1.《ネタバレ》 チベットの遥か山奥に、小学校を建てた老人がいる。そこで、記者が取材のためにその地へ赴く・・・というスタートなのですが、それならある程度のところで現地に着いて、あとはその学校の状況や老人の行動が描写の中心になるだろうと予想する。ところが、いつまでたっても目的地にたどり着きません。そうです、この作品は、その道中の一行の苦難の歩みこそがテーマだったのでした。それはそれでよいのですが、いろいろ起こる出来事が、全部局所的な単発的なピンチであって、作品の中で機能していない。何かを切り抜けたら、次に何かが起こって、それも割とさっさと切り抜けてという感じです。また、その中で登場人物もあまり生きておらず、とりわけ、見た人は誰でも思うであろうあの情緒不安定女性医師の足の引っ張りぶり(映画という意味においても作中の一行の行動という意味においても)は、何であんな造形にしたのだろうと思うほどです。辛うじて、校長の娘(こちらの方がヒロインとしてよほど魅力的)には若干の物語があったという程度でしょうか。ただし、チベットの高山風景の数々については、撮影の手間は相当かかっていると思いますので、点数はそこに対して。