ウォッチメンのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

Menu
 > 映画作品情報
 > 映画作品情報 ウ行
 > ウォッチメンの口コミ・評価
 > (レビュー・クチコミ)

ウォッチメン

[ウォッチメン]
Watchmen
2009年カナダ上映時間:163分
平均点:6.03 / 10(Review 91人) (点数分布表示)
公開開始日(2009-03-28)
アクションサスペンス犯罪ものミステリー漫画の映画化
新規登録(2009-02-23)【Sgt.Angel】さん
タイトル情報更新(2012-08-12)【+】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督ザック・スナイダー
キャストマリン・アッカーマン(女優)シルク・スペクター二世/ローリー・ジュピター
ビリー・クラダップ(男優)ドクター・マンハッタン/ジョン・オスターマン
マシュー・グード(男優)オジマンディアス/エイドリアン・ヴェイト
カーラ・グギノ(女優)シルク・スペクター/サリー・ジュピター
ジャッキー・アール・ヘイリー(男優)ロールシャッハ/ウォルター・コバックス
ジェフリー・ディーン・モーガン(男優)コメディアン/エドワード・ブレイク
パトリック・ウィルソン〔男優・1973年生〕(男優)ナイトオウル二世/ダン・ドライバーグ
マット・フルーワー(男優)モーロック/エドガー・ジェイコブ
ローラ・マンセル(女優)ジェイニー・スレイター
スティーヴン・マクハティ(男優)初代ナイトオウル/ホリス・メイソン
ジェリー・ワッサーマン(男優)刑事 ファイン
ドン・トンプソン〔男優〕(男優)刑事
クリス・ゴーシャー(男優)シーモア
原作アラン・ムーア「ウォッチメン」(ノンクレジット)
音楽タイラー・ベイツ
挿入曲ナット・キング・コール"Unforgettable"
ボブ・ディラン"The Times They Are A-Changin'"
サイモン&ガーファンクル"The Sound of Silence"
撮影ラリー・フォン
製作ローレンス・ゴードン
パラマウント・ピクチャーズ
ワーナー・ブラザース
DCコミックス
ロイド・レヴィン
デボラ・スナイダー
製作総指揮ハーブ・ゲインズ
トーマス・タル
配給パラマウント・ジャパン
特殊メイクグレッグ・キャノン
ジェフ・レッドナップ
特撮ムービング・ピクチャー・カンパニー(視覚効果)
ソニー・ピクチャーズ・イメージワークス(視覚効果)
美術アレックス・マクドウェル(プロダクション・デザイン)
ガーソン・ユー(タイトル・デザイン)
衣装マイケル・ウィルキンソン
編集ウィリアム・ホイ
字幕翻訳松崎広幸
スタントエド・アンダース
あらすじ
かつて世界で起きた数々の事件の陰で、監視者たちがいた。彼らは人々を守ってきたヒーローであり、ウォッチメンと呼ばれていた。 しかし、人々はそんなヒーローたちに恐怖し、政府のキーン条例で彼らの行動は違法となりヒーローたちは解散した… そして数年後、一人の男が暗殺されたことからすべては始まった。殺されたのはかつてのウォッチメンだった… その事件を不審に思い、真相をかぎ回りはじめたロールシャッハ。彼が事件を追いかけていく先々で、かつてのヒーローが次々と殺されていく…
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
(ネタバレを非表示にする)

【クチコミ・感想】

別のページへ
新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順】
12345
>> お気に入りレビュワーのみ表示
>> 全レビュー表示

>> 改行なし表示
※ 「改行」や「ネタバレ」のデフォルト表示のカスタマイズは「カスタマイズ画面」でどうぞ
91.《ネタバレ》 原作も知らず、ほとんど予備知識も無く観賞。冒頭のコメディアン暗殺シーンの描写に驚く。その格闘の様子からコメディアンも相当な手練れであることが伺えるが、それを難なく圧倒する暗殺者。一方的な暴力が高級な調度を破壊しながら進む。高層階の窓から投げ捨てられるコメディアンが硬化ガラスをくだいて放物線を描き、その軌道が目に焼きつく。物語の重さを感じさせるに充分なオープニングだった。米コミックが描いてきたヒーローとはご近所で起こる諍いを収める自警団で、世間はそれで満足するほど呑気で平和だったが、時の流れが事情を変える。ヒーローの存在意義が平和の実現ならば、冷戦構造下の核の脅威にはどのように対応するのか。本作はその回答をテーマに据えた物語。核の抑止力がもたらす脆い平和を憂えた一人のヒーローが密かに筋書きを練り実行に移す。コメディアンの暗殺もその一環。マクロな視点で捉えるとその計画は評価できるが、多くの犠牲を伴うために一概には納得しがたい。その気持ちを死んで代弁するヒーローもいた。自分にとっては、この苦いものが残るエンディングがそのまま映画の見応えでした。いがみ合っている者たちに共通の敵を仕立て、共闘させることで導かれる平和。まぁ80年代までの平和概念だけど、あの不安な世相を実感できる世代としては見るものがありました。自分は鑑賞中、何度も「ダークナイト」が目の前にちらつきました。虚構世界のヒーローの苦悩をリアルに描くことでフィクションに説得力と奥行を持たせた「ダークナイト」と比較し、現実世界の国際平和の探求にヒーローを絡ませた本作の構成は、スタンスとしてはさらに踏み込んでいると言える。この映画はヒーローアクションムービーではない。物語構造が複雑で、エンディング近くまで謎解きがなく、唐突に浮上したテーマに対して回答が飛躍しすぎる感もある。でも、それに追いつかないとこの作品の面白さは理解できない。世界規模での平和の実現はヒーローの落日でもある。
アンドレ・タカシさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-06-07 03:24:27)(良:3票)
90.原作既読です。コミックの枠を超え、アメリカ文学史上の傑作とすら言われる作品なのですが、これが実に338ページに及び、コマの中で一瞬うつる雑誌や貼り紙にも意味があり、さらに各章の最後には世界観を補足するためのこってりとした資料まで付属という凄まじい情報量。こんなものを2時間40分で処理できるのかと思ったのですが(原作者も、最初に映画化を試みたテリー・ギリアムも、一本の映画にまとめることは不可能と語っていた)、驚いたことに原作にあった要素はほとんど捨てておらず、かと言って駆け足感もなくて原作と同じようなテンポを再現しています(退屈だという意見もありますが、当の原作がこのテンポであり、そこまで忠実に作られているのです)。また、登場するキャラクターの印象も原作を読んだ時のまんま、ロールシャッハは相変わらずかっこよく、ナイトオウルは相変わらずのヘタレで、Dr.マンハッタンは相変わらずフルチンです。ミニッツメンとウォッチメンという新旧2つのヒーロー組織が登場し、それぞれのヒーローは本名とヒーロー名の両方で呼ばれるため非常に複雑、原作は何度も前のページに戻りながら読んだのですが、映画版はこの辺りの交通整理をうまくこなしており、はじめて見る人でも混乱しないように作られています。こうした秀逸な脚色の上に、監督のビジュアルセンスが炸裂。「ゾンビ」のリメイクでガンコな旧作ファンを返り討ちにしたツワモノだけあって、本作でも驚異的な仕事をしています。原作のカットを忠実に再現しつつ、実写ならではのアップグレードも加味。格闘時のロールシャッハの素早い身のこなしは原作を超えるかっこよさだし、火星に現れる楼閣の美しさは芸術的ですらあります。役者もよく選んできています。全員原作のイメージ通りであり、特にロールシャッハは、正義に執着することで生きている精神異常者で、背の低いブ男なのにマスクをかぶると猛烈にかっこいいという難役であったにも関わらず、これにハマる俳優を選んできているのが凄いです。以上、「ウォッチメン」の映画化としては完璧な仕上がりだと言えます。ただ、ここまで忠実だとどうしても原作ありきになってしまうので、さまざまな工夫がなされているとは言え未読の方にとっては苦しい出来なのも確か。一本の映画としてどう評価すべきかは難しいところです。とりあえず私は気に入ったので、高得点を付けておきます。
ザ・チャンバラさん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2009-09-17 19:00:41)(良:3票)
89.《ネタバレ》 原作未読。ザック・スナイダー監督作だけのことはあり、ビジュアルには文句がない。
練りに練られた映画であり、デキ自体は素晴らしいが、原作未読者にはあまりにも情報量が多すぎる上に、あまりにもストーリーがぶっ飛びすぎていて、付いていくのが精一杯だ。ストーリーは一本の線に収束されるように作られており、捨てる部分がないという気持ちは“理解”できるが、あまりにも詰め込め過ぎではないか。オジマンディアスの行動に“理解”はできるが、“賛同”もできないのと同じように、本作の作りには“賛同”はできない。ヒーローモノに必要不可欠な純粋な悪役が不在のため、軸の不安定さがあり、映画を面白くさせておらず、飽きる観客も増えるのではないか。
ただ、面白い点もいくつか見受けられる。
「ヒーローの限界」「この世の中はジョーク」「理解できない行動を起こすという人間の奇跡」というのは面白い部分だ。
ヒーローは火事から住民を救ったり、ギャング達をなぶり殺しにはできるが、世界を核戦争から救うことはできるのかという命題に対して、皮肉的ともいえる答えを提示している点は面白い。ヒーローの限界を知っていたコメディアンに世界地図を燃やされた際のオジマンディアスの目がとても印象的だった。
ヒーローの新たな一面や、善と悪との表裏一体性は確かに感じられるおり、この部分は評価すべきか。
また、「西部劇役者が大統領選に出馬する」ように、この世界は確かにジョークなのかもしれない。ロールシャッハのようなジョークが効かない人間にとっては、生きづらい世の中になったということだろうか。キーン条例制定により、ヒーロー活動を禁止されても、引退せずに地道に活動を続けてきた彼だからこそ、現実を受け入れることはできなかったのだろう。彼のような生き方が否定されるべきではないことは本作を通して描かれていると思われる。
さらに、人間は滅亡すべき存在なのか、救われるべき存在なのかという点にも触れられている気もした。
計算上では理解できない人間の本質や、人間という存在の奇跡的な面が描かれているが、こうした哲学的なテーマに飛んだりするので、本作を理解することが難しくなっているともいえる。
これらために、本作はまさに見る者によって、形が異なるロールシャッハといえる作品に仕上がっている。
六本木ソルジャーさん [映画館(字幕)] 6点(2009-04-19 22:36:20)(良:3票)
88.《ネタバレ》 出てくるヒーローという奴らが、いつまで経ってもうだうだとメタレベルで苦悩し続けて163分が過ぎ去って行く。彼らは自分たちの存在意義や過去のパーソナルな出来事を回想し「ヒーローである以前に、皆ひとりの人間なんだ」という当たり前のこと、見てるこっちからしたらどーでもいいことで、163分悩み続ける。
もちろん「ヒーローである以前に、皆ひとりの人間なんだ」は事実だが、そんなことより映画として忘れてはいけないのは「ひとりの人間ではあるが、ヒーローなんだ」だ。

眼鏡のおっさんと長髪の女のセックスシーンは最低だ。
おっさんはソファーで「ちょっと待って」と言う。勃起しなかったのだ。しかし、次のシーンでおっさんは裸でコスチュームの前に立っているし、女はシャツ一枚でその場に現れる。全く理解が出来ない。やったのか?やってないのか?これは大きな問題だ。ここではこのセックスは中断されたと理解して話を進めたい。
その後、ふたりはコスチュームを身に纏い再びヒーローとして街に繰り出し、ひと活躍済ませる。そしてふたりはいい感じになり船内でやっちまう。簡単に言えばおっさんはヒーローして気分が高ぶり欲情したっていう変態で、コスチュームプレーで勃起したということだ。で?と思うだけで、正常な話ではないし、そんなこと興味ない。
そんなシーンにレナード・コーエンの「ハレルヤ」を流すセンスの悪さ、どーにかしろと。センスがないのではなく、センスが悪い。冒頭のあんなシーンでナット・キング・コールを流した時点でまずいとは思ったが、やはりセンスの悪いやつはどこまでいってもセンスが悪い。音楽も映像も、センスが悪い。

ヒーローはある一定の社会の秩序を整えるもので、世界の平和を整えられるわけがない。(そもそも、特にアメコミのヒーローなんて愛国右翼の塊みたいなもんで)もしそうなってしまえばただのファシズムに過ぎないだろう。この映画はだからその選択をあえてせずほっぽり投げている。それはわかる。だが、最後の新聞社だかにいくまえのグラウンド・ゼロを思わせるショットとか、戦争とか平和とか核兵器とかリベラルとか共産主義とか悪とか正義とかどーでもいいから、まず今のアメリカ社会を見てから映画を作れ。こんな映画、世界どころかアメリカでも必要としてないだろ。

映像化することだけに意固地になり過ぎた、完全時代錯誤な駄目映画。
すぺるまさん [映画館(字幕)] 1点(2009-04-11 01:48:42)(良:2票)(笑:1票)
87.《ネタバレ》 ヒーロー達の正義に対する"価値観"が交差しあうのが面白い。 どういう風に平和をもたらすか。平和ってどうなりたっているのか。そこに興味無かったりすると2時間40分を無駄にすると思う。個人的にロールシャッハの妥協しない、"真実こそ正義"を貫く姿勢が格好良かった。
honeydewさん [映画館(字幕)] 9点(2009-03-30 02:49:17)(良:2票)
86.《ネタバレ》 見始めてすぐによく理解できない世界観に気が重くなる。そこを我慢して見続けてもやっぱりついていけない世界観。そのままエンドロールを迎えてしまいました。結局、世界が平和に保たれたのなら良かったんじゃないのかな。知らんけど。
いっちぃさん [CS・衛星(字幕)] 3点(2020-05-27 23:36:02)(笑:1票)
85.普通のヒーローものや、設定などを聞いて、サスペンス調の異色のヒーローものと思って観ると、最初の30分くらいのところからしんどくなってくるかも。原作を知らない僕も、この世界観を理解するまで、前半はなんじゃこりゃの嵐でしんどかった。もちろん、数人のヒーローが主役だし、アクションもあるし、骨組みのお話は、一人のヒーローが殺された謎を追って、ヒーロー達が最後は世界を救うお話である。しかし、手ごわい敵キャラボスがでてくるわけでなく、どちらかとゆーと各ヒーローの生き方を綴った物語であり、しかも展開が独特で、謎を追ってヒーローが世界を救うとゆう骨組みを多くの要素が覆って、展開があまり進行していないような感じなので、クライマックスはともかく、全体的に面白くないと感じる人もいるかもしれない。一昔前の現実のアメリカの国際情勢や、社会状況が物語の雰囲気を現実的に見せているのが苦手な人もいるかもしれない。一人真面目に見えるヒーロー、ロールシャッハを主人公として見ると見やすいかも。個人的には一見どーでもいーよーなエピソードが伏線になっていて、クライマックスを作り上げるのと、その最後の展開が衝撃的で悪くはなかった。ただ常に模様を変えるロールシャッハのマスクが一体なんで出来てるのか、不思議でしょーがなかった。
なにわ君さん [DVD(字幕)] 7点(2015-06-13 21:19:25)(良:1票)
84.ダークナイトよりも映像が作り込まれてます。ダークナイトよりも善悪について一歩踏み込んだ内容と言えます。
でも、こってりとした映像の連続、情報過多により消化不良を起こした人が多いのではないでしょうか。私もその一人です。ダークナイトの方が分かりやすくて"面白い"のです。
大衆に愛された映画はダークナイトですが、ウォッチメンはターゲットがもともと狭いだけで、かといって大衆を突き放してるわけでもなく、擦り寄っているわけでもない。
2つの作品を見ていると【世の中の不条理】を感じてしまいます。ウォッチメンの方が評価が低いのは制作側に問題があるのでしょうか?大衆の知識と頭脳と精神性が正しい評価を阻害してるから?より多くの人を"面白い"と感じさせたダークナイトのほうが作品として優れている?
どちらも優れた作品だと思いますが、22世紀により高く評価されているのはウォッチメンだと思います。
エウロパさん [DVD(字幕)] 8点(2012-12-12 18:37:57)(良:1票)
83.《ネタバレ》 私に取ってはスルメの様な映画。噛めば噛むほど味が出る。
言い方を変えると1回観ただけでは本作の良さは判らない。

以下、本筋から反れるが本作に関するエピソードを一つ。

本作公開から半年程前、出張中の新幹線で私は陽気なアメリカ人のカップルと相席になった。
彼ら曰く「今僕達は"Watchmen"と言う映画を作っているんだ!」との事。

拙い英会話で映画の内容に付いて質問してみたら、公開前だと言うのに内容に付いてとにかく喋りまくり、
おまけにiphoneで撮影したスタジオの写真まで見せてくれた。

「公開前なのにそんな事まで話して大丈夫なの?」と聞くと、「ホントは駄目だけど、とにかく監督が凄い人で
一緒に仕事をしていて楽しくて楽しくて。 
誰かにそれを話したくて仕方がないんだ!!」と目を輝かせて嬉しそうに話をしてくれた。

そんな彼らの様子を思い出し期待度極大で鑑賞した本作。
明るい彼らの様子と120%対照的な、暗く・内省的なヒーロー達が登場する内容とのギャップが大きすぎ、
一回目は唖然としてしまった。

でも、彼らのへの思いも有り、2回目・3回目と鑑賞回数が増えるにつれて面白みが増して行く。
監督・スタッフの作品に向ける情熱・思い入れ度と興行収入は残念ながら反する傾向にあるけれど、
いわゆる「カルトムービー」に昇華していく作品達は、どれも彼らの様な製作者達の熱い思い入れがこめられているのかも・・・
と思った次第。

あのカップル、今も元気だろうか?
たくわんさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-26 13:54:25)(良:1票)
82.《ネタバレ》 まず勧善懲悪ヒーローものの爽快感を求める人は見ないほうが良い作品。
そこから1歩踏み込んで、正義のヒーローの存在意義や、
善悪の基準ってどうやって決めてるの?など疑問を持ち、
追求妄想したことのある人は一見の価値はあるかもしれません。
ウォッチメンのメンバーの中でもドクター・マンハッタンの存在は興味深かった。
他のメンバーが普通の人よりやや優れた程度の存在なのに対して、
ずば抜けた力の持ち主で、その力を使えば恒久的な平和も作れてしまうのではと思えるほど。
しかし人間離れした存在となったゆえに、人類に対しての興味が薄れているようであり、
まさに神に近い存在として書かれているのがおもしろかった。
そしてもう一人、ロールシャッハの揺るがない正義感は格好良かった。
彼は神の存在を否定することで、自らの心の中で善悪を判断することになるが、
マンハッタンとは別の意味で神(正義)の心を手に入れたように思える。
ヒーローらしからぬ風貌がまた心憎いキャラクターだった。
しかしまあ、おもしろい作品だと思うが素直に楽しめたかというと微妙。
ヒーローが現実に存在したらという仲間内の妄想話のレベルのものを、
映像作品化されたものを見せられて、そこまで乗っかれないかなという感じもしました。
原作を含むアメコミを読み込んでいれば、また違った感想を抱いたかもしれませんが…
(こちらのレビューを見るまで原作の存在を知りませんでした。
一応ファン向けの映画ということでしょうね)。

映かったーさん [DVD(字幕)] 6点(2011-01-18 13:15:45)(良:1票)
81.《ネタバレ》  突然男が襲撃され、それを調査するシリアス部分と昔は一世を風靡したが見事に落ちぶれたヒーローの哀愁が何とも切ない前半。世界破滅が刻一刻と迫り、昔を思い出し立ち上がり、手を組み出すヒーロー達。そして最後のラストとここまで最初と最後の作品内のテンションのギャップが凄い作品はあまり覚えがありません。
 アクション部分は確かにVFXバリバリではないが、古臭いが逆にそれが良いヒーローやメカのデザイン、場面や敵を変えることで時に圧倒的に勝ったり時には負けたりと展開が違うので飽きも来ず、そして何より映画史上類を見ない程のヒロインの圧倒的セクシーさ(あのハイレグはヤバいだろ!!?)に目が離せず、そのせいか本当に2時間半と言う疲れを感じなかった。
 そして衝撃のラスト。結果的にマンハッタンは人類を救う『必要悪』に仕立てられてしまうが、その結果人類が良き方向へ向かいと信じ承諾する。ここまでの流れはダークナイトに近いが、本当の最後、全ての真相を公表しようとするロールシャッハはミクロ的(失礼な表現かもしれないが)な意味ではエイドリアンの罪を見逃さず、例え殺されようとも、嘘を付けば助かるのにそれすら許さず、自身の正義を曲げない正に『正義の味方』である(これまでの功績を考えても一番彼がヒーローだろう)。そんな彼を殺すことで自分が必要悪になると言う確固たる『決意』を表わしたという意味でマンハッタンの方がバットマンよりも一歩先を言っていると考える。加えて黒幕の方にも、計画実行までは主人公達を圧倒していたにもかかわらず、全てが成功した際は一方的に殴られたりと自分の行った行為に対する『責任』とそれを受け止める『決意』を感じた。
 単純にストーリーや構成、演出(人間の汚さや、それを正すため1500万人を殺すなど事件の重要部分を度々『ジョーク』と言い切るキャラ達)、視聴後の疲労度の違い、、そしてヒロインの圧倒的セクシーさで言っても、個人的にはこちらの方が印象深い『最悪のハッピーエンド』だった。
ムランさん [映画館(字幕)] 8点(2010-10-11 21:12:49)(良:1票)
80.《ネタバレ》 長い。回想シーンを合間合間に入れる手法は、度が過ぎると構成が分かりにくくなる。無駄なシーンを削り、オーソドックスな手法で再構成すれば、もっと面白くなるはずなのに残念。また、当時の社会情勢を知らぬ世代は付いていけず、楽しめないんじゃないだろうか。
個人的にはロールシャッハが気に入った。彼一人を主人公にした話を一本作った方が面白いんじゃないかとさえ思う。それにしても、股間丸出しのヒーローは前代未聞。
へろへろさん [DVD(吹替)] 5点(2010-05-31 20:28:54)(良:1票)
79.《ネタバレ》 予備知識なしでレンタル。
ドッカンドッカン派手な映画と思ってみたら、逆にたんたんとした話だった。
メインのヒーロー達の爽快な活躍を最初にもっと見せてくれたら、法律制定後の暗い雰囲気とオチに向けたストーリーも活かされたかなあと思ってしまった。見たこともないヒーロー達をヒーローと認識できないまま、おちぶれた姿をみせられても、悲哀も感じられない。
きいろくまさん [DVD(字幕)] 4点(2010-05-01 12:44:43)(良:1票)
78.アメコミにしては説明や解説が多く、考えているようで結果それほど深くない。
雰囲気も世界観も演出も好みなのですが...少し中だるみなストーリーが痛かったです。
sirou92さん [DVD(吹替)] 5点(2010-01-16 22:43:52)(良:1票)
77.《ネタバレ》 結構面白かったと思う。が、アクションが無くても楽しめる人向けじゃないだろうか。アクション映画だと思っている人にはおすすめしない。

冒頭、激しいアクションシーンを見せておいて実は心理描写がメインの映画であるというのが面白い。類型的なアメコミと思わせておいて、実は会話劇に近く各キャラクタのやりとりと心理描写の大きさの競り合いでもって物語が進んでいく。ここで自分にマッチしないなと思ったらラストまでじれったさが残るだろう。

描写されるヒーローたちの、実は異能者であってもその能力に上下関係が存在し、年齢や社会的な役割すら存在する。そこに古典アメコミらしい条例という縛りをもうけ、その上でヒーローたちに人間的な生活をさせてしまうと言うあたりが現代アメコミらしさを感じさせる。

また、長々と扇情的なシーンを加え、さらにセックスまでしてしまうと言う描写に関しては象徴化としては甚だあからさまであるが、少年少女が見るたぐいの映画ではないということを表しているのかもしれない。単純にサービスシーンかもしれないけど。

ラストシーンでは、米ソという単純な対立関係を持ち込んで、それを犠牲で解消するというプランに違和感を覚えるが、その後「わがままな正義」で思想的犯罪を誘発するための仕掛けをロールシャッハが投函していることが明らかになる。結局は、どれだけの犠牲を払っても、思想的にズレや我儘を抱える人間の見かけ上の正義が存在する限り、社会単位以上での平和は当然存在し得ないという主張はとても現代的だった。

原作が読まれた80年代においても、米ソの対立と戦争や紛争はすでに米ソの枠組みを超え中東を土壌とした「ズレた正義」の醸成が始まっていた。それがすでにはっきりとした形となった現代において、成人に向けた映画化をする意義というのは大きかったと思われる。
黒猫クックさん [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 7点(2009-11-24 14:18:07)(良:1票)
76.《ネタバレ》 ラストは賛否両論でしょうが、結果として平和となって良かったじゃないか、と言うお話ですが。そんな薄っぺらな結末のために無駄な部分があまりに多すぎます。それに何を売りにしたかったのか。アクションはほとんどないし、最後に気持ち程度。コスプレ・ヒーローが何人もいる割りに皆さん全然個性ありませんし。悩める人がいると言えば、この計画の首謀者ですし。それもすぐに判ってしまうし。Dr.マンハッタンは「私に出来ないことはない」と言いつつ、桁外れの力を持ちながら、何もしていないし。むしろ、この人が最後にした事で凄く後味が悪いし。特定の人にスポットを当てず、あまりに皆を描こうとしたため、返ってスカスカの内容になってしまったのではないかと。見終わった後、自分に、この作品に何を求めていたんだろうと問いたくなる映画でした。
エラリイさん [DVD(字幕)] 3点(2009-11-23 18:14:21)(良:1票)
75.《ネタバレ》 原作未読。出てくるキャラクターに満遍なくスポットが当たるのはいいんだが、キャラクター紹介・説明が映画の半分以上を占めているような気がするし、なんかゴチャゴチャしててテンポが悪い。次々と仲間のヒーロー達が殺されていくヒーロー狩りサスペンスかと思いきや、いつまでたっても第二の犯行が起こらない。
青い人とか火星の変な物体とか見ると、かなりトンデモ映画にも見えるが意外と真面目。中盤に結構ビックリなスプラッター描写があり、これは後半血みどろな展開が待ち受けているのかとワクワクしてたらそうでもない。スプラッター描写は気合入ってるのに格闘シーンはショボくて全然テンションが上がらない。
そして、青い人がウダウダしてるせいでとんでもないことになってしまうわけですが、なんとも意外な結末・・・。
超IQ高い人が考えた結果が、アメリカとソ連が和解したら世界が平和になるって短絡っぷりに脱力。そして簡単に世界が平和になっちゃうところに脱力。最終的に脱力感満載の映画なんですが、音楽の使い方とか、細かい妙なセンスは好きだ。痴情のもつれを描いてる部分がつまらなかったので、ロールシャッハさんを主演に据えた孤独な男の硬派な物語だったら良かったな。
あまり他に類を見ない造りの映画で、なんだかんだ突っ込みながらも楽しめた。この監督の次回作に期待。
すべからさん [DVD(字幕)] 6点(2009-09-28 10:42:30)(良:1票)
74.《ネタバレ》 アメコミ史上最高傑作、アメリカ文学史上最高傑作とまで謳われていた原作ウォッチメン。
原作を読んでないのでわからんのだが、あまりにも長いその情報量、何回かつ重い内容を映画化としたと聞くと、いやでも不安が募る。


原作未読でわかるんか、と。



で、見たが、これは映画としてはあまりにもきつい。
ブルーマンのフルチンはどうでもいいのだが、物語の展開が映画向きの展開じゃない。

最初にヒーローが殺されるという事件が起こる。
独自に捜査していたヒーロー仲間は、これがヒーロー狩の発端では・・・として、昔の仲間と連絡を取り合う・・・という感じ。

このヒーローたちはどういう集団なのか、どういう過去があるのかをそこからのんびりしたテンションで紹介しまくる。
実に2時間40分の間、大半がそこに費やされる。

誰が何のためにヒーローを殺したのか。
そこが開始されるまでに非常に時間がかかっとる。


この映画は、限りなく原作に近づけたという。
原作もこのテンションだというから、結構きちぃな。



元々このヒーローたちはコスプレしたただの自警団。しかし本物のヒーローの能力を持つドクター・・・なんだっけ?とりあえずフルチンのブルーマンが現れてからは、一気に世界が変わる。
現実の世界とリンクさせつつ、ブルーマンの登場から各史が変わっていく様は、原作の当時は中々面白い展開だったんだろう。

原作に忠実にということで、冷戦時代のネタになっているが、今の時代に合わせればイラク戦争等になるのだろうか。


映画としてはあまりにも単調で盛り上がる場面も少なく、原作ファンでしか楽しめない部分が多い。
しかしながらあの衝撃的結末などから、原作は、特に発売された当時はすさまじい圧巻の内容になっていたんだろうなぁと思われる。
原作を読んでみようかとさせられる。


アメコミのあのタイツ姿が大丈夫で、なおかつ単調で重いが重厚かつどんな結末が来ても許す人にはお勧め。
みーちゃんさん [DVD(字幕)] 5点(2009-09-20 10:11:24)(良:1票)
73.原作未読です。
見終わって少ししてから、考えさせられました。
大勢の命を救うために少数の命を犠牲にするのか。それとも正義のために
真実を明らかにするのか等。僕にはロールシャッハが正義を貫くための
潔さが感動でした。映画の中であるようにDr.マンハッタンは神の力を
得たために人間の心を無くしたのかも知れません。二度見ると二度目は違う
感想になりそうな映画でした。
ダイバーさん [DVD(字幕)] 6点(2009-09-18 21:46:33)(良:1票)
72.《ネタバレ》 不明な点もいつくかあります。フルチン青さんがこしらえた、火星の時計とやらは何を意味しているのでしょうか?とにかく内容が濃厚なので、もう二度三度と観た方がいいのかもしれませんが、なんせ3時間近くある大作。しかも勧善懲悪とはほど遠い妙に哲学的な内容なので、一般的なヒーローものにあるような爽快さは微塵もありませぬ。ですが、これだけの予算をかけて、こういった万人受けはハナから当てにしないカルト作品を作り上げるその心意気には脱帽致します。ある意味では至極退屈な作品ですが、こういった退屈さは私は嫌いではありません。フルチン青さんの「奇跡」の名台詞は、個人的には深く印象に残るものでした。
あろえりーなさん [DVD(字幕)] 6点(2009-09-16 20:56:06)(良:1票)
別のページへ
新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順】
12345
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 91人
平均点数 6.03点
033.30%
122.20%
222.20%
366.59%
499.89%
599.89%
61617.58%
71516.48%
82123.08%
955.49%
1033.30%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review8人
2 ストーリー評価 7.78点 Review14人
3 鑑賞後の後味 8.16点 Review12人
4 音楽評価 7.91点 Review12人
5 感泣評価 4.75点 Review8人
chart

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS