41.黒澤明が好きそうな題材ですねえ。同時期に仲代達矢主演の「切腹」を鑑賞していたせいか、とても対照的な物語だなあ、と感じました。「武士道」という前提の価値観を持ちつつ、どう自分らしく生きていくか、考えさせられます。幕末から明治にかけて、日本が歴史上もっとも劇的な変化を経験し、価値観がひっくりかえるような世の中、大事なものって何だろうか。現代でも生き方のヒントになるような物語だったと思います。娯楽映画としての面白みは正直言って弱かったけど、原作の新書と合わせて観るのがいいと思います。 【ゆうろう】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-07-14 12:21:14) (良:2票) |
40.《ネタバレ》 まず言いたいのは題名に惑わされてはいけないと言うこと。 降りかかる金銭問題を節約術を駆使してバッタバッタと解決してゆく、 そんな痛快劇を期待して見に行くとちょっとガッガリします。 見終わってから思ったのは、森田監督の意図は、家計簿云々というのは あくまで導入に過ぎず、幕末の普通の武士の家庭の暮らしを 描きたかったんだなということです。そういう意味の題名なら +1点あげれたのに。 【MASS】さん [映画館(邦画)] 5点(2010-12-05 10:53:34) (良:2票) |
39.《ネタバレ》 今年のがっかり映画大賞はこれ。 前半は楽しめたけど、後半は観ていて非常につらい。「家計簿」の話はどこへやらで、とにかく身内が死ぬ、死ぬ・・最期のテロップまで死去、死去と書かれる。あまりにセンチメンタルすぎる。エンドロールも切ない音楽で気が滅入る。 世代が変わっていくドラマなので身内が死ぬ描写があるのはいい、しかし自分は死で悲しむ映画が観たいのではない。武士の時代に、会計をつとめる者がどのように生き、工夫したのかを観たかった。その工夫も、持物を売る、単なる節約だけではなくて時代ならではの方法も見せてもよかったと思う。「絵の鯛」のエピソードはよかったのだけど・・。 「四銭」のエピソードによる親子との確執も解決じまいで後味が悪くなってしまっているのは残念というほかない。 クスクス笑える描写を押しつぶすほど、悲しみを助長させる演出があまりに多くバランスの悪い映画になっている。 ◆上司に不正な会計があることを上司に告げるが、保身のために見て見ぬふりをしたりするのは現代の汚職と同じ。結局下っ端なので何もできなかったというのも含めて、いつの時代も変わらないのだなと思えた。 【ヒナタカ】さん [映画館(邦画)] 4点(2010-12-04 21:44:43) (良:2票) |
38.借金を返済するためにいろんなアイデアで乗り切っていく映画なのかと勝手に思っていたが、実際は猪山家の生き様を描いた映画だった。 でもその辺差し引いてもあまりメリハリがあるストーリーではないので、少々退屈気味。 【miso】さん [地上波(邦画)] 4点(2020-05-06 00:12:23) (良:1票) |
37.《ネタバレ》 「後半が…」 2013/01/06鑑賞 世情を反映してかこういう作品も成り立ちます。 倹約も工夫と思えば苦ではない。 堺雅人さんがいい味出してます。 目の優しさ厳しさがいいいです。 仲間さんもすてきです。 四文銭を犀川に捨ててきなさいという辺りが秀逸でした。 ただ後半の落としどころがぼんやりして、登場人物が次々亡くなっていって…… というあたりは、史実に忠実にということなのか、 映画としては面白味に欠けました。 【pige】さん [DVD(邦画)] 6点(2020-01-12 21:56:08) (良:1票) |
36.《ネタバレ》 淡々と描かれる算盤侍3代のお話。 とくにコレと言った見せ場はありませんが、当時の『働く侍』という貴重な題材のおかげもあって長尺くながら最後まで興味深く観れました。 演者さんのおかげもあったかなぁ。 森田監督作品と相性の良くない自分としてはイロイロと演出上の気になる点もありましたが、まぁ氏の作品では好きな方かな。 刀(真剣)を振り回すシーンはないけれども、しっかり時代感をだした映画というのはとっても貴重で、その点においては良い題材だったんではないでしょうか。 【ろにまさ】さん [地上波(邦画)] 5点(2013-03-01 19:25:03) (良:1票) |
35.《ネタバレ》 堺の作品ではこれが一番だと思いました。確かに淡々と淡々と、かなり長い歳月が描かれておりますが、親子、夫婦、家族、仕事、風俗などどれもが浅くて・・・。ただ何カ所か涙する場面もあったし見せ場もありました。もう少し映画なんだから、熱の入った演技とかあってもいいんじゃないかと? 【たかちゃん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-15 13:47:13) (良:1票) |
34.コメディタッチの映画なのかと思っていたら、淡々としていて抑揚のない映画で驚いた。 家計が火の車で、知恵を絞り、借金を返してゆくってところを掘り下げていけば、面白くなると思うんだけどなぁ。日本の財政も火の車だしね・・・ で、猪山家の借金は返済できたのだろうか。明確な描写がなかったと思うけど。 ついでに言えば、堺雅人と仲間由紀恵の歳の取り方のバランスが悪いと思う。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 4点(2013-01-06 22:42:12) (良:1票) |
33.《ネタバレ》 もう少しコメディータッチかと思えば実はけっこうまじめな話。 ちょっと期待の外れ感がありました。 【KINKIN】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-04-20 20:23:15) (良:1票) |
32. 製作にあたっての真面目さというのが、面白い映画、いい映画の必要条件であっても、十分条件ではないことがよくわかりました。 時代考証とか、原作の活かし方とかきわめてまじめに作ってるのは理解できるんだけれど、さっぱり面白くない。やまもおちも、伏線も回収もなく淡々とエピソードが流れていくだけで。 やはり、ノンフィクションの面白さと映画の面白さはまったく別物では。企画自体が安易なんですよね。少し面白い、話題になった本があったからと言って、「発見された昔の武士一家の家計簿とその解説」に過ぎないものから、いきなり映画にしようって無理ありすぎ。あるいは基本的な枠組みだけ借りてもっと大胆なストーリーを作った方がましだったかも。 しかし、残念だな。無位無官の武士が最高権力者の法王の前に乱入して暴れても処罰されない馬鹿ドラマが国営放送で放送されたり、将軍の弟が老中になって江戸時代を戦乱の世にしようとする馬鹿映画がもてはやされたりする時代に、この映画のような真面目な映画は貴重なんだが。 【rhforever】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-03-31 12:04:00) (良:1票) |
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31.いい話だとは思うけど、とにかく地味。 どうも堺雅人の良さを活かせてないような気がする。 この設定ならもっとコミカルさを出しても良かったと思うけど、終盤に向けてどんどん辛気臭くなってく。 かと言って感動があるわけでもなく、いまいち盛り上がりに欠ける印象でした。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-01-25 17:56:25) (良:1票) |
30.《ネタバレ》 原作となった新書をもとに物語を構築しているらしいが、ただエピソードの羅列に終始している感じで、とりあえず新書から物語をおこし、それを型にはめるのに精いっぱいだったのだろうなあ。そのエピソードの数々も、そろばん侍と呼ばれる主人公(堺雅人)の活躍を描くのではないので、この主人公がそろばんバカ、そろばん侍と呼ばれるほどのすごさは感じられないし、一家の倹約生活もさらりと流して終わってしまい、後半の父と息子の確執を描く親子のドラマにシフトするという至って普通の展開。企画の着眼点は面白いのだから、型通りではなく、もっと設定を膨らましたほうがよかっただろうにと思えてしまう。息子の祝いの席で出される膳に乗った鯛の絵のシーン(予告編等で使われている。)が印象に残り、その絵を持って祝いの出席者たちが縁側を歩くシーンは確かにイキイキとしているが、この一連のシーンがこの映画の中で森田芳光監督らしさがいちばん出ていると思う。主演の堺雅人と仲間由紀恵はまずまず好演しているが、最後の方で晩年を迎えた主人公夫婦を息子が訪ねてくるシーンで、堺雅人が見事に老け役をこなしているのに対して仲間由紀恵の老け役はかなり違和感があった。でも、とくにあたり障りのない人情時代劇として見ればまあまあそれなりか。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-01-12 14:09:54) (良:1票) |
29.ユニークな映画が出来てるのではないかと期待してしまった。小説ではない人文系の書籍をベースにして劇映画にしたってことで、市川崑の『私は二歳』のような風変わりな作品を期待した。同じ才人監督だし。侍たちが並んでソロバンをはじいているなんて、あんまり見たことない図で、事務職としての侍の職場を描いた珍しさなんかいい。それで主人公の「ソロバン馬鹿」ぶりを具体的に展開していくのかと思っていると、それほどでもなく中盤に至り、そうか一家の倹約作戦を細々と見せていくのか、と膝を乗り出すも、その話は大ざっぱに収まり、いつのまにか幕末になってけっきょく歴史をソロリと撫でただけで終わってしまった。原作にあっただろう(読んでないので想像で言っちゃうのが弱いのだが)エピソードを、あたりさわりのない話(父と子の確執とか)に変換して繋いだって感じ。親父の一つ語りの門の片面だけを塗った話、みたいな「何の教訓にも変換されない」具体的な手触りの感じられるエピソードをもっと聞きたかった。原作の人文書そのものから膨らませるのではなく、既存の物語の型に当てはめただけに見えた。もったいない(歴史学の本を劇映画にするのは実際大変だろうとは思います)。ただ最近小林正樹の『切腹』見たばかりだったので、江戸時代のアタマと終わりでの侍の対比となって面白かった。とりわけ刀の扱いの違い。侍が官吏になり士道がソロバン道になっていったが、別にそれは劣化だったわけではなく、それなりの一生懸命が必要だったんだ。息子の祝いの席で出た絵の鯛を持って縁側を(縁「川」に見立て)人々が行くシーンが、唯一映画として生き生き感じられた。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-12-09 10:23:02) (良:1票) |
28.タイトルから連想できるとおり、目のつけどころの面白い映画。 前半はなかなか楽しめたのだが、後半からやけに湿っぽくなり、ちょっとガッカリ。 江戸末期に生きた一人の武士の生き様を描いているだけで、特別テーマらしきものもなさそう。 それでも当時の武士たちの生活様式を窺い知ることができて、それなりに満足できた作品だった。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 4点(2011-09-14 07:16:02) (良:1票) |
27.《ネタバレ》 企画としては面白いと思います。でも実在の人物だっただけに、話に制約が設けられて、自由な話運びができず、あまり盛り上がりのない映画になったと思います。そろばん侍の武器が光る瞬間があったら面白かったのではないでしょうか?例えば、帳簿の不正を一瞬で見抜くとか、経理のミスを直したため、人の命が1人救われたとか・・・この地味な話を引っ張っていった音楽がとても良かったです。 【トント】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-06-21 17:43:13) (良:1票) |
26.★あの絵の鯛のエピソードは脚色かな。だったらほかももっと脚色して全体的にユーモラスなお話にしてもよかったかも。拾った銭のお話とか結構みんな投げっぱなしで終わるし。それにちょっと後半は時代を追うことに終始して盛り上げに欠けてる。 ★その「時代を追う」にしてもいまいち蚊帳の外感が強くて・・・結局監督は何が描きたかったのか。抑えた演出といえば聞こえが良いが、家族ドラマにしろ群像劇にしろ時代劇にしろみんな掘り下げが浅いと感じました。 ★あとそもそもの演技力か、メーキャップ(またはVFX)がちゃちか、撮影の問題か、なんともいえないが、若い俳優が「老い造り」してる感がありありなのが少し興ざめでした。 ★刀ではなくそろばんで生きた武士、って題材は良いと思うんですが。これだったら今時のNHK大河ドラマのほうがよっぽど新感覚で面白いです。惜しい作品。 【wagasi】さん [映画館(邦画)] 5点(2010-12-12 00:28:07) (良:1票) |
25.実在した武士のドラマとしては、後の世にその名を残す侍が主要登場人物にいない、 下級藩士とその家族を主人公とした時代劇。 それゆえ、幕末という激動の時代を舞台としながらも淡々と時が過ぎていく。 特に終盤は2時間越えの作品にしてはかなり足早に時が過ぎていきますが、 それでも中盤までは当時の名もなき下級藩士の生活が垣間見える、 1人の下級藩士とその家族のホームドラマとしてみれば味わいのある作品となっています。 特に猪山家を支えた女性を松坂慶子と仲間由紀恵がいい。 ドラマの中の猪山家だけでなく、本作もまたこの2人の好演に支えられた作品であったと思います。 【とらや】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-05-16 17:20:26) |
24.《ネタバレ》 前半から中盤にかけては大変面白く見られた。お駒の嫁入りから借金返済プランまでの流れは、地味ながらもちゃんとエンターテイメントしていたと思います。生真面目な性格から生み出される笑いのエッセンスが味わい深いです。家財道具を取り上げられる猪山家のリアクションが切なくも面白い。 『お救い米』という名目で着服していた年貢のエピソードも地味ながら良かった。軽いサスペンスからの逆転出世は爽快ですらあります。 後半になると時代が駆け足で進みだします。人の感情より出来事優先。まるで箇条書きのように羅列されるエピソード。みんな瞬く間に歳を取り、病気になり、死んでゆく。前半までの丁寧なドラマが嘘のよう。猛スピードでそんな様子を見せられて、いったい何を思えば良いのでしょう。歴史の教科書を無理矢理読まされているかのような感覚でした。 これ堺雅人と仲間由紀恵じゃなかったらクソつまんねー映画になっていたんじゃ・・・ 【たきたて】さん [DVD(邦画)] 5点(2021-05-10 01:24:33) |
23.《ネタバレ》 題名がよろしくない。確かに原作本はこの題名なのだが、少なくとも映画に関する限り家計簿(下級武士の暮らし向き)は主題ではなく、三代にわたって続く猪山家の生きざま、中でも父と子の絆こそが主題なのだから、映画の題はたとえば「算用者」などのように変えた方がよかった。「武士の家計簿」じゃ軽すぎるし興味本位的な内容なのかと先入観を持たされる。副題にするか原作として紹介する程度でいい。 内容はよかった。算用者としての頑固なまでの誇りを持って生きる父と、その父に徹底的に鍛えられつつも父の生き方に反発もする息子と間の葛藤も含めた父子愛が美しい。子役のセリフが上出来だ。ずっと後年になって病で歩けない父を背負って歩き、父の葬儀に父と同じように算盤をはじく場面は淡々とした描かれ方だが、やはりこの映画の頂点であり、それなりに重みを感じた。現代ではこのように「父の跡を継ぐ」ことが絶対というわけではなくなったが、親子代々一つの道にとことん打ち込んで行く姿はやはり美しい。父は子を愛するが故に厳しく育て、子は反発しながらも父と同じ道を行き、父の心をずっと後で理解する。不器用な生き方だが、実直であり誠実であり、制約が多い故に確かな父子愛をそこに感じることができる。大多数の人間は平凡な人生を生きて死んでいく。願わくば自分も子供にこの父の子供なのだという確かな何かを伝えたいものだ。 【空耳】さん [インターネット(字幕)] 7点(2016-10-08 05:46:43) |
22.《ネタバレ》 2分に1回くらいの割合で、明らかな現代語的言い回しが台詞にほいほい混じっている。って、この間もどこかのレビューで書いたな。それに加えて、算盤を題材としていながら、そのディテールにまったく踏み込まれていない。つまり、登場人物が算盤を「ただ弾いているだけ」。しかも後半はその話はどこかに消えてしまっているので、題材設定の意味がなくなっている。さらに加えれば、照明も音楽もあまりにも雑。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2014-10-25 23:53:06) |