55.《ネタバレ》 日本映画かよ!と突っ込みをいれたくなる展開。しかし並の日本映画と違って後半15分。花火のように垂直に上昇し、どこまでも高く舞い上がり思いっきりきれいに花開いてフィナーレ。 観客と、奏者と指揮者、そしてその家族、友人が一瞬のアイコンタクトとともに一体化する「協奏」。その奇跡の瞬間を表現した映画である。見事に成功している。普通の映画ならリハーサルをやって全然纏まらず、本番では奇跡を起こす、というストーリーで表現することを、本番の前半20秒足らずの時間だけで表現している。演奏後のサクセスストーリーも演奏後ではなく、あえて演奏中に挿入。確かに演奏の途中からハッピーエンドを迎えることは観客にとって自明であり、蛇足を廃するという意味で非常にユニークかつスマートな編集だ。 監督の表現したかったことは、最後の15分「だけ」に込められている。その他いっさいは、映画としての体裁を整えるため仕方なく追加したおまけに過ぎないのだ。おまけに突っ込むのも無粋なのでやめておこう。音楽って素晴らしい。つくづくそう思わせてくれる映画だった。 【正義と微笑】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-01-30 01:45:43) (良:3票) |
54.《ネタバレ》 生い立ちに秘密を抱えるヒロインとラストのオーケストラ演奏、これがすべての映画。楽団員、プロモーター等のいいかげんな展開、ラストにたどりつくまでのご都合主義はコメディということで強引ながらクリア。まあ、必ずもう一度聴きたく(観たく)なるくらいの演奏です。それだけで大成功でしょう。 【monteprince】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-05-03 19:11:05) (良:2票) |
53.《ネタバレ》 フランス映画なのにロシア語が飛び込んでくる。極寒の住民たるロシア人はこれほど陽気な性格なのか??まるで南米系のようだ・・・。だからロシア語の早口が、ポルトガル語に聞こえてくる。彼らは陽気で、イライラするほどルーズで、大阪商人のように、したたかだ。その老獪さで、フランスの英雄ナポレオンを翻弄したのだろう。単純なドタバタ劇に見えるが、じつはフランス人からみたロシア人気質が描かれている。ロシア人はラバのように頑固で、殴り付けないと前に進まないらしい。見所はなんといってもラストのチャイコフスキー協奏曲の12分間だ。政治によって失われた芸術家としての誇りを取り戻すために、そして流刑地で憤死した天才ヴァイオリンソリストのために時間の歯車がそこに向って動いている。レアのために戻れ、という号令のもと、フィナーレでついに彼女は彼女の残した遺児の導きによって現代へと甦る─。思わず号泣した・・。圧巻のバイオリンソロ・・その瞬間、彼らロシアの芸術家たちの味わった挫折感は癒された(泣)そして30年間という長い年月を経てようやくチャイコフスキー協奏曲は完結し、母から娘へとその想いがつながるのである。ただ・・残念なことにフランス人の「ロシア人観」を描くことを強調しすぎたせいか、不真面目な連中が、練習なしで本番で成功する物語だと見られがちだ。アタックNO1や巨人の星などの熱血練習を好む日本人、忍耐を好む日本人には、このロシア民族の不真面目さ(フランス人の偏見だが)がさぞかし不満もあるだろう。し、か、し、こういう奇跡を、現実に置き換えていけない。これは夢を見続けるすべての人たちに贈られたファンタジーなのである。また芸術が政治によって敗北してしまったロシアの芸術家たちを、映画の中で救うことにも重点が置かれている。フランスのすごさはロシア人の曲者ぶりを警戒しつつ、芸術家を愛する精神があるところだ。人種を超えた芸術家に対する賞賛、芸術を愛するロシア人に対する畏敬の念、それを表現したパリの大歓声、芸術は政治に屈せず。さあチャイコフスキー協奏曲が終った後は立ち上がって拍手をしよう、そして叫ぼう。ぶ、ブラボー! 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-11-20 20:28:14) (良:2票) |
52.《ネタバレ》 すでに指摘されていますが、落ちぶれてもアホになっても金に汚くなっても、「ステージに立つこと」に対してだけは、真摯で謙虚であってほしい。そうでないと、根っこのところでの共通ベースが存在しないので、最後に一致団結する根拠がなくなってしまうのです。結局、メラニー・ロランの美しさと存在感に大きく助けられています。クライマックスの演奏シーンを10分以上延々続けるこだわりぶりには、制作者の執念を感じさせますが。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 6点(2014-12-31 03:32:19) (良:1票) |
51.《ネタバレ》 音楽をやっていた者からすれば、やはり団員のやる気の無さが気になる。 確かに最後は熱演だったけど、タイトルが「オーケストラ」なんだったら、オーケストラの素晴らしさを作品にすべきだし、この邦タイトルはいただけない。なんせオーケストラを構成する団員のキャラクターに全然魅力を感じないんだから。 これはやや強引にスポーツ物に置き換えたなら、かつての名プレイヤーが集まってみて、なんの努力もせずにいきなり大会で優勝するわけですよ。これは奇跡と言うのとはちょっと違うと思う。「まぐれ」かな。あと指揮者の当て振りがむちゃくちゃ。オープニングから既に四拍子すらマトモに振れてない。辛口で申し訳ないが、コメディ映画としても笑え無かったので、ラストのバイオリンにだけ点数を。 【Fukky】さん [DVD(字幕)] 3点(2012-06-17 08:07:49) (良:1票) |
50.《ネタバレ》 映画が紙の媒体と決定的に違うのは音を伝えられる、ということ。クライマックスの演奏会は圧倒的。音楽の凄みに何度観ても泣く。アンヌ・マリーが(額に怒マークをはりつけて)ソロパートを奏でるその音色が金色の一筋となってするすると天上に昇ってゆく。彼女の音に叱咤され鼓舞されて、ダメ団員たちの音楽家魂に火がついてついには太く力強い音の奔流になってほとばしる、この瞬間は肌が粟立つほど。N・キンスキーの再来と見紛うような、神々しいまでのM・ロランの立ち姿と合わせて永久保存したい位の美しい舞台だった。前半から中盤にかけての、すったもんだな喜劇っぷりも好き。ネタは定石なれど、団員フルばっくれは予想できなかったなー。旧共産党の栄光の残滓もなにやら切なく、圧政のもと起こった悲劇も織り交ぜて話に奥行きも持たせている。笑って、やきもきして、戦慄して、うっとりして、泣いた。感情のほぼ八割方を喚起させられたこの映画、私にとっては満点。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 10点(2011-09-28 00:25:50) (良:1票) |
49.《ネタバレ》 ごめんなさい薦められて観ましたが、音楽やってた人間からすると、流せる範囲を超えて「ありえない」と思ってしまいます。音楽やってない方にはお勧めのチャイコフスキー入門になるかもしれませんが…。とにかく楽団員の行動にストレスを感じてしまって、最後気持ちよく鑑賞できません(涙)。特に直前まで商売していて、指揮者がタクトを振り上げてから遅れて入ってきてごそごそ楽器を出すなんて…。ソリストの立場で考えてしまうと、初めてのチャイコフスキーでリハが1度だけでも不安なのに、リハなしで本番に立つなんて、いくら出生の秘密を教えると言われても「ありえない」。出だしがあそこまでひどいのに、ソリストが入った時点でオケがあそこまで生まれ変わるなんて、いくら奇跡と言っても「ありえない」。ふつうにチャイコフスキーのコンチェルトの演奏DVDを見た方が、ストレスなく感涙できたんじゃないか、と思ってしまいました。これ多分少数派なんでしょうね。せめて団員たちの極端な行動をちょっと抑えた表現にしてくれていたら、ここまでストレス感じずに済んだんですが…。テーマはよくわかるし、あそこまで笑いをとりに行かなくてもちゃんと感動物語として成立していただろうし、主人公の思いには十分共感できたから。最後のカタルシスをちゃんと味わいたかっただけに残念でした。 【ゴールドベリ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-09-26 12:26:36) (良:1票) |
48.《ネタバレ》 政治的な理由でオーケストラを取り上げられたロシアの元有名指揮者が昔のメンバーをかき集めてパリで演奏に漕ぎ着けるまでの話。そこに、ブレジネフを批判したためにシベリアへ送られて亡くなった元メンバーの娘のヴァイオリニストが加わって、ストーリーに捻りと華を添える。過去に事情がある人たちが集まって事を成す定番の感動話で良かったはずなんだけど、元メンバーたちのやる気の無さが私にはマイナスポイントでした。パリに来たら前日のリハーサルにも現れず、小銭稼ぎに励んでいる。あれがフランス人から見たロシア人気質なのかも知れないが、笑って流せない。彼らも音楽を取り上げられた人たちなのに、さほどダメージを受けていなかったと解釈できるから。音楽に対する情熱だけは、楽団員全員が等しく持っていて欲しかったです。そんな想いで観ていると、最後のチャイコフスキーが適当な演奏に聞こえました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-06-18 23:44:56) (良:1票) |
47.ブラボー!とにかくどストライク。シンプル、というかベッタベタなストーリーなんだけど、それが良い。こうなって欲しいと思う展開が次々と繰り広げられる。演奏シーンなんかもうずっと観ていたいという気持ちにさせる。まだ終わらないで欲しい、そう感じる映画は久しぶりに観た。日本人の気質的にもこういう話はみなさん大好きだと思うんだけどな。一応注記しておきますが、三谷幸喜脚本・監督ではありません。 |
46.前半が退屈すぎて、それほど面白くなかった。 ラストも無理やり感動させようとしている感じがする。 実際、自分が観客なら高いお金払ってこのレベルの演奏か・・・って思ってしまう。 【のははすひ】さん [DVD(字幕)] 4点(2011-05-25 00:20:42) (良:1票) |
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45.《ネタバレ》 映画の三分の二はドタバタコメディで、演奏シーンなんてほとんどないのだけれど、クライマックスの「オーケストラ!」には鳥肌が立った。ヒロイン(メラニー・ロランが綺麗)の生い立ちと舞台終了後のエンディングを一挙に見せる怒涛の展開に拍手。 【フライボーイ】さん [DVD(吹替)] 7点(2011-05-04 21:22:15) (良:1票) |
44.《ネタバレ》 昔の楽団仲間を集めていくとこは「ブルースブラザーズ」かな?と思ってました。でもメラニーロランが出てきたところから、話は意外な方向に。そしてラストは、政治によってバラバラの人生を歩んでいた天才たちが一気にまとまり、見事なフィナーレを飾ります。きっと人生の苦い部分を味わってきた彼らだから、奏でる音楽もきっと深いんでしょうね。思い出すのは「北京ヴァイオリン」。これもラストの音楽が胸に響きました。人生と音楽、この二つの関係を自分なりに勉強しようかな?なんて思いました。一個のデジタルオーディオに全部クラシックを入れて、聞いてみようかな?なんてね。今のロシアでも表現する事は大変、神経使うはず。そんな中でできた傑作です。ラストの演奏を味わうためにも、メラニーロランの美しさに見とれるためにも、DVD手に入れようかな♪ 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-04-14 00:53:57) (良:1票) |
43.《ネタバレ》 旧ソ連時代のユダヤ人排斥政策がもたらした悲劇を背景にしながらも、ややブラックなエスニックジョーク満載の笑えて泣ける人情喜劇音楽映画に仕上がっていてとても楽しめました。なんと言っても、演奏シーンの素晴らしさが際立っていて良かったですね。雑多な要素が見事にハーモニーを奏でている作品でした。 【TM】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-12-27 00:43:44) (良:1票) |
42.予想に反してベタな笑いドコロがふんだんに盛り込まれており、よく笑わせてもらいました。全編を通して人情喜劇的な流れの中、今もロシアの人々の心やロシア国内に根深く残っているのであろうソ連の時代の負の影響や、人々のその時代への様々な思いが分かりやすく上手く描かれていました。最後に来て最高の盛り上がりを見せるコンサートのシーンは素晴らしかったし、メラニー・ロランの輝く存在感が際立っていました。更に、残念ながら他の作品を見る機会がなかなか無いロシアのベテラン俳優たちの人間味あふれるコミカルな演技も素晴らしかったです。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-06-25 20:48:57) (良:1票) |
41.《ネタバレ》 おおざっぱだったり「おいおい」というところもあるのですが最後には感動させられてしまった音楽モノのいい映画です。ロシア人のおおいなるたくましさで笑わせてくれて、「細かいことを気にするな」的な前向きな力がもらえる魅力があります。それだけではなく旧ソ連の暗い部分を軸にしている人間ドラマもあって、キャスティングも良く、細かい枝葉もたくさんあるので2時間がまったく退屈しなかった。特に最後のコンサートシーン、ガタガタの序盤から立て直して演奏者・観客が盛り上がっていく様は予想はしていても鳥肌が立つほど感動してしまった。「音楽の力はすばらしい」ということを改めて認識する映画です。 【ことひき】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-05-13 13:03:24) (良:1票) |
40.最後の謎解き展開を完全には理解できなかったので、1点減点。一緒に見ていた相棒は完璧に理解していたので私のせいだが。ただ音楽聴きたくなったので・・・と言い訳。 |
39.ロシアで失意の生活を送るかつての楽団員たちが、まんまとパリでそれぞれ金儲けにいそしむさま、共産党への皮肉などいかにもロシアっぽいユーモアが各所に散りばめられていてクスリとさせられる。さらにコメディ要素だけでなく、アンドレイとアンヌ-マリー、サーシャ、レア、ギレーヌの関係といったミステリアスな要素(予想と全然違った!)もあり、ラストのチャイコフスキーのバイオリン協奏曲とともに謎が明かされていく展開にはやられた!ここは涙がほろりときたよ。脚本、演出の勝利だね。好み45/50、演出12/15、脚本13/15、演技5/10、技術8/10、合計83/100→8/10点 |
38.《ネタバレ》 くそ!不意に泣かされた(笑)。ラスト15分にやられた。 映画としては決しておすすめできるものだとは感じなかった。テーマが分かりにくい。旧ソ連のお国事情なのか、ユダヤ人弾圧なのか、マエストロの主人公の人生奪還なのか、はたまた訳あって呼ばれたバイオリンソリストの出生の秘密なのか、オーケストラとはなんなのかなのか…。コメディと呼ぶには笑えない部分も多く、特に邦題がちょっと。ごく少数の本気の人間がいる中、オーケストラ団員のプライドの無さが延々続く内容でこの邦題は…。もともとの「コンサート」って題名の方がよっぽどよかったのでは。さて、もっとけなしてやる。30年の月日を経て一度もリハもしないで、演奏できるわけないだろ。なによりもマエストロのカリスマ性の無さ。というか病んでる。そんな人間にこの集団を本気でまとめ上げる力があるのだろうか。 さて、ほめます(笑)。そのマエストロ、アレクセイグシュコブがいい(笑)。強くものが言えないが、チャイコフスキーへの愛情を語る場面がいい。メラニーロランとのステージ上での2ショットがいい。何よりもラストシーンが120点なのがいい(笑) 【JF】さん [DVD(吹替)] 7点(2015-06-03 13:26:38) |
37.《ネタバレ》 政治的・文化的背景や国民性を詳しく理解していない(ユダヤ迫害なんて本当にあったのか?)ので、その深刻さやユーモアがいまひとつわからないのですが、チャイコフスキーを生んだのも、それを天才的に弾きこなす人材を殺した(ちょうどモスクワ五輪の時期ですね)のも同じ国なわけで。圧制がなければドストエフスキーも生まれなかったろうし。そいう政治と文化・芸術の関係性というか政治批判と芸術賛美をうまくミックスした形でうまい具合にユーモア作品に仕上がっているとは思います。平和な時代に娘が封印していたチャイコフスキーを弾く。敗者復活の話かなと思ってたんですが、復活というよりは和解って感じですかね。メラニー・ロランは確かに美人なんですけど、あの棒立ち&微笑の演奏スタイルはいかがなものかと。あれじゃあ、せっかくのラストが台無しでテンションが下がります。マエストロの言う「魂」が全く感じられない。神尾真由子や庄司紗矢香の動画でも見て、もっと勉強しろと言いたい。 |
36.主張するところがわかりにくく、中だるみ感強い。ラストは流石の迫力。 【noji】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-02-12 23:44:20) |