635.《ネタバレ》 この「セブン」はまるでニュース映像のようにリアルで、
じめじめしてて客観的で気持ち悪い。
脚本もよくできていて、カレンダーをめくるように事件がおき、
映画でありながら小説を読むような自己参加型の作品。
観客に想像させ気持ち悪がらせようとする努力は、
最後の方で出てくるサブリミナント?映像でもよくわかる。
私はどこか「羊たちの沈黙」にも似ていると思うんです。
犯人がわかっている。(途中からですがいきなり出てくる)
出てきてからがもっと恐ろしいことを思い出せば、こちらの方が上。
後味の悪い映画を作るのが好きなのですね。
私は「二十日鼠と人間」みたいなあのどんでん返しの場面より、
ブラピの去るときの表情が「狼たちの午後」のパチーノのようで、
もっともっといや~な後味になりました。
(これと対極なのが、L.A.コンフィンデンシャルのラスト)
ちなみにまだ見ていない方(恐らく少ないでしょうが)のために。
この犯人役の俳優は、テロップに自分の名を出さないようにたのんだそう。
恐らく今までそんな役ばかりだったのですぐにわかると・・
そして、冒頭からいきなり出現する(手)は、犯人のものです。
古典的ですねぇ・・図書館のまばゆい照明の使い方も古典。
階段で出くわすブラピと新聞記者、この縦の映像もどこかで見たような・・
ヒッチコックやスピルバーグのホラーがかったサスペンス、
色は近未来SFの青黒い地下の色・・
それだけで終われば暗いだけなんですが、後半の抜けるような晴天、
上空からの映像に切り替わるところも素晴らしい。
最後にちょっと笑えるお話を・・・
アカデミー受賞おめでとう!モーガン・フリーマン、
あなたの怪しい目つきに私はこの作品で深読みして、
犯人!と思って見てしまった(ダーツのシーンが怖い)
そしてこの作品を私が見終えたのが早朝。
なーんと(宅配)が来る予定の朝だったのだ・・
箱を開けるのが怖かったのを今でも覚えており、
トラウマになってこの映画をそれ以来観ていない・・