21.お腹を抱えて笑うというよりもクスクス、ニヤニヤしてしまうコメディ。 あまりにも楽しい映画であっと言う間に時間が過ぎて、エンドクレジットが恨めしく思ったくらい。「アメリ」のようなキッチュでポップなカラーテイストも完全に作品の世界観に溶け込んでるし、BGMもgoodチョイス!さりげなく反戦、兵器反対のメッセージを含ませてる点も全然嫌らしさがなく、物語冒頭に兵器会社の演説を聞いてたバジルが涙を流すシーンがとても印象的でした。最後は直接手を下さず社会的制裁を加えてて締めくくるあたりも良かった。 【シネマブルク】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-12-02 22:53:59) (良:1票) |
20.ホームレスすれすれの名もなく貧しい超個性的な人たちが、巨悪を思いっきりおちょくり倒すという、痛快な物語。 可笑しくてどこか温かく、でも、その奥に潜まれた刃は思いっきり鋭くとんがっており、それはラストで地雷の被害にあった子どもたちの写真を突き付けるあたりで頂点に達する。 セットや小道具、登場人物のキャラクター造形は独創的で、細部に至るまで非常に凝っていて楽しいことこの上ない。 こんなコメディなら毎日観たい。 【poppo】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-10-14 22:39:52) (良:1票) |
19.《ネタバレ》 変わった仲間たちが助け合って大企業に立ち向かい、ピンチ中で恋が芽生える。派手さはないけど、頭が良くておかしな復讐劇に魅了されました。いがみ合う企業の社長たちを覆面して拉致し、鳴り物を鳴らして中東に連れて行ったように見せかけるラスト。分かってはいるけど気持ちのいい爽快感がありました。凝りに凝ったセットも映画の魅力で、「ヘンテコだけどこんな楽しいこんな映画を見たよ」と人に伝えたくなる映画です。 【カワウソの聞耳】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-09-16 23:49:36) (良:1票) |
18.《ネタバレ》 いやー、相変わらず凝り性な監督だこと。「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」に通ずる細かい小道具や、映像、BGMなどのセンスは言う事なし。 上記2作が、割とダークファンタジー、ダークSFであったのに対し、本作は飽くまでもポップでライトなコメディ。ひたすら軽い。 高くもない低くもない変なテンションを保ったまま、飽くまでも軽い。 それが楽しくもあるんだが、テンションの上がり下がりが少ないため、抑揚が弱くなってしまっているところがある。もっと緊張感のあるシーンがあっても良かったかと。 それと、妙なフレンチユーモアがイマイチ笑えなかったから、この映画の変なテンションにもノリ切れない部分もあった。 何だかんだ言っても、コレに似た映画ってあんまりなく、独特の世界観はやはり素敵。 決してただのオシャレ映画監督でないジャン・ピエール・ジュネ監督の味が充分に発揮されているのは確かで、毒っ気も薄く、嫌な気分になることはまずないと思うので、誰にでも安心してすすめられるコメディであると言える。 ノリきれなかったのに関わらず、何かもう一回見たい気がする妙な映画。 でもこれ、いたずら(ミックマック)ってレベルじゃないだろ。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-25 23:17:41) (良:1票) |
17.《ネタバレ》 復讐の手順はもう少し明快にできたのではないかなぁ。2つの企業に同時に復讐してゆく、そのシチュエーションが今一つキレイに流れていなくて、痛快さに欠けてしまうんですよね。それから、せっかく多くの登場人物に超個性的な設定を施しながら、それを魅力的に活かしきれていない感じなのも惜しいです。全体を眺めた時、もっと面白い映画になったハズでしょ、って。それに、家族を失った人々が集まって擬似的な家族を形成してゆくって、結構よくある題材ではあります。映画を見ていて、懐古主義的な、やや後ろ向きなニオイも感じられました。だけど、本当に久々にジュネらしい色彩と毒気を持った映画が見られて、やっぱりいいなぁ、って。『ロング・エンゲージメント』では、かなりジュネ的色彩が抑えられておりましたが、今回は全開。こってり作りこまれた画面を、アクの強い面々が更に彩る、まごう事なきジュネの世界。ヘンな人達が織り成す、なんだか愛おしさを感じる物語。そうそう、見たかったのはコレコレ。ボガートから始まったり、サイレント映画風にセリフを廃して人の動きで笑わせたり、60年代のフランスコメディ風なタッチだったりして、そこかしこに映画に対する愛で溢れた映画。かつての冴えは薄らいだものの、ここはジュネの復活を素直に喜びたいです。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-09-15 16:22:27) (良:1票) |
16.武器輸出国のフランスだからこそ、思う部分はあるのだろうが、逆恨み当然のイタズラにしてはやりすぎな上、ターゲットの二つの武器会社には繋がりがないのでそれほど深みが感じられない。むしろ浅いからこそ、社会から爪弾きされた奇人たちが何を仕掛けてくるかコミカルに見ることができるかもしれない。深いメッセージなんてないのかもしれない。それでもジュネらしいポップな世界観が繰り広げられる中、イタズラの総仕上げがローテクすぎて楽しい。 |
15.Micmacsは同胞、という意味で捉えていいのでしょうか(違っていましたらどなたかご指摘ください)。冒頭数分ですべてが説明されているところや、ラストもすき、真ん中少ししつこすぎるところがあったりして、なえましたが楽しい1作だと思います。ミックマックってどういう意味 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-03-03 14:12:19) |
14.《ネタバレ》 ジャン・ピエール・ジュネ監督のこれまでのキャリアに裏打ちされた円熟すら感じる佳作のコメディ映画。良い意味で力が抜けていて、「ロスト・チルドレン」や「アメリ」のように肩肘張らずに観ることが出来てただ単純に楽しい(その二作が駄目と言ってる訳じゃないですよ)。相変わらず社会からあぶれてしまった個性的な登場人物たちや、その面倒臭い作戦の数々、どれもこれもが子供の頃を思い出して幸せな気持ちになってしまう。個人的に、フランス映画って嫌いなんだけど、そんななかで次作を心待ちにしてしまう数少ないフランス人監督の一人。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-08-12 17:45:03) |
13.序盤はシュールでフランスっぽい作品だなぁって思ってたけど、作戦開始してからは派手な展開でそこそこ楽しめました。 ガラクタで作った謎の装置も結構楽しいです。 ちょっと引っ掛かったのは、あれだけの大爆発でも死人が出ない設定なのにアフリカ人はあっさり殺されてしまうんですね。 ナガサキをコメディのネタにするのもちょっとドキッとしたけど、フランス人の感覚では笑い飛ばしてOKの範囲なのかな? 皮肉と不謹慎の境界線が僕の感覚とはちょっとズレていて、笑っていいのか悩ましかったです。 あと、仲間たちにはそれぞれ特殊能力があり個性的なんだけど、主人公がいまいちパッとしない。 頭の銃弾をもう少し上手く活かせないもんかなぁ。 【もとや】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-05-06 19:46:24) |
12.やり過ぎではないのか こらあ(^^;) アメリどころの騒ぎじゃないですやんけ なんじゃこらぁ あ、でもこのおっちゃん なんか憎めないのは確かなんだが ジェイソン・ステイサムのコメディ版というか、ジェイソン・ステイサムのお猿版というべきだろうか否か まあさ、どっちゃだってよいですが。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-04-24 20:55:14) |
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11.世界観やギミックは結構好き。こーいうこだわりいーよね。ただある程度予定調和だったのでもう少し驚きがほしかったかな。 【とま】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-25 01:59:26) |
10.《ネタバレ》 「アメリ」を観て気になったので鑑賞。まんま男版「アメリ」ですね。「アメリ」に引き続き、とてもおしゃれで滑稽な作品だと思います。それぞれ“家族”達も個性があって面白く、ほのぼのと仕返しをしていくのが楽しめる映画。 【とむ】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-09-11 23:56:14) |
9.この映画のジャン=ピエール・ジュネというフランス人監督の作品は大好きで、映画作品はすべて観ている。 有名なのは、世界的にスマッシュヒットとなった「アメリ」だが、作品の世界観的には、それ以前の「デリカテッセン」や「ロスト・チルドレン」の方が印象深い。(ハリウッドにお呼ばれした「エイリアン4」もかなり好き) この監督の特徴は、なんと言っても奇妙な禍々しさを持つ独特なファンタジー性だ。 今作では、久しぶりにその特徴が溢れ出て、ジャン=ピエール・ジュネというクリエイターの原点回帰を観られた気がする。 「デリカテッセン」や「ロスト・チルドレン」のようなおどろおどろしさは無く、これまでになくコメディ性の高い映画世界だったが、登場するキャラクターの奇妙ぶりは、彼らの表情を見ているだけて楽しい。 一方で、主人公を始めとする奇天烈なキャラクターたちのそれぞれが、何かしらの悲哀を携えている。 それを作品中で明らかにすることはないけれど、彼らの瞳の奥にはそれぞれの人生の“重さ”みたいなものが見え隠れするようで、印象的だった。 そういうキャラクター造形の巧さも、この監督ならではの創造性だと思う。 奇妙な住民たちが織りなす小規模で大胆なこの“復讐劇”には、一風変わった爽快感と人間の愛らしさが溢れている。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-06-07 13:40:22) |
8.《ネタバレ》 テーマも良かったし、それなりに面白かったのですが、あまり爽快感が無かったので・・・変な人が多すぎたからかな? 【より】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-05-08 00:01:10) |
7.《ネタバレ》 ジュネの独特な世界観は、「エイリアン4」のグロテスクさや「ロスト・チルドレン」のダークさなど、どちらかと言えば暗いファクターとマッチするなと思っていたが、本作で実はコメディやポップさにもまた相性が良いのだということを認識した。フランスの笑いは本当にヘンテコなので、そりが合わないと置いてけぼりになる場合が多いのだが、この作品の笑いはなぜか自分によく合いちょくちょくと笑かしてもらった。ジュネ作品はいつも風変わりなキャラクターばかり出てきてそれもまた魅力の一つだが、それ以上に小道具やセットの素晴らしさにはいつも驚かされる。本作では特に、その風変わりな人たちが働くあの工場が凄い。中に入れば、汚くも美しいガラクタが織りなす空間が一面に映し出される。こういうのは本当にジュネ作品だけで楽しめるものだね。彼は作品の数は少ないけれど、それ故に一本一本が濃い作りをしているように思う。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-05-04 00:01:53) |
6.《ネタバレ》 「ロスト・チルドレン」以後の3作(「エイリアン4」「アメリ」「ロング・エンゲージメント」)はどれも自分にはものたりなかったけれど、15年後のこれはやっとあるべき場所にもどって本領発揮、いい感じです。 もともとスケール大きいのよりもマニュファクチュアなのが合う人だと思うし、「アメリ」の流行りモノとしてのヒットは異常だったので。 「デリカテッセン」の空気もある今作は、不運の主人公バジル(「ぼくの大切なともだち」のブーン)の仲間となる人間大砲、軟体女、発明家、言語オタク、計算機、ギロチン男、料理番の7人の住む隠れ家がジュネっぽく、ゴチャゴチャとせまくて薄暗いけれど居心地がよさそうで、廃品を使って作られる発明品もレトロかわいい。 現代のテクノロジーに逆行するようなハンドメイドな魅力。 元凶をパニッシュすべく彼らが繰りだすパリの街も、濃い暖色カラーでジュネ仕様の美しき舞台に変えられて。 反戦・反兵器のテーマは目立たたせず下地にねりこみ、おしおき大作戦も暴力を排除したオットリしたもの。 平行してバジルのときめく恋の予感も。 「ロング…」では温厚な叔父さんのフリしてたドミニク・ピノンが豪快オジサンに戻ったのもウレシイ、そうでなくっちゃ。 ワルのかたっぽがアンドレ・デュソリエなのもよい。 手間隙かけてコトコト煮込んで作られたジュネの最新作はいいお味。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-04-10 00:00:13) |
5.《ネタバレ》 ジュネ監督お得意のキッチュで癖の強い作風です。「アメリ」がだめだった人は今作も気にいらないかも。自分は独特の世界観を大いに楽しめました。 残念だったのがいたずらの手順がいまひとつ爽快感に欠けること。 前提としての「作戦会議」がないのでわくわく感が薄い気がしますし、復讐する相手の企業が2つあるのでごちゃごちゃした印象を持ちました。 そもそも主人公の復讐の相手が「銃を製造した企業」になっているのもちょっと腑に落ちない。実際に銃を使った犯人にもう少し怒りの矛先を向けてもいいでしょう。どうも動機が薄いと思います。 でもラストのいたずらは痛快! 「世界が平和でありますように」というキャッチコピーは素晴らしいです。 しかし今作は何故か全年齢指定なのですが、描写的にPG12指定でもおかしくないです。 【ヒナタカ】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-11-19 18:58:48) |
4.《ネタバレ》 ジュネの映画だから、ダメでも合格点だろうな、と思ってましたが、ホントそんな感じでした。美術といい、キャラクター設定といい、とても素敵。ジュネワールド炸裂!これこれ!と思いながら、ニヤニヤ。満足! ただ、うーん、アメリを越えない。社長たちへのイタズラというゆるい表現ではあるけど、ちょっと題材がシリアスというか。もうちょっと手放しで楽しみたかったかなーとか。 いや、でも好きなんですが。もう一度見ると、また違う小ネタでニヤリとしそう。恋バナの絡め方が可愛らしくてきゅんとします。 【しゃっくり】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-10-10 00:08:00) |
3.観終って恵比寿ガーデンプレイスのパティオのベンチにすわって、自作のおべんとうを拡げて食べていて、さっき観た映画はこの手作り弁当みたいだな、などと思っていた。つまりたんじゅんに、手作りガジェットにあふれたおもちゃ箱をひっくり返したような膨大な小道具大道具、それを駆使して進行されるどこかアナログ感あふれる手作りファンタジーという味わいのストーリーなどなどからの連想なのだけれども、もちろんジュネ監督のこの新作はわたしのおべんとうのように貧弱なものであるはずもなく、「豪華な」という形容のことばをあたまにつけることを忘れてはいけないだろう。しかしやはり、たとえそのように「豪華」と名付けようとも、その「豪華」の質はあくまでも「手作り」な、レトロ感がただよいさえするもので、「人工」とか「人造」などという、ハイテクとはほど遠いことばこそが似合う世界というわけになる。とくに、主人公たち奇人変人の共同生活の場であるガラクタの山の下にある住処〜古道具再生工場、そこにごろごろと転がっていた奇々怪々な綺想のグッズの数々、そして仇役の武器製造会社社長(アラン・レネ作品でおなじみの、わたしの大好きなアンドレ・デュソリエが演じている)のビザールなコレクションなどにこそ、この映画作品を観る楽しみがあるということになる。そういう意味で、それらのガジェットをこそもっとじっくりと見せてほしかったという、観終ってしまって残されたかなわなかった夢こそがこころに引っかかってしまうことになる。まあこのくらいにそういうガジェットをちょん、ちょんとみせるあたりにこそジュネ監督の持ち味があるのだろうけれど、そのあたりがストーリーのなかにうまくはめ込まれていた印象の前作「ロング・エンゲージメント」に比べると、この「ミックマック」ではそういうガジェットを自立させようという意志と、映画としてのストーリー展開を重視する意志とが衝突してしまった感じを受けてしまう。 そう、ここでジュネ監督の持ち出すガジェット群がその映像のなかで自立していけば、その世界はシュワンクマイエルの映像世界に近接してくるだろう。 【keiji】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-10-02 13:46:30) |
2.《ネタバレ》 世界から無くなる事のない紛争とその裏で暗躍する武器商人達。正面から反戦を訴える映画ではないですが、金持ちでもなく弱い人々が集まって力のある武器を扱う大企業をコテンパンにやっつける。分かりやすい。楽しい。そして痛快。しかしその作戦の一つ一つの手法が実に古臭いけれど、その一つ一つに愛すべき可笑しさがある。しかし一番最後はyou tubeで締めるあたりがニクい。ジュネ監督の映画は久々に観ましたが、この作戦に参加するメンバーの人物描写に、一見どうでもいいと思える所にまで素晴らしきこだわりを感じさせてくれる映像にカメラワーク。久々にジュネ・ワールドをお腹一杯堪能させていただきました。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-10-01 21:20:53) |