35.《ネタバレ》 三部作の真ん中に位置する品なのですが、初代の焼き直し感の強い内容なのが残念でしたね。
逆に考えると「1を好きだった人なら問題無く楽しめる続編」なのですが、どうもマンネリっぷりを強く感じてしまいました。
理由の一端としては、主人公グループが「フィル、スチュ、アラン」の三人組で、前作と全く同じ顔触れだったのが痛いんじゃないかと。
ここは三人の中の誰かが行方不明になって、新キャラの天才少年テディが捜索側に回るか、あるいはダグも一緒に行動する形にしても良かったんじゃないかと思いますね。
作り手側としては「イケメン主人公のフィル」「頼りないけど知性派で、真相を解く探偵役のスチュ」「トラブルメーカーのアラン」の三人組が、バランスとして完璧という自負ゆえに、前作と全く同じ布陣にしたのでしょうが、流石に変化が無さ過ぎた気がします。
そもそも、スチュが結婚する相手がジェイドじゃなく、新顔のローレンって時点で(えっ、何で?)と思えてしまって、物語に入りきれなかったんですよね。
舞台をタイにする以上、仕方無かったのかも知れませんが、自分としては「タイが舞台である事」に必然性を感じなかったし、アメリカの田舎町かどこかでも良かったんじゃないかと思えたくらい。
スチュとローレンパパとの和解も無理矢理感があったので、もう少し自然な感じに仕上げて欲しかったです。
あとは、アランの嫌な奴っぷりが明らかにアップしている点もキツい。
両親に対して嫌味な態度を取る場面とか「俺は専業ニートなんだ」と偉そうにしている場面とか、本当ゲンナリしちゃったんですよね。
そんな描写が序盤にあった以上、改心して「これからは両親を大事にする」「ちゃんと働き出す」って結末になるんだろうなと思ったのに、それも無し。
前作の時点では、ここまで酷い奴じゃなかったと思いますし、アランが好きだった自分としては、かなり寂しかったです。
何だか欠点ばかりを書いちゃいましたが、それというのも、本作の良い部分って「答え合わせが、盲点を突かれた感じで気持ち良い」とか「エンドロールで明かされるパーティーの光景が楽しそう」とか、前作にあったのと同じ良さだったりするので、改めて本作の感想として書くのが、ちょっと難しいんですよね。
それでも、あえて本作独自の長所を挙げるなら……
「マイク・タイソンやチャウの再登場が嬉しい」「テディが指を失ったのは可哀想だけど、実は自業自得だったと分かり、思わず笑っちゃった」とか、そのくらいになりそう。
総合すると「それなりに楽しめた」「続編としては、そこまで悪くない」って感じになりますし、点数を付けるなら、決して低くはならないんですが……
自分としては、物足りない印象が残る一本でした。