英国王のスピーチのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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英国王のスピーチ

[エイコクオウノスピーチ]
The King's Speech
2010年上映時間:118分
平均点:6.65 / 10(Review 156人) (点数分布表示)
公開開始日(2011-02-26)
公開終了日(2011-09-02)
ドラマ伝記もの
新規登録(2010-12-12)【rothschild】さん
タイトル情報更新(2020-09-22)【S&S】さん
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監督トム・フーパー〔監督〕
キャストコリン・ファース(男優)ジョージ6世/バーティ
ジェフリー・ラッシュ(男優)ライオネル・ローグ
ヘレナ・ボナム=カーター(女優)エリザベス
ガイ・ピアース(男優)エドワード8世/デイヴィッド
ティモシー・スポール(男優)ウィンストン・チャーチル
デレク・ジャコビ(男優)大司教コスモ・ラング
イヴ・ベスト(女優)ウォリス・シンプソン
マイケル・ガンボン(男優)ジョージ5世
ジェニファー・イーリー(女優)ローグ夫人
クレア・ブルーム(女優)メアリー皇太后
アンソニー・アンドリュース[男優](男優)ボールドウィン首相
堀内賢雄ジョージ6世/バーティ(日本語吹き替え版)
壤晴彦ライオネル・ローグ(日本語吹き替え版)
佐々木優子エリザベス(日本語吹き替え版)
宮本充エドワード8世/デイヴィッド(日本語吹き替え版)
糸博大司教コスモ・ラング(日本語吹き替え版)
宝亀克寿ウィンストン・チャーチル(日本語吹き替え版)
山根舞エリザベス2世(日本語吹き替え版)
浦山迅(日本語吹き替え版)
脚本デヴィッド・サイドラー[脚本]
音楽アレクサンドル・デスプラ
作曲ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト歌劇「フィガロの結婚」序曲/クラリネット協奏曲イ長調
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン交響曲第7番イ長調第2楽章/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ヨハネス・ブラームスドイツ・レクイエム
編曲アレクサンドル・デスプラ
撮影ダニー・コーエン[撮影]
ザック・ニコルソン(カメラ・オペレーター)
製作総指揮ジェフリー・ラッシュ
ハーヴェイ・ワインスタイン
ボブ・ワインスタイン
配給ギャガ
美術イヴ・スチュワート(プロダクション・デザイン)
ジュディ・ファー[美術](セット装飾)
衣装ジェニー・ビーヴァン
編集タリク・アンウォー
字幕翻訳松浦美奈
その他アレクサンドル・デスプラ(指揮)
あらすじ
現イギリス女王エリザベス2世の父君、ヨーク公(コリン・ファース)は、幼い頃から吃音障害に悩まされていた。夫の苦悩を見かねた妻エリザベス(H・ポナム=カーター)は、オーストラリア人の言語矯正専門家(J・ラッシュ)を探し、型破りな独自の治療法が始まる。折りしも父王の薨去、兄王エドワード8世(ガイ・ピアース)は女性問題で退位を表明。意に染まぬ王位が彼に巡って来る。迫り来る第二次大戦への不穏な時代の流れの中、イギリス国民は王の力強い「スピーチ」を求めていた・・・。2010年度米アカデミー賞主要4部門を制覇。
ネタバレは禁止していませんので
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【クチコミ・感想】

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156.《ネタバレ》 「オスカー獲るほどの映画か?『ソーシャル・ネットワーク』の方がいいじゃん」という批判があったことは承知してますけど、まあこれはこれで良かったんじゃないですか。作品賞はともかくとしても、演技賞は三人とも受賞すべきだったのは間違いなしです。とくにジェフリー・ラッシュ、なんか怪しげなところもあるライオネル・ローグを絶妙な演技で表現していて、脱帽です。コリン・ファースが手に汗握るスピーチをしている前で、始めはまるでオーケストラの指揮者の様に奮闘していたラッシュが、最後には王の言葉に打たれて畏敬の念を示してゆくのはホント名シーンでした。そしてバックにベートーベンの交響曲七番第二楽章を流されては、もう泣くしかありませんでした。 余談ですが本作の日本版予告編は予告編史上に残る大傑作だと思います、これだけで泣けます。
S&Sさん [DVD(字幕)] 8点(2011-11-16 20:54:41)(良:4票)
155.《ネタバレ》 役者の演技と、堅実な構成が見事。
言語聴覚士や、実際に障害のある方が勇気をもらえることも間違いないでしょう。
吃音の方は、「どもらないようにとあせる」「失敗しないようにと緊張する」ことが、さらなるどもりを生むケースが多いようです。
バーティが吃音を克服できたのは、ライオネルの治療が優れていたこともあるでしょうが、気兼ねなく、緊張せずに話せる相手がすぐそばにいたことが大きかったのだと思います。
ひたすら地味な映画ですが、じんわりと心に響く感動を提供してくれました。
◆日本版の広告にある「英国史上、最も内気な王」というのはちょっと違うと思います。
内気と吃音障害は全くもって別のものですし、映画を観ると主人公は内気でないばかりか、むしろ感情を抑えきれない激情の人物です。
それとは関係はありませんが、他にも「自閉症」という言葉もよく「ひきこもり」と勘違いされるケースが多くありました。
広く宣伝をする方たちが、誤解を与えるような表記をするのは止めてほしいものです。
ヒナタカさん [映画館(字幕)] 8点(2011-03-03 19:12:16)(良:4票)
154.《ネタバレ》 個人的な話で申し訳ありません。忘れもしない、小学五年生の始業式。新しいクラス替えの自己紹介の際、当時からめっちゃ緊張しぃだったせいで思いっきりどもりまくって、何言ってるか自分でもわかんなくなってしまった経験があります。教師からは、「お前、言語障害か?」と、皆の前で心無い言葉を浴びせられ。まだ「言語障害」という単語も知らず、帰宅して国語辞典で調べました。以来、このトラウマで「人前で話す事」が嫌で嫌で「また、俺どもるんじゃないだろうか・・・」って不安といっつも格闘してました。これはそんな暗い思春期を過ごした、自分とオーバーラップするような、気弱なイギリス国王ジョージ六世の物語。予告編を見た時から絶対観たいと思ってた作品。とにかく、コリン・ファースの、役者として円熟期を迎えた演技にまず圧倒されます。王族としての誇り高きプライド、父親としての娘への愛情、唯一弱さを見せられる存在である妻への甘え、兄王への複雑な思い・・・。彼の一挙一動は、この国王のキャラクターをあざとくなくごく自然に、余すところなく表現していましたね。一番肝になるクライマックスの「スピーチ」後の、バルコニーに立つ彼の表情には国王としてのみならず一人の男として、確固たる自信が漲ってました。いやいや、ここは感動した~カッコ良かった~。自分の恋愛映画№1作品『追憶』でも、「ウィンザー卿とシンプソン夫人との結婚」ネタが効果的に使われていましたが、へえぇ~こういう事情だったのかと、改めてイギリス王室近代史のお勉強をさせてもらった気分。脇のジェフリー・ラッシュとヘレナも含め、役者の演技を堪能する映画ではあるんですが、どうも演出が役者の演技水準までに達していないという印象も。各カットごとに、もう一呼吸欲しいと感じた箇所が幾つか。自分も、もともとの左利きを、幼少時無理矢理右利きに変えさせられたクチ。だもんだから、あの頃「どもり」に悩まされたのかあ・・・と。場数を踏み、いつしか「どもり」は克服はしたものの、私の緊張しぃは今現在でも変わりませんが・・・(汗)祝!!アカデミー最優秀主演男優賞受賞、コリン・ファース!
放浪紳士チャーリーさん [映画館(字幕)] 8点(2011-02-28 10:56:45)(良:4票)
153.《ネタバレ》 私は真面目すぎるのかもしれない。だが英国王がファック、チンポ、オッパイ、それはないだろうとおもった。それとも私の字幕が異常だったのか?仮にこれが真実に基づいたものであってもあまりに下品すぎる。日本の「テンノウ」で同じことをやってみせたらおそらくネトウヨは怒る。いや日本の全国民が激怒する。だからイギリスは寛容すぎるとおもった。吃音といえば日本人ならばやはり三島の小説「金閣寺」を連想します。吃音は自意識が過剰になる。自分が憐みの目で見られるのは吃音のせい、自分が好かれるのも吃音のせいで同情されているから。自意識の塊だった三島だからこそ生まれた奇跡の物語でした。しかしこの映画の吃音に対する心理描写は決して深くはなく、単にチンポと叫ぶ王様のキャラの一面として紹介しているだけでした。残念なことに私はその王様が好きになれませんでした。下品という理由だけではありません。彼は雇った平民に意見されたために激怒し、平民の父親の卑しい身分を持ち出して罵倒、その後、せっかく謝りにきた者にたいして、「王の謝罪を待つ者は長く待たなければならない」とあの腐ったセリフ。おまえ、何様だよ?もちろん王様だろう。オッパイと叫ぶクソ王様だ。聖人君子とは程遠い単なるバカ男だった。やるせない思いで映画を見終えたあと、私は冷静さを取り戻して静かに考えた─。今の不景気で暗い世の中において、誰が国民を勇気づけるメッセージを送れるか?国の王様か?テンノウか?それとも増税大魔王の野田首相か?または鈴木イチローか?なでしこか?自問自答による問題提起は2秒で結論が出た。やはり身分の高い人よりもスポーツ選手が国民に希望と誇りをもたらせてくれるとおもった。高貴な身分だけでは人は人を感動させることはできない。

花守湖さん [CS・衛星(字幕)] 1点(2012-05-06 22:46:36)(笑:3票)
152.《ネタバレ》 幼い頃から、自分を主張できない立場。利き腕さえ矯正されるほどに。未だに愚かな王である兄を擁護してしまう性格に。それらの抑圧を解き放った「友人ライオネル」の献身と、彼との絆を断ちきらなかったバーディの友情。完全にではないが、徐々に症状が軽くなるのと共に、バーディ・ジョージ6世の表情が自然に豊かになってきている。そして当初、自信のない「恐る恐る」の顔だったバーティの顔が、ついに開戦スピーチの後に国民に手を振るカットでは、実に自信に満ちた顔になっている。
自分の気持ちを、話したい相手に話し終えた満足感が見て取れる、いいカットだった。実際にはこの後もまだ、ライオネルの指導は続いたようだが、ここで物語を終えて正解。この顔を見て、もう大丈夫、と思った。そう、思った時点でこの映画は成功したと言えるだろう。
非常に地味だが、変に難解さが無くて、そして演説研究の大家・ヒトラーを引き合いに出してはいるが、イデオロギーじみておらず、いい映画だと思う。
Tolbieさん [DVD(字幕)] 6点(2011-09-25 17:59:21)(良:3票)
151.演出がこなれていて、たいそう面白いのだがあまりに中身が無い。ナチス党大会でヒトラーに熱狂する人々と最後にスピーチを成功させてバルコニーに立った英国王に拍手する人民は本質的に同じ。そうした点に対する葛藤が一切ないのはちょっとひどい。このテーマでそこらへんを語らなければ、連合軍側の戦意高揚映画といわれてもしかたがない。それでいいのか?
皮マンさん [映画館(字幕)] 4点(2011-09-19 20:57:04)(良:1票)(笑:2票)
150.《ネタバレ》 ジョージ6世はイングランドでWW2を語る上で、避けては通れない人物の1人です。彼が非常に苦悩したと言われる吃音をテーマにして、これほどの凄い映画が出来るとは思いませんでした。正直、もうちょっと吃音を直す努力のシーンが中心になると思っていたのですが、そうしなかったことで、ジョージ6世の王位に就くまでの苦悩と絶望感が見ているあたしには、ひしひしと伝わってきました。特に凄いなとあたしが思ったのは彼が英国王となる事が決まり、際に二人の娘を抱こうとした時に二人の娘が貴婦人の礼をしてみせた瞬間でしょうか。これは辛いよね、あたしは王妃の前で無く彼よりも、ここのシーンで泣けてしまいました。この場面が彼の望まざるべくして英国王になってしまった彼を絶望の縁に追いやった瞬間だったと思うからね。それ故なんだろうけど、ラストのスピーチは圧巻でしたね。王が吃音者であるというのが判っているからこそ、それまでの苦悩する彼の姿とそれでも敢然と立ち向かう姿をだぶらせ、あのスピーチだけで緊張と感動があるんだよね。そしてスピーチが終わって、もう一度感動できるのは、それまで対等の立場で接してきたジョージ6世とローグが愛称ではなく、名前で呼ぶことで王と臣民としての立場を明確にし、同時に二人の王女に抱擁した所にあったと思います。これは王と、家族の両方の関係を正常に戻せたという事で、これが本当の意味で英国王になった事を示した部分であるからだと感じますね。
奥州亭三景さん [映画館(字幕)] 9点(2011-02-28 12:42:41)(良:3票)
149.《ネタバレ》  自分自身が幼少期より吃音に悩まされてきたので、非常に興味深い内容です。とは言え、吃音だけで2時間ひっぱるのはさすがに長い気がします。全然吃音良くならないし。
 それに、バーティ(ジョージ6世)という人間が好きになれないというのが致命的。好意的に見れば『人間臭い』。ですが『ザ・権力者』的な、まさに上から目線の発言の数々。すぐに起こすヒステリー。とても人格者とは思えないのですが、『立派だ』『王にふさわしい』との周りの評価に首をかしげます。
 ローグや奥さん、周囲の人間はみな素晴らしかった。大勢の人間に愛され、支えられ、バーティは恵まれていると思います。だからこそ、バーティの癇癪や八つ当たりにちょっと引いちゃったりするわけです。でもクライマックスで、バーティがローグを教会から守ったシーンはバーティの善良さや聡明さを感じて、ちょっと見直しちゃったりもします。
 とゆーことで、イライラすることもありましたが、実話系ドラマとして面白いプロットでした。
 私は『ア行』『ハ行』で始まる言葉で吃音が出やすい。学生の頃は特に酷くて、返事の『はい』で吃っちゃうわけです。結果『はい』が言えずに欠席扱いにされ、後で職員室に行って怒られるという苦いエピソードもあり。本当に吃音ってのは周囲の理解が得られないものです。ですので奥さんの『ステキな吃音。幸せになれそう。』の発言には、心から救われます。うちの妻は私に吃音が出ると笑い転げています。
たきたてさん [DVD(字幕)] 6点(2019-07-07 12:17:55)(良:2票)
148.《ネタバレ》 吃音症である私にはオープニングの声がでない歯がゆさはよく解ります。というより、吃音症でない方には、この辛さは絶対に解りません。緊張して少しどもるのとは訳が違います。今まで吃音症に重点を置いた作品は鑑賞したことがなかったので、少し斬新でしたね。最後は上手くスピーチできてましたが、ローグが側にいてくれる安心感が大きい。それとローグのリズミカルなジェスチャーによって、見事成功に導かれたということでしょう。吃音症の人でも独り言やカラオケでどもることは少ないし、家族や恋人の前ではあまりどもりません。ジョージとローグの信頼感によって吃音症と共に生きていく選択をした国王。吃音症の克服には理解者が多いにこしたことがありません。ちなみにスピーチの内容は全然、頭に入ってこない。そんなことはどうでもよいのです。国王と吃音症との戦争を描いた実話ものです。吃音症の方は少し勇気がでるかも。
マーク・ハントさん [地上波(吹替)] 5点(2014-01-08 14:49:32)(良:2票)
147.《ネタバレ》 王族の話、しかも実在したジョージ六世の伝記映画と聞くと平民には分かりにくそうな話の気がしますが、実際に観てみるとストーリーが一種の主人公の成長物語となっており非常にオーソドックスなお話で大変面白かったです。なんせ主人公のジョージ六世は吃音症に悩まされながらも、あの歴史上でスピーチの天才の一人に数えられるであろうヒトラーに打ち勝たなければいけないんですから。そうでないと国民の士気はどんどん下がり、戦争にも不利になってしまう。そんな吃音症を患うジョージ六世をコリン・ファースが熱演、アカデミー賞受賞に恥じない名演技でした。また個人的には彼の吃りを治療するローグを演じた名優ジェフリー・ラッシュのいつも人を食った様な演技が素晴らしかったと思います。彼がアカデミー賞を獲れなかったのは非常に残念です(調べてみたら獲ったのは『ザ・ファイター』のクリスチャン・ベールだったんですね。ものすごいレベルの高い助演男優賞争いだったんだんですねえ)。とにかくその位、役者の演技が魅力の作品でした。では演劇的なシーンばかりかというとそんなことは無く、広角レンズで下から撮ったり、吹き抜けの家を真上から映したり、ジョージ六世が踊りながらスピーチの練習をするシーンはカメラも一緒に回ったり。カメラの面白さの極致はハイライトとなるスピーチの場面。ジョージ六世とローグを交互に映しながらスピーチは進みますが、殆どの画面には必ずスピーチの象徴であるマイクが画面前面に写り込んでいる。つまりこの場面は必然的にテイクをバラバラに撮ったことになりますが、全くそんな編集を感じさせないスピーチになっていました。凡庸な監督なら一つのセンテンスを纏めて適当にパンでもしながら撮っちゃいそうなものです。そんな風に画面の動きを楽しめる部分も多く、監督賞をトム・フーパーが獲ったのも納得でした。監督としてはまだ年齢では中堅ですのに、これだけの名優のコントロール、カメラワークの面白さ、効果的な音楽の使い方。次回作の『レ・ミゼラブル』への期待が高まります。
民朗さん [DVD(字幕)] 8点(2012-11-23 19:31:22)(良:2票)
146.《ネタバレ》 国王としての地位が、一種の職業と考えれば、望んで就いたか否かは別にして、その職におけるプロとしての自覚があったかが評価の分かれ目となる。戦争に臨んで、国民の気持ちを一つにすることがリーダーの勤めの一つであり、国民に直接語りかける演説はその重要な手段である。演説と言えば、ニュースフィルムで流れるヒトラーの演説を観て、娘達でさえ上手いと評価している。方やジョージは残念ながら見劣りしてしまう。今の我々が見ても、確かに生まれ持っての才能の差はいかんともし難いと思うほどだ。しかし、この作品は、表面だけで物事を判断してはいけないと語る。国王としての自覚を持ち、ハンディを克服する努力をし、準備を怠らなかった彼こそが、真のプロフェッショナルなのであって、だからこそ、国民はその演説に感動したのだと。誠実さ、謙虚さ、ひたむきさこそが大事であり、自らの立場に真摯に向き合う姿勢こそが人々を感動させるのだ。
パセリセージさん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-09 22:30:45)(良:2票)
145.《ネタバレ》 役者それぞれの魅力がとても発揮されてたんじゃないでしょうか。バーティーとローグの掛け合いは楽しく、時に心の友の様にバーティーの子供時代の話を聞くしっとりとした場面もとても良かった。ヘレナ・ボナム・カーターのお茶目で可愛らしい雰囲気もすごく良かったし、こういう伝記映画は敬遠しがちだけど退屈せずに見れましたよ。吃音でろくにスピーチも出来ないという、普通に喋れる人達からすればそう大した問題ではなさそうだが、ラストのあのスピーチは散々訓練して、困難を乗り越えた後に訪れた最大の山場だったのでとてもドラマティックでしたね。見応えありました。
mikiさん [CS・衛星(吹替)] 8点(2012-03-27 22:11:30)(良:2票)
144.吃音ってもぴんときにくいけど どもりだよね 
日本ではこれが元で金閣が燃えたそーな 
米国?ではスキャットマンが誕生したんだとかそーでもないんだとか
 
これのどこが大変かってーといまだに原因不明 
だいぶよくなったと思って油断してたら突然ひょっこり顔出してNGワードができたり
なんつってもおもしろいこと思いついてドキドキしちゃったらいいタイミングで言えなくなる 
そしてクールなキャラ気取るしかなくなってくんだよね
 
まぁ そんなこんなに 王妃の『素敵な吃音 きっと幸せになれるわ』
 
ぐっときたぜっ!
 
最後のスピーチはロックだった
 
歌はうまくなくていいんだよ 
坂本九が我が子に言ったらしい 
うまくないからこそ伝わるものがある 
必死だった 戦争が始まる それの重さじゃない どもりであるが故の必死さが偶然にも人々の心を打つ演説になった 
感動もするがなんともドラマチックな話 
 
けど どもり持ちな僕には王妃のあの一言が何よりもよかった
おでんの卵さん [DVD(字幕)] 8点(2012-03-27 02:19:50)(良:2票)
143.これはもう「あがり症の王様」って設定が秀逸で、実話なんだろうけど、よくぞ取り上げた。人生のほとんどを公式の場にいる王族が吃ったら、そりゃ地獄だわな。職業が「公人であること」なんだもん。普通の対人恐怖症は「笑われる」ことを気に病むんだけど、彼の場合は「哀れまれる」という地獄。だから彼が気の毒だという視線が、さらに彼を傷つけてしまう。大観衆の視線から先祖の肖像画までが脅威となって迫ってくる。転職も出来ない(兄貴に先を越されてしまった)。脅威の対象だった一般市民との間に、次第に友情が育ってくるところがポイント。映画は結果が分かっている展開を、淡々と進んでいった。それが物足りなくもあるが、たとえばもし「演説の天才ヒットラーに対する怒りによって流暢に語れた」なんて話になったら、それはそれで安っぽく感じてしまっただろう。こういう「人生の不安」に対しては特効薬はなく、彼のようにただただ匍匐前進していくしかないのだ、という勇気をたたえる物語でいい。それにしても先代の王様が卑猥語を狂ったように叫ぶ映画が作れる国はいいなあ。もし昭和天皇が卑猥語を叫ぶ映画を日本で作ったら(あの人も幼少時にプレッシャーきつかったのか、しゃべりが流暢ではなかった)、街宣車が走り回ってスクリーンはズタズタにされるんじゃないか。
なんのかんのさん [DVD(字幕)] 6点(2011-12-11 09:53:12)(良:2票)
142.《ネタバレ》 ジョージ6世の吃音症は幼少時に味わった辛酸の後遺症であり、誰にも吐露出来なかったのです。苦しみを背負いながらも、妻子を愛し、ノブレス・オブリージュの精神を持ち合わせている彼が、掛け替えのない友を得て克服に励み、国難に際してのスピーチに臨む。単に原稿を立て板に水の如く読むのではない、一語一句を自身の思いとしてマイクの向こうのラジオの前の国民に語り掛けている。言葉の重みを痛感させられる作品です。コリン・ファースはまさに適役でした。
The Grey Heronさん [映画館(字幕)] 7点(2011-05-19 20:11:37)(良:2票)
141.《ネタバレ》 ここ何年もの間、どれもこれも私には受け付けない映画きりアカデミー賞作品賞に選ばれている。大勢の人間が殺されたり、病死したり、凄い映像だけで中身スカスカの超大作ばかりを選ぶアカデミー賞にはうんざりさられぱなしである。果たして今回は?やっとまともに受け入れられる映画に出逢った。題材そのものは最近のアカデミー賞受賞作品の中では地味である。お金もかけていないであろう!しかし、映画は金さえかければ良いというものではない。素晴らしい脚本と素晴らしい役者達の演技が凌ぎをけずれば例え地味でも素晴らしい映画は撮れるというお手本のようにこの映画は脚本もしっかりしていれば役者の演技も素晴らしい。吃音に悩まされ、好きでもないのに国王にならざるを得ないジョージ6世を演じてるコリン・ファースとそれを支える素晴らしき妻を演じているヘレナ・ボナム=カーター、更にはジョージを励まし、応援し続けるローグ(ジェフリー・ラッシュ)の三人が演説の為の練習をする場面のちょっとした笑い、国王へとなったジョージのスピーチを緊張をほぐそうと眼の前で聞きながら優しく手伝うローグの姿に感動しました。感動したと言えば私が一番感動したのは妻のジョージからの二度のプロポーズを断った理由と受け入れた理由を話す場面、政治家の妻となることよりも吃音のことに対する言葉の美しさ、吃音というものを否定しない。それ所か全て受け入れて一緒になることを選んだ事の素晴らしさ、人は色んな人に支えられながら生きている。それを見事に描ききって見せたこの映画に作品賞を与えたことが私は本当に嬉しい。これからもこういう人間の持つ素晴らしさを描く作品、大人の映画に出逢えることを期待したい。
青観さん [映画館(字幕)] 9点(2011-04-10 14:28:35)(良:2票)
140.能力があれば誰でも王になれるわけではなく、またなりたくもないのに王にさせられる人もいる。 エリザベス女王の父ジョージ6世は「悲運の代理王」のイメージだったけれども、それを大きく覆す作品。 自分に不相応と思える場を与えられた人誰もが感じるであろう戸惑いと陰の努力を描いて衒いなく、洒脱なユーモアをまぶして踏み外さない。 インディーズでそれほど豪勢に金がかけられていないのも「しょせん王族の話」との冷ややかな見方もされにくいだろう。 父ジョージ5世がいみじくものたまうように王室という場所で仕事をする人の話。 コリン・ファースはどちらかといえば寡黙な役が多かったように思え、それゆえバーティが必死に言葉をつぎしゃべろうとする姿は新鮮に映り、最後のスピーチは感動的で新たな代表作に。 ともすれば自虐に陥りやすい王を友人として理解し導くライオネル(彼も舞台俳優として挫折を味わっている)のジェフリー・ラッシュは見せびらかすことなく巧み、始めは王が平民の自分に歩み寄ることを求め、最後には自ら一歩退くライオネルには引き際を知る人の清しさがある。 クレジットではファースとラッシュの名が横に並び、この二人三脚の映画にふさわしい。 芸暦長いヘレナ・ボナム=カーターは近年のバートン作品とは違う顔を見せ、愛情深く聡明な王妃。 王と療法士が親しく呼び合うのを内心快く思わぬ彼女が最後にライオネルを名前で呼ぶのは、深い感謝の表れ。 「高慢と偏見」でファースの相手役をつとめたジェニファー・イーリーが、ライオネルの妻として姿を見せるのも嬉しい。 映画の中で幼い王女として登場するエリザベス女王も鑑賞され、愛する父がこのように描かれたことに懐かしさと共に誇らしく思されたのではないかと思う。
レインさん [映画館(字幕)] 8点(2011-03-10 02:01:46)(良:2票)
139.バーティとライオネル(敢えてこう呼ぼう)が2人っきりで部屋の中にいる。2人の関係に常に一定の距離感と緊張感を持たせつつも、台詞の中に込められたユーモアのセンスが素晴らしく、1シリング硬貨やプラモデルといった小道具の使い方も巧く、実に味わいのある笑いを生み出します。この緊張感と可笑しさのバランスが絶妙でした。この2人を演じるコリン・ファースの感動的な名演技は言うまでもなく、ジェフリー・ラッシュもまた賞賛されるべき素晴らしい演技でした。

初めて2人が出会った時の距離感のある関係から、その距離感を少しずつ詰めていく過程が、感動の味付けや音楽や演出は抑え気味ながらもユーモアを交えながら丁寧に積み重ねられていき、最後は実にいい感動があります。演じる2人の繊細かつ可笑しさのある演技も充分に堪能できます。

この2人のそれぞれの家族の関係とその温かみのある描き方にも家族の素晴らしさを十分に感じさせてくれるし、王である夫を支える妻を演じたヘレナ・ボナム=カーターも見事な好演でした。本作のように地味ながらもいい映画が本年度アカデミー賞の重要な4部門(作品・監督・脚本・主演男優賞)を受賞したことをとても嬉しく思います。
とらやさん [映画館(字幕)] 9点(2011-03-01 20:48:20)(良:2票)
138.《ネタバレ》 人が何かを乗り越える物語は映画に普遍するテーマのひとつ。そこには、当人と周囲の人の真剣な闘いがあるからストーリーも熱を帯びる。本作が乗り越えるべき課題は、ただ喋るだけ。しかし主人公が国王で、相手が全国民で、しかも本人が吃音症となると、その課題はとても深刻な問題に様変わりする。吃音が精神のストレスから起こる症状との自論を持つ施療家がその治療を試みる。メインとなる処方箋は自分が国王の友人になること。この二人の人柄と距離感が楽しく映画を牽引します。二人が喧嘩した後に「王の謝罪を待つ者は、長く待つ必要がある」なんて照れ隠しの台詞を国王が口にするシーンがとても微笑ましい。その二人の演技もさることながら、王妃を演じたボナム=カーターが絶妙でした。言うべきは言うけど、それ以上の思いやりを感じさせる役どころ。王妃である前に妻であり母であり、親近感たっぷりの姐御肌も見え隠れする。最近は「ハリー・ポッター」や「アリス」でエキセントリックな役を演じてましたが、本作では彼女自身が持つ存在感が優しさという形で遺憾なく発揮されていると思います。ドイツとの開戦スピーチが上手くいった時、私はボナム=カーターに感情移入していて、一緒に涙しました。アカデミー賞に最多部門でノミネートされていますが、テーマや品格という意味では受賞に値する作品であるという意見です。発表まで24時間を切りました。さて。 〈2012/2/28追記〉作品・監督・脚本・主演男優の4部門を獲得。最も獲って欲しかったボナム=カーターの助演は残念でした。でも、今後の彼女の映画がとても楽しみになりました。
アンドレ・タカシさん [映画館(字幕)] 7点(2011-02-27 12:21:06)(良:2票)
137.巡り巡ってきた望まぬ「王座」に対して、主人公の英国王が、妻にすがり泣く。

吃音症に悩む内気な王が、風変わりな聴覚士の指導と友情により、困難に立ち向かっていく様を描いた映画であるが、個人的なこの映画のハイライトは、このシーンをはじめとする、王とその妻の「夫婦愛」だったように思う。
自分自身に自信が持てない夫を、明るく、行動的に支える妻。その妻を心から愛する英国王の情愛が、具体的な表現で描かれるわけではないけれど、画面から溢れるように伝わってくきて、それで涙が溢れた。

吃音症のためまともにスピーチが出来ない英国王。その改善にあたった風変わりな言語聴覚士。内気な英国王を支える妻。
プロットは王道的であり、ベタだ。ただ、この三者の様を一流の俳優がとてもとても丁寧に演じ、その演技の様を監督がこれまた丁寧に切り取っている。

英国王を演じたコリン・ファースは、気弱だが確固たる責任感と使命感に立ち向かう王の様を、言葉を発する唇の端々まで丁寧に演じていた。
ジェフリー・ラッシュは、相変わらずの独特の存在感が役に合致し、まさに「名優」による「名演」だったと思う。
個人的に最も良かったのは、やはり英国王の妻を演じたヘレナ・ボナム=カーターで、“コルセット・クイーン”の呼称にふさわしく英国貴婦人のたたずまいをベースに敷きながらも、快活で夫への愛に溢れた王妃を好演していた。
この3人の名優の演技を、新鋭の監督が独特の構図で巧みに映し出したと思う。

派手さや驚きはないが、だからこそ映画としてのクオリティー高さが滲み出るように伝わってくる作品だったと思う。
アカデミー賞の「本命」の一つしてふさわしい、良い映画だ。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 9点(2011-02-27 10:25:05)(良:2票)
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【点数情報】

Review人数 156人
平均点数 6.65点
000.00%
110.64%
200.00%
310.64%
474.49%
52214.10%
63119.87%
75333.97%
83119.87%
995.77%
1010.64%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.72点 Review11人
2 ストーリー評価 6.64点 Review14人
3 鑑賞後の後味 7.07点 Review14人
4 音楽評価 6.66点 Review12人
5 感泣評価 5.58点 Review12人
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【アカデミー賞 情報】

2010年 83回
作品賞 受賞 
主演男優賞コリン・ファース受賞 
助演男優賞ジェフリー・ラッシュ候補(ノミネート) 
助演女優賞ヘレナ・ボナム=カーター候補(ノミネート) 
監督賞トム・フーパー〔監督〕受賞 
脚本賞デヴィッド・サイドラー[脚本]受賞 
撮影賞ダニー・コーエン[撮影]候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)アレクサンドル・デスプラ候補(ノミネート) 
音響賞 候補(ノミネート) 
美術賞ジュディ・ファー[美術]候補(ノミネート) 
美術賞イヴ・スチュワート候補(ノミネート) 
衣装デザイン賞ジェニー・ビーヴァン候補(ノミネート) 
編集賞タリク・アンウォー候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2010年 68回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)コリン・ファース受賞 
助演女優賞ヘレナ・ボナム=カーター候補(ノミネート) 
助演男優賞ジェフリー・ラッシュ候補(ノミネート) 
監督賞トム・フーパー〔監督〕候補(ノミネート) 
脚本賞デヴィッド・サイドラー[脚本]候補(ノミネート) 
作曲賞アレクサンドル・デスプラ候補(ノミネート) 

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