1.《ネタバレ》 道元は恵まれたお人だ。あの時代に若くして留学させてもらえるし、
寺を焼き討ちされようとその度新しい寺が手に入る。
アンタ無欲なこと言ってるけど、それもこれも権力の後ろ盾じゃん。
藤原竜也が「豪華な寺建ててやる」とのたまった時「私は永平寺で十分でございます」とか言ってたけど、あれだってメチャ立派な寺じゃねーか。
……と言いたいところだが、この映画は言わせない。(いや言ったけど)
恵まれない側代表である遊女が、彼女なりの救いを見出すまでが丁寧に描かれているからだ。
禅とは何か。本当に救いはあるのか。所詮は綺麗事の偽善者ではないのか。自分には無理じゃないのか。
といった視聴者の持ちうる疑問が彼らの関わりを通して自然と解かれていく。この丁寧な構成。
また彼女は幼い頃、道元に命を救われたわけだが、その後の苦境を思えばむしろ助からなかった方が幸せだったのでは?
最後まで観れば、否と断言できる。
いい映画です。
途中の妙な色恋沙汰は意味ねーだろと思ったけど、最後まで観れば否と断言できる。
本当、丁寧でいい映画だ。