31.《ネタバレ》 キムは空気読めなかったり、感情を抑えられなかったりで、本当に痛い奴なのだが、レイチェルの冷たい態度も見ていてつらかった… やはりキム目線に立ってしまったようだ。この二人はきっかけこそあったが、簡単に普通の姉妹に戻る。血の繋がった姉妹だから言葉も時間も要らないって訳なのか? 正直、パーティの様子をだらだら見せるくらいなら、姉妹の和解にもっと時間を割いてほしいと思ったのだが、これも計算の内だったようだ。すべてはラスト→施設に戻るキムを見送った後のレイチェルの表情や仕草に尽きる。これは良い方にも悪い方にも捉える事ができる。ハッピーエンドともバッドエンドとも言えないラストは手持ちカメラ同様、リアルだった。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-06-10 19:42:33) (良:1票) |
30.《ネタバレ》 ヒロインの「傷つき自慢」の描写はけっこうリアル。こういうのいる、って。結婚式のスピーチで、得々と自分の傷を語り出す。宴席がシラーッとしても気がつかない、というか意に介さない。自分の悲劇を強めるためには、平気で過去をより悲惨に捏造していく。そういう彼女を腫れものに触るように遇する父、うんざりしている姉、と配置は揃っている。が、ドラマはあんまり動かず、深まりもしない。現実味を出そうとしたらしいカメラワークも後半はダレ気味で、90分以内に収めるべき内容の作品だろう。美容院の場で、周囲に聞こえるように話すだろうか、という疑問が生じるなど(アメリカでは自然なのかなあ)、せっかくのドキュメント風のカメラを内容が裏切っていく。姉の結婚相手が黒人に設定されていたことの積極的な意味が分かりづらかった。アメリカは多民族国家の軋轢を克服したが、しかし家族の軋轢は永遠です、ってことを言いたいのか。もう人種問題にいちいち意味を持たせる必要がないほど、アメリカの他民族は融和している、とも思えないし。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-03-02 11:57:30) (良:1票) |
29.《ネタバレ》 不安定なキムそのままのような揺れと、ホームビデオのような印象。手持ちカメラの効果がすごく発揮されていて、傷つけ合い分かり合えない、一つの家族の姿が生のように映し出されてました。巧いですね。自分を決して許せないが故に自分を傷つけるキムと、振り回され耐えるレイチェル。諍いはあっても、二人が本当に接して欲しかったのは、母親ではないんだろうか。怪物のようなあの母親こそが、特にキムにとっては向かい合って欲しかったんだろう。翌朝にさっと帰ろうとしたり、ケーキ入刀後にすっと手を引っ込める、母親の根は深い。庇護する父親の存在も、過去のことを思うと、キムにとっては苦痛でしかないだろう。妹と姉、そして母親と、女の血を見てるようで、何とも身につまされるような、生っぽくも痛々しかったです。あと、音楽が素晴らしいですね。劇中のNeil Youngの曲といいカントリーやらサンバやら、出演者に合わせたような多国籍な音楽がすごくよかったです。 【泳ぐたい焼き】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-20 00:02:32) (良:1票) |
28.A・ハサウェイのファンである私にとっては、かなり手応えのある映画でした。ハサウェイ演じるキムが抱える薬物依存の問題が、家族とのバランスを崩してしまいます。そこをいかに解決するかがこの映画のポイントでしょうか。ハサウェイとD・ウィンガー以外は見たことのない役者さんばかりでしたが、みな熱演です。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-05-22 17:21:52) (良:1票) |
27.《ネタバレ》 “家族”を繊細に描き切った良作といえる。本作には“家族”の中に微妙な不協和音が常に奏でられている。その微妙な“空気感”が見事に演出されている点が素晴らしい。 問題ばかり起こす妹に対して、自分の結婚式は自分が主役だとばかりに邪険に扱う姉と、久しぶりに家族に会える喜びがあるのに祝福されない妹の間には、いつ爆発してもおかしくない空気が流れている。また、キムには弟を事故で死なせてしまったという拭い去れない過去があり、“家族”の中でもわだかまりが消えずに残っている。楽しく笑顔で溢れていた「食器洗い合戦」中にも、死んだ弟の影がかすめると、一気に笑顔や笑い声が消えてしまうような繊細さが描かれている。 このような問題を抱える“家族”であり、お互いにいがみ合い、憎しみを抱くような脆さもあるが、なかなか壊れることのないものだと感じさせる。どんなに罵り合っても、抱しめ合えば、憎しみも消えてしまう。ラストの風呂場での姉妹の姿は実に感動的なものだった。特別な言葉も何も要らないのかもしれない。姉妹というものはそういうものなのだろうか。 キムの“家族からの愛”を求める姿が痛々しく描かれている。 アン・ハサウェイがアカデミー賞にノミネートされたのも分かる演技だ。 どんなに愛されたいと願っても、まるで「はれもの」のように扱われてしまう。 姉の結婚を祝福する輪の中でも完全に浮いている姿が印象的だ。 心の中では「謝罪」で溢れており、心の中から楽しむことはできないのだろう。 キムには弟を失わせてしまったという苦しみを抱えているが、それを抱えているのは彼女だけではなく、母親もまた弟の死の責任を抱える存在でもある。 弟の死が離婚の原因ともなっていそうだ。 母親が素直に結婚を喜んでいないのは、キムと同じ境遇だからなのかもしれない。 愛を求めて母親に会いに行っても、同じ境遇同士が傷を癒せるはずもない。 ラストではキムは施設に戻っていくが、自分には“帰る場所”があると分かったのではないか。最後のキムには何かが“吹っ切れた”感じがした。 悪い意味のものではなくて、良い意味のものだと思いたい。 ホームビデオ風の映像もなかなか面白い。 まるでイラクから帰ってきた軍人が撮っている映像を見ているかのようだ。 監督の狙いは、観客は結婚式に呼ばれた客であり、あの場面に遭遇しているかのようにという意図を込めているのかもしれない。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-05-10 00:31:12) (良:1票) |
26.《ネタバレ》 家族や仲間というのは小さなコミュニティであり、時に世界の縮図的でもある。白人黒人も入ればアジア人もいるし、生まれていくる子供はハーフとなる。しかしこの映画は、それはこの世ではもはや当たり前の事実であり、もはやいちいち議論するには至らないことだと流している。現に父親はレイチェルの旦那を快く迎え入れ妊娠をも無邪気に喜ぶ。 この家族の中で重要なことは、家族でありながらも、その家族という社会に置ける最小単位のコミュニティから一度脱落した、脱社会的人間の帰還をどう迎え入れるかということのほうにある。それは人種問題よりも、時に複雑なことかもしれない。 社会から逸脱した人間の場合、同じ経験をしたもの同士でなければシンパシーを感じ得ることは出来ないのではないかとこの映画は言っている。しかし、シンパシーの問題ではなく、「つながり」を持ち続けたいかどうかという点において、それは家族であれば、どんなに厄介であろうとも、理解に苦しもうとも、根底では決して「つながり」を断ち切りたいと思わないであろうという、時に固く、時に幽かな絆を描く。もちろん家族であっても断ち切れる瞬間が訪れる場合もある。それも当たり前の事実だ。しかし、この家族は小さなもうひとりの家族を失ったというシンパシーでつながっている以上、その「つながり」を断ち切ることが出来ないのだ。 アン・ハサウェイ演じるキムはデブラ・ウィンガー演じる母のアビーと喧嘩をし、その後に車の事故を再び起こしたことで、施設から女性が迎えに来る。これはこの映画の中で起きる事実だ。それは見える事実だが、もうひとつ見えていない事実というのがある。キムは何故施設に戻らなければならないのか。それは母のアビーにひとこと謝ることが出来なかったからだ。幾らでも機会はあったとこの映画は言っている。しかしこの映画は様々な機会がいつも断ち切れてしまう映画だ。断ち切りたくない「つながり」はあるのに、その意思を伝えたい時に断ち切れてしまう機会。いくらでも転がっているようで、実は見えている間に捕まえないとすぐ消えてしまう機会、その瞬間の大切さを知る為にキムはまた施設へと戻っていくのだ。 【すぺるま】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-05-07 22:00:16) (良:1票) |
25.《ネタバレ》 もともと目が極端にデカイ事が魅力であるアン・ハサウェイ嬢ですが、この映画ではメイクのせいか、更に輪をかけ目がデカくみえる。まさしく少女漫画のヒロイン並み、安野モヨコの漫画に出てきそうな女の子みたいです。観客をあたかも結婚式&披露パーティに擬似招待してくれたかのような、臨場感溢れる手ぶれドキュメンタリータッチの演出がここでは効果を上げています。ヒロインがコンプレックスを抱き続けている出来の良い姉、レイチェル役の女優さんが、母親役デブラ・ウィンガーの若い頃に面影が似ていて、逆にヒロインは全く似た部分がない。そういうキャスティングもヒロインの葛藤を際立たせるための巧みな計算なのかな~なんて思ったり。トラウマを抱えながらも奔放に生きてきた、彼女に共感できるかどうかが映画の好嫌をわける境目かと思います。明らかに男性よりは女性向きの作品。アンは「ブロークバックマウンテン」では失敗した、単なるカワイコちゃんからのイメチェンにはこれで成功したと思いますね。今後が楽しみ。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-05-01 13:41:45) (良:1票) |
24.《ネタバレ》 よりにもよって姉の結婚式に出席しなくてはいけないアン・ハサウェイが、周囲から浮いていてこの映画のテーマを浮き彫りにしている。 【ゆっきー】さん [DVD(字幕)] 6点(2018-05-04 17:35:03) |
23.良い作品だとは思うんだけど、延々編集や脚色のないウェディングシーン見せられるのははなはだ苦痛であった。ハンディカメラ使用してドキュメンタリー的を狙ったにしても。結婚式に対する米と日本人のセレモニー感とは違うんで気恥ずかしさもある。ぼくには、キムの心情は痛いほど理解できたんで、そこを感じて欲しいという点では満点に近いんだけど。アンハサウェイは見事な表現でした。だから絶対吹替じゃなく字幕で。どことなく「17歳のカルテ」のアンジーを連想しました。 【タッチッチ】さん [DVD(字幕)] 6点(2015-08-25 18:08:31) |
22.《ネタバレ》 かつて麻薬という魔物にどっぷりとはまり込み、様々な人を傷つけ、大切なものをたくさん失ってしまったキム。更正施設での長年にわたる治療の末、何とか立ち直ることが出来た彼女は、姉レイチェルの結婚式に出席するために久し振りに実家へと帰ってくる。だが、幸せいっぱいの姉の姿を見ているうちに、キムはやっぱり問題行動を起こし、周りの人々や家族たちに迷惑をかけまくってしまうのだった。人生の節目を迎え幸せになろうとする姉と、人格的に問題のあるその妹との、家族や友人たちをも巻き込んだ葛藤を、まるでホームビデオで撮ったようなリアリティ溢れる映像で綴るファミリードラマ。「羊たちの沈黙」や「フィラデルフィア」でその名声を欲しいままにしたものの、その後はパッとしない印象のジョナサン・デミ監督の作品なのですが、あの頃のもう画面の端々にまで漲っていた不穏な緊迫感は完全に雲散霧消してしまい、なんだか知り合いの大して面白くもない結婚式の映像を延々と見せられたような退屈な作品でありました。「結婚式ってホント大変!」そりゃそうかも知れませんけど、それを延々と映画として観せるには、もっと新しい切り口がなきゃ駄目だと思うんですけど、この作品はどうにもそれが弱いと感じます。まるでホームビデオで撮ったような手振れ映像をそのまま使っているにもかかわらず最後までストレスなく観られるところや、軽快でノリの良い音楽、「結局、家族は仲良くなれませんでした…」な印象的なラストシーンなどは良かったとは思うんですけど、もっと映画として突出したところが欲しかったですね。ジョナサン・デミ作品なんだし、この結婚式にレクター博士がやってきてそんな家族の葛藤とか知るかぁ!って感じでえらいこっちゃ展開を見せてくれるとか(笑)。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-04-22 00:32:25) |
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21.なんでこんな嫌な家族のだらだらと長い結婚式に、関係者が押し掛けるのかがなぞ。この家族の知り合いでなくてよかったと、つくづく思う。映画としては面白いし、こういう役どころをアン・ハサウェイは無難にこなしているが、すごくうまい、というほどではない。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-01-24 23:57:01) |
20.何かが起こりそうでぎりぎりのところで起こらない、この不自然な緊迫感を延々続けているところが、問題を抱えた家族の生々しさを実感させてくれる。キーパーソンの母親役にデブラ・ウィンガーを引っ張り出したのは大正解で、彼女の存在感がもたらす圧迫感が、登場人物全体に落としている影をそのまま物語っている。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 6点(2014-01-06 00:37:15) |
19.《ネタバレ》 最後のお姉さんのガッツポーズが全てを物語っている。厄介者がやっと施設に戻ってくれる。キムはヤクをやって好き放題生きてきた。それが家族に与えた傷は計りしれない。姉さんの結婚を心からお祝いするから全てを帳消しにしてくれなどそれは虫がよすぎる話。ヤクをやって、自分で勝手に世間からフェイドアウトしたならば、家族という保険は捨てなければならない。犯罪に手を出した人間が、細々と真面目に生きている人間たちに迷惑をかけてはいけない。作中のほとんどをしめる結婚にまつわるお祝いの場面や家族愛は、その教訓の目眩ましにすぎない。点数は、キムという空気の読めない迷惑女に対する採点です。 【タケノコ】さん [DVD(字幕)] 3点(2013-12-05 18:29:21) |
18.独特のカメラワークや演出で、最後まで退屈させられない作り。 キムの痛々しさが見ていて辛いが、観客が痛々しいと感じられるほど、キャラクター描写が上手くいっているということ。他のキャラクターも、行動原理に矛盾が無い。 この作品のテーマとしては、社会的にスティグマを負う環境(キムのように依存症治療施設・精神病院・刑務所など)から社会に復帰した際に、受け入れる側・当人がどれだけ苦労するか、というところかなーと。 社会的な受け入れられやすさとしては、日本より進んでいる国が多いと思うが(前科者でも普通に仕事に就けたり)個人の感情としては、世界共通で難しいんだろうな…と。 受け入れる側は心配して過保護・過干渉になったりしてしまうだろうし、戻ってきた当人にも負い目があるから自意識過剰に反応してしまう… お互い、愛情や反省の気持ちがあるのに、深いところまでいかずに表面の段階で衝突してしまう…。 このようなことを考えさせられた、人間ドラマとして秀逸な作品。 |
17.《ネタバレ》 全篇ホームビデオ風の手持ちカメラ映像で通すというスタイルはまるでソダーバーグみたい、名匠J・デミにもこんな映画青年的な趣向があったんですね。俗にいう疑似ドキュメンタリーの手法とは異なり主観的な視点では撮られてなく、ホームビデオ風の映像がレイチェル一家を客観的かつドライに見つめることに成功しています。この映画は一家族の結婚式というミクロなイベントを描くだけでなく、アメリカ社会の縮図をそこに反映させているところが面白い。レイチェル一家は家族の名前やファーストネームからユダヤ系であることが判ります。正統的なユダヤ教徒には異教徒との結婚はタブーなのに、レイチェルの花婿は黒人で家族はなんの違和感もなく彼とそのファミリーを受け入れています。式も教会ではなく自宅で行ない、そして式次第には宗教色がまったくない。招待された友人たちはアジア系も交じる人種のバラエティみたいなもので、パーティで演奏される音楽やダンスもエスニック色が濃厚。このある意味不思議な人たちのフレンドリーな関係は、レイチェル一家のギクシャクした人間関係とは好対照をなしています。A・ハサウェイの精神的に不安定なキムは好演で、身勝手な女を演じさせたらピカイチのD・ウィンガーの娘だというのも実に説得力があるキャスティングでした。 施設に帰るキムを見送って部屋に戻ったレイチェルが、「やっと厄介者が消えてくれた」とほっとした感じで背伸びを見せるラストシーンはなかなか秀逸です。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-25 18:47:54) |
16.《ネタバレ》 キムの痛々しい暴走っぷりも分かるけれど、問題を抱えた兄弟に周囲がかかりきりで、手がかからないいい子だったからこそ放置され、ずっと寂しい思いをしてきたレイチェルの気持ちもよく分かる。そういう積年の恨みがあるからこそ「自分の結婚式ぐらい、私を第一にしてよ!」と思うのは当然だろうと思うと、レイチェルが意地悪姉さんにはとても思えなかった。そしてこの姉妹をそうした不幸な関係に貶めた要因は、どうやら身勝手な実の母親にあるということを、さりげなく示唆している。ひと癖もふた癖もある女達に囲まれて、優しいけれど不器用なお父さんの孤軍奮闘が切ない。とまあテーマは良かったんだけど不必要にダラダラと長いパーティ描写のせいでもう一度観たいと思えないところが残念。 【lady wolf】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-09-26 15:13:58) |
15.《ネタバレ》 アメリカではいかにドラッグが社会問題かということがわかる定期的に流行するドラッグ系のシリアスドラマ。薬物に手を出すという自業自得さに、自らの弟を過失で殺し、KYな上に逆ギレし自分の意見ばかり主張する傲慢女など日本の感覚ではどんな理由があろうと受け入れられるわけがなく結婚式に出席していることは異質だ。一方で家族「間だけは」この映画よりもう少し暖かいだろう。その文化的な差異にかなりの違和感とイライラを感じさせられるが、文化的差異には目をつぶりもっと普遍的な観念でこの映画の主題を見つめるとすれば、その内容は決して悪くはない。 【Arufu】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-04-12 19:29:37) |
14.僕がまだメンタルの不調に陥る人がいるということを知らない思春期の頃に観たら、こんなに良い点はつけられなかっただろう。 アン・ハサウェイ演じるキムは薬物中毒から精神を病んで入院しているが、姉のレイチェルの結婚式に出席するために一時退院して家に戻ってくる。しかし、帰ってきた実家にはレイチェルの結婚式をプロデュースするために、たくさんの友人が宿泊しており、彼女の心は休まることが無かった。また、彼女が精神を病むに至った「事件」も家族に影を落しており、次第に彼女は追い詰められていく。 タイトルとは異なり、キムがこの映画の主人公なのだが、ストーリーの中心に配置されているのは、あくまでも「Rachel getting married」つまり「結婚するレイチェル」なのだ。この原題の付け方からもキムの満たされない思いが伝わってくるようで、実に上手である。優等生の姉と常に比較され、精神を病むに至ったキムの哀しさは理解できる。そして彼女の傍目にも見苦しい劣等感とその裏返しである自己顕示欲にはただ悲痛な思いが増すのみである。持てる者と持たざる者。両者のどうしようもない心の懸隔とそれでも僅かにそれをつなぎとめる家族の絆。ヒリヒリする緊張感は最後まで途切れることは無い。潮が満ち引きを繰り返すように、一つの家族の思いは繋がり合い、その直後には断絶し、その様子が延々と繰り返される。エンターテイメント性は決して高くは無いが、考えさせられる良い映画だった。ちょっと先日鑑賞した「光のほうへ」を思い出した。 ただし、手持ちカメラによる撮影で臨場感を出そうとする監督の試みは理解できるものの、常に揺れ動くカメラは観ていて少しつらかった。悪い試みではないと思うが、2つのカメラを使い分けたほうがもっと良かったような気がする。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-11-27 23:38:11) |
13.《ネタバレ》 簡単に言うと米版「ホームドラマ」。ただ日本モノと違うところは感情の起伏の激しさか。結局何も解決せずにエンディング。でも現実はそんなところだろう。親父さんに一番同情出来た。女はみんなめんどくさいなあ。ドキュメンタリータッチのカメラワークと音楽に感心。でも良い映画でした。 【kaaaz】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-04-22 23:26:33) |
12.号泣。 家族ってこういう感じです。まさに。 対極は『サマーウォーズ』でしょうか? こっちの人は無理かも。 なので全然,人にはお勧めしません。 が、個人的にツボったのでこの点。 【Pecco】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-03-21 00:54:45) |