います。私は何度となく彼が息を吹き返すのではないかと考えてドキドキしていました。だから死んでからも強い存在感を発揮していました。娘の舞台に家族が乱入するシーンは恥ずかしくて目を開けていられなかった。しかしあのシーンでも、「勝つこと」が全てではないというメッセージだけは確実に伝わりました。ナポレオン・ヒルやカーネーギーのように「成功の法則」に関する本ばかり読んでいる人々がこの映画を観ればパラダイム転換につながるのではないでしょうか。とても、あたたかくて、すごく好きな映画です。
花守湖さん [DVD(字幕)] 10点(2007-06-05 20:35:22)(良:3票)
157.道中、突然の悲劇により、悲しみに暮れるママを横目にし、兄が妹に走り書きのメモを見せて指示した〝GO HUG MAM〟のシーンがとてもよかった。そして、その指示に一分の遅れもなく反応し、おかあさんを抱きしめに行ったオリーブの姿にこの家族間の絆が安泰で、そこには家族愛が満ち溢れている事を確信しました。これはオリーブのファインプレイでもあり、実はそれ以上に、兄:ドウェーンのファインプレイであったと感じましたね。悲しいことも多発するが、その逆境を乗り越えて家族5人(?)で道中ぐんぐんぐんぐん進んでゆく明るく楽しいファミリーストーリー。ずっと観たかったんですよね そして観れて満足 思ってた通りに傑作だった。ラストシーンの余韻も含めてすご~く爽快。余は大変すごく結構満足じゃ。
3737さん [地上波(吹替)] 8点(2013-05-02 23:08:43)(良:2票)
156.《ネタバレ》 オリーブこそまさにこの家族の“リトル・ミス・サンシャイン”
人はつい自己中心的になってしまいがちだけど、それでも誰かの為に猛ダッシュできたり、誰かの為に悲しみを共有出来たり、誰かを労わる心を持っていたり、そして誰かの為にバカなダンスを一緒に踊れることが出来たりもする…。うむ。。素晴らしい。
小星も、誰かにとっての“リトル・ミス・サンシャイン”になりたい。
小星さん [DVD(字幕)] 8点(2012-07-26 17:17:58)(良:2票)
155.《ネタバレ》 なかなかの良品でした。いちばん印象的だったのは、オリーブがお母さんに「やめてもいいのよ。やっぱり出る?」と言われ、あくまで出場するところ。たぶん彼女、最初に顔見せした時点で絶対に優勝できないことを確信したと思います。それでも出たのは、死んだじいちゃんのためでもあり、ここまで連れてきてくれた家族のためでもあり、何より自分自身のためでしょう。出ないと一生後悔するであろうことを、本能的に理解していたと思います。それはきっと、じいちゃんの教育あってのたまもの。本作で最初から最後まで前向きだったのは、じいちゃんとオリーブだけでしょう。
で、一風変わった負け犬一家ですが、それでも大切なものをもっている。それは人に対するやさしさ。特にじいちゃんの気の遣いようは、ぶっきらぼうで不器用だけど相手に対する愛情を感じさせます。フランクに「君もゲイの雑誌を買ったらどうだ」なんて言うのが典型的。ついでのようでいて、実はそれが目的でしょう。本作にはそうしたやさしさ、心遣いに満ちあふれています。この一家、全然負け犬じゃないですね。
アングロファイルさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-05 22:34:15)(良:2票)
154.《ネタバレ》 キャラクターがみんな魅力的。この映画を作った人はきっと人間が大好きだw。個人的に好きなのは、ミスコン審査員のお固いオバちゃん。融通が効かなくて意地悪な人かと思いきや、実はいい人・・・ではなくw、最後までお固くて融通の効かない人として描かれていたことが嬉しい。人間性をステレオタイプに描かないように、「◯◯だけど実は△△な人だ。」というような安直な描き方をしていないところが好きだ。主人公一家を除けば最後にスクリーンに現れるのも彼女だしね。クライマックスのダンスステージもいいですね「こんな下品な大会になんか出なくていいよ!」という心配を飛び越えて、自分たちが一番下品なダンスをしてしまうというw。全体的に、大事なところほどサラっと流すように描いているけれど、その大事なところをしっかり抜かさず描いた凄い映画だと思う。
ゆうろうさん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2011-06-02 03:09:17)(良:2票)
153.《ネタバレ》 最初はどうかと思ったこの家族。旅を続けるにつれ、一人ひとりが好きになり、応援したくなり。最後のダンスシーンはもう泣き笑いで見ました。じーちゃんもまだその辺でさまよって孫たちの勇姿を誇らしく見、そして一緒に踊っていたことでしょう。
ちゃかさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-03-04 17:46:42)(良:2票)
152.《ネタバレ》 ロードムービーといわれる作品は、好き嫌いが多い。
よく分からないのも多いし、私は映画に娯楽を求めるので。
この映画もそう考えて映画館にいかなかった・・・・失敗!行けばよかった。
幼い娘が美少女コンテストに出る為に、家族で会場へ向かう明快なストーリー。
明快なのは目的だけで、登場人物が揃いもそろって個性的なダメダメ。
品性下劣だし、悪いのは全部自分だろ!っていう人間ばっかり。家族としても疑問。
ところが・・・・、妹のこととなると皆が少しずつ譲り合う。
そこの微妙な所が掴みどころ。
この映画の主人公でもある女の子は、この家族にとってはイノセンスなのねー。
唯一、まだ無垢で素直。
私が一番気に入った場面は、パパから「アイスクリームは太る」という主旨の事を言われた時。彼女は気にして食べない、と言う。
その時にパパ以外の家族が皆でとった行動が、さりげないけれど愛にあふれている。
ポンコツ車に乗っかり会場へ向かうが、更に揉め事は増え、時間は迫り、ハプニングは起きる。
美少女コンテストに出場すると言うよりも、夜逃げでもしてると言った方がピンと来る様な有様なのに・・・。
見た後に良かった・・・・としみじみ思ったんです。
最後の醜悪なダンスは引っ張りすぎたと思うけど、指導したじーちゃんサイコーだぜ!
あと、家族以外で賛同していた会場の人。それはまさしく、私でもあるような気がした。
個人的には「沈黙の誓い」を立てていたお兄ちゃんにノックアウトされました。
哲学的な部分と、まだ未熟さが同居している演技が最高。いい映画です。
ロボットさん [DVD(吹替)] 8点(2008-01-16 14:34:23)(良:2票)
151.《ネタバレ》 高校の頃に観たら絶対に泣かなかっただろう。この映画を観るためには、まずちょっと疲れていることが必要だ。人間の温もりを欲しているときに観ないとただのだめ人間映画になってしまう。負け犬ではなくとも、負け犬に共感できる心、ひょっとしたら自分もだめ人間かもと思えるくらい弱い人間でなければ、この映画の面白さは分からない。もうほんとリチャードとか最悪でほんとどうしようもないくらい頭悪い奴なんだけど、ラストで踊ってくれたから、それでいいのだ。オリーヴはお腹出ていてもかわいいのだ。これでいいのだ。最強の現状肯定映画がここに。
枕流さん [DVD(字幕)] 8点(2007-10-04 22:24:51)(良:2票)
150.脚本勝ち。なんといってもその設定が面白い。ひとりひとりのキャラクターが個性的で強く、見ていてグイグイ引き込まれる。誰一人として息の合っている人間がいないというのが見ていて可笑しい。しかし、それぞれがしっかりとした人生に対する信念を持っており、本作の根幹をなしている。それがダイレクトに強く表れるのがそれぞれの台詞で、一つ一つが胸にグサリと突き刺さる。特にアラン・アーキン演じるじいちゃんがオリーヴに言った「楽しめ!」と、息子のリチャードに言った「俺はチャレンジしたお前を誇りに思う」という台詞は印象的である。また、ドーウェーが母に「娘を守るのも母親の役目だろ!」と言っていたけれど、なるほどああいう守り方もあるのかぁと納得させられたし、そこに本物の家族愛を見ることができた。家族の支えがあって、オリーヴは名誉とは一切関係のないホンモノの『リトル・ミス・サンシャイン』になれたのだと思う。今の時代、家族が助け合い、協力し合うことなんてなかなかないし、格好悪く見えるのかもしれないけれど、本来の家族はこうあるべきなのだと思う。とても心地の良い余韻が残る素敵なファミリーロードムービーでした。
こばやんさん [映画館(字幕)] 9点(2007-02-26 01:45:08)(良:2票)
149.《ネタバレ》 ロードムービーではその物語の根幹を造る旅の目的が重要なプロットになるけど、ドン詰まってバラバラな関係となってしまった家族と親族の六人がおんぼろマイクロバスに乗ってカルフォルニアのチャイルドミスコンを目指すというというのは、よく考え抜かれた脚本だと思います。実質この六人だけで進行するストーリーだけど、六人が皆で素敵な演技のアンサンブルを見せてくれます。アメリカと言う国は異常なまでに勝者と敗者に拘る社会なんで、人々は”敗ける”ということには屈辱と恐怖を持ってしまう傾向が見られます。日本のようにいわゆる判官贔屓というような感情はアメリカ人には無さそうですね。本作のオリジナル脚本家は、知事時代のシュワちゃんが「私がこの世で一番嫌いなものは負け犬だ、私は彼らを軽蔑する」と高校生相手にドヤったことに腹がたったのがこの脚本を執筆するきっかけだったそうですが、その後のシュワちゃん自身がケネディ一族の妻から離婚されてからは転落していまや負け犬になってしまったのは皮肉なことです。 やっぱこの家族の中でいちばん光っていたのはエロ・ヤク中爺さんのアラン・アーキンであることには異論がないでしょうが、それでも特定のキャラに重点を置かずに個性派俳優たちの演技の化学反応を愉しませてくれる演出が秀逸です。とくにミスコン会場に到着してから家族総出で舞台に上がってダンスするクライマックスへの流れは脚本が上手過ぎて感心しました。2000年代以降に撮られたロードムービーとしては、今のところ最高傑作なんじゃないかと思う次第です。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-09-06 23:08:44)(良:1票)
148.《ネタバレ》 こんな車には絶対同乗したくない。
そう思わせるギスギスした空気。
登場人物が個性的で実にいい。
バツ1子連れの母。
言うことは立派だが実の伴わない短気な父。
退役軍人でヘロイン使用がバレて老人ホームを追い出された祖父。
ニーチェに影響されて夢を叶えるまで口をきかない兄。
ミスコンで優勝を夢見る無邪気な妹。
そんな一家に、自殺未遂を図ったゲイの伯父まで加われば、珍道中にならないわけがない。

マイクロバスは故障で、押しがけしないと走れない。
祖父が薬物中毒のためかポックリ逝ってしまう。
兄は色覚異常が判明してパイロットの夢が絶たれる。
父は浮沈を賭けたビジネスの契約に失敗。
次から次へとトラブルに襲われて、青息吐息の崩壊寸前。
それでも何とかミスコン会場に到着したものの、参加者のレベルの違いは歴然。
出場しても恥をかくのがオチなので、父は辞めさせようとするが、母は本人の意思を尊重すべきと主張。
どちらも娘を思ってのことだが、結局出場するオリーブにどうなることかとヒヤヒヤさせられる。
もうこの時点で、どっぷり感情移入していったよう。
祖父から教えられた下品なダンスを未熟に踊る姿に、凍りつく会場。
いつの間にか家族の身になって、観ているこちらもいたたまれなくなる思いに。
そこからが感動的。

オリーブを傷つけまいとの思いで、一緒に盛り上げるために次々とステージに出る家族にハートを揺さぶられる。
恥ずかしくて痛々しくて、それでもって熱くなる何ともいえないシーン。
戸惑う観客の中で、一家の姿に共鳴する一部の観客が救い。
一家の表情は、それまでが嘘のように晴れ晴れとしていた。
オンボロバスは家族の思いやりと協力でやっと走り出せる。
この気持ちがある限り、負け組では終わらないはず。
ファミリーの良さを振り返らせるハートウォーミングな秀作だ。
飛鳥さん [DVD(吹替)] 8点(2015-01-04 00:03:46)(良:1票)
147.《ネタバレ》 心温まる、ちょっとお下品(笑)なロード・ムービーの傑作。心に問題のある家族がコンテストに出場することにより一つになる物語です。いろいろな見どころがあるとは思いますが、個人的に車の存在、それは時に家族になる役目を果たすと。この車(VWタイプ2後期ビッグウインドウ)は現代的な視点から見れば古くてダメな車かもしれない、かつ何もハイテクなものは無い。が、どこか人間臭く優しいまなざしのこのクルマは自力で発進できず(おまけにホーンも壊れるw)皆で押す羽目に。だがしかしバラバラだった家族がクルマを押して(一生懸命に!)乗り込む姿に微笑ましくもたくましい家族再生の姿が見えました。勝つこととは?負けることとは何なのか?うすら寒いコンテストの姿がそれを物語っています。耳栓してたお父さん?あなたもこちら側の人間ですね。多くの示唆に満ちた本作品、心を洗われたような爽快感を味わいたいアナタに! グランパ最高でした! ゼヒオススメイタシマス
Kanameさん [CS・衛星(字幕)] 10点(2012-10-11 21:45:25)(良:1票)
146.《ネタバレ》 人間生きていると思い通りにならないこともたくさんある。受験に失敗したり、希望した仕事に就けなかったり、異性にフラれたり。だけどそれだけで本当に「負け組」行きだろうか。この家族は、それぞれが思い通りにならない現実を抱えているが、家族でみんな仲良く生きている。それなのに「負け組」なんて、誰が言えるだろうか。そもそも「勝ち」と「負け」は所詮相対的なものでしかなく、人生の当事者にとっては「幸せ」か「不幸」かしかないはずだ。この家族はそれぞれが欠落を抱いているが紛れもなく幸せだと思う。でもまあそんな難しいこと考えなくても、コメディ+家族+ロードムービーときて面白くないわけがない!欠落を抱きながら生きている全ての人にお勧めしたい。満点!
mickeyさん [DVD(字幕)] 10点(2012-04-04 20:08:39)(良:1票)
145.《ネタバレ》 結局ラストは負け犬のままおわります。ただ登場人物たちの表情は非常に爽やかに笑顔がみれます。すごく感動とかすごく泣けたとかすごく切ないとかそんな感情ではなくなにかスーッと染み込んでくる心地よさ。なんだかわからないけど泣けてくる。
とまさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-01-29 23:21:05)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 164人
平均点数 7.34点
000.00%
100.00%
210.61%
331.83%
463.66%
5127.32%
61810.98%
73722.56%
85131.10%
92716.46%
1095.49%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.28点 Review14人
2 ストーリー評価 7.77点 Review22人
3 鑑賞後の後味 8.56点 Review23人
4 音楽評価 7.00点 Review14人
5 感泣評価 6.70点 Review17人
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【アカデミー賞 情報】

2006年 79回
作品賞 候補(ノミネート) 
助演男優賞アラン・アーキン受賞 
助演女優賞アビゲイル・ブレスリン候補(ノミネート) 
脚本賞マイケル・アーント受賞 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2006年 64回
作品賞(ミュージカル・コメディ部門) 候補(ノミネート) 
主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)トニ・コレット候補(ノミネート) 

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