ノーカントリーのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ノーカントリー

[ノーカントリー]
No Country for Old Men
2007年上映時間:122分
平均点:6.42 / 10(Review 214人) (点数分布表示)
公開開始日(2008-03-15)
ドラマサスペンス犯罪もの小説の映画化バイオレンス
新規登録(2007-11-14)【カラバ侯爵】さん
タイトル情報更新(2019-05-27)【Olias】さん
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監督ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
キャストトミー・リー・ジョーンズ(男優)エド・トム・ベル保安官
ハビエル・バルデム(男優)アントン・シガー
ジョシュ・ブローリン(男優)ルウェリン・モス
ウディ・ハレルソン(男優)カーソン・ウェルズ
ケリー・マクドナルド(女優)ルウェリン・モスの妻 カーラ・ジーン・モス
スティーヴン・ルート[男優](男優)カーソン・ウェルズを雇う男
バリー・コービン(男優)退役保安官 エリス
テス・ハーパー(女優)エドの妻 ロレッタ・ベル
ギャレット・ディラハント(男優)保安官代理 ウェンデル
ベス・グラント(女優)カーラ・ジーンの母
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(男優)自転車に乗った少年
菅生隆之エド・トム・ベル保安官(日本語吹き替え版)
谷口節ルウェリン・モス(日本語吹き替え版)
乃村健次カーソン・ウェルズ(日本語吹き替え版)
小林沙苗ルウェリン・モスの妻 カーラ・ジーン・モス(日本語吹き替え版)
加瀬康之(日本語吹き替え版)
大塚周夫(日本語吹き替え版)
原作コーマック・マッカーシー「血と暴力の国」(扶桑社)
脚本ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
音楽カーター・バーウェル
撮影ロジャー・ディーキンス
フィリップ・C・ファイファー(第二班カメラ・オペレーター)
製作ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
スコット・ルーディン
ミラマックス
配給パラマウント・ジャパン
特殊メイクデイヴ・スナイダー〔特殊メイク〕
美術ジェス・ゴンコール(プロダクション・デザイン)
ナンシー・ハイ(セット装飾)
衣装メアリー・ゾフレス
編集ロデリック・ジェインズ
録音スキップ・リーヴセイ
グレッグ・オーロフ
スタントトーマス・ロサレス・Jr
あらすじ
テキサスの荒野でハンティングをしていたベトナム帰還兵のモス(ジョシュ・ブローリン)は、偶然、死体の山、麻薬、大金の入った鞄をみつける。大金を持ち去ったモスは、冷酷な殺し屋シガー(ハビエル・バルデム)に追われることになる。二人の行方を保安官ベル(トミーリー・ジョーンズ)が追うが…。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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214.《ネタバレ》 "No Country for Old Men"...「年寄りの住める国はなくなった」?世も末だとボヤくベル保安官は、極めつけの事件に遭遇していよいよ愛想尽かし、保安官を引退します。しかし本当に世の中は悪くなったのか?祖父の代に保安官補をやっていた老人は、自分の叔父が殺された時の話をします。1909年、強盗に家を襲われ家族の前で叔父は殺されました。また、ベルは昨日みた夢の話をします。登場するのは彼と彼の父親で、父は若くして死んだから息子の自分の方が老けていたと言います。つまりベルは父親よりも長生きしているのです。本当に社会は昔よりも悪くなったのか?今も酷いが昔だって酷かった。タイトルは「年寄りが懐かしむ古き良き社会などなかった」ということでしょうか。ではその社会の本質とは何か?それは殺し屋シガーが象徴する理不尽で絶対的な力。同じ標的を追う同業者、親切にしてくれた一般人、さらには雇い主まで殺してしまう彼の行動には理屈も合理性もありませんが、人の運命とはそういうもの。立派な人でも事故や病気で命を奪われるし、長生きする悪人もいる。運命の前で人の考える理屈やモラルなど取るに足らぬもので、その無目的さゆえ、それはコインの裏表のようにシンプルである。コイントスで自覚のないまま生きる道を得たおやじに、シガーは「この幸運を大事にしろ。みんなこれを分かっていない」と言います。運命とは予告もなくやってくるため、これを回避しても多くの人はその幸運に気付きません。しかし何十年も何事もなく生きていることが不運に捕まらなかった証なのだから、それを大事にしろとシガーは言うのです。そんなシガーに追われるモスは、幸運に対して無自覚な私達の代表。目撃者なしで大金を拾う幸運を一旦は掴むものの、その偶然性の分からないモスは現場に戻るミスを犯し、素性を知られてしまいます。また、シガーに追い付かれる寸前で発信器に気付き、待ち伏せする機会を得て襲撃から生き延びますが、またしても彼は幸運を認識できず、自分の力で切り抜けたと勘違いして対決姿勢を強め、それが自分だけでなく妻の命も奪う結果となります。一見頭の弱そうなモスの妻は、シガーと対峙した瞬間に運命を理解し、取り乱すことなくこれを受け入れました。シガーはその帰り道で交通事故に遭い、無敵の殺し屋は呆気なく重傷を負います。運命の前に人の能力など意味を持たないと言わんばかりに。
ザ・チャンバラさん [ブルーレイ(吹替)] 9点(2008-12-21 00:42:08)(良:4票)
213.《ネタバレ》 いやあ、せつない作品だった。大金を手にしたゆえに追われ命失う者、その妻、何の躊躇いもなく命を奪う者。作品通じて無常観が漂う。とにかく緊張感が半端ではなく、息を飲む場面が延々と続く。なんといってもシガー役バビエルバルデムの得体のしれない不気味さの表現が光る。素晴らしいと思ったら、やっぱり助演男優賞受賞してた。この作品なんの下知識なくレンタルしてたけど、本作品自体が賞取り作品だったんですね。良い出来でした。理詰めということはない、若くて前途洋々の人たちには理解しにくいかも、人生折り返し越えていろいろあった人たちには感じ入るところがあるかも。さんまさんの「人生生きているだけで丸儲け」という言葉が浮かびました。
タッチッチさん [DVD(字幕)] 7点(2017-10-25 15:15:20)(良:2票)
212.《ネタバレ》 コーエン兄弟作品はたぶん初見だと思いますが、①このテの「人殺し」映画は嫌いです。嫌悪感しか残りません②恐ろしいほど無音ですなぁ こんなに音楽(効果音も含みで)が無い映画はあまりない様な③なぜかこのような内容の映画がアカデミー受賞対象になるなんて まさかこんな映画をスタイリッシュだなんて言うんじゃないでしょうね?④唐突で意味不明なエンディングはなんなんですか? トミーリー始め出演の皆様の力演には敬意を表します    辛口でスミマセンがこの点数デス
Kanameさん [CS・衛星(字幕)] 1点(2010-09-12 23:39:27)(良:2票)
211.《ネタバレ》 分からない。この内容でアカデミーの作品賞を獲ったということは、何らかの社会性を評価されているのだろうが、アメリカの人たちは本当に理解しているのだろうか? 邦題は「for Old Men」が略されていて、直訳すると「老人のための国が無い」。こんな危険な国では老人が安心して余生を送れない、ってことか? 時代が30年近く昔なのは、今は良くなったのか、今もあまり変わらないのか? いずれにせよ、自分は現在のアメリカの市井の危機意識や犯罪情勢に理解が無いので分からない。不条理に突然訪れる死がいくつかあったけど、あれが本当に一般論ならば、確かに老人に限らず安心して暮らせる国じゃない。だけど、あんな殺し屋のコインの表裏で殺されることこそフィクションだろう。場所が日本でも、ヤクザの抗争の流れ弾に当たって死ぬ方が確率は高そうに思える。ということで、意味深なタイトルには白旗だ。足元のおぼつかない老人がたくさん交通事故死するような内容なら、こんなに悩まずに済んだ。あの殺し屋の特異なキャラをフィクションとして楽しむのが正解なら、面倒なタイトルを付けるな、と言いたい。
アンドレ・タカシさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-05-24 14:49:55)(良:2票)
210.《ネタバレ》 この作品のテーマはなんだろう……原題から考えれば、老人が懐かしく思い出す古き良き世界なんて無い、老人にはもう居場所はない、ということだろうか。
でも単純に治安の悪い現代アメリカを嘆いてるとは思えない。
そもそもベル保安官の父は彼よりも早く死んだ訳で、
祖父の代では保安官がネイティブ・アメリカンに玄関先で殺された。
古き良き時代、とは言ってもそれは白人がネイティブから
血みどろで手に入れた古き良き時代な訳で、
そこはそれこそ原作の「血と暴力の国」な訳で。
果たして「理不尽な暴力」ってなんなんだろう?
それを体現するような無機質なキャラクターのシガー。
白人というよりはプエルトリコ系とも思える殺人鬼。
問答無用でバシバシ殺しまくり。
しかもそれは彼の『俺哲学』に基づくものであり
無意味だとか、気の毒だとか、そういうの一切無視。
だけど彼は理不尽な不運に文句は言わない。
撃たれたら黙って自分で治療する。
青信号で追突されて腕から骨が見えても嘆かない。
「運命は受け入れるもの」それが彼の哲学なんでしょう。
逆にモスは行動に一貫性のない人間らしい矛盾を抱えたキャラクター。
ギャングの金を横取り瀕死の男を無下にする、
といった冷酷な面を見せながら夜中に気が変わって
水を持っていったがために追われる立場になってしまう。
勇敢に戦いもするが、気も緩んで危機に陥る。
この映画の中で私が一番虫唾が走ったのは
「哀れな逃走者」と「無常な殺人鬼」の二人に
シャツを渡して金をもらった子供達。
「事故ですか!?」
と親切そうな顔をしていながら予想外の多額の現金を得たとたん、目の色を変えて奪い合う姿!
浅ましいというよりも恐ろしい。
この子供とモス、シガーの違いはなんだろう?
それは銃(あるいはボンベ)を持っていないという
それだけの違いなんじゃないのだろうか?
人生には理不尽なことが起こる。
だけど、全てを何かのせいにするのではなくて、
どう捉えて選択して行動するか、
それこそがその人の価値なんじゃないのか。
これが悪いとか、正しいとか、
単純にそういうことではなくて、
自分に与えられた運命に直面したら
自分で決めて、生きるべきなんだ。
そういうことなんじゃないのかなと思いました。
kiryuさん [DVD(字幕)] 8点(2009-03-27 22:12:19)(良:2票)
209.《ネタバレ》 セリフがすべて比喩的なので、大人向けの渋い映画。運命は何十年もかけて旅し、ある日とつぜん、その人に訪れる。その人が納得しようとしまいと、それはその人が知らなかっただけ。そう考えないと納得できない事件が、世の中には多い。逆にいえば、生きるということは、偶然の連続によるもの。しかし人は、その幸運のコインをわざわざ気に留めず、ポケットにいれてしまうので気付かないだけだ。シガーという存在は、その哲学そのもの。これを(悪い意味で)実践してまわっている。だからこそ、青信号でいきなり横から追突されても、淡々としている。―――――いつからこんな世の中に・・・?これは「時代の変化」、だと信じていた。ベル保安官も、観客である自分も。「昔は良かった」、と信じたい自分がいた。しかしよくよく考えると、いつの時代もそうだったはず。最後、ベル保安官が語った父が出てくる夢に、そんな気づきを感じた。そこではじめて、主人公も観客も、“目が覚める”のだ。
九寨溝さん [映画館(字幕)] 10点(2008-05-03 17:07:05)(良:2票)
208.鑑賞後の気分が「ゾディアック」を見た時と似ていて、それはつまり徒労感なのだが、「ゾディアック」の157分が事実をベースにしておきながらストーリーがどこにも向かっていない印象、だとするならば「ノーカントリー」はどこにも向かってなさそうだったが実はその方向性が見えてなかっただけだった、という感じだろうか。ラストの提示に疑問は残るが、まあそういう事なんだろう。No country for old menか、アメリカって怖いなー、ぐらいのものだ。それより途中に挟まれるいくつもの挿話、そのほとんどが殺人鬼であるハビエル・バルデムの行動原理及びその実践を示すものであり、それらは彼の人物画を読み解くものとして有効に働いているのだが、結局の所キノコ頭と空気ボンベ銃とコインなのである。こういう徹底的なキャラクタライズは極めてマンガ的であり、つまり静止画的だと思う。「ヒストリー・オブ・バイオレンス」でヴィゴ・モーテンセンが演じる元殺し屋は反対に、まず彼の動きによって記憶される、そんな人物だった。カメラを向けられた対象(人物)へ潜行せず、その周辺で巧みにやり繰りする、そのやり繰りレベルの高さは相当のものだと思う。けれども、なんとなく抜け殻のような(そこがこの映画の良い所なのかもしれないが)映画だな、という感じは残った。とはいえ全体的に面白いし、中盤の追いかけっこはかなりドキドキさせられた。
Qfwfqさん [映画館(字幕)] 7点(2008-04-10 01:17:18)(良:2票)
207.セリフが少なく、具体的な状況説明が抑えられているのだが、観ていて置いてけぼりになることはない。一つ一つのカットも長くて静寂なシーンが多いが、飽きることはなくて、むしろ緊迫感を与えてくれる。
今は何が起きているのか、どこにどのような危険が潜んでいるのか、そのようなことを観ながらに自然と考えられて、ぐいぐいと引き込まれる。

コーエン兄弟の独特なブラックユーモアはほとんどないが、欲に目が眩んだ人間が運命に逆らえないまま転落していくのは彼らの映画ではお馴染みの展開。
人間の無力さを描くのが巧い。上から目線な言い方になるが、ストーリーテラーとしての力が半端じゃないと思う。

そして、言うまでもないが、ハビエル・バルデムがとてつもないインパクトを放っている。演技を越えた強烈な"存在"と化していた。

「ルールを守って生きた結果がこれだとしたら、そのルールに意味はあるのか」というセリフが忘れられない。
一度対峙してしまったら避けられない、強大な悲劇の恐ろしさを痛感させられた。
Y-300さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2021-06-17 11:37:36)(良:1票)
206.一筋縄ではいかない展開。複雑に意味を込めようとしている感じで、観ている人にも多少の解釈を求める。
それでも、ただ何となく観ていてもそれなりに満足するちょっと不思議な映画。
simpleさん [地上波(邦画)] 7点(2019-05-30 20:42:50)(良:1票)
205.《ネタバレ》 感想、つまらない・・ で終ったら怒られそうですが。

アクションバイオレンス娯楽映画のように始まって、実際その先を至極期待させる流れから
急に肝心な部分を端折って、説明も略して次々とエピソードも時系列もジャンプして、
主役かと思ったキャラがいなくなり、悪役は倒されず。年寄りの思い出話のようなラストへ。

製作者は「人生には、たとえ簡単な事でも失敗や想定外の出来事により、真逆の結果が待っている事がある。」
と説教でもしたかったのかなあ。
「諸行無常」とか、「ツワモノ共が夢の跡」とか「盛者必衰のコトワリ」とかですかねえ。

それにしても、後半の編集はアンマリだ。ドラマの放送打ち切りが決まって、1話飛ばして最終回みたいです。
対峙した殺害目標ではない相手を、殺すのか殺さないのかを、損得判断でも感情でもなくコイントスで決める性格の
ヒットマン。それが警官だろうが、買い物に寄った店の主でも誰でも殺してしまう・・ていう異常な男が怖い。
普通の映画なら、コヤツが倒されて終るんだろうけど、そうではない。娯楽映画ではないのだ。
面白いのは、異常な殺し屋が、自分以外の殺し屋も雇われていると知り、スポンサーを殺してしまうとことか、
圧縮空気ボンベを繋いだ自作のエアガンで比較的静かに殺しまくるとか、主役の保安官がやる気がない意外性とか?
意外なのは歓迎だが、クライマックスでは死体だけ見せてスルーし、会計士を殺したのかどうか、モスの妻は
助かったのかどうかを、ハッキリさせずにスルーしたりがウザイ。妻との会話からすれば、金は手に入らなかった?
モスを殺して逃走した複数の犯人(恐らくメキシコ側)がゲットしたのだろうが、この映画では説明は無い。
それらは想像してくださいて奴ね・・ やだやだ

いずれ前半は娯楽映画っぽくて、後半はなにか他のジャンルのようです。 珍しいっちゃあそうなんですが。
娯楽映を期待してみると、ガッカリします。
ただ、異常な殺し屋が、モスの妻との会話で「私を殺すのかどうかを決めるのはアンタ自身よ!」と言われて
唖然とするシーンと、子供に長袖シャツをくれと頼んで金を支払うとか、変化の兆しのような描写がいい。
と、思いたいけど・・・・ モスの妻の家から出る時、靴の裏を気にしてるから殺したんだろうなあ・・
ヤッパリこの映画、好きにはなれないわ。
グルコサミンSさん [インターネット(字幕)] 5点(2018-09-03 21:11:59)(良:1票)
204.《ネタバレ》 途中まではかなり面白く観ました。ハビエルのキャラが立ちまくりで(松本人志のズラ風の髪型最高)緊迫感もあり、グイグイ引き込まれましたが、その分クライマックスが…。トミー・リー・ジョーンズがもっと絡んできて三つ巴の闘いかと思いきや、あっさり引退⁉そこだけ物足りなかったので、この点数です。
来た別府さん [DVD(字幕)] 7点(2012-01-04 22:11:42)(笑:1票)
203.シガーってやつは何考えてるのかさっぱりわからん… それだけにスリリング。板尾が殺し屋になったらシガーみたいになっちゃうんだぜ。
ライトニングボルトさん [DVD(字幕)] 6点(2009-10-02 04:49:28)(笑:1票)
202.アメリカ映画だというだけで暇つぶしの為の2時間と
決め付けてしまう私だが久しぶりの傑作。
120分続く強烈な緊張感と、音楽も説明もなく淡々と壮絶な暴力が続く。
「この次はどうなるんだろう?」と思っているとこちらの期待を裏切るぐらい
呆気なく登場人物は死に、物語は続く。
エンドロールも唐突に流れ、見ている観客は物語に置き去りにされたままの状態である。
以外や?ここでの評価が「中」ぐらいの低評価だが、近年あまりない快感を得られる映画です。
アカデミー賞なんてちっとも気にしてなかったけど、こんな作品に作品賞を
与えるなんて逆に見直しました。
仏向さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-05-27 00:12:04)(良:1票)
201.《ネタバレ》 最初から、わけがわからない。大量殺人の場面に偶然でくわした主人公があわてるでもなく騒ぐでもなく、平然と金を探し、持ち去る。もともと主人公自身が持ち逃げ犯だから、義も理もなし。追われるのも仕方ない。
とてつもなくサイコで不気味なあの殺し屋も、追われる者への共感がなければ怖さ半減。
さらに保安官トミー・リー・ジョーンズ。主人公と殺し屋の足跡を後から追いかけてブツクサ言うだけで、存在する意味なし。
主人公が殺し屋に追いつかれると、大した抵抗もなく、従って盛り上がりもないまま殺される。そこでさっさと終わりゃいいものを、またジョーンズが事件を回顧してブツブツ言う。
個々の場面の緊張感はある。冒頭の荒野の映像は、殺風景な風景なのに息をのむほど美しい。演出90点、脚本10点。そんな映画だ。
佐吉さん [DVD(字幕)] 5点(2009-02-01 22:01:56)(良:1票)
200.《ネタバレ》 最近急に陽が当たってきたジョシュ・ブローリンです。その昔「ナイトウォッチ」というユアン・マクレガー主演のサスペンスがありましてー、ニック・ノルティのブキミさが光る隠れた名作ですが、ジョシュは「遊び人で女たらしの大学生」という(本当です!)脇役で出演。私はこの役のジョシュに惚れてしまったのです…。
その後鳴かず飛ばず。バホ作「インビジブル」で再会したときにはすでにオヤジ化が進んでおり、かつての面影もなく…。
そんなジョシュにツキが回ってきたらしい!ジョシュよかったね!
で、モスの義母の墓標によるとこれは1980年の話です。なぜ80年なのでしょう。
「己の能力を過信する男」モスのその「過信」の根拠は「戦争経験」であるということで、妻は「なんでも自分ひとりで出来る人なの」と言っています。
それではこの目を覆うような暴力の数々の原因はすべてベトナム戦争だと言っているかというとそうではなくて、たとえばシガーは「20年間コインで人生を決めてきた」のだから、違うでしょう。また、1909年にベルの叔父を玄関先で撃ち殺したのは「インディアン」です。…そう、遡ればその国の成り立ちからして「もともと暴力じゃん」なのです。
さてシガーというのは「オーガの体を持ったターミネーター」のように意図的に描かれていますが、それはホテルの部屋で自らの治療をする場面などで明らかです。
彼は邪魔な人間は殺し、特に邪魔じゃない人間は殺すかどうかコインで決めます。感情がないので殺すかどうか決められないからです。
が、一人だけ彼に有無を言わせなかった人間がいますね。トレイラーパークの管理人のオバさんです。シガーに対して全く恐れを感じておらず、自分自身についてなんの迷いもない、オバさんなのです。ということは逆の場合は危険なのです。
ベルが死刑にした「感情のない殺人者」の生き延びた姿がシガーであり、1980年に「暴力から抜け出せないこの国のありよう」を嘆いていた「オールドマン」たちは、2008年の今、みな死んでいる、それが「1980年」ということです(たぶん)。…そしてもう嘆く人たちはいなくなった、のです。
冗長に感じるほどの淡々とした描写と、ギリギリまで省略したテンポのよい場面のアンバランスに少々難を感じます。が、コーエン兄弟の実力を感じさせる一作。
パブロン中毒さん [DVD(字幕)] 8点(2008-11-29 16:16:51)(良:1票)
199.「アメリカの病根」?「アメリカがいかに病んでいるか」? それがどうした? 「アカデミー賞」? それもなんだ? そんな前口上にだまされてはいけない。退屈きわまるうえに、血なまぐさいだけ。大事な時間を2時間もつきあわされるには、ヒマと覚悟のいる映画。
goroさん [DVD(字幕)] 2点(2008-11-17 05:05:39)(良:1票)
198.《ネタバレ》 正直コーエン兄弟の映画は全て制覇してないどころかあんまり観てない状態で鑑賞したけど、この「ノーカントリー」だけ観ても彼らが凄まじいストーリーテラーだということがまざまざと感じれる一作だった。突然小金を手にした少年二人がそれをめぐって言い争いを起こすシーンがあったが、もしカバン一杯の札束を大人が偶然手にしたとしたらどうだろう。その金をきっかけに追いつ追われつの殺し合いが始まる。ベトナムから生還した強みで勝機を見出したハンテッドとそれを追う純粋な暴力、さらにその後を追い、およそ常人には理解しえない「血と暴力の世界」に困惑する男。緊迫の追跡劇を通してメッセージを突きつける手腕は見事としかいいようがない。またこれだけ息詰まる死闘とヴァイオレンスが散りばめれらているにもかかわらず、その作風はどこかユーモラスでおかしさすら持ち合わせている。おかっぱアントンの恐怖を通り越した滑稽さとそれでもなお漂う圧倒的存在感や荒涼とした大地で繰り広げられる命がけの逃亡はもはや超一流の芸術作品のような品格すら漂わせる。まぎれもない傑作だ。
サムサッカー・サムさん [映画館(字幕)] 9点(2008-09-14 01:42:32)(良:1票)
197.《ネタバレ》 映画史に残るオレ流の殺し屋でした。この殺し屋の怖さは独特です。「どこからお越しですか?」と世間話をしようと声をかけたら「それはどういう意味だ?」といって突然キレて、ポケットからコインをとり出して「裏か表か当ててみろ!」とすごむ。こんな殺し屋、絶対にイヤだ。不条理が服を着て歩いているような殺し屋でした。ルールというのはみんなで決めるものではなく、力の強い者に決定権があるという哲学的な殺し屋でもあります。そんなオレ流の殺し屋が、社会のルールに従って、青信号で交差点を渡ろうとしたら、信号無視の車に追突されて瀕死の重態に陥ってしまうというコーエン兄弟ならではの滑稽さが際立っている。殺し屋と善戦したモスのあっけない死にかたは「西部戦線異状なし」を彷彿とさせる。「死」とは日常そのものであり、劇的なものではないという渇いたメッセージ。シーンの1つ1つにこだわりが感じられる。圧巻の世界観に惚れました。
花守湖さん [DVD(字幕)] 7点(2008-09-01 20:42:09)(良:1票)
196.《ネタバレ》 この映画のタイトルは、"No country for old men"である。つまり、年老いた男たちにとって国がないのだ。誰のことをいっているかというと、保安官であり、その父のことだと思う。何をこの映画で伝えたかったのだろう。ずっと考えていた。これは、アメリカが病んでいることを伝えたかったのではないかと思っている。私も2年前に、NYに行ったとき、駐車料金が3000円/時間したのに、びっくりし。路上駐車をしようとすると、警官が物陰に隠れて違法駐車をするのを待っていたし。(友人がいうには警官は歩合制で、違反切符を切ると自分のお金になるらしい。)ボストンに行った時は、朝5時に帰りの飛行機に乗るために友人に空港まで送ってもらったのだが、友人いわく、この時間でもねずみ取りをしているというのだ。「嘘だろう!」と私がいったら、途中でパトカーがねずみ取りをしていた。まったくなんて国なんだ。そして、セルフサービスの一番安い食事をして、2000円以上は常にしていたし、それに反して、タクシーなんかたった500円ぐらいしかかからない。タクシー運転手はさぞかし、給料が安いだろうなあと思った。つまり、超格差社会なのだ。この映画で、良い悪いは別にして一番秩序を持っていたのが、実は殺し屋だ。その殺し屋を野放しにしてしまう社会、それが今のアメリカなのだ。地球温暖化問題も深刻だが(アメリカが一番排出量が多い)、こんなアメリカがそんな事を気にできるほどまともだと思えない。そんなメッセージを感じた。私はゴルゴ13を昔から好きだが、この作者もそれを読んでいるように思った。特に、依頼者が裏切ると殺しにいくところなんかそっくりだ。またこの映画がアカデミー賞をもらえるほど、共感されたということは、本当にアメリカは病んでいるんだろうなあと思った。このアメリカが世界の警察をしているのだから嫌になるね。ちなみに日本も守られている1つではあるが。
matanさん [映画館(字幕)] 8点(2008-03-29 03:01:30)(良:1票)
195.《ネタバレ》 うーん、悪くはないんだろうと思う。荒涼とした埃っぽい荒野とショボい田舎町を舞台に盛り上げるような音楽もなく、むさ苦しいオッサンたちばかりが出てくる映画なのに退屈することはなかったんだもの。殺し屋のイッちゃってるキャラクターばかりが前面に出ちゃってるかとも思ったが、お金をくすねたハンターの彼もどうしてどうして頑張っている。そして何より、装飾をことごとく剥ぎ取ったかのような乾いた音や映像は、迫り来る緊迫感・恐怖感をものの見事に表現している・・・
でもさ、そんでも「ノーカントリー」っていう「不条理に満ちた世に成り下がった今を嘆く」っていうこの映画の本来(?)のコンセプトはイマイチ伝わってこなかったな。だからワタシ的にゃモスが死んだ時点でこの映画終わっちゃった。最後のほう(保安官の苦悩とか、奥さんのコイントスに命を賭けることへの抵抗とか、暗殺者の不慮の事故とか)は、含みが多すぎちゃって考えるの疲れちゃったよ、正直。
そういう社会的問題性を無視して「追うものと追われるものギリギリの攻防戦」っていう娯楽劇っぽく私が観ちゃった結果なんだろう。けど逆に言うと、社会性なんて視点で見るにしちゃこの暗殺者の彼、無駄にインパクトありすぎちゃうんだよね。
やっぱ社会性と娯楽性という二兎を追うのは難しいもんなのかもなーと思わされた映画だった。しかし、そういうこと考えると「トラフィック(2000)」なんて随分秀作だったってことなんだろうね、今になって思うとさ。
ぞふぃさん [映画館(字幕)] 6点(2008-03-28 18:36:12)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 214人
平均点数 6.42点
000.00%
120.93%
241.87%
352.34%
4146.54%
53214.95%
64822.43%
75224.30%
83717.29%
9157.01%
1052.34%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.23点 Review26人
2 ストーリー評価 6.21点 Review32人
3 鑑賞後の後味 5.75点 Review32人
4 音楽評価 4.96点 Review27人
5 感泣評価 3.00点 Review22人
chart

【アカデミー賞 情報】

2007年 80回
作品賞 受賞 
助演男優賞ハビエル・バルデム受賞 
監督賞ジョエル・コーエン受賞 
監督賞イーサン・コーエン受賞 
撮影賞ロジャー・ディーキンス候補(ノミネート) 
音響効果賞スキップ・リーヴセイ候補(ノミネート) 
音響賞スキップ・リーヴセイ候補(ノミネート) 
音響賞グレッグ・オーロフ候補(ノミネート) 
脚色賞イーサン・コーエン受賞 
脚色賞ジョエル・コーエン受賞 
編集賞ロデリック・ジェインズ候補(ノミネート)(=ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン)

【ゴールデングローブ賞 情報】

2007年 65回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
助演男優賞ハビエル・バルデム受賞 
監督賞ジョエル・コーエン候補(ノミネート) 
監督賞イーサン・コーエン候補(ノミネート) 
脚本賞ジョエル・コーエン受賞 
脚本賞イーサン・コーエン受賞 

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