1.《ネタバレ》 最初から好意的に見ようとはしていたのだが、残念ながらその好意を持続できなかった。いきなり冒頭の男女の行動からして呆れてしまい、夜間に屋外でライトをつけてまでやることかと問いたくなる。またロケット内部の造形が貧弱なのは仕方ないとしても、本体が頭から地表に突っ込んでいるのに内部は横倒しのように見えるのはさすがに変だと思われる。
一方でストーリー自体は堅実な感じだが、進行がのろいのでかったるい。問題の生物に関しては、中盤までは人型だったのに動物園以降はナメクジのようだったらしく(移動跡がそのように見える)、さらに最後は結局タコになっていたのはかなり唐突に思われた。いろいろ事情はあるにしても観客が変化の過程をイメージできないのは困ったことであり、映画ではそのために縮小版としてネズミ入りのケースを見せたということだろうが、それでも納得はしかねるものがあった。また映画自体のせいではないが、邦題も結果として意味不明に終わっている。
そういうことでSF的な見方からすればあまりほめるところはないが、劇中で微妙にユーモラスな場面があって、羽目を外さない範囲で笑わせていたのは趣味がいい。また教授の人物像についてはTVシリーズで確立していたのだろうが、人命の犠牲にも頓着なく科学の発展のため邁進する不屈の男、というキャラクターは斬新に思われる。