14.《ネタバレ》 古典と現代のジャパニーズ・ホラーがどのような融合を見せてくれるのだろう。あるいは融合などせず、豪華な女優陣でもって純和風な愛憎劇でも見せてくれるのだろうか。などと想像を膨らませながらの鑑賞はDVD.映画館で見るべき映画だったのかもしれない。なぜなら美しいと評判の江戸の街のセットが全く美しいと思えなかったから。たしかにキレイではある。とくに室内シーンは言うこと無し。でも屋外シーンがどことなく薄っぺらい。雪もCGを使っているせいか季節感が全く無い。このあたりで既にうんざりぎみの鑑賞だったうえに腕がバーンと出る「融合」とは程遠いショックシーンに鑑賞姿勢が一気に崩れたのだが、その後、強烈なインパクトを持つ「とり殺す」という言葉のストレートさにひかれたり、井上真央と故郷へと進む小さな船の画が妙に美しかったりと、時々姿勢を正させる画が飛び込んでくる。怖くないこのお話の中で最も怖さが出ていたのが井上真央が雨の中「付いて来ている」とつぶやいたあたりで、その後、頭上の橋の隙間からはっきりと黒木瞳の瞳(シャレじゃなく)を見せてしまうのはどうかと思ったが、このシーンが後々の屋根裏から見下ろす幽霊目線を効果的にしているところなんかは巧い。でもこの怖さ自体がどうも軽い。少なくとも妖艶とか情念とかといったものが全然足りないように思う。思うのだが、そもそも妖艶とか情念とかといった純日本的なものの濃さを求めていた私と相性が合わなかったというだけのことなのだろう。 【R&A】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-10-19 17:13:20) (良:1票) |
13.《ネタバレ》 ううーん、たしかに怖いんだが、「怖がらせる」という映像表現の時点でそもそも『怪談』のもつ怖さとは種類が違うんじゃないか。突然手が出てきたり、流血の海だったりってのは、欧米ウケをねらっとるのか? そうではないだろ。原作が落語なら、落語に学べ。 落語ってのは、練習したオッサンが独りで正座して浪々と語るだけ。そのオッサンが血を流したり鎌をふりまわしたりしないだろ。ではなぜ怖いのか。それは、聞いている人がいろいろ想像するから。人間の想像が一番怖いんだ。そしてこの映画は、そうやって怖がらせる宿命の映画のはずだ。 でもみていて、感じた事は、「怨念」とか「たたり」とかって、人間として大事な道徳観であるということ。そこが欠如しているから犯罪が起こるのではないか、と思った。 【no_the_war】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-08-15 00:05:42) (良:1票) |
【センブリーヌ】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-11-05 02:57:18) |
11.前半は好調。役者の技量も高く、落ち着いたテイストで物語は進んでいきます。とりわけ感心したのは、尾上菊五郎の存在感。あの色香、艶の在り様は流石としか言いようがありません。黒木、井上といったキレイどころが霞むよう。自分は男ですが、彼になら抱かれてもいいかなと。いや冗談ですよ。冗談。 ところがホラーの色調が濃くなるにつれ、次第にありきたりなホラーの様相を呈してきます。音楽の煽りとドッキリが主体の、いつもの中田節。CGまる解りの蛇が出てきたところで、一気にテンションが落ちました。落語が原作の時代劇ならば、それに合わせたワビサビの効いた恐怖演出を見たかったと思います。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 5点(2010-05-31 20:23:05) |
10.あまり怖くなかったです。が、ギャーギャー叫んで不可思議なものから逃げまわるハリウッド系騒音ホラーを見飽きている目には新鮮に映りました。やっぱりこの「う~ら~め~し~や~」系の怨念ホラーは大事に残して欲しいと思います。尾上菊之助はスクリーン的に色男とは思わなかったけど、浮世絵に出てくる顔ってあんな感じですよね。だから、きっと江戸の市井の美意識だと美男子なんだと思います、って別にフォローする義理はないんだけど…。日本のホラー、つまり“怪談”は復讐意識が根底にあるが、元々は女の情の深さみたいなものがテーマになっていると改めて感じました。この映画の尾上菊之助はそれほど悪いことしてないですよ。浮気性は大目に見れる範囲じゃないかな。でもそれが許せない女もいる。つまり怪談の恐ろしさとは、結局は人の情の深さとか強さってことだと思います。特に年増女の嫉妬や独占欲って怖い。化けて出てくる訳ではないけど、「危険な情事」や「ミザリー」の怖さは怪談ですね。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-11-25 22:08:32) |
9.《ネタバレ》 怖かったシーンは、駕籠の中がもぬけの殻になり、のぞきこんだら白い手が出てきたシーン。かさねが渕にさしかかったときに、ついてきているんだといって、橋を下から見上げるシーン。このあたりの演出は、さすがにうまいと思いましたね。確かに尾上菊ノ介は、女が惚れるほどきれいかというと説得力に欠けるけど、じゃあ誰がよいのかというと、私の趣味では松田龍平かな。 【ジブラルタの星】さん [レーザーディスク(邦画)] 8点(2008-06-19 22:32:40) |
8.まず話の展開に腑に落ちない点がありました、それよりも、話の内容がつまらなかった。特に後半1時間はもうグダグダな感じです。それと主役の俳優の人のタルそうな演技が少し気になりました。(特に殺陣のところはかなり変でした) 【紫電】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-05-16 21:14:44) |
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7.「松竹大歌舞伎・映画版」という感じです。 菊乃助さんの着物でのちょっとした動作が美しく、きちんとされているので、逆に女優さんたちの方がゴツイというか、粗雑にも見えてしまうほどでした(特に瀬戸さん・・)。 大道具・小道具もさすがに「松竹さん」で江戸の情緒がタップリ。 菊乃助さんは「出会う女性を狂わせるほどの絶世の美男」とまでは思えないけど、日本語が美しく、箒で庭を掃いても美しく、紫陽花を切っても手元きちんとされていて、魅力的でした。 なんかホラー部分より、前半の江戸情緒を味わうほうが楽しかった。 この調子で溝口映画みたいな美しい江戸歌舞伎な世界を撮って欲しいです・松竹さん。 【グレース】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-04-01 19:24:14) |
6.本当に怖がらせるんだったら、もっと無名な女優さんをたくさん出演させればいいのだろうけど。この作品にはきれいな女優さんばかり登場したので、怖いというより、女優さんたちがどんな怖がらせ方をしてくれるんだろうとワクワクしながら鑑賞させてもらった。「リング」の監督だけあって怖がらせ方もしっかりしていて、全体的に悪くない出来栄え。 【Keicy】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-09-04 16:06:45) |
5.《ネタバレ》 純粋な「怖さ」を期待して映画館に足を運びました。なるほど、美しい町並みを背景に、漠然とした危うげな雰囲気、常にどこからか監視れているような圧迫感はよく表現されています。どの役者もハマり役。黒木瞳の虚ろな目をした死体にはゾクっときました。しかし、「怖さ」が売りの映画なはずなのに、ところどころに蛇足ではないかと思われるようなお笑い要素が・・・あの芸人 は登場しただけで緊張感が薄れ、おどろおどろしいはずの累ヶ淵にはほのぼのとした書体で書かれた看板が・・・カマを持って戦うシーンは、暴れん坊将軍か水戸黄門か・・・新さん強すぎるよ(笑) 【ぽっぽー】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-09-02 19:42:01) |
4.《ネタバレ》 シンさん哀れ、、としか言えない。まぁ彼もかなり悪いんだけど。この独特の雰囲気はすばらしく、ドゥーンの人が出てくるまで世界に入り込んでいましたが、、、芸人使うのやめませんか?って感じです。別に演技がどうじゃなく、なんか違う。あとは、黒木さんほど狂気が似合う人もいないのかなぁと思わせるほどの狂気。一回黒木さん以外の人が幽霊として襲ってくるんですが、なんも怖くねぇ。むしろアレはいらない。ハズ。映画で見て全然問題なく満足できる 【マキーナ】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-08-27 23:29:12) |
3.《ネタバレ》 全然期待しないで見たら、楽しめたのでお得気分。ホラーってんじゃなく、時代劇情緒を味わう感じで。TVCMが安っぽいのでどうかと思っていたら、画作りは、相当、気合入っていました。ケーブルTVでもいいようでありながら、スクリーンが吉。パンフが良質の充実度で良い。 それにしてもストーリーの肝は、出会う女性を皆狂わせる主人公の美貌なんだけど、尾上菊之助って、そんなんですか? 演技の艶は流石だけど……ねぇ。 【OSM】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-08-14 01:11:28) |
2.《ネタバレ》 「リング」のような謎解きなどありません。あるのは因果応報や祟りといった 日本人が昔から恐怖の根幹としてきたどろどろ的なものです。 チョコバー貪るおでぶや乳繰り合う金髪男女をチェーンソーや斧でぶった切る 殺人鬼の恐怖しか知らず「リング」で新しい恐怖に触れた西洋の人に中田監督 の今作は和の様式美で武装し海外五十ヶ国にどろどろと出撃です。 日本人にとってはオーソドックスすぎる展開も計算済みのことでしょう。でも どこかに貞子の眼のようなインパクトが欲しかった。 真央ちゃんなんか化けてもかわいいから、自分にとり付いて下さいとこちらか らお願いしそうな気になります。 無口な赤ちゃんをもう少し不気味にすれば恐怖が増したかも。 それにしても主人公、色男に生まれたばかりにとんだ災難でした。黒木瞳さん の嫉妬で何十人も死ぬことになり、これらの人々はあの世で黒木さんに文句の ひとつも言うんだろうか? 奇をてらわない恐怖映画として好感が持てる作品でした。 【あゆむ庵】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-08-12 23:52:51) |
1.やっぱ怪談は時代劇が様になると言うか男女の愛憎が入り混じって良い雰囲気でした。美しい自然や着物、日本家屋や廃寺などのセットと美術もとても良かった。流行ったジャパニーズ・ホラーの真髄として欧米の人に観てもらいたい。 これだけ美人ばかりに惚れられる新吉は羨ましいなぁと思いつつも、演じている尾上菊之助はどう見ても志村けんが時代劇のコントをしているようにしか見えなかった(志村は大好きですが)。ドーランも厚くてワックスを塗った車のように水が球になってて水弾きが素晴らしかったです。 【ロカホリ】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-08-05 01:09:30) |